佐藤さんの映画レビュー・感想・評価

佐藤

佐藤

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.7

自分自身の生活において、本当に必要なもの、大切なものは何か

アインシュタインと原爆(2024年製作の映画)

3.8

最終的にアインシュタインが科学者として説くのは、自然を解明するという科学的な領域の進展だけではなく、倫理観の醸成の大切さだった。

倫理および思想的基盤をナショナリズムのみに依ったナチスをはじめとする
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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

3.8

人間の進化(突然変異)が取り締まられる未来像。初っ端から独特すぎる世界観が突きつけられるので、柔軟に受け入れる必要がある(クローネンバーグファンには言うまでもない)。

個人的に、作中で当然として語ら
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.7

これまでのジブリ作品の諸要素を凝縮させたようなインパクト満点のアニメーションで、楽しい作品だった。

実母から託された『君たちはどう生きるか』を契機としてスタートする主人公の冒険譚。読むなかで流れた眞
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.0

ストーリーには素朴さを感じられるが、一方でところどころに象徴的なシーンがみられるため、鑑賞する側はそれら記号というかメタファーを読み解いていく必要に迫られる。

新鮮で現代的な構成の秀逸さゆえに、どこ
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ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)

3.4

思っていたのとは少し違った。

哲学を参照して教育に活かすという点ではたいへん尊敬できるが、ところどころ従来にもよくみられる抑圧的なフレーズが子どもたちに投げられていた。ただ感情のコントロールを目標に
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.1

自己責任論をはじめ、新自由主義的なイデオロギーのもたらす末路が貧困問題にフォーカスしてあまりにも明晰に描かれた作品。

あらゆる諸関係を分断して個別に一事象を考えるのも時には必要かもしれない。けれども
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少女邂逅(2017年製作の映画)

3.9

性別は違えど、自分にもいえるようなことが作中に何度か出てきた。
それゆえにちょっと観るのが苦しくもあったが時間を置いてまた鑑賞したい。
あらためて深く自省してみようと思いました。

怪物(2023年製作の映画)

4.8

テーマはセクシュアルマイノリティや学校での教育体制についてだが、SNSの普及に伴って強化された外野の視点(とそもそもの単一的な物の見方)にくわえ、おとな/子ども構造への批判もなされているように感じた。>>続きを読む

イレイザーヘッド(1976年製作の映画)

3.8

舞台の雰囲気やモノクロの陰影は、UKインダストリアルテクノだったりダークアンビエント/ノアールジャズ等のモチーフになっているのかなという感じがした。

シュルレアリスム映画における代表的な作品というこ
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スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)

3.8

諸々のイデオロギーに対して勢いよく逆張りをかますA24発のコメディ作品

ユーモア、というかシュールなおふざけ要素は冒頭でもう突き抜け切ってた。

結果的に青春ストーリーに話は向かっていくが、そもそも
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