LEONkeiさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

LEONkei

LEONkei

映画(3179)
ドラマ(1)
アニメ(0)

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

3.3

もし楽園があると知ったなら可能性を信じ例え困難な道のりでも行くべきか、或いは何か物足りないと感じながらも平々凡々と留まるのか。

どちらを選択しても正解でも不正解でもないが、日常の物足りなさを埋めるに
>>続きを読む

ストレンジ・ワールド(1965年製作の映画)

2.0

この映画の何がストレンジかと言えば4つのオムニバス作品の製作年もバラバラで、各物語の共通性や4名の監督をひとつの作品にまとめた事が奇妙でならない。

確かに単体としては物足りず作品の出来不出来に差があ
>>続きを読む

乾いた花(1964年製作の映画)

3.8

立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花、空々漠々の乾いた花は二度と甦らないのか…。

萩に猪、紅葉に鹿、牡丹に蝶、猪鹿蝶の影さえ踏めず一身を死神に託し地獄絵図を凝視する。

望むものを模索しても望む
>>続きを読む

トスカーナの幸せレシピ(2018年製作の映画)

2.0

美味しいものには味がある。

料理も人間も微妙なさじ加減で魅力は劇的に変わるものだが、どちらも味がなければ美味しくもなんともない。

正論や理屈ばかりをぐだぐだ言っても味気ないものには魅力はない。
>>続きを読む

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

3.8

負と負が結びつけば灰色の固いコンクリートに負の塊がコロコロと転がり巨大化する、支えようにも支えられず自分では手に負えない負の連鎖地獄に堕ちる。

似たような負の境遇に惹かれてしまうのは運命でも偶然でも
>>続きを読む

生きる LIVING(2022年製作の映画)

2.2

美味いものを食べても酒を呑んでも女を抱いても友人と馬鹿話をしても真に楽しめないのは、行為が済んだ其の後に明日(未来)のことを考えてしまうからに他ならない。

では何故幼い子供は無邪気に楽しむことが出来
>>続きを読む

アントニオ猪木をさがして(2023年製作の映画)

3.3

虚構に溺れ現実に失望したならアントニオ猪木を知れ、逆境から這い上がることを体現する生き様を。

人間は何の為に生き何故闘わなくてはならないのか、生ける屍に蝕まれたその魂は存在するのか。

そして何故い
>>続きを読む

惑星ソラリス(1972年製作の映画)

3.6

イメージの具現化、自分はそれだけの為に生きていると言っても過言ではない。

いま2023年が終わろうとし2024年が始まろうとしているこの瞬間に、なんの為に自分がこの時代に生きているのか自問する時期が
>>続きを読む

17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

3.9

人生とは分岐点が必ずあり選択に選択を積み重ね成り立っていると言っても過言ではないが、もし仮に選択肢がない或いは選択肢があっても選択しない人生なら不幸なことだ。

だがしかし時として選択肢があっても選ぶ
>>続きを読む

スカイ・ハイ(1975年製作の映画)

2.5

千の顔を持つ男メキシコのマスクマン〝ミル・マスカラス〟のダイビング・ボディ・アタックなど、それまでのプロレスの概念を超えた華麗な異次元殺法に美しい肉体美に魅了された。

そのマスカラスのテーマ曲〝Ji
>>続きを読む

メグレと若い女の死(2022年製作の映画)

2.0

メグレ警視と言えばパイプ愛好家でシンボリックなパイプは単なる道具ではない、その咥える仕草から閃きや苦悶がパイプに意志があるかのように演出している。

例え昇る階段で息が切れてもパイプの無いメグレはメグ
>>続きを読む

あるいは裏切りという名の犬(2004年製作の映画)

2.2

フランスを代表するベテラン俳優〝ダニエル・オートゥイユ〟と〝ジェラール・ドパルデュー〟の共演だが、もちろん様々な役柄を演じてきてはいるものの個人的に二人はコメディ色のイメージが脳裏に焼き付いてしまって>>続きを読む

氷点(1966年製作の映画)

3.8

罪なき罪人を裁くのは罪深い人々によって甚振られ、謂れの無い贖罪の意識に追い込まれる。


夫は我が幼な子を殺した犯人の子(赤ん坊)を義侠心から養子として引き取ると言う、普通に考えれば余りにも理不尽で残
>>続きを読む

ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

1.5

料理長の頭が沸騰しグツグツ煮え繰り出すと他スタッフにもグラグラと沸騰が蔓延、殺伐とした空気に情緒不安定な人間達に美味しい料理が作れるはずもない。

内容云々の前に短編映画ならまだしも長編映画としては前
>>続きを読む

多羅尾伴内シリーズ 復讐の七仮面(1955年製作の映画)

2.2

七つの顔を持つ男〝多羅尾伴内〟の決めゼリフ『ある時は片目のタクシー運転手、ある時は私立探偵(これが多羅尾伴内)、ある時は奇術師、またある時は中国の大富豪…しかしてその実体は……正義と真実の使者、藤村大>>続きを読む

サタンタンゴ(1994年製作の映画)

4.5

かくも長き道のりに時間的概念が不在成り、最高級昆布映画。

常に近道を歩くことは決して悪いことではない。近道とは自然や理性や良心に従うことで、地位や名誉や財産など人為的なものに惑わされてはならない。
>>続きを読む

ワルツ・オブ・ザ・トレアドールズ(1962年製作の映画)

3.0

個々に感情があるようにコメディは好き嫌いがハッキリでるから難しさはあるが、万人に受けるようなモノは個々の感情を蔑ろにし棘がなく自分は魅力も面白さも感じない。

そんな中でも自分は〝ピーター・セラーズ〟
>>続きを読む

柔らかい肌(1963年製作の映画)

4.2

視線の其の先に感情が存在する。

その視線の先の対象物を如何に察しどう感じて脳内で理解するかは、育ってきた環境と自らの積み重ねた経験と感性しかない。

感情の起伏は表面的な顔の表情だけで描写する必要性
>>続きを読む

アナザー(2015年製作の映画)

1.5

それがドッペルゲンガーかどうかは分からないが、自分もその幻想に戸惑ったことがある。

仕事先の人に『keiさん表参道のケヤキ並木通りですれ違いましたよね?』とか『銀座の◯◯で女の人と一緒でしたよね?』
>>続きを読む

血のお茶と紅い鎖(2006年製作の映画)

3.0

例えいま欲しいものが手に入らなくても大丈夫、ココロが貧しくなければ。


蛙先生の背術も蜘蛛女のクルクル巻きも骸骨頭の鳥のカタカタも奇奇怪怪だが、その一挙一動に愛嬌すら感じる欲と望の大人の御伽噺。
>>続きを読む

サディスト(1963年製作の映画)

3.6

ブルックリンからロサンゼルスへドジャースが移転しなかったらこの悲劇は起こらなかったかも知れない。

或いはこの平凡な教師たちにドジャー・スタジアムのチケットが手に入っていなかったら…。

はたまた10
>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

2.5

ポール・トーマス・アンダーソンらが亡き〝フィリップ・シーモア・ホフマン〟の息子〝クーパー・ホフマン〟を世に送り出す為のお披露目度合いの印象が強い作品。

P.T.Aにしては軽快で明快な脚本で誰もが通る
>>続きを読む

突然炎のごとく(1961年製作の映画)

4.0

モンマルトルの洗濯船(若手芸術家等が拠点としたアトリエ兼集合住宅)で芸術家と親交を深めることになる若者たち、原作者〝アンリ=ピエール・ロシェ〟の既成概念の否定・攻撃・破壊と言ったダダイスムの虚無感を描>>続きを読む

原子怪人の復讐(1966年製作の映画)

1.0

西暦2889年1000発の核爆弾(理由は不明)によって地球上の凡ゆる生物・人類は滅びるも、地形的に隔離された山里が功を奏し辛うじて生き残った一軒家の7人の行く末は…。

尺も短くまったく期待をせず気楽
>>続きを読む

囚われの女(1968年製作の映画)

3.5

服従は甘美な自己放棄、愛は関係ない。

例え拒否したとしても耐えられない屈辱や赤面の痴態を晒し垂れ流され、腑が煮え激る憤怒の限界に達しても、待ち受ける極上の快楽が全てを上廻ってしまう恥辱の屈服感。
>>続きを読む

憎しみ(1995年製作の映画)

3.9

幻日に酔いしれているから現実を見失うのか、或いは現実から逃避するから幻日に酔いしれているのか。

美しいものには毒が有り、美しいものは奪いたくなる。
その美しさが幻だと知らずに〝フルール・ド・リス〟に
>>続きを読む

美しき運命の傷痕(2005年製作の映画)

2.5

この世の中には反対が不可能な概念の必然だけならば息を吸うのも馬鹿らしく、食べて寝るだけのクソ面白くない人生に自分なら即刻終止符を打つだろう。

何の因果関係もなく予期せぬことが起こる偶然の積み重ねこそ
>>続きを読む

ルクス・エテルナ 永遠の光(2019年製作の映画)

3.5

ギャスパー・ノエが〝私が無神論者なのは神のおかげだ〟と言うならば、自分は〝私が無神論者なのは金木犀を貪っているおかげだ〟と自答する。

現実夢想の境界線を跨ぎゆらゆらと歩き迷走することは有っても、恐ろ
>>続きを読む

デカローグ デジタル・リマスター版(1989年製作の映画)

3.3

他人を見て幸せそうに見えたなら、それはとても不幸な考え方だ。

自分と他人を天秤に掛ける意味も計る価値も人間存在に理由はない、もし仮に天秤で計るなら表の自分と裏の自分を試せばいい。

自我の重みに耐え
>>続きを読む

ウィル・ペニー(1967年製作の映画)

3.0

若者(20歳前後まで)なら少しくらい羽目を外し、時には破茶滅茶に朝まで寝ないで遊び、欲望を解放し自由を謳歌するのが若さ故の特権。

決して犯罪行為や人を悲しませ迷惑をかけてはならないのが当たり前なのは
>>続きを読む

薄化粧(1985年製作の映画)

3.3

鬼畜の道理に理屈はなく本能に支配された下劣な肉の塊が彷徨う伊予二名洲、遁げる鬼畜の顔を薄化粧で濁し惑わすのは悪情と一理の涙か。

ダイナマイト爆破殺人及び妻子殺しで留置中に脱獄した殺人犯〝坂根藤吉(緒
>>続きを読む

スザンヌ、16歳(2020年製作の映画)

2.5

誰もが人生で一度だけしか経験できない初恋。

儚くもその恋は大抵実らず脆く崩れ世界の終わりが来たかのように撃沈するものだが、もう恋なんてしないなんて言ったか言わなかったか二度目の恋は必ず訪れる。

>>続きを読む

LOVE【3D】(2015年製作の映画)

3.3

愛とは晩夏の空に浮かぶ入道雲が秋の初風に流され千切れ千切れになったとき、燦燦と輝く太陽を背に42度の角度に見える彩雲の美しさに匹敵する瑞相か。

それが時間の経過と共に何もなかったように風で彩雲は掻き
>>続きを読む

その手に触れるまで(2019年製作の映画)

3.3

太陽系第三惑星〈地球〉に存在する人類は約20万年前から自然の恩恵を受け生きているが、その自然に反し逆らって生きている地球上唯一の生命体も人類である。

自然の摂理に反すればそれなりの代償を払わなくては
>>続きを読む

マラソン マン(1976年製作の映画)

3.3

古代中国では病気の主な原因は全て虫だと考えられていたところから、歯痛のことを虫歯と名づけたらしいが真意は分からない。

虫腹とか虫頭とは言わないし…。

この映画を初めて観たのは数十年前でもう二度と歯
>>続きを読む

相続人(1973年製作の映画)

3.0

生まれながらにして莫大な資産を受け継ぐ運命にある相続人は、次の相続人の為に生きることが最大の使命。

無限大の資産を相続し連日連夜の豪遊や贅沢三昧の散財をしても資産は一向に減らないのが本当の大富豪、そ
>>続きを読む