daisuKさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

3.5

カッコいい。

次々に切り替わる音楽と、車の疾走感が相まって、ノンストップで駆け抜けていく物語展開が心地いい。

映像に音楽を乗せているというより、音楽に映像を合わせているような。
1枚のアルバムを1
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ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

3.5

「生命」について考えさせられた。

「生命」の定義って、実は今でもあやふやらしい。
数ある定義の中で、一般的に広く認められている一つ「自己複製(自らと遺伝的に類似した子孫を残せる)」は神秘的な能力だ。
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勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

3.5

二度ふるえた。

一度目は「自分が好きになった人に好きになってもらいたい」という恋愛欲求が叶わなかったときの計り知れないダメージに。
二度目は「人は基本的に自分に対して関心を寄せていない」という事実を
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クローバーフィールド/HAKAISHA(2008年製作の映画)

4.0

もし、街に巨大不明生物が現れたら、一般人の僕たちはどんな体験するんだろう、って一度は抱いたことがある妄想を映像化したような作品。

一般人(主人公たち)が撮影していた何気ない日常映像のテープに、事件当
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監督失格(2011年製作の映画)

5.0

「死」を描いた(“収めた”というべきか)映像作品で、今作の右に出るものはない。

仕事でも日常生活でも、常にカメラを回し続けていた監督の習慣が、愛する人の死を目の当たりにする瞬間を映像に収めてしまう。
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キミとボクの距離(2016年製作の映画)

3.5

地球と火星の遠距離恋愛って、今までありそうでなかった話だ。

宇宙を題材にしたSFジャンルで、王道のボーイ ミーツ ガールもので。
別にオチを勘ぐる必要もない安心感と心地よさが、まるでディズニー映画の
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サバイバルファミリー(2017年製作の映画)

3.5

「文明が進歩するほど、人間は退化する」という言葉を思い出した。

食糧の確保、快適な寝床、早く移動できる手段や、遠くの人とコミュニケーションできる通信など、一つ便利なものが生まれると、それがなかった頃
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スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

3.5

世代交代を強く感じた。

思えば、スター・ウォーズは常に二項対立の物語だ。

エピソードⅠ〜Ⅲは、正義の象徴であるジェダイが悪の化身に転じるまでの経緯を描き、「正義」と「悪」の定義を問う物語だった。
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メッセージ(2016年製作の映画)

4.0

未知なるものに触れる瞬間は、いつもドキドキする。

非日常を求めて旅に出るのも、新しい人との出会いに興奮するのも、「宇宙」や「未来」に魅せられるのも、未体験の興味からくるものだ。
未知なるものへの“好
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ダンケルク(2017年製作の映画)

3.5

ずるい。
この映画に、真の意味で突き刺さったのはイギリス人だけだと思ったから。

だって、極限の戦地に向かった勇気ある民間人たちの血が、彼らの中に脈々と流れているのだから。
ダンケルクでの出来事が、後
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アイアンマン(2008年製作の映画)

4.0

男の欲望をすべて引っくるめて具現化したような映画。

お金持ちになりたいし、美女にモテたいし、周りから注目されたいし、最先端のメカニック機器をいじくりたい。
トニー・スタークはそれらをすべて持った男だ
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WOOD JOB!(ウッジョブ)神去なあなあ日常(2014年製作の映画)

3.5

仕事とは、自分のためではなく、誰かのために奉仕することなのだと思う。

「林業」はそれを体現したような仕事だ。
植林した木々は、製品になるまで何十年とかかる。
だから、自分たちの仕事の成果が分かるのは
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アフタースクール(2008年製作の映画)

4.0

爽快だ。
映画やドラマで主人公になりがちなキャラクターに対して「いやいや、この世界の主人公は違いますよ」と、何でもない普通の一般人が鮮やかに世界をひっくり返していく様が、僕たち一般人は観ていて気持ちい
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銀のエンゼル(2004年製作の映画)

3.5

北海道出身の監督が、北海道出身のキャストで、北海道のロケーションで撮られた稀有な映画。
でも物語の舞台は「コンビニ」という身近な場所。

考えてみれば、コンビニほど身近な存在で、特殊な場所はないと思う
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チャッピー(2015年製作の映画)

4.0

AIが人間と同じ“意思”や“感情”を持ったらどうなるのか?

この手の物語の出発点は、どの作品もほぼ同じだ。
「AIが人間に近づいていく」
この視点・ベクトルで描かれている。

この作品も同じで、特に
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僕と世界の方程式(2014年製作の映画)

3.5

人は、物事に“理由”と“答え”を求める。

誰かを好きになったとき。
なぜ彼女に対してこんな気持ちになるのか、この関係の行く末はどうなるのか。

自分と対象との関係性を明らかにして、答えを導き出そうと
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オクジャ okja(2017年製作の映画)

4.0

苛まれる。
“食糧”として育てられる生き物の命について、正しいあり方が見つからないから。

ただ、確かなことは、人間は相手に一度愛情を抱くと、その対象が人間でなくても・理由が何であれ、命を守ろうとする
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ゼロ・ダーク・サーティ(2012年製作の映画)

4.0

ラストシーン。
9.11米同時多発テロ発生から首謀者ビン・ラディン殺害までの約10年を、映画は追いかけ続けるわけだが、すべてがここに収束される。

ビン・ラディン殺害=事件解決ではない。
世界は平和に
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心が叫びたがってるんだ。(2015年製作の映画)

3.5

『人間は、行動した後悔より、行動しなかった後悔のほうが深く残る。』
行動経済学で有名な人間心理の一例だ。
映画を観て、この「行動」は「言葉にすること」に置き換えられると思った。

思っていることは口に
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アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場(2015年製作の映画)

3.5

“戦争”は現場ではなく、会議室で行われているのだ。

昔の某刑事ドラマの名セリフとは真逆のことを思った。
つまり、これはドローンといった最新テクノロジーが「現場」と「会議室」を限りなく近づけた、という
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エクス・マキナ(2015年製作の映画)

3.5

おもしろい・つまらないの二軸で語れない作品。
最初に湧き出た感想は「美しい」だった。

世の中には、“Yes or No”の二軸で語れないことが多くある。
グレーゾーン。
境界線が曖昧な物事に関して、
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思い出のマーニー(2014年製作の映画)

3.5

「狭間」を感じた。

アンナが暮らす家とマーニーの屋敷の“世界”の狭間。
アンナとマーニーの間にある“時間”の狭間。
アンナと他人との間に立ちふさがる“心”の狭間。

個人的に、この作品全体に漂う「日
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セレステ∞ジェシー(2012年製作の映画)

3.5

思い当たる節があると、グサグサくる系の恋愛映画だった…

「素直になること」の大事さに気づいた的なレビューが多く見受けられたのだけど、個人的には全く正反対の「我慢すること」のほうに目がいった。
作中で
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湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

3.5

「生きる」とは、自分ではない他人の心に「自分を残す」ことなのかもしれない。
それは、自分の行いがどれだけ他人に影響を及ぼしたかということと深く関わっていたりする。
それを「風呂を沸かすために薪火を燃や
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

3.5

「夢」は“見る”ものではなく、“追う”ものなのだと思った。

でも人が追い求めてる夢って一つじゃないんだよね。。
それでも一つ決めざるをえない。二兎追うものは一兎をも得ずだと分かっているから。
そして
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劇場版 ソードアート・オンライン オーディナル・スケール(2017年製作の映画)

3.5

このシリーズは「未来」の描かれ方が、どのSF作品よりも”こんな風になったら面白そう”感があるからワクワクする。

SFで未来への警鐘モノって、ターミネーターを元祖とした「優秀になっちゃったAIが愚かな
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ハッピーエンドが書けるまで(2012年製作の映画)

3.5

人生において大事なのは、“リライト(やり直し)作業”なのかもしれない。

この作品には3人の物書きが登場する。
彼らは三者三様に悩みを抱えていて、自分の人生(物語)のハッピーエンドを求めてもがいている
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ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります(2014年製作の映画)

3.5

「恋愛」という言葉があるけれど、“恋”と“愛”は明らかに何かが違う。

ふと思う。
「恋の物語」は多く触れてきたけど「愛の物語」ってあまり触れてこなかったような気がすることに。

そして、改めて気づく
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ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年製作の映画)

4.0

“派生”ではなく“補完”だと思った。

嬉しいことが2つあった。
1つは、本編とは異なる独立したスピンオフ作品と謳われながら、以後今作なしにエピソード4は観れないくらい本編と綿密に繋がっていたこと。
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シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

5.0

衝撃だった。

自分の中の『ゴジラ』が再定義されてしまったこと。
期待を遥かに超える面白さと、予想とは全く異なる物語展開だったこと。
極めて個性が強い、しかもアニメ畑の監督が創り出した作品が、シリーズ
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ルーム(2015年製作の映画)

3.5

目に映る「世界」がすべてではないよ、と言われた気がした。

この世界は果てしなく広い。
だから、誰しもが付き合う相手や行動範囲に一線を引き、少しずつ時間をかけて出来上がった「自分の世界」の中で生きてい
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何者(2016年製作の映画)

3.5

『言うは易く行うは難し』の言葉が頭をよぎった。

部活だったり恋愛だったり、”青春真っ只中”を描いた作品が多い中で、この作品は、”青春の終わり”が描かれていた。
青春の終わりって「現実を知る」ことなん
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SCOOP!(2016年製作の映画)

3.5

「仕事」というより「職業」の話じゃないかと思う。

新人(二階堂ふみ)も、ベテラン(福山雅治)も、週刊誌のスクープを追いかける「仕事」ではなく、その瞬間を写真で切り取る「職業」の面白さに気づいていく過
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怒り(2016年製作の映画)

3.5

「怒り」は、できれば味わいたくない感情だ。
だからこそ、この作品を通して普段避けている感情と向き合い、ルーツを知っておくことは大事な気がする。

人は自分と異なる人生を送ってきた他者のすべてを知る・理
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インサイド・ヘッド(2015年製作の映画)

4.5

「感情」は成長するのだということ。
この視点が新しい。

しかも「感情」をキャラクター化して脳内を冒険させることで、感情の成長が人を成長させるのだということを納得させちゃうあたり、最高にクリエイティビ
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レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)

3.5

情景が目を瞠るほど美しい。
モノトーンな冬の森の世界で、人間が生み出す炎や、植物の新芽など「生」を感じさせる色彩の鮮やかさたるや!

自然が「神なる存在」に見える瞬間があった。
「復讐のために、苦難を
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