猫脳髄さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

デビルスピーク(1981年製作の映画)

3.5

いじめられっ子が超常の力でいじめっ子に復讐するといえば、ブライアン・デ・パルマ「キャリー」(1976)を嚆矢とする。本作は陸軍士官学校を舞台にした男性版、そしてチビデブハゲブサイクオーファン>>続きを読む

悪魔のはらわた(1973年製作の映画)

3.4

アンディ・ウォーホルはほぼ名義貸しくらいの関与だそうだが、子飼いの監督ポール・モリセイがアングラ界隈のアイドル俳優ジョー・ダレッサンドロと当時売り出し中のウド・キアを担いだフランケンシュタイン翻案のゴ>>続きを読む

ナイト・オブ・ザ・コメット(1984年製作の映画)

3.7

トム・エバーハートといえば、本作と同年公開の「ソウル・サバイバー」が名作の誉れ高い(残念ながら未見)が、興行成績をみると、本作は予算比20倍超をたたき出したブロックバスターである。彗星(comet)の>>続きを読む

殺しのドレス(1980年製作の映画)

3.8

ブライアン・デ・パルマのスリラー作品は、ヒッチコック狂が過ぎて戸惑うほどだが、本作はさらに過熱して、画づくりはじめ異常なレベルに到達している。ヴィルモス・ジグモンドやリチャード・H・クラインら名撮影監>>続きを読む

ナイトビジター(1970年製作の映画)

3.3

Fimarksではイギリス製作となっているが、正確にはスウェーデン製作で、ロケ地はデンマークおよびスウェーデンである。マックス・フォン・シドーとリヴ・ウルマンという同国を代表する俳優に、トレヴァー・ハ>>続きを読む

人喰い魔神・裸女狩り(1986年製作の映画)

2.2

ひどい。とてもひどい映画なのだが、カニバル・エクスプロイテーション映画の系譜を辿るうえでいっておくと、製作年は1980年で、ルッジェーロ・デオダードによる「カニバル/世界最後の人喰い族」(1976)で>>続きを読む

炎のいけにえ(1974年製作の映画)

3.4

英米映画界から魑魅魍魎が跋扈するイタホラ界に転身した4大女優(※1)のひとり、「ノイローゼ担当」ミムジー・ファーマー主演で、シナリオは凡庸、描写は異常という、ちょっと他に類を見ない異色のジャッロである>>続きを読む

双頭の殺人鬼(1959年製作の映画)

3.1

日本ロケを敢行し、中村哲やジェリー伊藤など日本を拠点とする英語に堪能なキャストが出演する日米合作SFホラー。1950年代から60年代にかけて、マッドサイエンティストモノに怪人パニックを絡めた作品が洋の>>続きを読む

メイク・アップ/メイクアップ 狂気の3P(1977年製作の映画)

3.3

地位も家族もある40男のちょっとしたスケベ心が、とんでもない災厄を招いてしまったサイコ・スリラー。ホラー映画マニア、イーライ・ロスが何とキアヌ・リーブスを主役に「ノック・ノック」(2015)としてリメ>>続きを読む

愛欲の魔神島・謎の全裸美女惨死体(1972年製作の映画)

3.4

マリオ・バーヴァ「血みどろの入江」(1970)と合わせて、アメリカン・スラッシャー映画の誕生に影響を及ぼしたとされる、英国産ゴア調ミステリーである。

製作国を意識せずに鑑賞し始めたが、タイトルバック
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序曲・13日の金曜日(1981年製作の映画)

3.4

勝手な邦題で"13金"フランチャイズに繰り入れられてしまったが、当然何の関係もない。ちょうど「13日の金曜日 PART2」と同年の公開となったスラッシャー映画である。

ジェフ・リーバーマンはなかなか
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徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑(1976年製作の映画)

3.3

牧口雄二による2話オムニバスの残酷時代劇。前半は長崎奉行による隠れキリシタンへの苛烈な弾圧の模様、そして後半は足抜けした深川芸者とその女衒を待ち受ける凄惨な拷問と刑罰をストーリーの柱にしており、両者に>>続きを読む

女獄門帖 引き裂かれた尼僧(1977年製作の映画)

3.6

瞠目の怪作ポルノ。脈絡なく火事場でミイラ(即身仏)がズアッと立ち上がるとは、完全にダリオ・アルジェント「インフェルノ」(1980)じゃないですか。しかもこちらが3年早い(※)。男子禁制の尼寺を舞台に女>>続きを読む

怪奇!魔境の裸族(1973年製作の映画)

2.9

いわゆる食人族を扱った嚆矢に位置づけられるウンベルト・レンツィによるオリエント・エクスプロイテーション映画。ただし、イタリア語原題は「野生のセックスの国」、英題は「深い河から来た男」である。演出上、食>>続きを読む

キャビン・フィーバー(2002年製作の映画)

3.4

U-NEXTで配信が始まったイーライ・ロスがナビゲーターをつとめるホラー映画史ドキュメンタリー「ヒストリー・オブ・ホラー」シリーズ(2018,2020,2021)が素晴らしすぎて、ロスへのリスペクトと>>続きを読む

ヘルホール(1985年製作の映画)

2.0

サミュエル・Z・アーコフ率いるAIP(ただし、Arkoff International Pictures(※)。本家AIPは1979年に売却)謹製、精神科病院を舞台にしたセクスプロイテーション&スラッ>>続きを読む

オーメン(1976年製作の映画)

3.6

特集・Killer Kids 番外
(2024.2.17 再鑑賞)

「ローズマリーの赤ちゃん」(1968)以降、メジャー系も独立系も競って製作したオカルト・ホラーで、20世紀フォックスの代表格である
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愛欲のえじき(1970年製作の映画)

2.6

製作が1970年表記だが、公開は72年。この時代塩漬けはよくある話だが、本作の演出からして70年まで遡るかは疑問がある(実際そうだったら、ヴィンテージ的な意味でもう少し評価は上がるかもしれない)。プレ>>続きを読む

続・光る眼/宇宙空間の恐怖(1963年製作の映画)

3.5

特集・Killer Kids 番外

MGM英国スタジオが製作したオリジナル脚本による「未知空間の恐怖/光る眼」(1960)の続編にあたるSFパニック。やむを得ざる死者は出るにせよ、子どもたちがよりデ
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未知空間の恐怖/光る眼(1960年製作の映画)

3.8

特集・Killer Kids 9/9

MGMの英国スタジオ製作のウェルメイドなSFホラー。映画って80分未満でも十分語りつくせるという好例だし、特殊効果などに頼れない時代に、不可解なシチュエーション
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チャイルド・ゾンビ(1980年製作の映画)

3.4

特集・Killer Kids 8/9

これはキラー・キッズ特集にふさわしい珍作。「原発」といいはる実にテキトーなプラントから漏れ出した放射線(煙状に移動することなんてある?)に暴露したスクールバスの
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危険な遊び(1993年製作の映画)

3.9

特集・Killer Kids 7/9

マコーレー・カルキンとイライジャ・ウッドの2大子役スターが競演するサイコ・スリラー作品。特にカルキンは前年の「ホーム・アローン2」から打って変わって、冷酷なサイ
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白い家の少女(1976年製作の映画)

3.5

特集・Killer Kids 6/9

子役時代のジョディ・フォスターが、ほぼ等身大の少女役で主演した異色のスリラー作品。一種の不条理劇といっていいだろう。原作小説の作者レアード・コーニッグが脚本を担
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悪を呼ぶ少年(1972年製作の映画)

3.8

特集・Killer Kids 5/9

本作の脚本をつとめたトム(トマス)・トライオンによる原作を随分前ではあるが読了しており、重大なオチは了解したうえで鑑賞した。対照的な性格の一卵性双生児を主人公に
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チルドレン・オブ・ザ・コーン(1984年製作の映画)

3.2

特集・Killer Kids 4/9

キラー・キッズが脅威となる映画は大別してふたつにパターン化される。ひとつは「悪い種子」(1956)のローダのような狡知に長けたサイコパス型で、いまひとつは「ザ・
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小さな悪の華(1970年製作の映画)

3.0

特集・Killer Kids 3/9
(2024.2.11 再鑑賞)

1954年にニュージーランドで起こった少女たちによるパーカー=ハルム殺人事件(※)を材に脚色を施したスリラー作品。

貴族とブル
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スパイダー・ベイビー(1968年製作の映画)

3.6

特集・Killer Kids 2/9

後に「コフィー」(1973)や「フォクシー・ブラウン」(1974)といったブラック・エクスプロイテーション映画で名を馳せるジャック・ヒルによる愛すべきコメディ・
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