モキュメンタリー(フェイクドキュメンタリー)とホラーとは親和性が高い。劇映画の形式だと説明しがちかつ、説明を求めてしまいがちなところが、実録形式だと(当たり前なのだが)「映っているものがすべて」という>>続きを読む
ヨルゴス・ランティモスが長編ではじめて原作を採用し、脚本は「女王陛下のお気に入り」(2018)に続いてトニー・マクナマラが担当した。超広角撮影が印象的なロビー・ライアン、主演(本作では製作にもクレジッ>>続きを読む
チャールズ・バンド一味のエンパイア・ピクチャーズ謹製オカルト・コメディ。GhoulieとはGhoulやらDemonやらのシノニムらしく、まあそういう有象無象の悪タレである。前年のジョー・ダンテ「グレム>>続きを読む
うーん…これは評価に困ってしまう。一見、学園モノと屋敷モノを足し込んだ正調スラッシャー映画だが、異常に几帳面に段取りする一方で、横紙破りの設定やシーンが混ぜこぜになっていて困惑してしまう。これは果たし>>続きを読む
「怪物」が初めて口にした言葉、それは「パン(bread)」だった。言葉を覚えて間もなく酒とタバコを嗜むというなかなかの「悪ガキ」ぶり。さらには寝不足のフランケンシュタインに「働け…終わるまで寝るな…」>>続きを読む
(2024.01.29 再鑑賞)
「魔人ドラキュラ」(1931)に続き大ヒットを飛ばし、ユニヴァーサル・モンスターズの一大潮流を築いた金字塔であり、以降の「フランケンシュタイン(の怪物)」イメージや>>続きを読む
これはなかなかの拾い物。バイカー映画や「悪魔の追跡」(1975)を撮った監督・俳優ジャック・スターレットの変わり種ソリッドシチュエーション・スリラー。マスターの状態が悪く、特に冒頭の夜間の映像に難があ>>続きを読む
ロジャー・コーマン率いるNW謹製のSFホラー。ニューヨークの下水道に巣食う怪物をめぐり、ホームレスを撮影する写真家カップルや支援団体のリーダー、刑事らの闘いを群像的に映し出す。怪物そのものよりも、その>>続きを読む
ゲェコゲェコゲェコゲェコ…
AIP謹製、1972年製作のアニマル・パニック映画。ただし、AIPの屋台骨ロジャー・コーマンはすでに去り、ニューワールド・ピクチャーズを立ち上げた端境期にあたる。>>続きを読む
無理がとおれば道理が引っ込む。イタロ・ホラー界のハッタリ王、オヴィディオ・G・アソニティス謹製、前代未聞のオカルト・パニック・ホラー。ヴィデオスルーである(※1)。監督のジェフ・クイニーは、「殺人魚フ>>続きを読む
いわくいいがたい作品ではあるが、やりたいことはわかる。ただし、成功は部分的というべきだろう。統合失調症者と思しきピーター・グリーンが妄想と幻聴に苦しみながら、里子に出されてしまったわが子の行方を捜すと>>続きを読む
すまじきものは宮仕え。ソリッドシチュエーションと奇妙な味のブレンドが毎度絶妙なヨルゴス・ランティモスが、スペイン継承戦争時代のイギリスを舞台に史劇を撮ったというのだから一大事である。劇場公開時から気に>>続きを読む
1970~90年代のアメリカホラー界の一翼を担ったプロダクションを率い、かつ自身もコメディ・ホラーの名手というチャールズ・バンド製作・監督のクリーチャー作品。特殊効果はマーク・ラパポートが手掛けている>>続きを読む
これは発見。邦題は間違っているわけじゃないがコレジャナイ。ストーリーの骨子だけ見れば「サスペリア」(1977)である。
テレビ映画のせいか言及されることがないが、自殺した妹の動機をさぐるため、魔女裁>>続きを読む
「ゲシュタポナチ死霊軍団/カリブゾンビ」(1977)のケン・ウィーダーホーン(※1)が「13日の金曜日」シリーズ(1980~)の独立系プロダクションで撮ったサイコ・スラッシャー。といってもシナリオはヒ>>続きを読む
サイコ・スラッシャー映画としては、公開時期や出演者が重なったこともあって「エルム街の悪夢」(1984~)シリーズとの類似性が批判されたそうだが、両者とも元を糺せばハーク・ハーヴェイ「恐怖の足跡」(19>>続きを読む
基本的には北欧産のセクスプロイテーション映画だが、ヘンテコぶりがただ者ではない。映画表現に寛容なスウェーデンや西ドイツですら忌避したということだが、これは濡れ場の演出がソフトコアポルノの矩を越えている>>続きを読む
これは割と拾い物のサイコ・スリラー。母親からの虐待経験に苦しむ主人公が、彼女の死体と暮らす大邸宅に夜なよな若い女性を連れ込み殺害するというストーリーラインは、ほぼ「サイコ」(1960)を踏襲している。>>続きを読む
殺人と人肉食をモティーフにしながら、血がほとんど流れないというまことに稀有なブラック・コメディ。脚本を手掛けたジャッフェ兄弟(※1)は当初、トビー・フーパ―を監督に想定していたが、イギリス系のケヴィン>>続きを読む
Filmarksはアメリカ製作としているが、イギリス製作の誤りである。アンディ・ウォーホル絡みのホラー2作品に出演後のウド・キアを主役に据え、謎めいた秘書にリンダ・ヘイドン、キアの恋人として、当時のセ>>続きを読む
応募してもいない旅行に当選したら、そいつは罠に決まっている。当選に舞い上がった女子大生が招かれたのは、人食い一家が営むホテルだった!と、もうこれだけの作品なのだが、1972年という製作年が重要で、「悪>>続きを読む
トロマ謹製ハッタリ・スラッシャー。ほぼほぼ「悪魔のいけにえ」(1974)のエピゴーネンなのだが、当時流行の青春友情モノのモティーフをくっつけて、一挙両得を画策した(か知らんが)珍作である。大学の同窓生>>続きを読む
ハマー・フィルム謹製、テレンス・フィッシャーと並ぶ後期モンスター作品の看板監督となったジョン・ギリングによるモンスター映画。街路のセットに既視感があると思ったら、同じギリングの「吸血ゾンビ」(1966>>続きを読む
メジャーのパラマウントが1,200万ドルの大枚をはたいたアニマル・パニック・ホラー。社会派の重厚なドラマを演出するジョン・フランケンハイマーと、「オーメン」(1976)のデヴィッド・セルツァーが協働し>>続きを読む
ヴィデオスルーのスラッシャー・コメディ。1987年にもなってくると正調スラッシャーもあらかた出尽くした感があって、もはや暴力性や残虐性をアクセラレートするか、本作のように笑いに変えてしまうかというマン>>続きを読む
これは傑作。フランス・アヴァンギャルド映画の旗手ジャン・エプスタインによるエドガー・アラン・ポー「アッシャー家の崩壊」の翻案作品。シュルレアリスムはじめ当時の前衛映画の技法を駆使した実験映画となってい>>続きを読む
ロジャー・コーマンのニューワールド・ピクチャーズ製作でジョー・ダンテを起用したアニマル・パニック映画。プロデューサーをチャコ・ヴァン・リューウェンこと、元日活女優の筑波久子がつとめる。
「JAWS/>>続きを読む
1971年製作のプレ・スラッシャー・スリラー映画。監督の経歴は不明(どうもテレビ番組ディレクターらしい)だが、脚本兼プロデューサーのギル・ラスキーは、ジャック・ヒル「スパイダー・ベイビー」(1967)>>続きを読む
ほぼアンドレ・ド・トス版「肉の蝋人形」(1953)の無許可リメイクといえる。外形的な描写はおろか、主人公の名前が”ヴィンセント”なのだから言い逃れできない。
冒頭で"RKO pictures pre>>続きを読む
トム・ホランドの監督デヴュー作にして、コメディ色を織り交ぜたとはいえ、ヴァンパイアを題材にした現代劇とはなかなかの意欲作である。「チャイルド・プレイ」(1988)の監督や「サイコ2」(1983)の脚本>>続きを読む
這い寄るボロ雑巾、その名はカルティキ!マヤの古代文明も逃げ出した怪物が現代に復活するイタリア産モンスター・パニック映画。「マックイーンの絶対の危機」(1958、未見※)のフォロワーとされるが、特撮を含>>続きを読む