ベチィさんの映画レビュー・感想・評価

ベチィ

ベチィ

ねぇマム、あたし頭の中にお友達がいるから大丈夫よ

映画(459)
ドラマ(1)

アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち(2014年製作の映画)

4.8

聞いたことは何も信じるな、見たことの半分は疑え――。

1899年、深い霧が立ち込めるイギリス郊外の小さな田舎町。この地の片隅に、滅多に人が訪れることのない古い建物がひっそりと建っていた。
そこは、ス
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ロスト・ボディ(2012年製作の映画)

5.0

見事過ぎる“見ること“の画面によって進行していくミステリーは、最後に驚くべき事実を提示した瞬間分節化され、“読むこと“へとしぼんでいく。
“説明責任“を果たすことによって、驚きを分節化させ、運動を即死
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

3.7

1967年の名作「招かれざる客」の“合わせ鏡”のような映画だった。
設定や展開が似通っているように見えて、実のところその本質は“真逆”を向いている。
それはただ“ホラー映画”になっているということだけ
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スプリット(2017年製作の映画)

3.7

冒頭、文字通りに“恐怖”と隣り合わせになった少女の一寸の逡巡。
あまりにも突然な危機との遭遇に対して硬直してしまっているようにも見えるが、どこか逃げ出すことをためらっているようにも見える。
孤独な少女
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ヒア アフター(2010年製作の映画)

2.9

思えば、イーストウッドが監督した西部劇は、常に「地獄」を描出するものだった。

『荒野のストレンジャー』で、主人公の幽霊ガンマンが街を真っ赤に塗り″HELL(地獄)″と名づけて以来、彼自身が演じるガン
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エスター(2009年製作の映画)

3.8

最近、自身が"映画好き"と謳っていいのか疑問が湧くほどに映画というカルチャーから遠ざかっていた。
そんな無気力な精神の中、録画していた今作を無気力な精神で鑑賞に挑む。
当然ながら視聴済みの今作ゆえに驚
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ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日(2012年製作の映画)

4.8

美しい動物たちを背景にして、オープニングクレジットのフォントが軽やかに、踊る。
その秀麗で愛らしいオープニングを目の当たりにした時点で、「ああ、これは良い映画だな」と確信めいたものを感じるとともに、こ
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ジェーン・ドウの解剖(2016年製作の映画)

4.0

なるほど、これはすごいホラーだ。

ホラー映画に限ってはジェームズ・ワン監督以外はまだまだ信用しきれていないので、どうなることかとビクビクしながら観すすめたが、流石はフォロワーの方々が絶賛しているに相
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チェイサー(2017年製作の映画)

2.8

物語は″母子愛″を主軸におき、文字通りどこまでも息子を追いかける母の姿を描いている。

「欠如→回復」の物語であるが、この過程においてカーラが何かしらの成長をしたり、フランキーが母子愛を深めたりはしな
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猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)(2017年製作の映画)

4.0

「面白い映画だっとは思う」
とは、6年前のリブート第一作「創世記(ジェネシス)」を鑑賞した際の第一声だった。
このリブート第三作を観終えて、まったく同じ感想を抱いた。
リブートシリーズ通じて、三作とも
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パトリオット・デイ(2016年製作の映画)

3.4

ボストンの日常の中にひとつの異変。
兄弟と兄嫁、そしてその子。
ややヒステリックな嫁は子供のことで手一杯。
兄弟は小声で何かを話している。
そして、″彼ら″がこの事件の犯人であることが早々に提示される
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怪物はささやく(2016年製作の映画)

3.1

己ではどうしようもないことに遭遇した時、人は拒絶し、葛藤し、やがてそれを受け入れてゆく。


難病に冒され日増しに衰弱していく母
離婚して新しい家族を持つ父
反りの合わない祖母
同情とからかいの対象で
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君の名は。(2016年製作の映画)

3.3

「独りよがり」な映画である。
普通この言い回しには、多分に否定的な意味が含まれているものだが、新海誠というアニメーション監督が生み出す作品においては、それは必ずしも当てはまらない。
「独りよがり」だか
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ブラックブック(2006年製作の映画)

3.5

第二次世界大戦末期。
「戦争」の只中で、人間の善悪の境界を渡り歩く一人の女。
絶望と、虚無と、断末魔を幾重にも折り重ねて辿り着いた彼岸で、彼女は何を思ったのか。

「苦しみに終わりはないの?」

終盤
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トランスフォーマー/ロストエイジ(2014年製作の映画)

1.7

165分の取り留めのない映像的物量の「羅列」を、グッと耐えるように観終えて思う。
これは、マイケル・ベイ監督渾身の「自虐」だと。

前三部作を撮り終え、身を引く予定だったマイケル・ベイが、敢えてこの新
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沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

2.3

とにかく、霧、霧、霧である。
冒頭から″行く先の見えない″光景に遭遇し、霧が晴れたかと思えば、磔にする責め苦と、説明過多のナレーションによる二重の拷問を観客は受けることになる。


さて、スコセッシが
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ケイヴ・フィアー CAVE FEAR(2006年製作の映画)

2.6

サスカッチ、イエティ、ビッグフットなど、様々な呼び名がある未確認生物が神出鬼没に出現して人間を捕食しながら″暴れ回る″。
詰まるところ、ただそれだけのしょーもない映画である。

がしかし、侮るなかれ。
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アース・トゥ・エコー(2014年製作の映画)

3.0

まず、特筆しておくべきなのは、まぁ今さら特筆すべき手法でもないかもしれないが、本作は″全編POVで撮影されている″ということ。
ユーチューバーであるタックが始終記録していた一連の映像を後日″映画″とし
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デジャヴ(2006年製作の映画)

3.9

高揚感を覚えながら、この映画を観終えて、二つの「悔恨」を感じずにはいられなかった。
一つは、これほど映画的なエンターテイメント性に溢れた秀作を今の今まで鑑賞できていなかったこと。
そしてもう一つは、今
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ノウイング(2009年製作の映画)

3.1

ミステリアスに彩られた50年前の「予言」が、人類の災厄を次々に当てていく。
そして、最終的な予言は世界の終末を示していた。

……と、よくあるような題材ではあるが、その描き方は一定のセンスをもって緻密
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デストラップ・死の罠(1982年製作の映画)

4.5

映画におけるサスペンス作品は、舞台設定と登場人物が限られる程、「上質」になると思っている。
そもそも″サスペンス″とは、ある状況における「不安」や「緊張」といった心理描写を描いたものであり、設定に制約
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マギー(2015年製作の映画)

2.6

一応はじめに断っておくが、この映画自体は大した作品では無い。
役者シュワルツェネッガー″ありき″の、割と強引でまあまあ雑な作りの作品である。

ゾンビ世界における最もポピュラーと言える葛藤を、それもそ
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ゴーン・ベイビー・ゴーン(2007年製作の映画)

2.8

静謐さに満ちた空気と一つ一つのシーンの重量感、そして作品自体が有しているテーマ性。
幼女誘拐事件を捜査する私立探偵の姿を追ったミステリーの体裁を取りながら、観る者に強く訴えかけるテーマ性を孕んでおり、
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インビテーション/不吉な招待状(2015年製作の映画)

2.8

このワンシチュエーションスリラーの極めて優れている点は、″トラウマを癒し、ひとりでは対処できない問題に救いを与える″と称する「カルト」というモチーフを、トリッキーな捻りに都合よく用いるだけでなく、現代>>続きを読む

P2(2007年製作の映画)

3.2

ビルの地下駐車場に軟禁された女と、片想いを伝える警備員の変質的な男とのせめぎあいが続く。
クリスマスイヴという、″誰も残らず戻りもしない日の夜″という設定が効いており、ストーカー気味のサイコ野郎の変
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機械じかけの小児病棟(2005年製作の映画)

3.8

″雰囲気だけは一丁前″だった『ダークネス』のジャウマ・バラゲロによる、どことなくジットリとした味わいがある怪談ホラー。


ただただ、感動した。

こんな質の高いB級スパニッシュホラーがあるとは恐るべ
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ペイ・フォワード 可能の王国(2000年製作の映画)

2.3

心と体に傷を持ち、過去に縛られ外界に対して心を閉ざす男、「ケビン・スペイシー」。
信じることを渇望しながら、それを″アルコール″によってしか満たせない女、「ヘレン・ハント」。
そんな二人のラブストーリ
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インフェルノ(2016年製作の映画)

3.1

去年劇場鑑賞した本作。
記憶の糸を目一杯たぐり寄せながら綴りたいと思う。

ご存知ラングドン教授が、ヨーロッパの宗教史、美術史を辿りつつ、「謎」から「謎」を奔走する。
この映画はもはや、ミステリーに彩
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レナードの朝(1990年製作の映画)

3.3

「生かす」というのは、非常に難しい問題だと思う。
なぜなら「生きる」とは元来、主体的な問題だからである。

「生きる」という倫理には、結局のところ普遍的な結論というのは有り得ず、″道徳″という道筋や、
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アウェイクニング(2011年製作の映画)

3.0

イギリス映画らしい色の落とした色彩と、旧時代めかしい美術と舞台と設定の素晴らしさにまず目を奪われ、「屋敷ホラー」として最高峰の照明とショックシーンのショットの呼吸の完成度の高さにドキドキさせられる。>>続きを読む

ヘアスプレー(2007年製作の映画)

3.3

素晴らしい。
まさにこれこそがミュージカル映画だ。

歌って踊ることが大好きなおデブちゃんの女子高生が、テレビスターを夢見る。
それに当初は反対する巨漢の母親。
その母親役をなんとジョン・トラボルタが
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マチルダ(1996年製作の映画)

4.4

映画版を観てから原作に興味を抱いたクチだが、個人的に映画版をたいへん気に入っている。
その理由のひとつが、原作よりも″情緒性″があること。
特に原作では殆ど描かれていなかった″子供にとっての理解者であ
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ババドック 暗闇の魔物(2014年製作の映画)

2.9

なるほど、怖い。

いや、「ババドック」自体は怖くない。
怖いのは、とにかく人を不快にさせるような、強烈な負のオーラを持ったシングルマザーの「アメリア」と、息子「サミュエル」の親子。
二人とも事故
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テイキング・オブ・デボラ・ローガン(2014年製作の映画)

2.9

本作のキャッチコピーである″ラスト10分の衝撃映像″は、ハッキリ言って期待しない方がいいが、スピード感のある力技とビジュアルインパクトが最大限の見所と言っていい。
無駄に単独行動をせず団体行動だったり
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.0

夏休みに実家に帰省した際に、祖母から大戦時の空襲の話を聞いた。
居住していた郊外から、市街地が空襲を受ける様を遠目で見たという。
変な言い方だけれど、と前置きをした上で、当時子供だった祖母は、爆撃され
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プライベート・ライアン(1998年製作の映画)

3.8

「たった1人の兵士を救い出す為に9人もの兵士の命を懸ける必要があるのか?」という、戦時中での理不尽な任務。

よくあるタイプの″戦争物″という視点で見てしまうと、なんてくだらないストーリーだと感じてし
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