心と体に傷を持ち、過去に縛られ外界に対して心を閉ざす男、「ケビン・スペイシー」。
信じることを渇望しながら、それを″アルコール″によってしか満たせない女、「ヘレン・ハント」。
そんな二人のラブストーリ>>続きを読む
去年劇場鑑賞した本作。
記憶の糸を目一杯たぐり寄せながら綴りたいと思う。
ご存知ラングドン教授が、ヨーロッパの宗教史、美術史を辿りつつ、「謎」から「謎」を奔走する。
この映画はもはや、ミステリーに彩>>続きを読む
「生かす」というのは、非常に難しい問題だと思う。
なぜなら「生きる」とは元来、主体的な問題だからである。
「生きる」という倫理には、結局のところ普遍的な結論というのは有り得ず、″道徳″という道筋や、>>続きを読む
イギリス映画らしい色の落とした色彩と、旧時代めかしい美術と舞台と設定の素晴らしさにまず目を奪われ、「屋敷ホラー」として最高峰の照明とショックシーンのショットの呼吸の完成度の高さにドキドキさせられる。>>続きを読む
素晴らしい。
まさにこれこそがミュージカル映画だ。
歌って踊ることが大好きなおデブちゃんの女子高生が、テレビスターを夢見る。
それに当初は反対する巨漢の母親。
その母親役をなんとジョン・トラボルタが>>続きを読む
映画版を観てから原作に興味を抱いたクチだが、個人的に映画版をたいへん気に入っている。
その理由のひとつが、原作よりも″情緒性″があること。
特に原作では殆ど描かれていなかった″子供にとっての理解者であ>>続きを読む
なるほど、怖い。
いや、「ババドック」自体は怖くない。
怖いのは、とにかく人を不快にさせるような、強烈な負のオーラを持ったシングルマザーの「アメリア」と、息子「サミュエル」の親子。
二人とも事故>>続きを読む
本作のキャッチコピーである″ラスト10分の衝撃映像″は、ハッキリ言って期待しない方がいいが、スピード感のある力技とビジュアルインパクトが最大限の見所と言っていい。
無駄に単独行動をせず団体行動だったり>>続きを読む
主人公のすずは、爆撃を受けるその只中に立ち、その″非現実的な現実″の光景に対して、「ここに絵の具があれば、絵が描けるのに」と思う。
勿論、それが夢想であり、現実逃避であることを本人は分かっている。
で>>続きを読む
「たった1人の兵士を救い出す為に9人もの兵士の命を懸ける必要があるのか?」という、戦時中での理不尽な任務。
よくあるタイプの″戦争物″という視点で見てしまうと、なんてくだらないストーリーだと感じてし>>続きを読む
娘を進学で一人立ちさせ、夫は仕事の虫。その孤独感に苛まれる妻クレアをミシェル・ファイファーが演じる。
夫役はハリソン・フォードだ。
娘の独立で急に生活スタイルが変わった妻クレアの前に、次々と心霊現象>>続きを読む
主人公の米軍エリート大将は、ストイックな男。
毎朝の11kmのランニングを欠かさず、食事は一日一回、4時間しか眠らない。
劇中何度も描写される彼の絶妙に滑稽なランニングフォームが可笑しい。
そこには、>>続きを読む
もうこの監督はいかに「観客の期待を裏切るオチを考えだすか」ということに、心血を注いでいるのか。
やはり『シックス・センス』の呪縛が強固なのか。
前半は、″得体の知れないものに対する恐怖″という、お>>続きを読む
とにかく『トールマン』というタイトル、果ては「ホラー」というカテゴライズ自体がミスディレクションだったという大胆な仕掛けには唸らされた。
″人″という生き物の善良さ、そしてその独善性を強烈に皮肉んだ刺>>続きを読む
すべてを終えて、帰国の途につくヒロインが、飛行機の操縦士に「どこに行く?」と聞かれる。
他愛もない問いかけの筈だが、彼女は茫然としたまま何も答えられず、一筋の涙を流し、映画は終焉する。
私は何をした>>続きを読む
或る強盗事件の発生前後の4日間が、一日ずつ章立てされた時間逆行型のストーリーテリングで描かれる。
今更、時間逆行型サスペンスなんて珍しくもなく、Netflixオリジナルの劇場未公開映画ということもあり>>続きを読む
人里離れた森の中、一人暮らし、しかも聾唖……と、スラッシャー映画史上もっとも″不利な条件″で殺人鬼と対決せねばならなくなった女性の映画ということで、たいそう期待して観たのだが、女性の戦力に合わせて殺人>>続きを読む
ジェームズ・カーン映画として、青春映画として、撮る者と撮られる者の映画として面白く、ときに不愉快に観れてしまう本作『グッドネイバー』。
シャマラン監督の『ヴィジット』や、近年話題になった『ドント・ブリ>>続きを読む
編集者や心霊サークルの大学生を含め、心霊現象を扱っていながら本心では誰も信じておらず、興味本位で調べていくと″本物″に出会ってしまう。
恋を信じない主人公が、偶然出会った相手となんだかんだあるうちに″>>続きを読む
イギリスの古典的名作小説『高慢と偏見』のパロディ小説を原作とするこの異色の作品は、ゾンビ映画ファンにとって2016年秋の最注目作と言って良いだろう。
私は当然、ずいぶん前からワクワクを募らせていたが、>>続きを読む
極めて「微妙」で「絶妙」な映画だった。
酷い映画ということはないが、決して面白くはない。
が、独特の味わいはある、そういう映画。
主人公リサを襲うのは、奇妙な事実を″自分しか認識していない″という>>続きを読む
子供の頃に夢中で読んだ『ハリー・ポッター』シリーズ。
それらが魅力的だったのは、自分の想像より遥かに広い世界がそこにあったからだと思っている。
魔法の杖、空飛ぶ箒、透明になれるマント…。
空想を現実>>続きを読む
さて、本日は終戦記念日、左翼連中は敗戦記念日と言うそうだ。
この終戦記念日に、この映画を観たことには、意味があったと思える。
つくづく思うことは、やはりこの国の人々は、自国での「戦争」のことを知らな>>続きを読む
光の届かぬ洞窟、いずれ尽きるであろう食料、電源。
閉じ込められる恐怖は半端じゃない。
例えるなら、地底版『ポセンドン・アドベンチャー』か。
女グループでのケイビングというのもまた珍しく、ホラーといえ>>続きを読む
相変わらず「過激」過ぎるテンションに面食らう。
最高に良い意味で。
NFFAから命を狙われるローン上院議員と、彼女の護衛を務めるレオが武装集団に襲われるという、あまりにもフィクションが過ぎる状況下か>>続きを読む
アフガニスタンからの帰還兵が、荒廃した故郷をさ迷う異色の戦争映画「マン・ダウン 戦士の約束」。
戦争などの過酷な体験によって精神が崩壊するPTSD(心的外傷後ストレス障害)は、米映画以外でも映画化され>>続きを読む
「怪獣がいっぱい出てきてたのしい」
まるで幼稚園児の感想みたいだが、実際この映画の素晴らしさを表現するにはこの一言で充分だと思う。
なぜならば、この映画の製作陣は、観客にそれ以外の感想を求めていない>>続きを読む
秩父を舞台に、絶妙なファンタジー設定をミックスした″青春群像劇″で大成功した「あの花」スタッフの作品ということでテレビ放送版を視聴した。
岡田麿里脚本は個人的に「鉄血のオルフェンズ」で若干評価を下げた>>続きを読む
誘拐や監禁と言う点は一作目の「檻の中の女」を彷彿とさせるが、今作は被害者の対象が子供だけに、独特の緊張感が物語を占める。
伏線・捜査・動機・犯人との駆け引き、全てが奥深く水準が高いサスペンスだった。>>続きを読む
ニコラス・ケイジ扮する歴史学者兼冒険家の主人公が、米国史に隠された陰謀と宝を追い求めるシリーズ第2作。
″当たり屋″覚悟で暇つぶしに観た一作目が意外に面白かったので、立て続けに鑑賞に至った。
もうこう>>続きを読む
「インディ・ジョーンズ」と「ダヴィンチ・コード」をごちゃごちゃと混ぜ合わせて、″ニコラス・ケイジ印″でベタンと押し潰したような感じの映画だった。
と言うと卑下しているようにも聞こえるが、個人的には充分>>続きを読む
本作は、オーストラリア産の「悪魔のいけにえ」と言われている。
たしかに共通する部分や影響を受けた要素は見え隠れするものの、単なる″亜流″で終わるような映画ではなく、″模倣作品″でもない。
犯行の動機、>>続きを読む
劇中、″二つの棺″が運ばれていくシーンが、序盤と終盤に対比的に描かれる。
一つは、第35代アメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディの棺。
そしてもう一つは、″JFK″暗殺の実行犯とされたリー・ハーヴェ>>続きを読む
大人たちの始めた「戦争」に翻弄され、その後始末を押しつけられた少年たち。
それは、かつて彼らの父や兄たちが異国に埋めた膨大な数の「地雷」を取り除くことだった。
あの少年兵たちの姿は、恐怖と悲しみを>>続きを読む
腐る程ゾンビ映画を見ても、やはり帰って来る所は″ここ″。
そう、まるで我が家だ。
冒頭の混乱しまくったTV局内のリアルさに、訳もわからず映画の中に放り込まれる。
有りえない状況なのにも関わらずなぜだ>>続きを読む
″稀代の天才″とは、こういった人間のことを言うのかもしれない。
世界を見て回れば大きく成長する者もいれば、″Nineteen hundred″のように自分の中で天性の素質を磨き上げる者もいる。
こ>>続きを読む