回想シーンでご飯3杯いけるさんの映画レビュー・感想・評価 - 49ページ目

回想シーンでご飯3杯いける

回想シーンでご飯3杯いける

ハロー!?ゴースト(2010年製作の映画)

2.8

この世に未練を残して死んだ人の霊に取り憑かれる主人公を描いた韓国産コメディ。霊の人数(?)が4人である点も含めて、ロバート・ダウニー・Jrが主演したゴースト物の隠れた名作「愛が微笑む時」('93年)を>>続きを読む

人生に乾杯!(2007年製作の映画)

3.5

生活苦に悩んだおじいさんが銀行強盗を実行。おばあさんも味方について、愛車のクラシックカーで逃走劇を繰り広げるという、ハンガリー産のロードムービー。

”余命僅かな”2人が逃走劇を繰り広げるという意味で
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サバイバルファミリー(2017年製作の映画)

2.2

「スウィングガールズ」や「ハッピーフライト」等、軽妙で良質なコメディを作ってきた矢口史靖監督。しかし、前作に当る「WOOD JOB!」辺りから自然回帰的なスローライフを提唱するメッセージ性が顕著になっ>>続きを読む

ウォーリアー(2011年製作の映画)

4.2

冒頭に映し出される夜明け前のペンシルバニアの風景。疲れた老人と、何か訳ありといった趣の息子トニー。この段階で、落ち着いたトーンの映像美に陶酔してしまう。映画にとってこの引力はとても重要だ。薄暗いシーン>>続きを読む

スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

4.4

小学生の時に映画館でシリーズ1作目を観た、モロにスターウォーズ世代の僕は、あくまでリアルタイムの体験としてこのシリーズが好きだったので、いつまでも懐古趣味的に旧三部作を崇めるような事はしたくないと思っ>>続きを読む

ライフ・イズ・ミラクル(2004年製作の映画)

3.5

ひとことで言うと、凄く変な映画。

'92年、内戦状態のボスニアが舞台。つまり戦争映画のはずなのに、主人公のルカを筆頭にとにかく登場人物がハイテンション。皆やたらと早口で喋るので、台詞の内容をしっかり
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殺人の告白(2012年製作の映画)

3.8

パケ写での、パク・シフの何とも人を食ったような表情が本作の魅力を物語っている。時効を迎えた殺人事件の犯人が告白本を出版。その人物を演じるのがパク・シフで、殺人の動機や、出版の背景を、実に意味ありげに語>>続きを読む

イン・アメリカ/三つの小さな願いごと(2002年製作の映画)

2.7

アイルランド系の移民家族がニューヨークでの新生活の中で幼くして亡くなった末っ子の死を乗り越えていく様子を描いたヒューマン・ドラマ。

父と母がいつまでも末っ子の思い出から逃れられず苦悩する中で、2人の
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パーティで女の子に話しかけるには(2017年製作の映画)

4.0

2017年後半で最も楽しみにしていた作品のひとつ。ベストムービーにもセレクトしている「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」のジョン・キャメロン・ミッチェルが久々にメガホンを取った新作だ。

試写会以
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パイレーツ・ロック(2009年製作の映画)

3.6

恋愛群像劇の名作「ラブ・アクチュアリー」で有名なリチャード・カーティス監督による、海賊放送をテーマにした映画。

この監督はBGMの選曲とその使い方がとても素晴らしいので、音楽を題材にしたこの映画には
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パトリオット・デイ(2016年製作の映画)

1.5

本作が日本で公開された時に日本の警察とコラボ・ポスターを展開していた事を覚えている。「テロ撲滅!」という警察の意向と本作のメッセージが合致したのだろう。

正直に言うと、1本の映画が、警察のように権威
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三十四丁目の奇蹟/34丁目の奇蹟(1947年製作の映画)

4.3

もう何度も繰り返し観ているクリスマス映画の名作。サンタクロースを名乗るおじいさんが本物かどうかを法廷で争うという、何とも夢があって微笑ましい作品。

法廷のシーンも子供騙しではなく、ちゃんと論理的に弁
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映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ(2016年製作の映画)

3.5

人と深く関わるのが億劫だ。どうやって恋愛をすれば良いのか分からない。そんな現代の若者の気持ちを捉えた作品。

原作はアラサーの最果タヒが書いた詩集。未読であるため詳細は分からないが、詩集なので主人公は
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美女と野獣(2017年製作の映画)

4.5

ディズニーの底力を思い知らされた。「ラ・ラ・ランド」とほぼ同じ時期の公開でディズニー作品、つまり同じミュージカル映画である事から劇場での鑑賞をパスしていたのだが、いやいやなめていた。劇場で観ておけば良>>続きを読む

タンポポ(1985年製作の映画)

3.4

ラーメン好き、というか「食」にこだわりのある人なら観ておきたい作品。

冒頭からアイメイク濃い目のマフィア風の男優が出てきて、何だこれ?と途方に暮れたものの、それが若き日の役所広司である事に気が付き驚
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コロニア(2015年製作の映画)

3.2

'70年代のチリに実在した、独裁政権絡みのカルト施設、コロニア・ディグニダを題材にした作品。冒頭に「史実に基づいた物語」とクレジットが出るので、一応実話物という事になる。

社会派でアクション要素のあ
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パッセンジャー(2016年製作の映画)

3.0

公開されているあらすじにある「冬眠装置で眠る乗客の中で、なぜか2人の男女だけが早く目覚めてしまった」が微妙に嘘。いや、かなり大嘘。それはまあ、映画を面白く観てもらう為に必要な事で、別に構わないのだけれ>>続きを読む

海辺の家(2001年製作の映画)

3.5

「家を建てる映画にハズレ無し」というのが僕の持論。とは言っても、家を建てる映画なんて実際は数少なく、僕の知る限りでは、韓国の「建築学概論」と、トム・ハンクスの初期主演作「マネー・ピット」ぐらいしか思い>>続きを読む

あゝ、荒野 後篇(2017年製作の映画)

2.5

前篇には4.0のスコアを付けたが、この後篇では見事にはずされた気分。前篇で散りばめられた、思わせぶりな伏線が全く回収されていない。裕二との試合は中途半端。自殺撲滅団体はいったい何だったのか? 芳子の母>>続きを読む

あゝ、荒野 前篇(2017年製作の映画)

4.0

最近の邦画で良く見かける「前編」「後編」に分けた上映スタイル。その大半がコミックの映像化やアイドル的に人気のある俳優の主演作品で、所詮固定客の足元を見た金儲けなのだろうと考えていた。だから、その手の作>>続きを読む

ゴッホ~最期の手紙~(2017年製作の映画)

4.0

美術の教科書にも載っていた、あの風景、あの人物が、アニメーションとなって動き出すという衝撃体験! ゴッホを敬愛する125人の画家が集まり、計6万枚以上の油絵を製作。それをもとにアニメーションとしてまと>>続きを読む

LION ライオン 25年目のただいま(2015年製作の映画)

3.0

インドを舞台にした他の作品でも見かける、列車や線路上で石炭拾いをする少年、サルーが主人公。

兄とはぐれて、列車に乗ったまま知らない土地まで来てしまい、人ごみの中をさまよい歩く。この冒頭の流れは、イン
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ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)

3.8

熱心なキリスト教徒である事から、人を殺める事無く平和に貢献したいと考え、衛生兵として沖縄戦に参加したアメリカ軍兵士、デズモンド・ドスの活躍を描いた実話物。

監督は、自ら教会を建てるほどの熱烈なキリス
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スウィート17モンスター(2016年製作の映画)

4.2

ひゃあああ、面白かった!

恋愛未経験で、妄想ばかり膨らませ、自分に劣等感、だけど、自分だけは特別だと思っている。そんないけてない17歳のネイディーンの日常を描いたコミカルな青春ドラマ。

ネイディ
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T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)

3.0

「ゴースト・イン・ザ・シェル」「ブレードランナー 2049」等、今年は'80年代~'90年代の作品のリメイクや続編が非常に多い。世界的な好景気で映画産業も好調だった時代。当時20歳前後だった層は世代別>>続きを読む

トレインスポッティング(1996年製作の映画)

2.8

続編「T2」を観るに当り、久々の再鑑賞。

実はこの作品はあまり好きではなかった。昨日まで登録していたレビューで僕はこう書いている。

「暴力やドラッグを題材にして、若さの衝動云々とか、1996年の映
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ストリート・オブ・ファイヤー(1984年製作の映画)

4.3

「フラッシュダンス」「フットルース」「ゴーストバスターズ」等、'80年代のMTV全盛時代に作られた"サントラに力を入れた映画"は数あれど、僕にとってはこれが最高峰。

基本は街のチンピラに誘拐されたロ
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ジュリエッタ(2016年製作の映画)

3.4

マドリードで独り暮らししている中年女性ジュリエッタが抱えていた秘密。彼女の娘は12年前に突然姿を消し、そのまま連絡も途絶えたまま。

そこから、ジュリエッタと亡くなった夫、その間に生まれた娘との記憶を
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沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

3.7

キリスト教関連と言えば、メル・ギブソンが監督した全編拷問シーンの「パッション」(2004年)が今でもトラウマになっている。キリスト教には自己犠牲の精神があり、コアな映画作品になるとその描写として拷問シ>>続きを読む

ナイスガイズ!(2016年製作の映画)

3.5

ラッセル・クロウとライアン・ゴズリングの凸凹コンビによるコミカルなバディ・ムービー。

2011年の「ドライヴ」辺りから完全にクールな男前路線専門になってしまったゴズリングが、今回はとぼけた私立探偵役
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はじまりへの旅(2016年製作の映画)

3.0

現代社会を離れて、森林で生活を営む父と6人の子供の話。アメリカでは現代でもヒッピーという言葉が使われるし、実際にそう呼ばれる人達も存在する。本作に登場する一家もそれに近いが、極端な平和主義というわけで>>続きを読む

ムーンライト(2016年製作の映画)

3.9

監督も、役者も、みんな黒人。音楽は、白人が作っているけど、素材や手法は完全に黒人流。ディズニーやスターウォーズで黒人が起用されるのとは微妙に意味合いが違う。流行の映画みたいな親切丁寧な演出や、起伏に富>>続きを読む

チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話(2017年製作の映画)

3.2

サブ・タイトルの「女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話」、はい、これが全て!(笑)

そのゴールに向うまでの道のりを描く為に、あれこれエピソードを盛り込んでいるんだけど、正直言ってかなり
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おとなの事情(2016年製作の映画)

3.4

3組の夫婦、プラス、恋人に今日のディナーを断られた男の計7人が、互いのケータイに掛かってきた電話とメールを公開するゲームを始める。すると、気心知れているはずの夫婦の隠し事が次々と明るみになっていく。>>続きを読む

空気人形(2009年製作の映画)

4.0

性欲処理用の「空気人形」が人間の心を持ってしまう。空気人形を題材にした作品としては、ライアン・ゴズリング主演の「ラースとその彼女」があるし、日本にも、美女が缶詰として通販される「美女缶」という作品もあ>>続きを読む

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

3.3

前作「ブレードランナー」(1982年)で登場した「空飛ぶ車」は、当時の人類が考える近未来像の象徴だった。降り注ぐ酸性雨や、人造人間であるレプリカントの脅威は、終末思想が漂う20世紀終盤の雰囲気にもマッ>>続きを読む