ハニルくんさんの映画レビュー・感想・評価

ハニルくん

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マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

4.0

まったく予備知識なく観たが、主人公マダム・ウェブを演じるダコタ・ジョンソンがとても魅力的だったのに、最後にあんな姿になってしまって実に悲しい映画だった。盲目で歩けないけれど透視と予知能力を持つというマ>>続きを読む

スペースマン(2024年製作の映画)

3.9

静かでシンプルだがメチャクチャいい話だった。すべてを忘れさせてくれる壮大な「セカイ系」。日本人なら新海誠監督の商業デビュー作である『ほしのこえ』を思い出すだろう。

チェコの小説が原作なので、米国映画
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バービー(2023年製作の映画)

4.0

米国におけるバービー人形の歴史を踏まえて、米国民による愛着と時間の経過による米国社会の価値観の変化を、かなり面白く表現した。

女の子のための夢の国「バービーワールド」は、たしかに男は皆ステレオタイプ
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怪物(2023年製作の映画)

1.8

まずは題名のフック、次に導入として感情移入させられるお母さんの視点を通して観客の中につくり出される誤解、その上で後半をすべて使って、同じ時間を子供たちの視点で見直すことによる真実の種明かしという構成の>>続きを読む

ある男(2022年製作の映画)

5.0

ただの興味本位なミステリーではない、日本社会において出自というものが持つ恐ろしさを描いた問題作。特に、ふだん考えることのない在日差別の持つ意味と在日が日本で生きていくことの根源的なたいへんさが感じられ>>続きを読む

ザ・ギフト(2015年製作の映画)

4.0

復讐に関するとてもよくできた話。「贈り物」という題名であるが、それは決してよい意味ではない。それにしても、嘘で人の人生を駄目にするようなことが平気でできる人というのは、やっぱり近寄りたくないし、きちん>>続きを読む

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.1

とても感動して涙は出たけれど、話がめちゃくちゃ単純で理想化され過ぎているので、どうしても「現実はこんなんじゃないよね」と思ってしまった。つまり、マフィアという骨の髄までの悪人たちがいて、それ以外はみん>>続きを読む

マーベルズ(2023年製作の映画)

4.0

2019年の『Captain Marvel』の続編。米国の「ポリコレ」はいったいどこまで行くのか。女性礼賛と各所に配慮する何でもあり感がすごい。全世界の少女たちに夢を与えるということなのだろう。そもそ>>続きを読む

シャザム!(2019年製作の映画)

3.9

心は子供のままで大人の体のスーパーマンに変身したらどうなるかという話。日本だと『バロムワン』という大昔のヒーローものがそうであった。大人目線からはやっぱりスーパーパワーを子供に与えるのは危険だから年齢>>続きを読む

search/#サーチ2(2023年製作の映画)

4.0

ストーリーが最初から最後までパソコンの画面だけで展開するという異色作『Searching』(2018)の第2弾。前回は、黄色人種(韓国人?)のお父さんがネットを駆使して娘を探すというものだったが、今回>>続きを読む

ライト/オフ(2016年製作の映画)

4.0

スウェーデンの映像作家がつくった2013年の同名の短編映画が話題となって、大手のホラー映画プロデューサーがついて同じ監督がつくった長編。電気を消すと暗闇に得体の知れない怪人が浮かび上がり、点けると消え>>続きを読む

ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.0

父と娘の愛を描いた映画は無条件でいい映画であるといいたいのだが、ここまで同性愛を至高のロマンとされてしまうとさすがに共感が難しい。その上で思いもかけなかったのが、キリスト教信仰の是非の問題、終末論信仰>>続きを読む

Lights Out(原題)(2013年製作の映画)

3.9

スウェーデンの映像作家がつくった2016年の同名の長編映画の元ネタ。これが話題となって、大手のホラー映画プロデューサーがついて同じ監督が長編にした。電気を消すと暗闇に得体の知れない怪人が浮かび上がり、>>続きを読む

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

5.0

2018年の前作は面白かったけれど、感動まではしなかった。マルチバースという設定も、絵のタッチの混合に象徴される作品世界のメタを扱った面白い手法とだけ思っていたのだが、今回のこれはすご過ぎる。マルチバ>>続きを読む

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.1

オーストラリアの超怖いホラー映画。藤子不二雄A『魔太郎がくる!』に出てきそうな、「霊媒師の手」から作ったという石膏の手を握って霊と話をするという、かなりレアなナマモノ呪物に関する話。ただ、コワすぎるだ>>続きを読む

終わらない週末(2023年製作の映画)

5.0

内容をまったく知らずに観たので、最後の最後まで宇宙人の侵略とかSF的なことばかり予想していたら、まったく違う本当に最悪の真相で、これ以上怖いホラーはないと驚愕した。自然にSFかなと思ってしまった理由は>>続きを読む

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

5.0

とにかく主人公である丸刈り女の子「アルフィー」がかわいくてかつ演技があまりにすばらしい感動超大作。映像も壮観の一言。

ただ、なぜか、西洋はAIをただの機械として反対する世界、東洋はAIに人間と同じ権
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ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

5.0

バットマン、スーパーガールを脇役にして、別宇宙にいる自分を相棒にしてチームを組むDCジャスティス・リーグ異世界編。金髪じゃない黒髪短髪の筋肉質なスーパーガールが新鮮で最高だった。主人公の異世界幸せな家>>続きを読む

オクス駅お化け(2022年製作の映画)

3.7

ソウルに実在する駅を中心として繰り広げられる地下鉄ホラー。まあ、『ソウル駅』というゾンビ映画もあるのだからいいのかもしれないが、単に駅に幽霊が出るだけではなく、その地で残虐な事件(実話ではない)が行わ>>続きを読む

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

5.0

ロケットの過去の生い立ちと並行して話が進むが、そちらが悲し過ぎて、そちらの愛おしさで最後まで泣き笑いしてしまう心温まる傑作ドタバタ冒険バディSFである。全員がデタラメでいい奴でまったくバラバラなのだが>>続きを読む

沈黙のパレード(2022年製作の映画)

2.7

天才物理学者・湯川学のガリレオ・シリーズ。私も娘を持つ父親として、中心になっている娘を殺された親の心情があまりにも胸が痛いために、それに関してトリックや沈黙による真相隠しをする、そのどれもすべてがあま>>続きを読む

トロール(2022年製作の映画)

3.2

ノルウェー映画。山の神的なトロールが実在の生物であったというもので、リアルである。その存在がミステリアスであった時までははっきりいって怖かったし、よくできていたけれど、それが最後には怪獣映画のようにな>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.1

セカイ系新海節がバリバリではあり、それが現実の災害に結びついているという意味では賛否が分かれるだろうが、しかしどうせ災害と共に生きていく私たち日本人には、すべての人にではなくても、おそらく一つの「希望>>続きを読む

明日、君がいない(2006年製作の映画)

3.1

オーストラリア映画。『明日、君がいない』という邦題がより内容にあっている。時間が題名のドキュメンタリー風高校学園モノということで、米国の高校での銃乱射事件を描いた2003年の映画『Elephant』を>>続きを読む

ノウイング(2009年製作の映画)

3.7

ニコラス・ケイジ主演。黙示録的予言にまつわる人類滅亡をかけたディザスター・ムービー。冒頭に出てくる、50年前の小学校で創立記念日のタイムカプセルを埋める時に、その後50年間に起こる災害の記録が入れられ>>続きを読む

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

4.0

期待が高過ぎたし、1のような2を願ってしまったのが間違いだったのかもしれないが、結論的には残念だった。でも考えてみれば、2のアイディアとしてはこれもいいのだろうと頭では分かる。まず、1ではかわいらしい>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

5.0

シン・ウルトラマンの時の感想とまったく同じだが、はっきりいって最高である。最初の放送時に私たちが経験した、「仮面ライダーとの出会いの感動」の追憶的再現として完璧だった。まさかあの感動をこの現代にまた体>>続きを読む

イット・フォローズ(2014年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

アイディアが素晴らしい米国ホラー。ふつうに考えると一種の性病のメタファーだといえる。性関係を持つと呪われ、自分にしか見えない、誰だか知らない人の姿をした「それ」にゆっくりと歩行の速度で追いかけられて、>>続きを読む

スマイル(2022年製作の映画)

3.0

呪いの連鎖ものとして、2014年の『It Follows』を思い出した。何より呪われた人間が思い切り微笑みながら死んでいくというのが、「狂気」の怖さとしてサイコであり、ビジュアル的に最高だったが、その>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.0

気まずさを描くプロであるスウェーデンのリューベン・オストルンド監督作だが、米国の『The Menu』に続いて、大金持ちの世界に対する皮肉と風刺が徹底されたブラック・コメディとしてとても面白かった。3つ>>続きを読む

ザ・メニュー(2022年製作の映画)

5.0

人を喜ばせるための接待業としては最も対照的な超一流シェフと売春婦を演じるレイフ・ファインズとアニャ・テイラー=ジョイの間に通じる心理世界が何よりもよかった。あと、客である金持ちたちが単なる悪者ではなく>>続きを読む

Pearl パール(2022年製作の映画)

4.1

同じ年の春に公開された『X』の前日譚として同年秋に米国で公開された。オタク的B級ホラーリスペクト作品であった『X』よりも素直だがもっと面白かった。動物の使い方が実に見事で、そのあたりは『The Ban>>続きを読む

ミッドナイト・マーダー・ライブ(2022年製作の映画)

3.0

ショーとしては面白かったけれど、はっきりいって雰囲気の違和感ゆえに展開を予想してしまった。コメディ映画でもなければあの明るい追跡シーンはあり得ないがゆえの違和感だったが、いずれにせよ、いまさらこの古典>>続きを読む

ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!(2013年製作の映画)

3.0

エドガー・ライト監督、サイモン・ペッグ脚本、ナイラ・パーク製作で、親友同士と知られるサイモン・ペッグとニック・フロスト主演という、いわゆる「スリー・フレーバー・コルネット3部作」の最終作。2004年の>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.1

ファンにはたまらないだろう素晴らしく最高のスピルバーグの自伝的映画。ドラマチックな事件の連続だが、調べてみると、ことごとく事実に基づいていることに驚く。ただし、小さい頃から映画で人々を感動させ、驚かせ>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.0

舞台の島の自然は究極的に美しいし、そこでの生活も、寂しいけれど、素朴で美しく、何よりも動物たちがかわい過ぎる。馬、ロバ、牛、犬の表情や動きが実に繊細で、題名の「精霊たち」とはこの動物たちのことのようで>>続きを読む

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