dojiさんの映画レビュー・感想・評価

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ほんのすこしだけweb媒体で映画について書くことをしてました。ぼちぼちマイペースに続けたい。

映画(1127)
ドラマ(38)

オーソン・ウェルズの オセロ(1952年製作の映画)

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前半のイアーゴの狡猾さと暗躍ぶりにオーソン・ウェルズ演じるオセロがただ翻弄されていく操り人形のように映るけれど、後半狂気にとりつかれていく演技と演出がとにかくすばらしい。全編陰影の使いかたが印象的で、>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

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社会が構造として規定する正義=警察が裁くことができない悪に対して、あるべき正義を執行しようとするヴィジランティズム=バットマン、という構図に対して、ジョーカーはそのルール設定そのものをあざわらうように>>続きを読む

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

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アンダーカバーものとしてのおもしろさと、鼻を明かすストーリーの痛快さは映画的な愉快さに満ちているけれど、突然現代の映像が強烈な違和感とともに差し込まれて映画は幕を閉じる。ざわざわとした気持ちのままただ>>続きを読む

バイス(2018年製作の映画)

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理念はないのか、とドンにチムニーが聞いたのは、そのままそれがじぶんに当てはまるからだと思う。ラストにかけてチムニーが語る、愛する人を守るということに関して、彼の中でも決して嘘はないのだろう。娘のカミン>>続きを読む

アンダーグラウンド(1995年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

国がなくなってしまう、ということを描くために、こんなにも映画という仕組みを最大限に発揮した作品はないのではないかと思った。観終わってしばらく震えている。

映画というフィクションがやがて現実に接続する
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PASSION(2008年製作の映画)

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愛がないのが問題じゃねぇか、というセリフにはっとさせられたのだけれど、それはすべての登場人物に言えることだよなと、観終わってから考えている。

好きな理由であるとか、それこそ愛しているだとかそうじゃな
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スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

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"ありえたかもしれない"スパイダーマンたちを、アメコミタッチをはじめ日本のアニメをも飲み込んだなんでもありの自由なビジュアルで描く全編は観たこともない画が満載、けっこう口開けて観ちゃってた気がする。>>続きを読む

ビール・ストリートの恋人たち(2018年製作の映画)

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思い返しても最良の記憶というものがぼくにもあって、そのときに肌で感じていた空気やそばにいたひとの表情だとか、ぼんやりと焦点がぼやけた街の景色をよく覚えている。この映画を観ている間中、なぜだかそのことを>>続きを読む

キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ルッソ兄弟だったと思うけれど、ヒーロー映画の人物描写では、vulnerabilityというものがとても重要になってくると、なにかのインタビューで語っていた。人間的な脆さや弱さ、そういったものは超人的な>>続きを読む

ファースト・マン(2018年製作の映画)

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明確な演出意図のもと大きく映画の舵をとっていくのがチャゼルのつくりかたというのはこれまでの作品からとても感じていて、その方向性がどうも過去二作分合わなかった。それが本作ではようやくというべきか、監督が>>続きを読む

運び屋(2018年製作の映画)

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史実をもとにした作品が続くイーストウッドだけれど、フィクションとノンフィクションの混ぜ合わせによる映画的な効果というものを、とにかく作品ごとに拡張しているような感じがする。『グラン・トリノ』以来の監督>>続きを読む

アクアマン(2018年製作の映画)

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タイトルが出てから画面を覆う船体、その後マスク姿の大群に制圧される船、このオープニングシークエンスからも、前評判で聞いていた"海版スター・ウォーズ"感満載で、ふむふむと思って観ていると、登場するマスク>>続きを読む

グリーンブック(2018年製作の映画)

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さいきんは随分とごぶさたしてしまっているけれど、レンタルショップのアカデミー賞コーナーがとても好きだった。たしかにそこに並んでいる作品のラインナップはどこかお行儀のよかったり、尖ったインディペンデント>>続きを読む

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

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伝記映画としてこれほどまでにシンプルで焦点が絞られたものはなかなかないのかな、と思う。記録的な大ヒット、鳴り止まないほど絶賛の声の多くは、ラストのLiveAidのシーンに向けられていて、たしかにあのシ>>続きを読む

アノマリサ(2015年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

チャーリー・カウフマンの前作『脳内ニューヨーク』のエンディング曲である“Little Person”は、「わたしはただのリトルパーソン(なんてことない存在、と意訳できるかもしれない)」という歌い出しで>>続きを読む

アマンダと僕(2018年製作の映画)

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突然訪れる大きな暴力に、登場人物たちがそれぞれのやり方でその傷と向きあっていく姿を、過度なセンチメンタルに陥ることなく、優しいまなざしで描く筆致がとてもよかった。特に、冒頭で母と娘が交わす「Elvis>>続きを読む

バトル・オブ・ザ・セクシーズ(2017年製作の映画)

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競争原理というのはもちろん男性優位の社会が生み出した、資本主義的な価値観のもとにあるものだと思う。それを覆すために、この映画では競争原理の中に女性自身が飛び込み、その勝負に勝つことによってなにかを変え>>続きを読む

レディ・バード(2017年製作の映画)

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母が“Best version of yourself”と彼女に言うことばがとても印象に残った。高校卒業を境にホームタウンを離れる彼女の年齢に限った話じゃなくて、だれもが日々じぶん自身の輪郭を確かめた>>続きを読む

ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

映画の役割というべきか、フィクションのあり方というのが今年に入ってから気になっていて、本作のエンディングは結構個人的にはしっくりくるリアリティがあった。

もちろん『タクシードライバー』的なものは期待
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愛おしき隣人(2007年製作の映画)

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3部作中ではいちばんメランコリーと死の匂いがする作品だと思う。にもかかわらず、どういうわけかいちばんユーモアと愛にも溢れた質感がとてもいい。

だいたいロイ・アンダーソンの描く人々はシーシュポスの神話
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ブレイド2(2002年製作の映画)

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ヴァンパイアでも人間でもない、リーパーズの造形や、”血の軍団“のキャラクター造形など、デルトロ的な意匠を味わう要素は十分だった。ちなみに1は観ていない。

ブレイドやヴァンパイアたちの住む空間設計とい
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危険なプロット(2012年製作の映画)

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フランソワ・オゾンがちょうどいい時というのがある。今夜がそうだった。

フィクションにフィクションが入り込む構造や、語りがもたらす魅力的な話運びと展開、観客の視点をスリルでもてあそぶ感じも、すべてがち
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ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)

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知りたいことを調べることや、本を読んで学ぶこと、その思いをだれかにわかって欲しくて身振り手振りで話すこと。そしてそれが同じようにだれかのこころが震わせ、一緒になにかを作ろうとし、そこに大きな意味を見出>>続きを読む

枝葉のこと(2017年製作の映画)

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くだらなさや軽薄さのようなものに対して嫌悪を感じながらも、少しの羨ましさもある。暴力が怖ろしいのに、いつそれが起こってもいい構えで、執着している感じ。それが映画全編で独特な緊張感として漂ってる。そこは>>続きを読む

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー(2018年製作の映画)

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ハン・ソロのものがたり、として観るよりも、これは"solo"であることについての映画なんじゃないかなと思いはじめた途端、この映画が好きになった。

帝国軍をリクルートするなんでもない存在によって"独り
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女と男の観覧車(2017年製作の映画)

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演劇を志していた若かりし頃のじぶんに囚われた女性をケイト・ウィンスレットは完璧にまで演じている。彼女が激昂するたびにほんとうにぞくっとしてしまったし、肉体ごと役に入り込んだ姿は、さらにこれからもっと出>>続きを読む

孤狼の血(2018年製作の映画)

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途中雨が降り出すシーン、どういうわけかそのとても大きな雨粒は、ねっとりとした別の液体のようにみえて、それが映画全体の質感というものの存在をはっきりと感じさせるようだった。

俳優たちの肌理や流れる汗、
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ワンダーストラック(2017年製作の映画)

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聴覚を失ってしまう少年の過程と、トーキー映画登場前の時代をサイレントで映すモノクロのシークエンス、そのあまりにクラシック映画的な演出の組み合わせが、トッド・ヘインズの演出力の高さを物語っていると思う。>>続きを読む

モリーズ・ゲーム(2017年製作の映画)

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たとえば『ソーシャル・ネットワーク』や『スティーブ・ジョブズ』では、スタイリッシュな映像的表現を得意とする監督とアーロン・ソーキンのことばの応酬がもつ脚本の奥行きがとても相性良く映画の魅力に結びついて>>続きを読む

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

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オリヴァーがたばこを買いに自転車から降りて、喫うか?と自然にエリオにすすめる瞬間、風が吹くようにピアノの音が流れはじめる。ああこの映画ならいつまでも観ていられそうだなと思った。

10代の混乱も、20
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レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

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「ストレンジャー・シングス」『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』『デッドプール』、あとは『ピクセル』とかかな。80年代を中心としたカルチャーのサンプリングとコラージュによってドラマを生み出していく作>>続きを読む

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

アベンジャーズのシリーズの感想として、かならず付きまとうのが“情報整理力”であるのは、それはもうこのシリーズが映画という容れ物からして限界がきていることのなによりの証拠だと思う。文脈はこの2時間半の外>>続きを読む

さよなら、僕のマンハッタン(2017年製作の映画)

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観終わって、そういえばずっと鼈甲のフレームの眼鏡が欲しかったしそろそろ買おうかな、だとか、ひさびさにサイモン&ガーファンクルを聴こうかな、だとか、グレーのデザートブーツが欲しくなったり、エズラ・パウン>>続きを読む

ラブレス(2017年製作の映画)

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愛のない夫婦や、愛されない子ども、愛せないということや、愛されないということだとか、そういった感情や関係性について、登場人物たちは話したり身振りで示したりはしているけれど、どうもそういった映画には思え>>続きを読む

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

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ラストの勲章を授与される映像に静かに物語が接続されるとき、映画の登場人物たちがシームレスに現実の人物としてのリアリティを帯び、映画としての効果とても感じる。映画にする意味と美談というのは必ずしもイコー>>続きを読む

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

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少し冷静になると、あれ、なんでピクサー映画の併映作がディズニーなんだろ?と思うってしまうくらい、全編に渡ってディズニー作的なポジティブな空気が本作にはあって、少なからずアナ雪の短編が影響しているように>>続きを読む

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