dojiさんの映画レビュー・感想・評価

doji

doji

ほんのすこしだけweb媒体で映画について書くことをしてました。ぼちぼちマイペースに続けたい。

映画(1095)
ドラマ(17)

さよなら、僕のマンハッタン(2017年製作の映画)

-

観終わって、そういえばずっと鼈甲のフレームの眼鏡が欲しかったしそろそろ買おうかな、だとか、ひさびさにサイモン&ガーファンクルを聴こうかな、だとか、グレーのデザートブーツが欲しくなったり、エズラ・パウン>>続きを読む

ラブレス(2017年製作の映画)

-

愛のない夫婦や、愛されない子ども、愛せないということや、愛されないということだとか、そういった感情や関係性について、登場人物たちは話したり身振りで示したりはしているけれど、どうもそういった映画には思え>>続きを読む

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

-

ラストの勲章を授与される映像に静かに物語が接続されるとき、映画の登場人物たちがシームレスに現実の人物としてのリアリティを帯び、映画としての効果とても感じる。映画にする意味と美談というのは必ずしもイコー>>続きを読む

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

-

少し冷静になると、あれ、なんでピクサー映画の併映作がディズニーなんだろ?と思うってしまうくらい、全編に渡ってディズニー作的なポジティブな空気が本作にはあって、少なからずアナ雪の短編が影響しているように>>続きを読む

ブラックパンサー(2018年製作の映画)

-

「コンピュータにはアフリカが足りない」とブライアン・イーノは言ったそうだけれど、この映画を観たらなんて言うのだろう。

アフロフューチャリズムということばで表されているように、美しいアフリカ大陸の色彩
>>続きを読む

The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ(2017年製作の映画)

-

女の園に男性をひとり放り込んだらどうなるのか、というわかりやすいほどのシチュエーションを楽しむ映画なのかなと思ったけれど、劇中と観終わったあととでは大きく感じ方が異なるのが印象的だった。

たぶん、お
>>続きを読む

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

-

カフカでも村上春樹でもなんでもよいのだけれど、不条理を描いた文学というのはときどきむさぼるように読みたくなるし、こういった観客取り残していく映画を映画館でひっそりみる快感というのは確かにある。いまはラ>>続きを読む

クリード チャンプを継ぐ男(2015年製作の映画)

-

ここにあるのは魂しかないなあと思えるほど、本当に気持ちがいい映画だった。レンズを向けられたすべての登場人物が、ことばをつまらせたり、憤り、衝突したりしながらも、少しずつ前に進んでいく。それを静かに、と>>続きを読む

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

-

彼がはじめて「音楽」ということばを手話で覚える瞬間に、すっと涙が出るような感動があった。相手のことばで話す瞬間こそ、社会が“違う”とカテゴライズする2人の気持ちが通じ合う瞬間なのだとおもう。

タイト
>>続きを読む

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)

-

天才、子ども、というのは、ともすればほとんどの観客に関係のない主題として、映画的な設定のおもしろさでしか消費できない作品になってしまうであろうテーマだけれど、本作は才能に呪われた家族が、子どもを育てる>>続きを読む

デトロイト(2017年製作の映画)

-

ずっと胃からせりあげてくる吐き気をこらえながら観続け、それがピークに達したと思われたときにジョン・ボイエガが吐いた。代わりに吐いてもらったような感覚で少しだけ楽になるような気もしたけれど、この映画は決>>続きを読む

キングスマン:ゴールデン・サークル(2017年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

コリン・ファースの続投のニュースは、前作にとても興奮させられた身からすると、少なからぬ不安と落胆を感じずにはいられなかった。ハリーが生きていたというのは、あまりに続編として御都合主義的な展開だし、前作>>続きを読む

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

-

これは一体なんのはなしだったのだろう。復讐、もしくは希望に取り憑かれたひとびとの悲劇なのか、それともプライドと自我をめぐるコメディなのか。すべての悲哀に泣きながら笑ってしまうようで、すべての登場人物を>>続きを読む

スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

スノークの身体が真っ二つにされた瞬間、ぼくの中でなにかが大きくぐらつくのを感じた。

冒頭からどうにもテンポが悪いなと思っていた。シリーズの最初の目玉であるスタートダッシュの戦闘シーンが、どうにももた
>>続きを読む

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

繊細であることにたいして、べつにそれが誇りでもなんでもなく、ちょっとした個人的な問題のように思っている。

じぶんは繊細ですとはとてもじゃないがいえないけれど(それはとてもナルシスティックに響く)、少
>>続きを読む

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

原作を読んだのが10年前、前作を観たのは15年くらい前。そんなあいまいな記憶のまま、ただ映画館に足を運んでロジャー・ディーキンスの美しい映像を大きなスクリーンでぼんやりとながめる贅沢。ただそれを味わう>>続きを読む

アウトレイジ 最終章(2017年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

最初のカットからはっとさせられる静寂は、過去の北野映画にあったような凛とした空気そのもので、本作は3作目だからこその、そして最終章と名付けられたおそらく最初で最後の北野映画だからこその魅力にあふれた作>>続きを読む

シングルマン(2009年製作の映画)

-

死んでしまいたいなあと思ったことがないひとというのは、ほんとうにいるのかなと思う。なにもかもうまくいっていたとしても、ふとしたときにちょっとぐらい思ったりするのではないだろうか。そしてそれは、ああ世界>>続きを読む

ナイトクローラー(2014年製作の映画)

-

主人公がいったいどこからやってきて、何者なのかというものをまったく描かないことで、彼の行動原理そのものが、ぼくたちがもっているある種の欲望というものが肉と骨を獲得してうごめいている様を観ているような感>>続きを読む

君が生きた証(2014年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

観終わってしばらくたって、なんとなく最近のAmetsubuの逮捕について一報を思い出していた。

ツイッターをみていると、当然といえば当然なのだけれど、かなりきつい表現で本人を否定することばが並んでい
>>続きを読む

ダンケルク(2017年製作の映画)

-

これはちょっととんでもない映像と音だ。感じたことのないほどの空と海の広さと、その対照的なほどの息苦しさ、唐突に空気を切り裂く銃声と爆撃音。戦場に放り込まれる感覚という前評判通り、これまでの戦争映画がそ>>続きを読む

スティールパンの惑星(2015年製作の映画)

-

ヒップホップの東西抗争を思わせるほど、あんなにも柔らかな音を鳴らす楽器の歴史に、暴力の記憶があるという事実にとても驚いた。スティールパンのオーケストラのサウンドや、トリニダードという国の空気感。この楽>>続きを読む

ムーンライト(2016年製作の映画)

-

ぼくたちにはだれにも言えないような秘密があるくせに、だいたいのひとが多かれ少なかれ似たような秘密を抱えてるに違いないと思ってる。でもそんなものは幻想で、だれ一人として同じかたちをした秘密を持つものはい>>続きを読む

ロルナの祈り(2008年製作の映画)

-

社会の隙間の中で、だれかを愛そうとしたり、まっとうな生活を送ろうとする。彼女が守りたかったものは、もしかしたらお金でもなければ、愛ですらないのかもしれない。生きようとすることが、現実の世界でどんどん歪>>続きを読む

サンドラの週末(2014年製作の映画)

-

村上春樹の「壁と卵」のはなしで言うのであれば、あくまで卵の側に寄り添った目線で描かれていると思う。最後に主人公たちの前に現れるのは壁なのかも知れないけれど、私たちにはそれで終わらない美しさがあるのだと>>続きを読む

クロウ/飛翔伝説(1994年製作の映画)

-

80年代の残響を残したまま、時代が90年代に進んだあの空気をそのまま取り込み、ビジュアルもサウンドも躁的に全編を覆っている。ひとつの世界を見せる試みとしては成功しているし、グラフィックノベル的な感覚も>>続きを読む

キング・オブ・エジプト(2015年製作の映画)

-

金の表面の表現など、映像的な豪華さはあるのはあるけれど、全体的漂うのは90年代の終わりのあの感じで、とにかく時代感としては古さを感じてしまう(『THE MUMMY』はリメイクされるようだけれども)。マ>>続きを読む

アイ,ロボット(2004年製作の映画)

-

アイザック・アシモフの古典、それもロボット三原則が明記された定番中の定番を、ハリウッド的なエンターテイメントとして描く。そのことはとてもよいと思う。どちらかというと設問に対する回答的な小話が多い原作か>>続きを読む

トランセンデンス(2014年製作の映画)

-

人工知能というテーマが流行り始める、けっこういいタイミングでクリストファー・ノーラン製作に豪華キャストに恵まれた本作だけれど、どうも世間的には失敗とみなされているような印象。全体のルックはいいし、映像>>続きを読む

プリズナーズ(2013年製作の映画)

-

観るもの倫理観を揺さぶるような、そんなアプローチをメインにすることもできるようなテーマをもつ作品なのだけど、この映画の面白いところは、ものがたりの奥に進めば進むほど、ミステリとしての世界構築の完成度の>>続きを読む

グランド・イリュージョン(2013年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

この豪華絢爛キャスト、オーシャンズ並みの評価が下されそうなものなのに、なんとも煮え切らない声ばかりの本作。やっぱり、オチとしてのマーク・ラファロというのは、いくらなんでも意外性が先行しすぎているという>>続きを読む

俺たちニュースキャスター(2004年製作の映画)

-

真面目にやろうと思ったらいくらでもやれそうな女性な社会的な地位の当時の状況を描いているのに、けっこう行き過ぎなほどにふざけ通す全編。合戦のシーンでもう笑いに笑ったのだけど、アダム・マッケイってやっぱり>>続きを読む

イエスマン “YES”は人生のパスワード(2008年製作の映画)

-

言ってしまうとおどろくほど引っかかりのないシンプルさが全編貫く本作だけれど、なによりぶっきらぼうに話すズーイー・デシャネルが見れただけでも大満足。ジム・キャリーじゃなかったらちょっとつまらないだろうに>>続きを読む

ハッスル&フロウ(2005年製作の映画)

-

ありえたかもしれない人生、そこから立ち現れるゴーストとの対峙がもたらす死のイメージ。文学としてのこういった主題はあらゆる作品で描かれているけれど、中年になった男が、ラッパーとしてその問題に取り組む姿は>>続きを読む

8 Mile(2002年製作の映画)

-

まずエミネムの顔がいい。ヒップホップ圏における白人差別というのは、日本ではなかなかリアリティのある感覚としてわからないので、この映画が描くものの意義は少なくないと思う。安易なクライマックスや英雄譚でも>>続きを読む

シルビアのいる街で(2007年製作の映画)

-

街の中に放り込まれるような音の往来と、女性を探す男性のイメージ。夢で見たような光景はたしかに映像的な快楽があるにはあるけれど、ここにあるあらゆるものが解釈に対してオープンすぎるため、かなり受け手頼りな>>続きを読む

>|