knaruさんの映画レビュー・感想・評価

knaru

knaru

映画(173)
ドラマ(1)
アニメ(0)

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

良くも悪くも世界のありようを変えてしまった男の孤独を描いた物語。

とことんオッペンハイマー個人の視点で描かれているので、妻や愛人との危うい関係、政治的な振る舞い、学者としての傲慢さなど、個人の人生の
>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

人はどうやって人になり、自分の人生を獲得するのかを描いた冒険寓話。

「女王陛下のお気に入り」でも迫力の瞳の演技を見せていたエマ・ストーンが、すごい演技。というか、ウィレム・デフォーも鬼気迫ってるし、
>>続きを読む

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

3.5

映画館で久々に鑑賞。ウィノナライダーの輝いていること…! 

ずいぶん年を取った私には、10代の頃にはクールに思えていた深夜タクシーと都市という孤独なモチーフがとても身近な人生になっていて少し驚く。
>>続きを読む

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.0

青春の一時が終わる瞬間の物語。

綾野剛のタラシ演技に説得力がありすぎて、気難しい思春期男子が懐いていく展開がすごい納得できる。

失われる美しい声と再開発で消える汚い街、いつまでも続かない青春や人生
>>続きを読む

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

3.5

みんな大好きイコライザー最新作。

何であんな中途半端な2を作っちゃったかな!と悔しく思っていたシリーズですが、完全にリカバーできた最終章でした。2のキャラブレも落ち着いて、「居場所を守る」1のマッコ
>>続きを読む

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

3.5

みんな大好きジョンウィック。

こんなにやっても殺し方のバリエーションがまだあるの??と驚くキル&キル。もうジョンに向かってくる大量のモブがみんなアホとしか思えない。そもそもシリーズ3作のあらすじが適
>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.0

すごーく明快な英雄帰還の物語。過去作と物語の構造は同じ。
私はここしばらくの宮﨑駿の作品では一番面白かった。
世界観が美しくて圧巻。こんな理不尽で雄大なファンタジーを作っちゃう宮﨑駿は何だかんだですご
>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

3.5

ビジュアルやキャスティング、曲などはエンタメ盛り盛りだけど、物語としてはかなり実験的でハイカルチャー。「美と白痴の象徴であるバービーは女の人生には害である」という共通認識を逆手に、皆が知ってるカルチャ>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

4.0

築いてきたものを全て失った主人公が、本当に大切にしていたものと再び出会う物語。

最初から最後まで、主人公が「失う」瞬間を盛り上げるための人間関係エピソードが続き、物語としては見ていてかなりつらい(意
>>続きを読む

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.0

全世代に愛されてるワールドワイドなIPのファンムービーをIlluminationが真剣に作った娯楽作。

家族とGWに観るのにふさわしいエンタメムービー。めっちゃカッコいい画角のマリオやドンキーコング
>>続きを読む

ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.5

人生すべてを失っていた男が、死を前に人生に少しだけ戻り、去っていく話。

愛を信じて家族を捨て、愛を失い自分自身の人生も捨てた男が、死を前に捨てていたものにもう一度出会う5日間。

別れた妻に会い、こ
>>続きを読む

映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)(2023年製作の映画)

3.0

非常にタイムリーな新宗教もの。

伏線回収や空を飛ぶわくわく感など楽しく作ってあるけど、のび太くんがドラえもんのことを心配しないのは、スタートとラスト展開の驚かせを作るためのキャラブレだなあ…と残念に
>>続きを読む

生きる LIVING(2022年製作の映画)

3.5

生きることの意味を考える物語。

黒澤版も観ているが、公園や部下たちの思い出語りのシーンなど、全般に物語のピースが足りてない感じで、グッとこなかった。周りの登場人物の過剰な顔演技に頼ってる印象。

>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.5

平行宇宙を旅して自分と娘を受け入れる話。

娘がいる人は大号泣などと聞くけれど、私は乗れなかった。父娘→母娘へと「あるべき娘」という呪いが連鎖してるアジア的な家族観の中で、自分にOKを出せずに苦しみ、
>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.5

家族と過ごす幸せな少年期が終わるまでの物語。

ポールダノとミシェルウィリアムズ演じる夫婦が上手すぎるのもあり、スピルバーグ少年の夢追い物語というよりは、夫婦の不思議な愛情関係とその破綻を息子目線で描
>>続きを読む

エゴイスト(2023年製作の映画)

4.5

人を好きになり求めることの身勝手さと、人生の孤独を描いた物語。

鈴木亮平の終始不安げで申し訳なさそうな演技にやっつけられて、途中から観ていて泣きっぱなしになってしまった。

単に浮かれた純愛の空気感
>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

3.0

映画の素晴らしさとスターたちの栄枯盛衰を描いた作品。

サイレントからトーキーに移行する時代に光から影に転落するスター2人と、それに翻弄される主人公を描いてるのだが、キャラクターたちの行動がバラバラか
>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

3.5

前半も後半もドエンタメー! 2人の友情の深まりと強さをエピソードだけではなく、歌と美しい絵面で見せるのがカッコいい。撮る絵を決めてる見せ場が続き、実写なのにアニメを超えてる自由な絵作り。

観るのが遅
>>続きを読む

ドリーム・ホース(2020年製作の映画)

3.5

期待を裏切らないプロットのサクセス実話。こういう分かりやすい映画が人生を救う瞬間があると私は思ってます。

人生にはワクワクする瞬間が必要。それが無くなって自分自身の人生を軽んじるようになったら作り出
>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.0

絵も物語も、原作者である井上雄彦しか作れないものを作ったな!と終始感嘆できる作品。

家族全員と正月休みに鑑賞。私の横で見ていた中2の長男は、まさに私がジャンプでスラダンを読んで興奮していた年頃で、バ
>>続きを読む

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

4.0

タイムループお仕事ムービー。

私も同じ月曜を20年くらい繰り返してる業界にいるので、めちゃくちゃ感情移入して見てしまった。マキタスポーツ部長の朝の挨拶と酒の誘い方のリアルさ…!

今やリアリティの全
>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.5

今まで新海誠の作品って、大きな物語と恋に酔うヒーロー&ヒロイン像が鼻について全く乗れなかったんですが、今作はヒロインの成長ロードムービーとして1本筋が通ってて良作だと思いました。初っ端で厨二設定のヒー>>続きを読む

恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

3.5

若い頃に熱狂した作品。いま見るとドラマはたいしたことないんだけど、雰囲気と音楽とカット割りがカッコつけててメチャクチャ素敵なんだよなあ…。トニー・レオンのブリーフ姿が色っぽくてびっくりした。

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.5

サイバーパンクなネオ日本で繰り広げられるノンストップ殺し屋ムービー。

ブラピの力を抜いた感じの演技が、アホかつカッコつけてる世界観とマッチしてて超カッコいい。音楽やキャラ描写含めて振り切っててとても
>>続きを読む

グレイマン(2022年製作の映画)

3.0

100万回見たことあるエピソードと設定だらけのCIAものだけど、とにかく金をかけててキャスティングが豪華で楽しい作品。クリス・エヴァンスの悪役が当たってて、出演者の中ではキャリア的にも一番得したのでは>>続きを読む

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

3.5

ティモシーシャラメが美しい風景と溶け合って、儚さ、浮つき、不安など10代の全てを表現している。恋をしてクルクル回ったりソファに倒れ込む感じとか、これが演技なのすごすぎる。ラストカット含めて逸材としか言>>続きを読む

ミニオンズ フィーバー(2022年製作の映画)

3.5

安定のミニオンズ。子どもと一緒にゲラゲラ笑って楽しい映画鑑賞だった。

このシリーズを観るたびに思うけど、脚本考える人たちのエピソード発想力がすごすぎる。弟や嫁を出さずにグルーで回した方が断然良いと思
>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

4.0

己の喪失や欠損を自覚もできないほど「無い」のが当たり前の人生を送る主人公たちが、オンボロのバンで赤ちゃんを売りに行くロードムービー。そして、旅が彼らの喪失を埋めて、人生を巻き直していく。

当然、これ
>>続きを読む

エルヴィス(2022年製作の映画)

4.0

早世した天才ロックスターの伝記映画。

トムハンクスが上手すぎて、強欲マネージャーの何考えてんだか分かんないチャーミングモンスターぶりが物凄いことになっており、エルヴィスが彼に捕われるのも仕方ないと思
>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.0

超大作かくあるべしという風格を見せつけるスカッと映画。還暦の恋も仕事も夢もカッコよく全部叶える怒涛の構成が素晴らしい。

トム個人がここまで積み重ねてきた映画スターのトップキャリアだけでなく、少しいび
>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.5

とりあえず公開したらすぐに観ないと!と思ってすぐに観た。そう思わせるだけですごい映画。

作家性にベットして自由に作らせてる作品の無軌道さを楽しむ感じ。人や組織のドラマはすっ飛ばして、ずっと異星人バト
>>続きを読む

シニアイヤー(2022年製作の映画)

4.0

ポリコレ作品しか許されないエンタメ界の息苦しさを、20年寝ていた中年チアリーダーが空気を読まずにぶっ潰す話。

かなりメタかつ批評的なテーマを内包してるのに「人に認められるんじゃなく、それぞれの個性を
>>続きを読む

モービウス(2022年製作の映画)

3.5

アクションシーンがエフェクトでどうにかしすぎていて何が起きてるのか全くわかんなかったけど、コンパクトな物語と異常に分かりやすい人物描写で楽しく観れた。ヒロインや警官などのキャラの扱いが典型的すぎて雑。>>続きを読む

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密(2022年製作の映画)

3.5

「ハリポタは世界的な文化公共財」が前提のキャラ萌え映画。
役者がずっと設定台詞を話し続けてるにもかかわらず成功したエンタメ映画という点ではエヴァと似てる。

一作目からローリングの設定厨ぶりとオタ萌え
>>続きを読む

ライフ・ウィズ・ミュージック(2021年製作の映画)

3.5

自分と人を愛することを学ぶ人たちの物語。

後半が駆け足で麻薬ディーラーと養子の話はどうなった?と謎が残ったけど、ほろ酔いで観たら音楽シーンでトランスできて大変楽しめました。

正直、ラジー賞を獲るほ
>>続きを読む

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.5

タイトルがすべて。もう二度と戻れないあの頃の恋を少しだけ思い出す物語。

池松壮亮の語尾が甘い喋り方や、縋るみたいな表情が色っぽすぎて、こんな危うい感じの男と付き合ってみたかった…!と思ってしまう。
>>続きを読む