昨今、原作をドラマ化するにあたりどのように脚色すべきかという問題があるが、このドラマはその問題提起への最終回答だろう。原作に込められた魂を作り手がきちんと掴み、託されたバトンを繋いでいけば、まさに無限>>続きを読む
自首を阻止しようとする刑事も、PTAに加入させようと躍起になる主婦も設定は面白いが、それを物語としてどう転がすかにつながっておらず、起→結という印象しか受けない。
タイムスリップSFとカルチャーギャップコメディ、さらにはミュージカルといったジャンルものの面白さがありつつ、時代を行き来することで昭和と令和の価値観の時代史と家族史を見事に接続してみせる。
最後に判>>続きを読む
単発ドラマということもあり、駆け足な展開であることは否めないが、それでも日常生活で辛いことがあればハレ=非日常に逃げ込むのではなく、自分自身でコントロールできるケ=日常の部分は、せめて自分が息をしやす>>続きを読む
終始「ドンマイドンマイ、僕は好きだよ。」といった眼差しや温度で描かれる父娘の物語は、死ぬまでにやりたいことリストを達成していくという目新しさのない設定でありながらも、木梨憲武と奈緒のケミストリーが醸成>>続きを読む
3話の中では1話目の青春のリグレットが抜きん出ている。夏帆の演技力と岨手由貴子脚本の力で見応えたっぷりの仕上がりで、ラストの切れ味と余韻もいい。
2話目は店内放送でユーミンの曲を流すというひとつのミ>>続きを読む
各キャラクターの魅力や掛け合いの楽しさはもちろんのこと、不動産という各々の人生と密接に関わるものだからこそ毎回タメになり、そして不動産を通して大きな決断をする者たちの人生が確かに透けて見えてくるのが本>>続きを読む
福田麻貴を主演に据え、ラブコメとして面白い演出を試みているものの、物語が弾けていかないもどかしさ、全く意外性のない着地と、幽霊✕2を成仏させることが物語と巧く絡んでいかないストーリーテリングのヘタさに>>続きを読む
多様性の時代で自らの価値観をアップデートさせることで、新しい自分や世界を獲得していき、その姿を通して周囲にも好影響を与えていく様をコミカルな原田泰造たからこそのおっさんの奮闘劇と、広い意味での家族ドラ>>続きを読む
愛のない、I=自分のない、男女6人が織りなす群像劇。主体性のない30代の人間たちが恋に仕事にウロウロするため物語は停滞気味ではあるが、そこをリアリティーラインを下げ、ある意味力技で物語を転がしていく不>>続きを読む
同原作者のNHK制作ドラマ「透明なゆりかご」も素晴らしい医療ドラマだったが、今回も負けず劣らずの高クオリティで全4話を一気に見せ切る力強さがあった。
自死を選んだ古田新太の存在と不在が本作の中心にぽ>>続きを読む
犯罪を実行するまでの素人たちの準備の過程の面白さは、同じバカリズム脚本「殺人の道程」と通ずるものがある。自分たちのやることを正当化(=トントンに)するために彼女たちなりのこじつけロジックで理論武装する>>続きを読む
デスゲームの首謀者が考えたルール設定がガバガバでプレイヤーたちから逆にダメ出しを喰らいまくって自暴自棄になり賞金が一瞬にしてなくなる第3話が抜群の面白さ。
一方で、相手を褒めているのか馬鹿にしている>>続きを読む
いわゆる王道のホームドラマではあるが、小池栄子演じるキャリアウーマンがダメ夫を食わせるという構図が現代的。毎回ゴングが鳴る家族喧嘩のテンポ感と、しょーもないけど家族それぞれそこには確かに愛がある温度感>>続きを読む
男女の恋愛についての物語は数あれど、そこに自分が得意/苦手とする相手の人数という単位を持ち込み、そこから生まれる生きやすい/息のしやすい人間関係を模索するという視点が新しく、自分に置き換えて振り返ると>>続きを読む
「ドロステの果てで僕らは」「リバー流れないでよ」の監督・脚本コンビが手掛けたタイムスリップものである本作は、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「恋はデジャ・ブ」「時をかける少女」といった同ジャンルの名>>続きを読む
限界集落の世襲や利権を中心に確固たるパワーバランスが形成され、それに抗い脅威とみなされた者は裏切り者として排除される究極の同調圧力と疑心暗鬼が充満する息苦しさを最後まで持続させる力量が素晴らしい。>>続きを読む
「炎上」というダブルミーニングをキーワードとして展開される、各々のやり方で家族を守るために思惑がぶつかり合う物語は、キャラクターの強さとサスペンスとしてのミスリードも用意され、オーソドックスな娯楽作と>>続きを読む
ソーシャルメディアが若者たちの価値観にどのように影響しているのかをスリラー調で描いた本作は、肥大化する承認欲求、私刑という行き過ぎた正義感、ネットストーキング、自己顕示欲の暴走を各話の主題に置き、そこ>>続きを読む
復讐に燃える男といとこによる殺害計画。その行為や目的とは裏腹に、井浦新とバカリズムの掛け合いはオフビートで、ユーモラスで、男ならではの下心や雑念が入り交じる。バカリズムは日常を斜めから覗き見る観察眼と>>続きを読む
『夏至物語』を何故いまリメイクするのか。情報の洪水に脳がついていけず、部屋の外の世界とうまく関わることができない彼女を、オリジナル当時の90年代はちょっと変わった子で片付けていたかもしれない。だが現在>>続きを読む
双方の母親を巻き込んでの離婚にまつわる夫婦の泥沼劇を描くかと思いきや、中盤からは選挙戦という沼にハマる離婚間近の夫婦の一蓮托生劇という政治コメディに主軸が移っていく。
その過程で夫婦や結婚という形に>>続きを読む
東北地方でいつか大地震が来ることは予測されていたが、それによって大津波が押し寄せ、原発が暴走を始めることなど誰が予想したか。だが、地球や自然を人間が完全にコントロールすることができず、そんな未曾有の時>>続きを読む
職場で、ジムで、オノレの肉体の限界の向こう側に待ち受ける世界。オールアウトという言葉を用いて、公共の電波にのせて合法的に恍惚の表情を浮かべながら絶頂を迎えるなかやまきんに君のエクスタシーが最高。
いい意味で分かりやすいキャラクター造形と単純明快な物語展開がドラマとして見やすく、忽那汐里演じる女性記者から見た角界を観客の視点と同化させることで、より取っ付きやすい作りになっている。
土俵は聖域で>>続きを読む
松岡茉優と芦田愛菜に引っ張られながら、他の若手キャスト陣も好演を見せ、とにかく言葉の説得力で最後まで突き進み切った。綺麗事ではない形で問題を解決し、力づくで未来を変えようとする、そして自らの未来を掴み>>続きを読む
軽度の知的障害云々ではなく、なぜ周囲は当たり前のようにできているのに自分だけできないのだろう、そんな自分は周囲に必要とされていない、そう思われているのに優しい言葉をかけてくる周囲の気遣いにまた傷つくと>>続きを読む
福澤監督のフィルモグラフィーの中での位置づけ、TBS日曜9時の位置づけ、アフターコロナでのドラマ制作の位置づけ、地上波で週1話ずつ放送するというフォーマット上での位置づけ。そのような前提となる位置づけ>>続きを読む
都会の暮らしに疲れて田舎でのんびりというような移住ブームやそこでの地域住民との温かい交流やコミュニティの一員としての存在意義を入口に、一方で長年日本映画が描いてきたムラ社会のめんどくささや陰湿さおどろ>>続きを読む
今期いちばん見やすい、それでいて身につまされるようなドラマだった。やや鈍感なアラサー男子が、男であればこの年頃であればこうあるべきというような価値観、もはやそんな時代ではないという新たな価値観、その狭>>続きを読む
耳が聞こえないというハンディキャップを主軸に据え、それを可哀想と思わない周囲との関係性、父と娘の親離れ子離れ、そして過疎化した地域と再開発の問題、それらの一見相容れない者同士が、コミュニケーションの力>>続きを読む
大九明子の狂気的な才気と、若手女優で最も力のあると言っても過言ではない河合優実の唯一無二の実在感がスパークを起こし、未だかつてないアヴァンギャルドでハートフルでパンチの効いた家族ドラマの傑作。
死ん>>続きを読む
日常の半径3メートルくらいの話とSF的な設定を巧くミックスさせ、人間たちのしょーもなさや滑稽さを浮かび上がらせる名人芸の域に達してきた脚本家としてのバカリズム。
今回は特に1話目のレジの行列というワ>>続きを読む