ぜんさんの映画レビュー・感想・評価

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憐れみの3章(2024年製作の映画)

3.8

ランティモスの映画で1番好きかも!

ランティモスの映像は視覚的には美しいのだけども、運動や意味内容的な決定力に欠ける印象があって苦手… 本作も相変わらず苦手なショットが続いていたのだけど、1話目最後
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Cloud クラウド(2024年製作の映画)

3.8

いつもの黒沢清と一味違う?
超超超サスペンス!

フレーム外への意識や選択肢の提示、情報の断片的開示によるサスペンスの徹底
過去作よりも画面の強度を落とし、その分強くフレーム外を意識させているのかも 
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ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(2024年製作の映画)

3.4

【※注意】
あまり楽しめなかった観客としての感想です。感想を読むと不快に感じる可能性があるので、お気をつけください!
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.1

おもしろかった〜

上から下への流れ、均衡が崩れる瞬間。対立や均衡を浮き彫りにする、核心をついた言葉たち。

説明会のシーンがおもしろ過ぎる。緊張感、ずっと観ていられる。脚本賢い。

音響、ショット、
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シェイディー・グローヴ(1999年製作の映画)

3.7

個人にとっての万物は、実世界の万物を認知、解釈して作り上げた虚像である。そのような個人間の繋がりとは、虚像に対する一方通行の思いを相互に抱えているだけであるのかもしれない。
例に漏れず、自分の築き上げ
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インサイド・ヘッド2(2024年製作の映画)

3.8

ディズニーピクサーはビジュアルの力がとんでもない。開始2分でビジュアルに当てられて泣いてしまった。

スティックでパックを扱う動作に喜びを感じさせる巧みな映像表現。硬い道具同士の触れ合いが、人体と人体
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Chime(2024年製作の映画)

3.9

黒沢清ってこんなに気持ち悪かったっけ?!(褒め言葉)
どことなく若さのようなものを感じた。

刑事と料理教室内で話すシーンのセリフ、キレキレ!料理教室は防具も無しに刃物を持った人々が集まった空間である
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カルト(2012年製作の映画)

3.6

白石監督の真骨頂はドライブ感にあると思ってるので、ドライブ感弱めの本作はそこまでハマらなかった。

モキュメンタリーにリアリティの低いキャラ出すのは白石監督の発明ね。

展開に驚きがあって良い。

オカルトの森へようこそ THE MOVIE(2022年製作の映画)

3.9

おもしろすぎる〜。特に前半部。出来事のテンポ感が異常で、それらに押し出されるようにして物語がどんどんと進行していく。このテンポ感で出来事を生み出すことができるのは、オカルトというテーマ故か。

しかし
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

テンポが良くて、シーンが決定的で、距離が近過ぎなくて、ユーモアが豊富で、短い。結局こういう映画が一番好きだ〜。

作中人物との遠めの距離感故の、完全な他者視点からの人物への愛着。作品世界への感情を無理
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スターマン/愛・宇宙はるかに(1984年製作の映画)

3.9

ジョン・カーペンター好き!
どストレートにおもしろい。

人物がずっとおもしろいことをしているので、ショットの強度がずっと高い。ショットへの意識が高い上にお金もかかっているので、要所で必ず決定的なショ
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青空娘(1957年製作の映画)

4.3

映画の神に愛されている!

運動から迸る生命力、次々と画面に現れ移ろい続ける注目対象、空間の広がりと時間空間的リズム、それらの熱が冷めない内に次のシーンへと向かう促進力、運動と場の空気感を逃さない構図
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逃げた女(2019年製作の映画)

-

終盤で見方を掴めてきたので、もう一回観ます。カロリー使うヤツだ!

嵐電(2019年製作の映画)

3.6

学生映画感(自分も学生映画を撮っている身ではあるが)。よく理解できていないシークエンスも多い。

ロケーションの雰囲気大好き。自分が関西圏に住んでいるが故に見逃しがちな良さを感じることができた。

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イゴールの約束(1996年製作の映画)

4.0

めちゃ映画的で最高。

ワンシーンが短く、時間の飛躍も大胆(ここでいう大胆とは、大きく時間を飛ばすということではなく、シーンの始め終わりのタイミングに工夫が見られたり、カットが頻繁であったりすること)
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関心領域(2023年製作の映画)

-

中盤寝ました。力不足で悔しい。

切り口は斬新だし、こういう映画があってもいいが、好みではない。コンセプト上、慣習化された生活を映すことになるのだが、そこには状況に対応した感情とそこからの運動という推
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蛇の道(2024年製作の映画)

3.9

オリジナル版未鑑賞。

画面外への意識の高さ、運動と空間の空気感を逃さない画角。安定のクオリティ。思い返せば思い返すほどおもしろい。

溶接をする女、床に落ちた飯を食べる男、銃を撃つ男が同時に収められ
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あこがれ(1958年製作の映画)

3.9

短いので観てみたらめっちゃ良かった。18分でエネルギー貰える。
運動し続ける人物からとめどなく溢れ出る生命力。最適でキメキメのショット。
めっちゃでかい階段みたいなロケ地最高。移動するだけで圧倒的な画
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田園に死す(1974年製作の映画)

3.7

ビジュアル全振りの耽美的なショット。前衛的なモンタージュ。ただ、テンポが悪くおもしろくはない。

ワンシーンが長い割に対象も分散しているので、状況→感情→運動→状況…みたいな推進力を伴ったサイクルが回
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若武者(2024年製作の映画)

4.1

映画と、自分と距離を置いて観れる映画だった。

全員がしょうもないんだけど、そういう自分がいるのも現実で、じゃあどうするの?みたいな行き先の定まっていないエネルギーの塊のようなもの。自己と社会への感覚
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宗方姉妹(1950年製作の映画)

3.8

初小津映画。午前10時でやっていたので。

様々な映画を通して小津安二郎という名前を何度も耳にしていたものの、なんとなく小難しそうで避けていた。しかし、実際観てみると、とても馴染みがよく観やすい作品だ
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女は男の未来だ(2004年製作の映画)

3.7

かなり解釈を委ねてきてびっくり。

全体としての内容みたいなものは分からなくても、シーンやショットがおもしろいので楽しんで観ることができる。

反復される、店員を勧誘するショットが良すぎた。

バーが
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移動する記憶装置展(2023年製作の映画)

3.8

かっこいいショット!
黒沢清や相米慎二を感じる。場の雰囲気をしっかりフレームに収めていて良い。

伝言というのは、どこか演じることと似ているような。そういうことの繰り返しによって、個人に内面化されてい
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偶然と想像(2021年製作の映画)

4.1

強い対話性が印象的。話題や場の空気に飲まれず、その時に自分が思っていることをそのまま言うことができたらどれほど良いか。自分自身の一瞬の感情を理性で感知して、そのまま言葉にしている感じ。

感情→行動→
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.0

褒めることしかできないのが悔しい。

生活、社会、労働、街、温度や空気みたいなものがバランス良くフィルムに記録され、その全てが凄い濃度。階段を登る親を見送った後に車のスライドドアを閉めるところや、家で
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愛なのに(2021年製作の映画)

3.7

監督と脚本の相性が悪い。

今泉感マシマシの脚本を他の監督が撮っている違和感。やっぱりあの撮影、あの演出、あの音響じゃないとしっくりこない。特にシュールなユーモアと距離近めの演出がミスマッチで笑いにく
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.2

ほぼ理想の映画。

一日を通してその人に染みついたもの、また、その積み重ねをある人の影と表現しているのだろうか。
住む世界が異なる人々の、交わることのない影たちが、非日常(日常の崩壊や日常から逸脱)の
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.7

初見じゃあまり分からなかった。
自死した父に思いを馳せるみたいな感じ?

父親が抱える影を連想させるようなモチーフ(育ち、子供を持つことに対するプレッシャー、セクシュアリティなど)が何度も登場するが、
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その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

3.8

初北野武。
優秀かつ大胆で映画がうますぎる。
演出とショットの映画という最大の褒め言葉を贈りたい。

ショットが最高。東が警察署へ向かって歩くショット、車降りてから港に歩くまでのショットなどは特にかっ
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HOUSE ハウス(1977年製作の映画)

3.8

実験的な点はもちろん評価するとして、この映画自体は全然好きじゃない。ただ、この映画が公開、評価される日本映画界が好きだ。

ショットとその編集の仕方がすごく漫画みたい。
各シークエンスにこう感じてくれ
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.9

ノーランは人物ではなく事象を描いている監督であるように感じる。

単純に自分が知識不足なのと、伝記的な感じで情報量が凄まじく言及しきれないことから内容については触れません。

また、センシティブな題材
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くれなずめ(2021年製作の映画)

3.5

集団の描き方が貧しい。
複数人での会話シーンも全員が一本の筋の会話に従属していて、個人が見えない。個人と個人の集まりが会話を形作るはずなのに、最初に会話を作り、後から発言する人物を振り分けているかのよ
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お嬢ちゃん(2018年製作の映画)

4.3

リアルの中に一線を越えた何かが切り込む際に迸る緊張感と興奮。
「これ飲んだら部屋行くから」という前振りの後のリビングへの移動、絶対に話題を渡さないみのり、「美人に厳しく、ブスに優しく生きていこうと思う
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青春ジャック止められるか、俺たちを2(2024年製作の映画)

3.7

情熱。
私自身、大学生で映画を撮影している身なので、かなり刺さってしまった。

映画青年井上の圧倒的な行動力や、若松監督の現実を見据えた完了主義の思想には否が応でも熱に当てられる。『ロッキー』をパクれ
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.9

アリ・アスター好き。
めっちゃ楽しかったけど、自分の精神的自立が不十分なのでキツかった。

話の軸が見えづらく、予想外の出来事が凄いスパンで連続する。常に新しさと驚きに満ち溢れていておもしろい。
ボウ
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さよならくちびる(2019年製作の映画)

3.9

優しさ、音楽、小松菜奈。好きなものTOP3が全部入りなので好きにならざるを得ない。

様々な人物や状態を一面的に描いてから徐々にその背景情報を開示していく構成が嬉しい。興味が絶えないし、多面的に人物を
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