EDDIEさんの映画レビュー・感想・評価

EDDIE

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六人の嘘つきな大学生(2024年製作の映画)

2.9

サスペンスにしたいのか、ヒューマンドラマにしたいのか、見せ方がブレすぎてて心が動かず。ファーストインプレッションで予測がつく犯人とペラい演技合戦。俳優というより演出や撮影、照明と総合的にイマイチ。言い>>続きを読む

ロボット・ドリームズ(2023年製作の映画)

3.4

出会いと別れ。犬とロボに置き換えることで性別を気にせず、恋心なのか友情なのか、それは観る人の感じ方に委ねられる。人は誰とでも出会いから永遠に一緒にいられるわけではない。“人生”を台詞なくアニメーション>>続きを読む

正体(2024年製作の映画)

4.4

“信じる”と“疑う”は表裏一体。なぜ人は信じようとするのか。なぜ疑うのか。その根本にある感情の機微を役者たちが巧さで見せる。人の感情って善悪だけの二元論で語るほど単純じゃない。ヒューマンサスペンスとし>>続きを読む

ドリーム・シナリオ(2023年製作の映画)

3.9

自分が彼と同じ立場だったら…そう想像すると劇中の出来事の理不尽さに胸が締め付けられる。まるでこれはSNSの炎上の2次加害。しかも勝手に自分の知らぬところで炎上するから居た堪れない。彼は本当に夢の中で出>>続きを読む

ブリッツ ロンドン大空襲(2024年製作の映画)

4.4

面白い!戦時下、爆撃の危険のあるロンドンから安全のため息子を疎開させることを決意した母。疎開先へ向かう列車から飛び出し子が母の下へ戻ろうと悪戦苦闘するロードムービー。黒人の血を引く息子のアイデンティテ>>続きを読む

動物界(2023年製作の映画)

4.3

“共生”とは名ばかりか。身体が動物化する奇病。人間の中でも分かり合えないことで仲間外れになるのは珍しくない。ウィルス感染や大病、多くの登場人物が自分に起こる可能性を排除していて現代をリアルに映し出して>>続きを読む

バーバー(2001年製作の映画)

4.4

最高に面白いコーエン兄弟の紡ぐ理髪師の悲喜劇。何の変哲もない日常を繰り返す理髪師は持ち掛けられた投資話に乗っかる。すると悲劇が…随所に差し込まれる主人公エドの独白、彼の本心を知った時結末の感じ方は18>>続きを読む

(1963年製作の映画)

4.2

原因不明が一番怖い。未曾有の出来事が起きた時に人間は「なぜ!?」を考える。しかし考えてもどうしようもないことも…無数の鳥が襲いかかってくる脅威。残虐にも鳥は手加減をしてくれない。60年以上も前の映像作>>続きを読む

レッド・ワン(2024年製作の映画)

3.6

程よいクリスマスアクション!
キャプテン・アメリカ卒業後のクリエヴァは徹底的にクソ野郎路線を行っている気がする。クリスマスに良い思い出ない男が屈強な男と共に攫われたサンタを救い出す。
雪だるまやシロク
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本心(2024年製作の映画)

3.3

人間の本心とはフィルターを通さないと上手くは言えないのか。ある告白のシーンは自分があの立場だったらと想像するとあまりにもグロテスクで気分悪くて耐えられない。
本心で語り合えなかった母息子の物語だと期待
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ザ・ルーム・ネクスト・ドア(2024年製作の映画)

4.3

ジュリアン・ムーアとティルダ・スウィントンの二大女優が織りなす死生観の提示。
倫理観など問われる場面はあるものの、人間に必ず訪れる“死”への向き合い方はこれぐらいポップでもいいのかも。
そう思わせるぐ
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STRANGERS(2023年製作の映画)

3.9

模倣の連鎖。人が鬱屈とした人生を生きる中で一種の憧れのような存在を模倣することで生き方を変えていくことがある。度重なる着信音、水、鉢の割れる音、不穏さが続きながら主人公直子の変化を見届ける。あの山口は>>続きを読む

十一人の賊軍(2024年製作の映画)

3.5

時間の長さは感じてしまうものの、時代活劇として見応えあり。罪を放免され自由になることを求めて罪人たちが新発田藩の砦を守る任に就く。官軍の身勝手さ、しかし市民の生活を守るには犠牲は免れない精神。キャラも>>続きを読む

おんどりの鳴く前に(2022年製作の映画)

3.8

ルーマニアの美しい原風景と裏腹に陰鬱と進むストーリー、からの衝撃のクライマックス。
“人間は等しく、愚か”のコピーが表すように、爽快とも何か違う…人間の不器用さが浮き彫りになるシーンの連続に切なさが込
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トラップ(2024年製作の映画)

4.4

シャマランおったまげ!最高だ!
大人気歌手のライブ会場に忍び寄るシリアルキラー。会場は万全の警備体制。悪役視点で魅せる「どうやって抜け出す⁉︎」から心理的にエグるクライマックスまでずっと面白い。わざと
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ヴェノム:ザ・ラストダンス(2024年製作の映画)

4.1

“ラストダンス”の名に相応しい終幕。
長年体を共にしたエディとシンビオートが終わりなき旅を目指す。「さようなら」は別れの言葉ではない。バディムービーからチーム、そして個へ。お笑い要素もバランス良くスケ
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まる(2024年製作の映画)

4.0

まさに堂本剛の人生そのもの。美大卒の無名なアーティストが描いた“まる”がバズる。金か自分らしさか、アイデンティティの葛藤。世の中は諸行無常。思いも寄らぬブレイクがあれど世間のレッテルに合わせ続けるのは>>続きを読む

スプリット(2017年製作の映画)

4.4

マカボイの多重人格演技を堪能。
突如正体不明の男に誘拐された女子高生3人。監禁され、相対するのは同じ顔の別人⁉︎
すでに存在感が覚醒しているアニャを筆頭に、シャマランの総決算とも言うべきスリラー演出が
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グラディエーター(2000年製作の映画)

4.2

互いをよく知る男二人の意地の決戦。
家族を亡くし一度どん底に落ちた男が剣闘士として這い上がる。スケールの大きな撮影と美術が本当に凄い。虎が出てくる闘技場のシーンめっちゃ面白い!
彼ら2人の対立を見て市
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レディ・イン・ザ・ウォーター(2006年製作の映画)

3.9

あるアパートの住人たちを中心に据えた御伽噺の実現。ポール・ジアマッティが水に濡れた美女に出会い、彼女を元の世界に戻すべく住民たちの協力を得る。右腕だけ鍛える半身マッチョがツボ。
興業的にも評判も最悪な
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ほなまた明日(2024年製作の映画)

3.1

芸大生の若き才能とそれに翻弄される友人たち。写真に全てを注ぐ覚悟のある天才とその才能と努力を見せつけられ自分たちの進むべき道に迷い葛藤する友人の構図。言葉で語るタイプではないものの、画で見せるにはちょ>>続きを読む

リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

4.0

面白かった!
「私の初期位置はそのあたりなんで」
2分のタイムリープを繰り返すという基本プロットだけ知った上で鑑賞したらやられた。この方法ならループものもマンネリせずに楽しめるのか。記憶や感情はそのま
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ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(2024年製作の映画)

3.8

かなり挑戦的な構成だ。“面白い”とか“面白くない”、“正義”や“悪”と言った二元論で語るは愚か。
あくまでDCコミックのキャラクターをベースにしたフィクションなのだろう。
「お前らこいつに何を期待して
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若き見知らぬ者たち(2024年製作の映画)

3.6

絶望。父を亡くし母の介護をしながら昼夜働く主人公。うわぁキツい…からのまだキツい…低所得労働者の介護、夜勤連勤の看護師、警察の誤認逮捕、これでもかと厳しい現実を突きつけてくる。唯一の希望といえる弟の総>>続きを読む

Cloud クラウド(2024年製作の映画)

4.0

集団心理の恐ろしさと同時に愚かさも描き、現代社会を徹底的に皮肉る黒沢清劇場。
前半は転売屋が人から恨みを買う過程を丁寧に描き、後半はその恨みが爆発するものの復讐が素人ではそう簡単に行くわけないバカバカ
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Rez Ball/レズ・ボール(2024年製作の映画)

3.6

もう一度立ち上がれ…!熱きスポーツドラマ誕生。
開始25分で訪れる衝撃。茫然自失と虚無の感情から彼らは頂点を目指す。ニューメキシコ先住民の地でネイティブアメリカン中心の高校バスケチームが主役。試合シー
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侍タイムスリッパー(2023年製作の映画)

3.5

武士が140年後の現代へ。思いの外、主人公が現代に順応するのが早いとは思ったけど、なるほどこれは流行る意味もわかる良作。
何より主演・山口馬木也の佇まいが武士のそれ。かっこいい。
クライマックスは現代
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ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ(2024年製作の映画)

4.7

凄すぎる…!冒頭からクライマックスのようなアクションを魅せられたと思いきや、宮崎の地でもいつものちさまひの長閑なやり取りを堪能。池松壮亮の圧倒的な存在感よ。キャラ一人ひとりに血が通うシリーズ最高傑作と>>続きを読む

傲慢と善良(2024年製作の映画)

4.1

人間って誰もが傲慢な所はある。「あの子はそんな子じゃない」と勝手にイメージを作り上げ、一種のパブリックイメージで自己洗脳していく…他人の品定めをし数値化することの愚かさ。良い所も悪い所も知ることで絆は>>続きを読む

Apple Original Films『ウルフズ』(2024年製作の映画)

4.0

癖になるこの2人。往年のハリウッドスター、ブラピとジョージ・クルーニーがタッグを組むクライムコメディ。「何で俺がお前と組まなあかんねん」な状態からの珍道中。長年のコンビの如く息のあった行動もありお見事>>続きを読む

ぼくが生きてる、ふたつの世界(2024年製作の映画)

4.9

時に疎ましく、時に途轍もなく愛おしい。成長するにつれ“普通”ではないと感じ始め母に反抗する息子。しかし時を経て、彼は世界を見た。全く異なるふたつの世界。子供の頃の恥ずかしさは取るに足らない。今も母が大>>続きを読む

トランスフォーマー/ONE(2024年製作の映画)

3.4

これがオリジン。幾多の実写映画で描かれてきたトランスフォーマーたちの起源に迫る。同じような正義感を持っていても一つのきっかけや裏切られた気持ち一つで方向性にズレが生じる。見事なアニメーションで魅せるも>>続きを読む

チャンピオンズ(2023年製作の映画)

4.0

やっぱ最高!
オリジナルのスペイン版をなぞってるので“超える”はなくとも、アメリカに舞台を移したことでNBAネタをぶち込んできたりコメディ要素もウディ・ハレルソンが主演に坐ることで笑いが止まらない。
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アトラス(2024年製作の映画)

3.6

AIと人間は共存できるのか。最強の知能を持つAIアンドロイドハーランが人類に反旗を翻す。天才分析官アトラスはハーランを捕らえるためチームを結成。ガジェットやアクションは見応えあり。ただ頭脳vs頭脳の構>>続きを読む

ヒットマン(2023年製作の映画)

4.1

これほぼ実話。笑えるクライムコメディ!ただの平凡な大学教授が警察の捜査協力から発展し囮捜査で殺し屋に扮する。グレン・パウエルの七変化とばかりに色んな彼のスタイルが堪能できる上、彼が惚れる殺人願望ヒロイ>>続きを読む

ぼくのお日さま(2024年製作の映画)

4.3

人は痛みを伴い前に進む。自然光に身を委ねた柔らかく温かい撮影はどこか幻想的で夢を見ているかのよう。何度も転んで立ち上がり、自分の知ってる世界を裏切られ、知らぬ間に遠ざかっていく。たった90分の尺で人生>>続きを読む