EDDIEさんの映画レビュー・感想・評価 - 24ページ目

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

4.5

妻の訴えは異例の出来事。
恥辱にまみれた裁判は審問内容も悍ましい。
果たして真実を決するのは“神”なのか。
瞬きも勿体ない決戦シーンに息を呑み、マルグリット役ジョディ・カマーのラストの表情が胸を打つ。
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.0

映像と音はパーフェクト。
壮大な物語。確かに劇場で観るべき。
ただ“まだ始まったばかり”と言ってインターミッションで焦らされているこの感覚は何だ。
予告で暗くてわかりづらかったシーンはドルビーシネマだ
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キャンディマン(2021年製作の映画)

4.5

観賞後、鏡の前に立つのが恐ろしくなる。
その名を呼んではならない。
冒頭からの反転した企業ロゴ、俯瞰で映すカット、腐敗への転落を暗喩。
前作との関連を仄めかす脚本と鏡を活かした芸術的な撮影が目を惹く。
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燃えよ剣(2021年製作の映画)

3.7

やはり新撰組の物語は面白い。だがそれは司馬遼太郎の小説に準拠したが故。
土方の語りで進行する前半、新撰組結成後を画で魅せる中盤以降はまるで別物。
所々見応えのある殺陣はあるものの、残念ながら新撰組の壮
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エスター(2009年製作の映画)

4.5

ロシア出身の孤児を引き取った夫婦は人生が一変。
この子ども…何か変だ。
耳の不自由な娘の設定を活かした演出や恐怖感を煽る撮影や音。
常に先読みをする天才孤児が魅せる傑作サイコスリラー。
エスターを演じ
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ヒート(1995年製作の映画)

4.1

アル・パチーノ×ロバート・デ・ニーロ×マイケル・マン監督。
硬派な漢と漢の人間ドラマ。
昼の銃撃戦と夜の銃撃戦は圧巻の見応え。
本作最大の見せ場であるこれらの銃撃戦に至るまで…刑事と犯罪者という真逆の
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ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた(2017年製作の映画)

3.9

恒例のボストンマラソン。群衆で湧いた街が突如大爆発に見舞われる。
彼はマラソンに出場した恋人の応援に来ただけだった…悲惨なテロの現場から彼の人生は一変。
有名人になる一方、未熟すぎる自分に失望するばか
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パトリオット・デイ(2016年製作の映画)

4.3

明日は我が身。何が起こるかわからない。
ボストンマラソン爆破テロの犯人逮捕までを追うシリアスなドラマ。
実際の映像とリンクさせ、犯人との銃撃戦ではドキュメンタリーチックな撮影で臨場感を演出。

被害者
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PITY ある不幸な男(2018年製作の映画)

3.2

不慮の事故で昏睡状態に陥る妻。
近隣の人々に同情され男はその優しさに依存していく。
ヨーロッパの綺麗な自宅を舞台に、独特のカメラワークで魅せる。
ただ全編を通して使われる大音量が不快に感じると共に物語
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草の響き(2021年製作の映画)

5.0

スケボーの滑走、ランニングの靴音、草の響き。
音のこだわりが随所に演出された1人の男の再生物語。
3人のメイン役者が奏でる自然体。その空間は実に心地良い。
ただこれが夫婦2人になった途端崩れる。そんな
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キャンディマン(1992年製作の映画)

3.7

鏡に向かって“キャンディマン”×5回。
ヤツは背後から現れる!
そんな都市伝説を調査する主人公。夢か現実か、不安定な世界観で悍ましい事件が巻き起こる。
映画“透明人間”にも影響を与えたようなプロット。
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映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

4.4

“君は誰のために映画を撮るのか?”
人生で映画しか糧のない主人公監督が1本の映画を製作する中で沢山の人々に好影響を与えていく。
期待値とは未来に向かって存在する。
銀行融資のプレゼンのシーンが熱すぎて
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プリズナーズ・オブ・ゴーストランド(2021年製作の映画)

1.3

とにかく苦行の105分間。
前半はいつ面白くなるだろうと思いながら。
後半はいつ終わるかなと思いながら。
褒めるべき点がニコラス・ケイジが体張って笑いを提供してくれたことぐらい。

もはや全てが点でし
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DIVOC-12(2021年製作の映画)

4.0

12人の監督が織りなす12篇の短編オムニバス。
出会いや別れを描く作品が多く感じたが、ヒューマンドラマ、ゾンビパンデミック、ミュージカルと何でもありな作家性の違いが面白い。
自分好みの作品を探すのも一
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裏窓(1954年製作の映画)

4.2

ケガをきっかけに隣人観察を始めたカメラマン。
真夏の暑さに窓を開放する隣人たちを覗き見、彼らの一挙手一投足を楽しむ最中、1人の隣人の殺人を疑う。
人間の想像が現実になるヒッチコック活劇。
限定的な空間
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ばるぼら(2019年製作の映画)

2.0

手塚治虫作品の実写化。
伸び悩む有名作家の前に現れた見窄らしい女性ばるぼら。作家は彼女の不思議な魅力に惹き寄せられるが…
稲垣吾郎&二階堂ふみの濡れ場は見せ場なのだろうけど、世界観の構築が中途半端で乗
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死霊館 悪魔のせいなら、無罪。(2021年製作の映画)

3.8

ウォーレン夫妻、次の依頼は少年に憑依した悪魔祓い。
成功したと思いきや、実は姉の恋人アーニーに憑依。
全米が震撼した殺人事件…裁判では悪魔のせいだと主張。
ミステリー調の進行とウォーレン夫妻の愛の物語
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劇場版 BEM ~BECOME HUMAN~(2020年製作の映画)

3.7

“早く人間になりたい”
妖怪人間ベム・ベラ・ベロそれぞれの夢は叶えられたのか。
人間社会に溶け込んだベルム。
傍観者である我々はその異変にすぐ気づく。
悲哀に満ちた現実と彼らの夢を実現するクライマック
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THE GUILTY/ギルティ(2021年製作の映画)

3.5

デンマーク版のハリウッドリメイク。
911オペレーターを主人公にしたシチュエーションスリラー。
ジェイク・ギレンホールの熱演はオリジナルより感情的。
基本はオリジナルを踏襲した内容のため観る意味は彼の
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

3.6

オープニングからイタリアでの壮絶なカーチェイスはシリーズ屈指の見応え。
映像面は素晴らしいの一言だが全編通して話にノレない。
アナ・デ・アルマスのキャラとアクションが最上級の華。
とにかくダニエルボン
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護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)

3.8

生活保護受給の現実。
人を救いたい気持ちは行きすぎた正義感か。
国の制度の盲点をつく意欲作であり、徐々に真相が明らかになるミステリー要素も良い。
細かい台詞や設定で気になる点はあったが、佐藤健や清原果
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ジェームズ・ボンドとして(2021年製作の映画)

4.0

シリーズ史上初の金髪ボンド。
世間からの風当たりは強く、
しかしダニエル・クレイグは屈しない。
過去の007にも敬意を払いつつ、
満身創痍でも真っ直ぐに役を演じ続け確信した自信。
間違いなくオンリーワ
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キャッシュトラック(2021年製作の映画)

4.1

安心のガイ・リッチー×ジェイソン・ステイサム。
前半に若干の野暮ったさはあったが、クライマックスに向けた怒涛の畳みかける展開にテンションMAX!
肝臓、肺、脾臓、そして心臓。
芸術のような時系列マジッ
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おとなのけんか(2011年製作の映画)

4.5

アカデミー賞俳優が二組の夫婦役で入り乱れ!監督脚本はロマン・ポランスキーで面白くないわけがない。
子供の喧嘩の話し合いから親同士の喧嘩に発展し、更には男女間と敵味方が入れ替わる激しい口撃戦。
冒頭から
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アナベル 死霊館の人形(2014年製作の映画)

3.0

死霊館のスピンオフ、アナベルの誕生譚。
ジェームズ・ワンは製作に回ったとはいえ、さすが同じチームだけあって撮影は一級品。長回しを上手く活用してじわじわと恐怖を煽る演出は見事。
ただ主人公夫婦の頭の悪さ
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死霊館 エンフィールド事件(2016年製作の映画)

4.3

舞台はアメリカからイギリスエンフィールドへ。
驚愕のポルターガイスト現象に手の打ちようがないホジソン一家は、ウォーレン夫妻に助けを求める。
実話だと思えぬ怪奇現象の連続と演出で食い入るように観てしまっ
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導火線 FLASH POINT(2007年製作の映画)

3.6

強すぎるドニー・イェン!
だが強さのその背景は明かされない。
しかし無問題。だってドニーだもん。
暴力だって正当化すればいい。
亡くなる命も芽吹く命もとにかく軽い香港アクションに刮目せよ。

いやぁ面
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CUBE(1997年製作の映画)

3.9

理由もわからずキューブ体の建物に閉じ込められた7人。罠にかかれば最悪“死”が訪れる迷宮を彼らは脱出することができるのか。
死への恐怖や共存者への猜疑心などが表出し、ワンシチュエーションながら緊張感を持
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MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)

3.8

写真の力。
熊本県水俣に来日し、そこに広がる“真実”の光景を撮った1人の写真家の魂。
水銀で人生を蝕まれた人々の苦痛と苦悩を切に感じ、今を生きる我々は何を思うか。
チッソ工場の罪は重く未来永劫許すこと
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メインストリーム(2021年製作の映画)

3.6

何者でもない私は誰だ?
スマホやSNSに侵蝕されていく現代人。
麻薬のような芳しさ。
一人一人が特別で特別でない。
被害者が出てからでは遅い。
誰もが加害者であり被害者だ。
常軌を逸したA.ガーフィー
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女王陛下の007(1969年製作の映画)

4.2

ショーン・コネリーからバトンを引き継いだジョージ・レーゼンビー版。
1作限りのレーゼンビー版だが個人的にはかなり面白い。
スキーでの逃走劇は迫力満点!
歪な編集は気になったが、シリアス路線のプロットに
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スイング・ステート(2020年製作の映画)

4.0

民主党vs共和党⁉︎
スティーブ・カレルvsローズ・バーン⁉︎
激戦区での町長選がアメリカ全土に影響を及ぼす。
腹を抱えて笑うのも束の間。
選挙を風刺するもアッと驚く展開に唖然。
この映画には政治が為
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死霊館(2013年製作の映画)

3.9

アナベルの恐怖のはじまり…
人形に潜む禍々しい悪魔、恐怖を演出する屋敷や地下室。
ホラー演出のアイデアが青天井か!と思わせる仕掛けが秀逸。
なるほど、これは実に面白い。

今年2021年10月1日に公
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ハッピーアワー(2015年製作の映画)

5.0

幾度となく人は過ちを犯す。
“棘”のように痛みや後悔が残り続けることも。
4人の女性の酸いも甘いも経験した何気ないひと時。
なぜ私たちは一緒にいるのだろう。
恋愛も仕事も価値観はバラバラ。
相手の“重
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レミニセンス(2021年製作の映画)

3.0

記憶潜入エージェントが過去に縋りながらも進むべき道を見出していくSF型ラブストーリー。
“インセプション”と“her”を足して割ったような世界観。
既視感と元々の設定が観賞の妨げとなりイマイチノれなか
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マスカレード・ナイト(2021年製作の映画)

3.5

ホテルコルテシア東京での事件再び!今度は大晦日の仮装パーティ。
真犯人の分からなさや仕掛けは前作以上に凝っていたが、編集が淡々と映し出す流れ作業のようだった。
良くも悪くもスペシャルドラマの延長線。楽
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