EDDIEさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.5

巻き戻らないビデオレコーダー。過ぎた時間は取り戻せないからこそ、一瞬一瞬を全力で生きる。中学生もヤクザも立場も年齢も職種も違う我々もみんなそう。戦わなければならない理由がある。劇中の彼らの関係性の積み>>続きを読む

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

3.0

ヴィラン不在…復讐心に取り憑かれたブラックマンタでは役不足。黒幕もそれで終わり⁉︎な消化不良で、映像的スケールに対して戦闘のスケールやワクワク感が足りない。“兄弟の絆”を描くテーマ性は好みなはずなのに>>続きを読む

運命のマッチアップ(2019年製作の映画)

4.4

台湾映画のスポーツ傑作ここに誕生!
大の仲良しバスケ好き兄弟。弟は強豪校へ、兄は弱小校へ。それぞれの学園生活にドラマがあり双方全く違う方向に。少年漫画的な“友情・努力・勝利”が詰まりに詰まった涙を禁じ
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彼方のうた(2023年製作の映画)

3.4

すべては主演・小川あんの表情に委ねられている。川のせせらぎ、バイクのエンジン音、料理する音、劇中のすべての音に五感を研ぎ澄まし想像を膨らませることで豊かな情景を思い浮かべる。喪失も何かを得ることも“気>>続きを読む

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)

4.4

驚異的な信念と精神力で戦地沖縄を生き抜いた銃を持たない衛生兵。軍の方針に背くと軍法会議にかけられた男が多くの米兵の命を救ったなんて信じられる!?彼は戦地で一発も銃弾を放たず、銃撃飛び交う断崖絶壁を何度>>続きを読む

ボルケーノ(1997年製作の映画)

4.1

LAを突如襲う未曾有の大災害。地震?いや火山の噴火だ!とトミー・リー・ジョーンズが街の人々を救うために立ち上がる。溶岩の海が押し寄せて「もう終わた…」な状況も冷静に諦めずに対処。わがまま娘が仕事人間パ>>続きを読む

レザボア・ドッグス デジタルリマスター版(1992年製作の映画)

4.4

タランティーノ監督デビュー作にして30年の時を経てスクリーンに帰ってきた時系列マジックの傑作。限りなくバイオレンス、海の向こう側アメリカにも“任侠”って言葉があるのだと確信させられる義理人情に涙。>>続きを読む

笑いのカイブツ(2023年製作の映画)

4.5

生に抗い今を生きる。ツチヤタカユキはまさに笑いに生けしカイブツや。
世の中の慣習や上下関係、忖度、そんなもんクソ喰らえ。笑いのネタ作りで狂ったように日々を過ごした男の悲喜劇。とはいえ人に生かされてる。
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BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

3.8

大阪を舞台にオレオレ詐欺グループを巡るクライムサスペンス。安藤サクラと山田涼介が姉弟で巨悪な集団と警察の両方から追われることに。キャストの好演もあり思った以上に楽しめた。やはり安藤サクラは凄い。個人的>>続きを読む

ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

3.9

料理とは混沌、それに秩序をもたらすのが料理人。オープニングから収穫→調理→食事と丁寧に見せながら、美食家と料理人の主従を超えた関係性を映し出していく。逸品の数々に目を奪われながらも残念なのは香りが楽し>>続きを読む

サンクスギビング(2023年製作の映画)

3.7

人の恨みを買ってない?きちんと精算してる?目も当てられない惨劇から1年後、不気味な連続殺人事件が巻き起こる。年末にやり残したことはないか?と盛大にグロ散らかしたゴアスラッシャーは景気が良い。
ただ10
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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

3.9

できなければ手を差し伸べて貰えばいいし、チャレンジすれば見える景色はこれまでに味わえなかったものになるだろう。自由な発想を大事にした教育が“やさしい”子どもを肯定する。否定されることほどブレーキになる>>続きを読む

ブギーマン(2023年製作の映画)

3.6

Here comes theやべーやつ!
部屋を真っ暗にするな。絶対に振り返るな。破れば奴の思うツボだ。
良くも悪くも正統派ホラー。スティーブン・キング原作らしい程よい塩梅で恐怖感を煽る。後半のオバさ
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.3

役所広司の顔面の演技力ハンパねぇ!トイレの清掃員の日常をただ追いかけただけに見えるが、極力余計な情報を排除することで想像で補う余地を残すヴェンダース節も随所に。ルーティンを繰り返すばかりでも間違いなく>>続きを読む

ファミリー・プラン(2023年製作の映画)

4.0

おバカ映画だと侮るなかれ。元殺し屋である身分を隠しながら家族第一で生きる車の販売員が主人公。この最低情報を備えておけばギャップをつく演出とテンポの良い編集の術中にかかり笑いが我慢できないはず。赤ちゃん>>続きを読む

人魚伝説(1984年製作の映画)

4.3

凄いもんを観た!何者かに夫を殺害され復讐心に支配された1人の海女。あわび取るしか脳がないと揶揄された女が田舎の漁村を血の海に変える。原発誘致がもたらす権力の壁と人間の汚い欲、金に塗れた男たちも裸の美女>>続きを読む

REBEL MOON ー パート1: 炎の子(2023年製作の映画)

3.9

ザック・スナイダー待望の最新作!
なぜこれを劇場でやらない⁉︎
壮大な宇宙大戦争の幕開け。
まだまだ序章感は否めないが、随所に発揮される魅せる演出。
クライマックスは後編に期待を膨らませるのに十分。早
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きっと、それは愛じゃない(2022年製作の映画)

4.2

テンポよいラブコメ。
見合い結婚ではなくアシスト結婚…それって本当に愛なの?今の時代に?という疑問をドキュメンタリー映画を撮って答えを見出す。パキスタンの文化的背景が作品のスパイスに。リリー・ジェーム
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ティル(2022年製作の映画)

4.6

あまりにも恐ろしい人間の憎悪と平気で嘘をつく悪寒。これは差別の物語?否、殺人事件の実録だ。なぜそんなことができるのか。なぜ平気で生活できてるのか。あえて人種には言及しない。いかに愚かで恥ずべき出来事な>>続きを読む

パリタクシー(2022年製作の映画)

4.5

人生最後の旅はどこに行きたい?無愛想なタクシー運転手と92歳のマダムのパリ横断旅。想像だにしない彼女の壮絶人生で地獄まで旅した気分になれる映画。見知らぬ者同士が心を通わせ大きな学びと心の余裕を得られる>>続きを読む

市子(2023年製作の映画)

3.6

あなたのそんな笑顔がずっと見たかった。

市子と関わった人物たちの視点を遡り彼女の正体に迫っていくミステリー。

制度の壁、1人の人間としての尊厳を考えさせられる。
杉咲花の演技に拍手。
ピースがハマ
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マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

4.1

音楽は彼の人生そのもの。
そして彼の人生には妻フェリシアなしでは語れない。彼は作曲家か演奏家か。内向きと外向きと表現する彼の心には両面が共存していたのだろう。妻を愛し才能ある音楽家たちを愛し純真なまで
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翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~(2023年製作の映画)

3.0

とんだ茶番劇第二弾。個人的には前作の方が好き。関西に住んでいたこともありネタ的には楽しめたが、出オチ単発な印象。ストーリーラインで興味が持続せず終始真顔で観てしまった。1作目はあの斬新性が良かったのか>>続きを読む

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。(2023年製作の映画)

4.1

反戦のメッセージを明確に示したヒューマンドラマ。何よりも主人公の成長や心境の変化がわかりやすく表現された構成は巧い。
特攻しないで…そう願う福原遥の感情の機微が素晴らしく、想像がつく後半も見事泣かされ
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女優は泣かない(2023年製作の映画)

5.0

地元熊本を飛び出しキャリアを築きながら正念場にある女優と同期に差をつけられ焦るTVディレクター。テンポの良い掛け合いで笑いをもたらす前半と一つひとつの伏線が回収され感動を呼ぶ後半。
家族と夢、失敗と成
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戦場のピアニスト 4Kデジタルリマスター版(2002年製作の映画)

5.0

「何のためにそんなに必死に生きるかわからない」ってぐらい絶望を見せられた後に、その必死に生きた先にある希望を見せられるから人生において絶対に一度は観た方が良い映画。
生きることの素晴らしさと人に親切に
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ナポレオン(2023年製作の映画)

4.3

英雄として名高いかの皇帝もただの人。
数々の伝説を残した戦いの将を新解釈で描く158分はあまりにも濃密。
潔い編集で次々と訪れる私的な出来事に失笑。しかしそこはリドリー・スコット御大。
氷上の戦闘は芸
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マイマザーズアイズ(2023年製作の映画)

3.3

視力を失った母と半身不随になった娘が驚くべき方法で心と体を共有する。チェロ奏者の母娘の異常な音楽への固執は互いの愛の深さを物語っているのだろうか。終盤の殺害描写は斬新すぎて忘れられない。
強烈なポスタ
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ブラック・レイン(1989年製作の映画)

4.5

大阪に“黒い雨”が降る…NYで逮捕した殺害犯が日本移送中に逃亡。NY市警と大阪府警がタッグを組み逃亡犯を追う。マイケル・ダグラス、高倉健、松田優作らを揃え見事なオオサカノワールに仕上がった傑作。狂気た>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.1

醜いのは妖怪か人間か。
いわくつきの人里離れた村における後継者争い。自分たちが良ければそれで良いのか。人間は誰しもが損得を考え行動する。100%の善人なんていないのかもしれない。主人公ですら完全無欠で
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東京ゴッドファーザーズ(2003年製作の映画)

3.9

雪の降りしきる大東京で捨て子の親探しに奔走するホームレスたち。かつて家族を捨てた、もしくは捨てられた彼らの奇跡のような巡り合わせ。人は全てを諦め止まってしまえば奇跡は起きない。ただ懸命に行動することが>>続きを読む

(2023年製作の映画)

2.9

映画館のスクリーンを使って見せた壮大なコント番組。派手な合戦や殺陣、グロい演出などアクション面は期待以上だったものの、会話劇が基本的に見るに耐えない。往年のたけしのコント番組のような作りに懐かしさを感>>続きを読む

フィンガーネイルズ(2023年製作の映画)

3.2

私とあの人の相性は何%?
ジェシー・バックリー&リズ・アーメッド主演のラブロマンス。“真実の愛”を見つけるために爪でその相性を測る…あまりにも痛々しい描写に顔を顰めてしまう。恋人への疑念や倦怠期…自分
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007/ムーンレイカー(1979年製作の映画)

3.6

ワイスピやMIよりも先に宇宙に行ったのはジェームズ・ボンドだったんだぜ!
ロジャー・ムーアになってからお笑い路線一直線な中、本作はほぼお笑い。シリアスなボンドシリーズ観た後だと落差が凄まじい…けど前作
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コーポ・ア・コーポ(2023年製作の映画)

3.0

大阪鶴橋近辺のコーポを舞台に個性的な住人たちの人間模様を描く群像劇。
伝えたいのは「生きてるだけで丸儲け」ということだろう。どんなに辛くても無用な人生だと思っても生きてさえいれば良いことはある。なんだ
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007/ゴールデンアイ(1995年製作の映画)

4.2

シリーズ17作目にしてピアース・ブロスナンの“ボンド”デビュー作。ソ連崩壊前後の時代を描き、007も新規軸へ。バディとの共闘と裏切りなど、現代のMIシリーズに通ずるスパイ物の原型になっているとも感じた>>続きを読む