EDDIEさんの映画レビュー・感想・評価 - 35ページ目

アンダードッグ 前編(2020年製作の映画)

4.5

噛ませ犬のパンチドランカーはなぜボクシングに執着するのか。全盛期を過ぎたファイターは見えない闇の中を猛進し色物扱いのお笑い芸人の本気に圧倒される。迸る熱量と圧巻の展開の連続に後編への期待値が更に上昇。>>続きを読む

ジョゼと虎と魚たち(2020年製作の映画)

4.2

心が挫け夢を諦めそうになったことはないですか? 実写版とは大きく設定変更しているが、いい方向に作用。出会いと別れだけでなく、夢に向かう2人の男女の着地点まで綺麗にまとめ上げ希望を見出す。ジョゼの車椅子>>続きを読む

ゴジラ(1954年製作の映画)

4.4

史上最強の怪獣映画。“ゴジラ”のはじまりの物語。人々を絶望に陥れ、恐怖の象徴たる怪物として描かれるも、戦後間近ということもあり、核の恐ろしさをも風化させまいと打ち出した意欲作。お馴染みのテーマと重なり>>続きを読む

ジョゼと虎と魚たち(2003年製作の映画)

3.6

新たな出会いにより世界が広がった少女とそのきっかけを与えた青年の淡く切ないラブストーリー。それは刹那の恋…だけども2人の男女の価値観を大きく変化させた。

今年この『ジョゼと虎と魚たち』の劇場アニメ版
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ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-(2020年製作の映画)

3.9

祖母の伝えたかったこと。“白人貧困層”の苦悩や特性、連帯感を丁寧に描きながら、未来永劫そのままではいけないと負の連鎖を断ち切ろうともがく家族を描く。エイミー・アダムスとグレン・クローズの圧巻の役作りと>>続きを読む

百円の恋(2014年製作の映画)

4.6

“恋”という生き甲斐と“ボクシング”というやり甲斐を得た何も持たぬ32歳女。実家で親のスネ齧りながら希望もない生活を送るが、生きる糧を得てからがむしゃらに打ち込む姿に震えた。人生はどんな状況でも意思一>>続きを読む

きみがぼくを見つけた日(2009年製作の映画)

3.5

時空を越える系男子と恋するレイチェル・マクアダムスのラブストーリー第1弾。結末は感動的だったが、タイムトラベルの原因に納得がいかず、しかも条件が過酷すぎるが故憧れないというサイコな内容。

本作はノー
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アンダーウォーター(2020年製作の映画)

3.7

暗闇での微かな光、呼吸音、水中を歩く音…既視感のあるパニック映画ながらクリステン・スチュワートをはじめとした役者陣の緊迫感伝わる好演に惹き込まれる佳作。これは劇場で観たかった。

新型コロナウィルスの
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プライドと偏見(2005年製作の映画)

4.4

“プライド”高い資産家ダーシー、“偏見”に晒される富とは無縁のエリザベスの恋の行方。イギリスの格調高い雰囲気と美術品の数々に目を奪われながらラストですべてを持っていく父親役のドナルド・サザーランドの好>>続きを読む

ちはやふる 下の句(2016年製作の映画)

4.0

「かるたが一番楽しかったのはいつやった?」
初心を忘れ、新に認められたい想いに取り憑かれた千早はクイーン若宮詩暢との対戦を熱望する。
“上の句”の疾走感そのままに、瑞沢高校かるた部とのすれ違いを描き、
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泣く子はいねぇが(2020年製作の映画)

3.8

父親になる覚悟。何もかもが欠けた男は“逃げ”を選択して何が変わったか。それは劇中にも示される“シロクマ効果”でしかないのではないか。父親になりきれない不甲斐ない男を仲野太賀が好演、吉岡里帆は物憂げな表>>続きを読む

フード・ラック!食運(2020年製作の映画)

4.2

寺門ジモン初監督作品。
言葉の力、それは時に人の人生を狂わせ、時に希望を明示する。寺門監督の熱意溢れる良作。肉のいずれもが主役級の魅力を放ち、紛うことなく土屋太鳳の美味しそうに食べる姿に食欲が抑え切れ
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劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

3.9

母からの教えを守り正義を尽くす心篤き剣士。主人公たちに更なる高みを目指させるのにこれ程打って付けの人物はいない。子供たちの理想のヒーロー像として煉獄杏寿郎を“柱”に据えたことは英断。炭治郎たちの今後が>>続きを読む

Mank/マンク(2020年製作の映画)

4.3

1930年代ハリウッドの光と陰。権力者に対抗し自らの強い意思を投影しながら脚本に向き合ったマンクの物語。『市民ケーン』の撮影・編集技法を活用し現代にマンクを見事蘇らせたフィンチャー親子の心意気に賛美を>>続きを読む

NANA(2005年製作の映画)

3.0

矢沢あい人気コミックの映画化。2人のNANAが出会い、共に過ごすことで前進していく。演出がキザったかったり、演技が野暮ったかったりする部分も多いが、ライブシーンの中島美嘉は圧巻。

原作も読んでないし
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どろろ(2007年製作の映画)

2.5

手塚治虫原作の実写化はチープな活劇に終始。魔物に体の部位48ヶ所を奪われた百鬼丸は魔物退治の旅に出る。ダイジェスト的展開の連続で正直連ドラ向きの作品だったのかも。永遠に続編が観られない続編ありきの作品>>続きを読む

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2(2011年製作の映画)

4.2

シリーズ全8作品のロングランが遂に完結!ダークな装いはそのままに最後に賭けたと言わんばかりの迫力満点の演出の数々に胸躍る!ハリーとヴォルデモートの直接対決の行方は?完結編がシリーズ通して一番面白い!!>>続きを読む

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1(2010年製作の映画)

3.9

ハリーとロンの対立、バラバラになる仲良し三人組。分霊箱を求める壮大な冒険譚とこれまでにない迫力で迫り来る追手の恐怖がいい。惜しみなく描かれる”死”に言葉を失うが、彼らの旅は遂に最終章へ!

さて、U-
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ハリー・ポッターと謎のプリンス(2008年製作の映画)

3.3

全体的にダークなシーンが続き気が滅入る。“謎のプリンス”の正体、ハーマイオニー&ロンの恋模様、そしてある重要人物の死。トピックは多く批評家からの評価も高いシリーズ最高傑作だが個人的にはあまりハマらず。>>続きを読む

魔女見習いをさがして(2020年製作の映画)

4.3

“おジャ魔女どれみ”を観て育った3人の主人公。年齢や立場、性格は違っても一つの共通点がきっかけで仲良くなれる!懐かしのキャラや音楽にノスタルジーを感じながら、課題に向き合い前進していく主人公たちに胸を>>続きを読む

ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒(2019年製作の映画)

4.0

“多様性”の新たなアプローチを試みたスタジオライカの意欲作。アニメ疎い勢としてはストップモーションアニメがここまで動きが滑らかなことに驚きを隠せない。人が種族を越えても理解し合い共存できる社会を望む。>>続きを読む

タイトル、拒絶(2019年製作の映画)

4.2

何者にもなれない、行き場を失った者たちの集まる社会の縮図。男は女を見下し、女はそんな男を嘲笑い弄ぶ。役者陣の演技に委ねられる群像劇で皆が抜群の存在感を放つ。伊藤沙莉は言わずもがな恒松祐里が名女優への階>>続きを読む

バックトレース(2018年製作の映画)

2.0

強盗事件の犯人グループが仲間割れ。なんと生き残った犯人は記憶喪失に…。記憶が戻るまでの展開がぬるくドラマ性にも乏しい。スタローンが製作に関わっていない出演作は残念なものばかり。

さて、ここで日本版ポ
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ホテルローヤル(2020年製作の映画)

3.6

非日常が体験できる場所。だけど私にとってはそれが日常。幼い頃からラブホの娘として育った主人公が家業を継ぎ痛みや温かな思いやりを育む。ラストの繋がりは美しさを感じ編集は巧みだったが人物描写がやや薄味。効>>続きを読む

MOTHER マザー(2020年製作の映画)

3.8

子供は母を愛し、母は子供に依存する。共依存をテーマとして取り上げ、幼少期から少年期まで母との切手も切れない関係性を丁寧に描く模様から最悪な展開に絶句。何が母親をそうさせてしまったのだろう。

長澤まさ
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ケミカル・ハーツ(2020年製作の映画)

3.5

ほろ苦い青春時代の恋愛。過去を受け入れ前進すること、文学や脳科学を引用しながらも口下手な男は一目惚れした女と距離を縮める。少し気恥ずかしい主人公の脳内が微笑ましいが、ヒロインの心情を丁寧に深掘りした佳>>続きを読む

ソードフィッシュ(2001年製作の映画)

3.9

ミスディレクションを誘う名作映画を引き合いに出したアクションサスペンス。冒頭のジョン・トラボルタの自分語りに一気に引き込まれ、若きヒュー・ジャックマンと美しきハル・ベリーら豪華キャストが織り成す驚愕の>>続きを読む

市民ケーン(1941年製作の映画)

4.2

史上最高の映画の一つ。実在の新聞王をモデルにした主人公ケーンの残した最後の言葉“バラのつぼみ”とは。フラッシュバックやローアングル、パンフォーカスなど、今の映画界に欠かせない技術を世間に周知した偉大な>>続きを読む

ストックホルム・ケース(2018年製作の映画)

3.4

“ストックホルム症候群”の語源となった実際の事件を描くクライムサスペンス。犯人が人質を取って警察と交渉開始してから緊迫感が薄い。イーサン・ホークの計画性のない犯人役の全力演技とロン毛のマーク・ストロン>>続きを読む

おらおらでひとりいぐも(2020年製作の映画)

4.0

遠くの親類より近くの他人。孤独な日々を送る75歳の桃子さん。病院、図書館、同じ食事と変わり映えのない毎日を過ごしながら時折訪れる人々に笑顔綻ぶ。3人のおらだばおめだと自然な演技で魅せる田中裕子を見て故>>続きを読む

永い言い訳(2016年製作の映画)

5.0

ヤドカリは成長し、セミは僅かな期間で生涯を終える。人間は懸命に生き、そしていつか死ぬ。脆く儚くも人間は不完全だからこそ愛おしい。

傑作が多いと言われる2016年の邦画。
この作品は段違いに良かったで
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ちはやふる 上の句(2016年製作の映画)

4.0

これぞ青春!性格の異なる5人の部員が切磋琢磨しながら競技かるたに本気になっていく模様が爽快。ちはやふる二部作+結びのトップバッターにして、最高の滑り出し。特に机くんの心情の変化が物語に深みを与える。>>続きを読む

LUCY/ルーシー(2014年製作の映画)

3.0

脳が覚醒していく設定自体は面白いが、覚醒の仕方が荒唐無稽すぎて唖然。小難しい話はリュック・ベッソン監督には求めていない。もっとアクションに振り切って欲しかった。

今年劇場公開された『ANNA アナ』
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ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(2007年製作の映画)

4.0

“ダンブルドア軍団”vs魔法省。ヴォルデモート卿の復活を認めず学校に介入する魔法省に徹底的に対抗するハリーたち。とっ散らかった前作とは打って変わって綺麗に目的と着地点が整理された佳作。こんな作品を待っ>>続きを読む

ハリー・ポッターと炎のゴブレット(2005年製作の映画)

2.5

クィディッチ、舞踏大会、3大魔法学校対抗試合とイベント盛り沢山に加え、名前を呼んではいけないあの人の復活。ハリーたちは思春期真っ只中で、もはや散らかっている。やはり死者が当然のように出るイベントに学校>>続きを読む

ザ・ハント(2020年製作の映画)

4.0

ブラムハウス発、安定と安心のグロ描写。人体損壊当たり前の怒涛の展開に驚愕。主人公かと思われるキャラが次々に葬られる展開に最高の盛り上がりを見せる前半と尻すぼみの後半。リベラルエリートとアメリカ社会を風>>続きを読む