えいがうるふさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

えいがうるふ

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アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

噂に聞いていたとおり、物語の大筋は「君の名前で僕を呼んで」と同じく、まだ自分のセクシュアリティの自覚すら覚束ないウブな若者が運命の「はじめてのひと」となる恋の熟練者に出逢い性愛の深淵に触れ、その歓びと>>続きを読む

楽園(2019年製作の映画)

2.6

このレビューはネタバレを含みます

主題がとっちらかってる印象であまり入り込めなかった。
モデルになってる二つの事件のことはさすがに知っていたし、特に山口の方は割と最近「つけびの村」も読んだのでそこそこ状況を理解しているつもりで観たが、
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ジェクシー! スマホを変えただけなのに(2019年製作の映画)

3.9

邦題のあまりの下らなさにどうにも観る気がせず一度はHDD録画を観ないまま消去したものの、信頼している何人かのフォロイー様の評点が意外とよいのでやはり気になっていた作品。先日再びWOWOWで放映されてい>>続きを読む

スタートアップ!(2019年製作の映画)

3.9

主役そっちのけでマブリーを愛でる映画。その点では期待を上回るサービスぶり。なにしろダサダサなヤンキー部屋着でTWICE踊るマブリーだとか力技封印して物陰に隠れる情けないマブリーだとかを散々見せといて、>>続きを読む

スカーフェイス(1983年製作の映画)

3.6

成り上がりの鉄砲玉が全てを手に入れ全てを失うまでの、そのド派手な生き様と死に様が割と淡々と描かれている。キャスティングは素晴らしいものの、登場人物の誰にも感情移入できず傍観するばかりなので、一度見れば>>続きを読む

ハニーランド 永遠の谷(2019年製作の映画)

4.2

子どもでも理解できる内容ながら、飾り気のない映像からその素材の強さと普遍的なメッセージがじわりと伝わる傑作。イソップ童話や日本昔話を思わせる分かりやすい展開に脚本あってのモキュメンタリーかと思いきや、>>続きを読む

トーク・トゥ・ハー(2002年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

ぶっちゃけどれほどそこに愛があろうとやってることは完全に犯罪だし変態と言われても仕方ないんだけれど、その愛憎の凄まじいまでの深さ故に人間の業の果てを見せられた思いがして、その醜悪さも美しさもひっくるめ>>続きを読む

クローゼット(2020年製作の映画)

3.6

古い洋館のクローゼットの中に怨霊がいるというベタな構成なのにちゃんと怖い。一見チャラい退魔師が意外と頑張るのも好印象。
さして制作にお金かけてあるようにも見えないのに、韓国はホラーやサスペンスの基本が
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イーダ(2013年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

私の中のポーランド映画の印象を完全に塗り替えた「COLD WAR あの歌、2つの心」。なかなか名前が覚えられないパベウ・パブリコフスキ監督のあのとんでもなくクリアな麗しのモノクロ映像はこの時既に完成さ>>続きを読む

アンモナイトの目覚め(2020年製作の映画)

2.8

自然のままの荒涼とした海辺の景色と美しくも訳アリ気な女が二人・・とくれば嫌でも「燃ゆる女の肖像」を思い出してしまうが、二番煎じどころか足下にも及ばない。
主演二人のベッドシーンは思いのほか激しくてうと
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アダムス・ファミリー2(1993年製作の映画)

4.2

二作目はつまんなくなるの定説には当てはまらず、一作目の雰囲気もキャラ設定もそのまま踏襲しそのまま楽しかった。絶対に一作目も観てからのほうが楽しめる。ただし下ネタや差別ネタてんこもりで一作目に比べたら段>>続きを読む

アダムス・ファミリー(1991年製作の映画)

4.0

何十年ぶりかに観たがちゃんと楽しめた。非常に展開が分かりやすくスッキリ。他人にどう思われようとポリシーを貫いて人生を楽しむ変人が大好物の私にはこの家族の全てが愛おしい。おどろおどろしい雰囲気ながら全く>>続きを読む

MISS ミス・フランスになりたい!(2020年製作の映画)

3.5

主役のアレクサンドル・ヴェテールが本当に綺麗。
多くの人がその美しさを絶賛する「リリーのすべて」のエディ・レッドメインはなにげに骨太なので私の目にはどうしても「綺麗な女装」を超えることはなかったのだが
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足ながおじさん(1955年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

撮影当時56歳だったというフレッド・アステアの異様に器用なドラム演奏シーンや年齢を感じさせないキレッキレのダンスを観ていると、つい芸能人かくし芸大会の堺正章を思い出してしまう、なんていうと年がバレる。>>続きを読む

リトル・サブカル・ウォーズ 〜ヴィレヴァン!の逆襲〜(2020年製作の映画)

2.6

かなり寒い。つい先日までの猛暑が嘘のようにいきなり気温が落ちた東京で見るにはある意味ピッタリ。学園祭用に撮られた学生映画を観ているようで、ヴィレヴァンはお店としては大好きな場所だけに余計に切なかった。>>続きを読む

クィーン(2006年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ヘレン・ミレンの堂々たるクイーンぶりに惚れ惚れ。彼女をただ冷たく無慈悲な権力者として描くのではなく、代わりのいない立場と職務に身を捧げ心を捨てて生きてきた一人の女性として、その葛藤をドキュメンタリー映>>続きを読む

象は静かに座っている(2018年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

さすがに4時間近い長尺ゆえつまらなかったら途中リタイアもやむなしと気負わずにトライ。
全編を通し、極端に彩りの少ない暗く陰鬱な情景が延々と続く。登場人物たちは一様に言葉少なく、その合間の長い沈黙をその
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一度も撃ってません(2020年製作の映画)

4.1

邦画が苦手な人、特に若い方にとってはもしかすると退屈かも知れないが、個人的には好きな役者の期待通りの年季の入った芝居が観られて大満足。作り込まれたキャラ設定にそれぞれハマったベテラン勢の見ごたえある演>>続きを読む

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

4.0

主演のヘイリー・ベネットがなんとも印象的な絵になる顔立ちで、見た瞬間に「ペーター佐藤の描く女の子だー!」と思ったのは私だけ?そんな彼女の佇まいといい、どこまでもクールで美しい絵面がたまらない、真夏にオ>>続きを読む

椿三十郎(1962年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

「痛快娯楽劇」の呼び名の通り、分かりやす無駄のない展開、それぞれのキャラクターの魅力が光る見せ場の作り方も見事。そして予想以上にコメディだった。とある人が押し入れから出てきてまた戻るシーンが好き。城代>>続きを読む

永遠の門 ゴッホの見た未来(2018年製作の映画)

3.7

先日「残された者ー北の極地ー」で初めてちゃんと認識したもののどうも顔も名前も覚えにくく、このままではうっかり人前でミッツ・マケルセンとか言ってしまいそうなので、忘れないうちに彼が出ている他の作品も観て>>続きを読む

ある船頭の話(2019年製作の映画)

3.0

オダギリジョーの初監督作品ということ以外何も知らずにトライ。シンプルでセンスの良いジャケ写からの期待通りに、冒頭からとんでもなく映像が綺麗でびっくりする。カメラワークといい光量といい色彩表現も音響も素>>続きを読む

不思議なヤギ(2018年製作の映画)

3.8

かなり前にWOWOWでやってたSSFF & Asia 2020からの短編。
え、ヤギってこんなに人に懐くのー?と驚いた。山羊といえばあの独特な形の瞳孔のせいで、羊と比べてちょっと怖い印象があった山羊だ
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残された者-北の極地-(2018年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

真冬にWOWOWでやっていたのを録画したものの、チラッとみたら無茶苦茶寒そうだったので暑くなったら観ようと寝かせること約半年、満を持してジャストタイミングの真夏日に鑑賞。期待通りにひたすら涼しげな極寒>>続きを読む

世界で一番しあわせな食堂(2019年製作の映画)

3.9

私がまだ中華料理といえばラーメン・餃子・炒飯をはじめとするいわゆる町中華しか知らなかった頃、法事か何かで伯父が支配人を務めていた都心のホテルの中国料理レストランにお呼ばれして、おそらく最高級と思われる>>続きを読む

ハスラーズ(2019年製作の映画)

3.3

兄貴!と呼びたくなるようなド迫力ボディのジェニファー・ロペス。彼女みたいなタイプの美女がガンガン迫ってきたら日本人男性の多くは逃げ出すんじゃなかろうか。鍛え上げたボディで魅せるポールダンスは圧巻!一方>>続きを読む

屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ(2019年製作の映画)

3.7

いかにもホラーっぽい邦題にこの猛暑が少しは涼しく感じられるかもとトライしてみたものの、むしろ蒸発しない汗がべっとり身体にまとわり付くような印象で不快指数が上がるばかりの映像が続く。「ボーダー 二つの世>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

5.0

とにかく役所広司がすばらしき役者すぎて、久々に持参したタオルが大活躍。
主人公は心身ともに問題を抱えつつも、根は竹を割ったようにひたすらまっすぐで不器用な昭和男。情には厚いが口下手で短気で喧嘩っ早く、
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バタフライ・エフェクト(2004年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

かなり昔に観たが内容うろ覚えだったので再鑑賞。
展開早!!サックサク。
タイムリープものといえば自分の中での元祖はやはりBTTFシリーズだと思っていたが、よく考えたら自分の年代の日本人の多くはコミック
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バケモノの子(2015年製作の映画)

2.2

このレビューはネタバレを含みます

退屈だった。
相変わらず彼が描く家族愛の強引さ、抑えきれず中途半端に混入するフェチ表現に辟易する。
呆れるほどペラッペラの父子再会シーン。それまでの確執や伏線描写もろくになく、いきなり闇落ちして挑んで
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ライリー・ノース 復讐の女神(2018年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ヒロインが美しいだけでなく現実離れした強さで笑ってしまうが、超速展開に無駄がなく滅法分かりやすいのでむしろそのご都合主義すら清々しい。特に好きなのはいつのまにか弱者を護る町の女神となっていた、という胸>>続きを読む

スパイの妻(2020年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

なにやら海外で評判が良いらしいので、もしや黒沢清ならではのB級ギリギリ感が封印された真っ当な秀作なのでは?!と、若干歪んだ期待を胸にようやくスクリーン鑑賞に臨んだところ、確かに私が黒沢監督の個性であり>>続きを読む

ルル・オン・ザ・ブリッジ(1998年製作の映画)

3.6

これがオシャレ映画として人気だったあの時代のなんとなく薄っぺらくて雑な世相を彷彿とさせる内容だった。
内容はミッドクライシスおじさん版真夏の夜の夢(?)みたいなファンタジーなので、まともなラブロマンス
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ラストキング・オブ・スコットランド(2006年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます

悪名高き実在の暴君アミン大統領にからんだ話なので、エンターテイメントにするのはそもそも難しいし、ならば一体どのような脚色で映画としてのドラマを成り立たせるのかと思っていたら、なんじゃこりゃな内容だった>>続きを読む

バクラウ 地図から消された村(2019年製作の映画)

4.2

やー、なんかすごいもん観ちゃった感。ブラジル映画をちゃんと観るのが恐らく初めてなので、これが普通なのかこの作品がたまたま独特なのか判断がつかないが、なんともぶっ飛んだ作品だった。

とにかく、出演者も
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聖なる犯罪者(2019年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

ほとんど前情報無しに観たが、かなりお気に入りの一作になった。痛々しく複雑なキャラクターの主人公を生々しく演じきった主演のバルトシュ・ビィエレニアがとんでもなく魅力的で、設定が特殊すぎて共感しにくいはず>>続きを読む