iceblueさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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モーリス(1987年製作の映画)

4.2

夜更けにこっそり窓から忍びこむ。情熱的で大胆に。去る時もそっと窓から…眩しい笑顔で帰っていく彼。誰にも言えない秘密の恋のこんな描写にはらはらする。
  
知的で優秀なクライヴに誘われたモーリスは禁断の
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テキサスの五人の仲間(1965年製作の映画)

4.5

なぜ?どこへ?猛スピードで疾走する馬車から始まるワクワク感!
ただの西部劇じゃありません。知る人ぞ知る面白映画なんですよ~。あんまり観てる方いないのでもったいない。
とにかく役者さん達の演技が光ってる
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ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生(1968年製作の映画)

4.6

あ~面白かった♪ 何でしょう、この牧歌的なゾンビ!私にはこのくらいでちょうどいい。たくさん出てきたけど、ただゆらゆら歩いてただけの人いたような(笑)
 
ゾンビは怖くて避けていた…のに、ワールドウォー
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突破口!(1973年製作の映画)

4.0

田舎ののんびりした風景からの銀行強盗。被害者がいるので痛快とは言えないけれど、なかなか面白いストーリー!
登場人物も多彩でユニーク。
 
大体において犯罪の計画というのは予想外のことがおきて狂っていく
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日日是好日(2018年製作の映画)

4.0

毎日が佳き日。
上品で優しい先生の素敵なお宅で二十年以上続いたお茶のお稽古。袱紗の扱いから希林さんの所作に釘づけ。自分もお稽古しているように背筋がぴんとする。体が覚えるまで何年も繰り返す内に心に変化が
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あん(2015年製作の映画)

4.7

不自由な手で餡と対話する徳江さん。立ち昇る湯気から豆の匂いがするような映画。‘店長さぁん’という柔らかな声が耳の中でこだまする。
鳥かごに閉じ込められたような人生。社会に受け入れられなかった苦しみはど
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誰のせいでもない(2015年製作の映画)

3.4

ヴェンダースを続けて3本。これは70代で撮ったというせいか、今までイメージしていた監督のカラーと違う雰囲気。
 
ある悲劇…確かに‘誰のせいでもない’のかも知れない事故。加害者は早く重圧から逃れたいし
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パリ、テキサス(1984年製作の映画)

5.0

タイトルを目にしただけで聴こえてくるライ・クーダーの寂しげなギター。
10代の時に初めて観て以来、時が経っても何度みても色褪せない作品。
  
もどかしくてせつない物語の世界にすっかり溶けこんでいる登
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アメリカの友人(1977年製作の映画)

4.3

トム・リプリーの物語だったとは…。
アラン・ドロンやマット・デイモンが演じたあの男。デニス・ホッパーがカウボーイハットで登場するから、全く別人のイメージ。裏社会でしか生きていけないような、でも風来坊の
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トランボ ハリウッドに最も嫌われた男(2015年製作の映画)

4.0

バスタブに浸かりながらタバコをくゆらせタイプを打つ頑固者。渋い独特のスタイルで生み出された名作の数々と赤狩りの恐怖。
弾圧にどれほどの人間が志を曲げたことだろう。仲間の裏切り。終わりの見えない逆風に耐
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ジェーン・ドウの解剖(2016年製作の映画)

3.6

不可解な死因。真夜中の解剖。
嵐の中、遺体安置所のある地下室に閉じ込められる検視官親子。しかもそこが住まいだなんて。
‘死体は語る’というけれど謎は深まるばかり。あなたは一体何者?
謎の死体ジェーン・
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(1963年製作の映画)

4.0

影絵さながらに鳥が飛び交い、羽ばたきと鳴き声だけが響くタイトルロール。
つつかれたように文字が欠けていく素晴らしいアイデア。これだけで恐怖の予兆は充分。
 
‘嵐の前の静けさ’の演出が効いている。喉を
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プーと大人になった僕(2018年製作の映画)

3.6

子供が小さい時一緒に飽きるほど見たディズニーアニメのプーさん。でも全然飽きなかった。迷言の宝庫(^^)
やらなきゃいけない事に追われているとプーさんの言葉は沁みるんです。
…『なんにもしない』を『する
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エル ELLE(2016年製作の映画)

3.6

きっと彼女は、幼少期の悲惨なトラウマにより人と違う鎧を身につけてしまったのだ。大人になってからも、あらゆる受難を自分で振り払い生きてきた。
なかなか独善的で、強靭とも言える神経はそうやって作られたので
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ONCE ダブリンの街角で(2007年製作の映画)

3.9

逃したくないと思う相手。
お互いそれぞれ事情はあるけれど。
翻訳の無いチェコ語のセリフに本心が。
   
世界中の‘名もない’人々がこうして出会いを繰り返し、様々な想いを募らせている。胸に刻まれるよう
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抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-(1956年製作の映画)

4.7

脱獄モノの秘かなファン。だって面白い映画がたくさん!
 
『大脱走』…ワクワク!
『アルカトラズからの脱出』…キャラクターがいい
『パピヨン』…ツラい!
『暴力脱獄』…反骨
『ショーシャンクの空に』…
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木靴の樹(1978年製作の映画)

5.0

とても長く、退屈に思う人もいるかも知れないけれど、素晴らしい傑作です!
   
道具もあまり無いような貧しい時代。北イタリアの農民4家族の日々の営み。生きる知恵や収穫の喜び、家畜の殺生、家族の絆、貧し
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ガール・オン・ザ・トレイン(2016年製作の映画)

3.4

酒浸りでストーカー的な言動の主人公の目線なので、真実はどこにあるのか…という展開。この世の不幸を背負ったような彼女が痛々しい。
タイプの違う女性3人と女刑事さんがそれぞれ存在感あり。中でもヘイリー・ベ
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ロスト・ハイウェイ(1997年製作の映画)

4.3

暗闇の疾走。一体どこへ向かうのか。
D・ボウイの歌が流れるあまりに格好いいオープニング。
 
サックス奏者の、妻への疑心からの悪夢…いや現実!?
そして独房で極限を迎えた脳は人格を全く別の若者へと変換
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クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

3.6

予定変更で思いがけず鑑賞。
かなり身構えていたせいか、心臓への負担は軽く済みました(^^;
 
音を立ててはいけない─。こういうルールだとついあちこち気になってしまう。
だって音を立てずに生きていける
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エゴン・シーレ 死と乙女(2016年製作の映画)

3.6

大きな鏡が印象的。行く先々に持ち運び、鏡越しに映るモデル達。ふんわりとした下着姿に布を纏って。もしくは大胆なヌードでねじれたポーズをとって。
妹、タヒチの踊り子、妻とその姉…群がってくる女性達を独特の
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おかしな二人(1968年製作の映画)

4.0

ニール・サイモン脚本。もうね、コメディの原点ですね。50年も前の作品なのでギャグはベタで古いけれど、この名優二人の会話劇はみておかなくっちゃ!
 
出だしのゆる~い音楽からして肩の力が抜ける。おじさん
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サボテンの花(1969年製作の映画)

4.0

‘サボテン’だって花が咲く…。
あの大女優バーグマンが歯科助手の役!しかも地味なハイミスなんて。彼女がはじけてゴーゴーを踊るシーンだけでも一見の価値がある、チャーミングで楽しいコメディ。
1つの嘘がま
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イット・フォローズ(2014年製作の映画)

3.7

この夏、ちょっと怖い映画を幾つかチャレンジしたのですが、これは…!
序盤でルールがわかった時、感染パニックものかなと予想。ところが!ホラーのふりして実は…という全く別の着眼点が見えてきたんです。色々な
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静かなふたり(2017年製作の映画)

3.5

淡々と静かでちょっとシュールな愛のお話。
落ち着いたパリの景観。都会の雑踏や靴音が耳に心地よい。地味です、とても。でも嫌いじゃない。短編小説のような味わい。あの落下するカモメは何だろう?
 
年齢差が
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怪物はささやく(2016年製作の映画)

4.0

現実を受け入れられずに心の奥底に本心をしまいこむ。でもそこに鍵はかからなくて本心は時折顔を覗かせる。醜くて目を背けたいその怪物。
この怪物がイチイの木に姿を変えて、3つの物語で人間の矛盾を教えてくれる
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白い帽子の女(2015年製作の映画)

3.3

海岸線を走らせるオープンカー。この遠景のショットがもうフランス映画そのままの雰囲気。往年のフランス人俳優に置き換えても違和感が無いストーリー。
 
なぜそんなに夫を拒み続けるのか。昼から酔いつぶれる夫
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プチ・ニコラの夏休み(2014年製作の映画)

3.7

あ、ニコラ君役が変わってる!段々見慣れてくると彼もまた可愛いです。
今回は海辺のリゾート。そこで知り合った友達と巻き起こすコメディ。1作目の友達が出ないのがちょっと淋しい。
 
その中でもイザベラのホ
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プチ・ニコラ(2009年製作の映画)

4.7

可愛くて個性豊かな男の子達。そしてまたこの子達の考えてる事が可愛いらしい。弟が生まれる→自分は森に捨てられるという発想(笑)
仲間の窮地(?)に知恵を絞る。いたって真剣なところが微笑ましい。大人と全然
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らせん階段(1946年製作の映画)

3.7

こんな時代に連続殺人のスリラーが!
犯人の目のクローズアップ。そして歪んだ動機が怖い。口のきけないメイドのヘレンに危険が迫る…?
病身の老いた奥様が繰り返し逃げなさいと忠告するが外は嵐に…この奥様(エ
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情婦(1957年製作の映画)

5.0

A・クリスティ原作『検察側の証人』
このタイトルの方が好きですが。
 
何度観ても台詞が素晴らしい!
秀逸な脚本。ユニークなキャラクター。
すみからすみまで面白い。
本筋の裁判はもちろん、
老練な弁護
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魔性の夏 四谷怪談より(1981年製作の映画)

2.0

なぜバッハ?なぜジャズ?
ドタバタしてるけどコメディ?
怪談なのに怖くない。
魔性って誰…?
正統派の四谷怪談を見たかった。
蜷川さんの好みなんでしょうか。
何だかごった煮のような感じでした。
 
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複製された男(2013年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

タイトル、合ってないと思う…
 
蜘蛛は心理学的には束縛とか呪縛、陰湿な女性を示すらしい。
妊婦の妻が男にとって束縛や呪縛の対象となるのなら、もう一方は浮気相手。
そう考えると、一人の男の二面性の話な
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カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

3.7

他の映画を観に行ったら同じビルでちょうどいい時間に上映していたので、
よし!久々に2本行っちゃおう!と突如鑑賞。好みに合うか一抹の不安…
 
結果…とても面白かったです(^^)d
何がよかったって、と
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恐怖省(1944年製作の映画)

3.9

何気なくバザーに立ち寄ったせいで陰謀に巻き込まれる主人公。でもこの男も精神病院を出たばかりだった…出てくる人が皆怪しくみえるサスペンス。
 
オープニングの振り子時計や列車でケーキを食べる老人、ハサミ
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たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

4.1

核心を避けるように騒々しく振る舞う家族のやりとりに萎える。けれど。
互いの複雑な感情が加速し、
かろうじて保っていた均衡が崩れ、
それぞれの愛の形がみえてきた時に
そのいびつさに胸打たれる。
お互いを
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