mさんの映画レビュー・感想・評価 - 19ページ目

ぼくらと、ぼくらの闇(2017年製作の映画)

4.8

圧倒的な才能!演出・撮影・編集が完璧すぎる。お陰で主人公と一緒に最悪の生き地獄を体感させられる事になるのだけど・・・

不穏なオープニングから最高。冒頭とラストを観ると、実は最初から筋をきっちり通して
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アンダーカバー(2016年製作の映画)

4.7

ヒトラーの言葉で始まるネオナチ潜入捜査サスペンス。

白人至上主義のネオナチグループに潜入するのが、内気で音楽を愛する大人しいダニエル・ラドクリフであるというギャップが面白いしスリリング。レイシズムデ
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かぞくあわせ(2019年製作の映画)

-

全体的に安定した出来で特に悪い訳でもなく、けれど何か良い所があるでもなくという感じ・・・。

オムニバス3本の内2本は尺がそれぞれ17分くらいで、残りの1本だけが1時間という尺の配分のアンバランスさは
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カーゴ(2017年製作の映画)

4.7

ネットで発表された短編映画を長編映画化した作品なので、脚本的にはちょっと水増しした感が無きにしもあらずけど、演出がしっかりしているのであまり気にならない。

ゾンビ映画お馴染みの『崩壊した社会でヤバい
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ルームロンダリング(2018年製作の映画)

3.8

『ルームロンダリング』という概念はとても興味深いし、そこに幽霊との交流を掛け合わせたアイデアはとてもキャッチー。主人公が渋川清彦に出会う前の3人の幽霊を扱えば現代社会の歪みや問題点を描く事もできただろ>>続きを読む

ザ・サイレンス 闇のハンター(2019年製作の映画)

1.0

いやなんか無性にクリーチャーものが観たくなったんですよね・・・だからまあニーズには合ってたんですよ・・・でもね、うん・・・気のせいかな?いや偶然の一致かも?そういう事もあるよね・・・いや、これはもう・>>続きを読む

ルディ・レイ・ムーア(2019年製作の映画)

4.9

エディ・マーフィ渾身の名作!
下ネタ漫談でブレイクした中年歌手・コメディアンが、アメリカ中に自分を知らしめる為に自主映画作りに乗り出す。とにかく自主映画撮影&自主配給の道程が胸熱で(いきなり語彙力崩壊
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1922(2017年製作の映画)

4.7

スティーヴン・キング原作×トーマス・ジェーン主演という「ミスト」の組み合わせの再臨。

最近観た「怪怪怪怪物!」と好対照で、どちらも『主人公達が感情移入できない人間』なのだけど、それが映画の足を引っ張
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怪怪怪怪物!(2017年製作の映画)

3.0

まず冒頭でいじめられっ子の主人公ではなく人食い姉妹の視点から映画が始まる事に驚いた。この映画で血の通った『人間』として描かれているのは皮肉な事に彼女達だけで(あとハブられている女の子もか)、冒頭の食事>>続きを読む

サバハ(2019年製作の映画)

-

宗教の知識があまり無かったので、正直ストーリーを理解する事だけでかなり精一杯。
それでも全編を貫くサスペンスフルなムードと演出の巧みさ、イ・ジョンジェ扮する探偵ポジションのとぼけた牧師や部下・事務のお
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ザ・ブック・オブ・ヘンリー(2017年製作の映画)

1.3

「ジュラシック・ワールド」のコリン・トレボロウ監督の新作。この映画の興行的&批評的大失敗のせいで、コリン監督は「スターウォーズ エピソード9」の監督を降ろされたという曰く付きの映画でもある。

序盤で
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アトランティックス(2019年製作の映画)

4.6

セネガル映画は初めて観たな、新鮮。これが黒人女性監督初のカンヌ受賞との事で、色々革命的。

セネガルだけでなくもはや世界共通となった貧富の格差と労働問題、根強い男尊女卑の価値観といった社会問題をしっか
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ミッドナイト・ラン(1988年製作の映画)

4.9

めちゃ可笑しくて、切なくて、スリリングで、愉しくて、最高に清々しいバディ・ムービー&ロードムービー。正反対の2人の人物造形と親しくなっていく軌跡の的確さ。王道を完璧に作る事は難しい、それをサラリとやっ>>続きを読む

ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから(2020年製作の映画)

4.9

主人公は地味で目立たない中国系アメリカ人の高校生の女の子。彼女は文才を活かしてクラスメイト達のレポートの代筆業をやって小銭を稼ぎ、あまり余裕の無い家計を助けている。そんな彼女にアメフト部の補欠の冴えな>>続きを読む

Shadowed(原題)(2020年製作の映画)

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「シャザム!」のデイビット・F・サンドバーグ監督は元々YouTubeに妻主演の自主制作短編ホラー映画をアップしていた人で、こつこつと作り続けた自主映画がジェームズ・ワンに認められてここまでのし上がった>>続きを読む

タイラー・レイク -命の奪還-(2020年製作の映画)

4.7

「アベンジャーズ」インフィニティ・ウォー&エンド・ゲームの監督としてお馴染みのルッソ兄弟がプロデュース&脚色したNetflixアクション映画。

話はシンプル、しかし余計なストレスが無くて程よくドラマ
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狩りの時間(2020年製作の映画)

2.8

始まってすぐに近未来社会の描写のディテールに驚嘆する。遥か遠くに見える煌びやかな都市、荒廃した地元の街に僅かに残るちょっとだけ先のテクノロジー。物語の根底にあるのが「パラサイト」と同じく、今と変わらぬ>>続きを読む

カメラを止めるな!リモート大作戦!(2020年製作の映画)

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日頃の友達付き合いが悪過ぎてzoom呑みに誘われません。  

映画業界・撮影業界が完全に止まった今、「また現場で」という台詞には多くの人達の想いが重なる。分かる感覚。そして真魚さんの後ろに貼ってある
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オーマイゴッド 〜神への訴状〜(2012年製作の映画)

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災害で店を失い『責任を取れ』と神に訴訟を起こした無神論者のがめつい男の所に、バイクに乗ったイケメン・オジサマな神様がテーマソングに合わせてやってきます。行け行けゴービンダ!

スレスレの設定をちゃんと
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ビジョン(2015年製作の映画)

4.7

娘の着替え時の動画をネタに脅してきたクソガキをブチ殺してしまった一家。ケーブルテレビ局の社長である父は毎日職場で観ている自局のサスペンス映画の知識を武器に、完全なる隠蔽&アリバイ作りに挑む!

インド
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ブレスラウの凶禍(2018年製作の映画)

4.6

ポーランドの猟奇連続殺人サスペンス映画。この響きが既にレアなんだけど、それにしてもこれ、本当に変な映画です。

始まって1分もしない内に最初に発せられる台詞がチンピラの「ねぇ輪姦ってした事ある?」で、
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ガール・コップス(2019年製作の映画)

4.7

韓国で最近発覚した性搾取・暴行事件の『n番部屋事件』(知らない人は調べてとは軽率には言えない、実態があまりにも卑劣でおぞましいので)を想起させる。この映画は激しく怒っている。n番部屋事件のような事件を>>続きを読む

終着駅(1953年製作の映画)

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恋愛とは究極のサスペンスである。駅に残るか出るか、列車に乗るのか乗らないのか、映画のテクニックを総動員して描かれる、女と男(と甥っ子)の攻防戦。名作。

定期的に道行く子供が登場して主人公の心を責め立
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37セカンズ(2019年製作の映画)

4.4

私事ながら、うちのある親族は小学校の頃あまりに声が小さいので通信簿に『蚊の鳴くような小さな声で喋ります』と書かれた事があるらしい。この映画の主人公を演じる佳山明さんも、まさに蚊の鳴くような小さな声で、>>続きを読む

ファイティング・ファミリー(2019年製作の映画)

4.9

控え目に言って最高じゃないですか?以上です!
で終わらせても良いくらいの清々しい傑作。全ての押さえるべきツボを押さえた王道スポ根。


フローレンス・ピューは「ミッドサマー」で観た時から骨格がガッチリ
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エンド・オブ・ステイツ(2019年製作の映画)

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良作だった前2作に比べると脚本と(前半の)演出のクオリティがガクッと落ちている。
2作目までは付き合ってくれていた無駄に豪華な実力派俳優陣がほぼ全員説明も無く消えていて、ずっと『お姫様』ポジションだっ
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(2015年製作の映画)

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監督の世界への眼差し=カメラの強度と美しさ、関西弁の柔らかさ。

MOOSIC LAB 2013/GREAT ROMANCE(2013年製作の映画)

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人と人形が手に手を取り駆け抜けていく人生というロマンス。色々大変な事を成立させつつ、映画の軸になるのは清瀬やえこさんの熱演。

ジェニーの記憶(2018年製作の映画)

4.9

 エンドクレジットが始まって最初の方の表記で衝撃を受けたのが、これが監督自身の実体験の映画化だったという事。壮絶なセルフ・セラピーだった。

 中年のドキュメンタリー作家(ローラ・ダーン)が子供時代の
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マッド・ダディ(2017年製作の映画)

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「アドレナリン」シリーズの監督だからもっとアッパーな感じになると思いきや、重視されるのはアッパーさよりも、人が歳を重ねて親になる事の、その現実と理想の受け入れ難い違いへの苦しみの方だった事が意外。もち>>続きを読む

やわらかい季節(2020年製作の映画)

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とにかく撮影が良くて、画の力で全てが支えられている。逆に言うと、それしかない。
あとやさぐれた主演女優が魅力的。

連合赤軍的な内ゲバの話になるのかなと思いきやそうでもなく、タピオカというオタクやネッ
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サラブレッド(2017年製作の映画)

4.8

オリヴィア・クック(「ぼくとアールと彼女のさよなら」「レディ・プレイヤー・ワン」)とアニャ・テイラー=ジョイ(「スプリット」「ウィッチ」)という注目若手女優コンビの主演作。故アントン・イェルチンも出演>>続きを読む

最期の星(2017年製作の映画)

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平凡だからこそ普遍的な頑なさとひねくれた内向的な暗さ、幻の同級生のイマジナリーフレンドの儚さ(病気の同級生から勝手に作り上げている所が良い)。

イマジナリーフレンド物としては大傑作「なっちゃんはまだ
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メランコリック(2018年製作の映画)

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発端のアイデアと、予想を裏切るほんわか成長譚の優しいトーンがこの映画の肝。銃の構え方やアクションの振付から見える作り手の『アクション大好き!』感。
そう、風呂はガスか水道か電気のどれかひとつでも止めら
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あさつゆ(2015年製作の映画)

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注目株の女優・小川紗良が自身で脚本・主演・編集も務めた監督デビュー作。
女優が自身の体験や心情、パーソナリティを監督兼主演作で描くという事はここ近年インディーズ界でちょくちょく見られるもので、例えば村
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爆裂魔神少女 バーストマシンガール(2019年製作の映画)

1.1

まずそもそもの「片腕マシンガール」の産みの親である井口昇監督にはちゃんと仁義切ってるの?と思う。明らかに快く思っていない感じのツイートしてらっしゃったけど。スタッフ・キャスト一部被ってるのに。

それ
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