小松屋たからさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

小松屋たから

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イソップの思うツボ(2019年製作の映画)

3.1

あまり評価が高くないようだったので、過度な期待をせずに観に行ったおかげで、「つまらない!!」ということは無かった。自主映画というよりは、学生時代に友人の小劇団のお芝居を生で観ていた時の感覚で、完全に余>>続きを読む

工作 黒金星と呼ばれた男(2018年製作の映画)

4.1

身分偽装による敵国潜入、個人と国家の狭間で揺れる想い、故国からの孤立、国境を越えた友情。スパイもの映画に必須の要素がふんだんに、かつ、圧倒的な迫力で詰めこまれているので面白くないわけがない。常に「戦争>>続きを読む

鉄道運転士の花束(2016年製作の映画)

3.8

経験したことのない奇妙な味わいの映画だった。セルビアの鉄道運転士たちの物語。彼らは、相当数の「殺人」を経験している。ただしそれは事故がゆえであり、法的に責任を問われることはない。

自分が轢殺してしま
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天気の子(2019年製作の映画)

3.9

少年のピュアな「魂」が認められないぐらい閉塞感に満ちた世であるのならばいっそ無くても良い。言い換えれば、今の東京が失っている純粋さを常識を逸脱してでも取り戻そう。

ある種、厭世的でもあり、破滅願望も
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ライオン・キング(2019年製作の映画)

3.9

とにかく映像への期待で観に行ったので、終演直後の感想は、「うわー、リアル」。そして、満足。頑張ってお金をかけてIMAX3Dで観て本当に良かった。人間の役者とか、必要なくなる時代がもうすぐそこに来ている>>続きを読む

存在のない子供たち(2018年製作の映画)

4.7

必見。
でも「お勧め!」というのともちょっと違う。
自分のようないつも自信の無い人間であれば、己の無力さをあまりに鋭く突きつけられて落ち込んでしまう(可能性がある)ので、ぜひ、観るのは心身とも弱ってい
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ドラゴンクエスト ユア・ストーリー(2019年製作の映画)

3.3

全然、観る予定の無かった作品だったけれど、あまりの辛辣な評価の多さが気になって劇場へ・・こうやって興収アップに貢献している人が他にもたくさんいそう 笑

結果、自分も、ドラクエはドラクエ。やっぱり映画
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風をつかまえた少年(2019年製作の映画)

3.7

干ばつ、飢餓、貧困にさらされたアフリカ・マラウィの村を少年が廃材から風力発電機を作ることによって救った実話を基にした映画。

もちろん、感動的。だから現実との違いも知りたくて、原作を読んでみたら、特に
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あなたの名前を呼べたなら(2018年製作の映画)

3.9

この邦題は実に良く練られているけれど、観終わってみると、原題の「SIR」が素敵だったこともわかる。

ラブストーリーって、いかに「障壁」を築くか、そして、それがいかにリアルに観客の胸に迫ってくるかとい
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パラダイス・ネクスト(2019年製作の映画)

3.5

叙情的なハードボイルド、という分類でいいのだろうか、明るい未来がある予感がまったくしない、生きていることの意味を失ったまま死ぬこともできない二人の男の逃亡劇。いや、実際には逃亡していないようなものなの>>続きを読む

メランコリック(2018年製作の映画)

3.9

映画好きには勧めたくなる作品です。

一見、普通の店(銭湯だけど)の裏側に隠された秘密の仕事、師弟の絆、仲間への友情と嫉妬、ガンアクション、切ない恋愛。自分は特別な人間になれるかどうかという葛藤。ハー
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マーウェン(2018年製作の映画)

3.8

理不尽な暴行を受けPTSDを負った主人公が、実生活で自分に優しい女性たちを人形に擬する、そして、それらを自分の理想を形にした「これぞ男」という人形の周囲にはべらせて物語を作り写真に収めていく… 精神科>>続きを読む

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

映像はさすがに素晴らしいし、映画としての面白さが十分に詰まった楽しい作品。

ただ、自分は4のために1~3を一挙見した「トイ・ストーリー」初心者だから凄い違和感があった訳では無いが、なるほど、昔から思
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さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)

3.8

ロバート・レッドフォードは映画界のまさに偉人。役者としてはもちろん、監督としても結果を残し、創設した「サンダンス映画祭」では、今も次々と新しい才能が生み出されている。

そして最後に選んだ役が、希代の
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世界で一番ゴッホを描いた男(2016年製作の映画)

3.7

中々、示唆に富むドキュメンタリーだった。

20数年、真作を生で鑑賞したことが無いまま、ゴッホの模造品を描き続けて生計を立ててきた中国の男。彼なりのプライドと自信を持っていたが、初めて行った取引先のオ
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ゴールデン・リバー(2018年製作の映画)

3.5

フランスの名匠が撮った「西部劇」。序盤、画面の暗さも相まって人物造形とか舞台設定そのものが正直今一つよくわからなかったが、中盤にかけて、段々とそれぞれの感情の変化、成長が分かってくるとキャラクターたち>>続きを読む

新聞記者(2019年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

最後、横断歩道で向きあった主人公の記者(シム・ウンギョン)と官僚・杉原(松坂桃李)。杉原の口元が(無音だがおそらく)「ごめん」と動くのだが、そのシーンを入れたかったのは誰か、それが気になった。勝手な想>>続きを読む

ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります(2014年製作の映画)

3.8

ある週末。
老夫婦が40年住んだブルックリンのアパートメントを手放そうとする。

さすがN.Y.が舞台というべきか、不動産の売買、ペットの病気、アーティストとしての生き様、夫婦の回顧、人種差別、格差、
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カルテル・ランド(2015年製作の映画)

4.6

「…」。観終わってしばらく声が出なかった。そして、本当に純粋なドキュメンタリーなのか、思わずエンドロールを何度か見直して確認した(よくわからなかったけれど)。

メキシコの医師ミレレスは、町で暴虐の限
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はじまりのうた(2013年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「音楽はただの平凡な風景を真珠に変える。しかし、歳をとるとその真珠が見えなくなっていく」という趣旨のセリフが胸に沁みる。

冒頭、デビューする彼・デイヴと一緒にイギリスからN.Y.にやってきて、でもあ
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アラジン(2019年製作の映画)

4.3

もちろん制作チームが違うのだろうが、「くるみ割り人形…」を観た時の物足りなさがなんだったのか、と言いたくなるぐらい、期待通りの楽しく華やかな「ディズニー実写」だった。

首を傾げる部分はある。「アラジ
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ルック・オブ・サイレンス(2014年製作の映画)

3.9

1960年代のインドネシアで起きた一般市民虐殺事件を取り扱ったドキュメンタリー「アクト・オブ・キリング」の兄弟編。

前作は虐殺を行った実行犯たちがその再現映画制作に参加する過程において、心情が変化し
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アクト・オブ・キリング オリジナル全長版(2012年製作の映画)

4.0

友人から勧められ長尺バージョンを視聴。

過去の行動を自ら再現していくことで、罪の重さに気づかされてしまう。これまで胸の奥底に押し込めていた感情が溢れ出してしまう。

診療内科の療法のようだが、これは
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トイ・ストーリー3(2010年製作の映画)

4.2

「食わず嫌い」というほどのことでも無いけれど、お恥ずかしながらこれまで実はきちんと観たことが無かった「トイ・ストーリー」。劇場で観た「4」の予告が面白そうだったので、「1」から「3」まで一気に鑑賞。>>続きを読む

劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん(2019年製作の映画)

4.0

不覚にも今年の邦画の中では、一番泣いてしまった…
これは困った 笑

ゲーム依存などが社会問題となっている今、この作品を観て心が動かされて良かったのかという戸惑いはある。映画というよりはオンラインゲー
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キングダム(2019年製作の映画)

3.2

友情、努力、勝利。まさに「ジャンプ」ワールド(原作は「ヤンジャン」)。

原作は未読ながら、さすがに、どちらが、または誰が、最後に「勝利」するかは、観る前からわかるので、その過程、要するに「友情」「努
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アナと世界の終わり(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ゾンビでミュージカルで青春でクリスマス、となると、なんかものすごく弾けてぶっ飛んだ作品を想像していたが、思っていたより普通。もちろん、状況は「普通」ではないけれど 笑

でも、映像を創る人って本当にみ
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主戦場(2018年製作の映画)

4.0

まずは、国内外、よくここまでの面々にインタビューができたな、と思った。きっと聞き手が「日系」アメリカ人、留学生ということが大きかったのだろう。媚びているような人もいれば、相手が仲間だと思い込んでいる人>>続きを読む

クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅(2018年製作の映画)

3.7

カナダの監督が撮った複数国共同制作作品。ボリウッドテイストを加えたヨーロッパ映画? でもほぼ全員英語だし、とりあえず「多国籍映画」、という捉え方で良いのだろうか。

肝心の’旅’は正直「奇想天外」とい
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パラレルワールド・ラブストーリー(2019年製作の映画)

3.4

皆さんの評価、低めですね…

原作はかなり前に面白く読んだ記憶があって、映像化と聞いて、一体、どうやって成立させるのか興味津々だった。

映画を観終わったあと、あれ? 原作はもっとバッドエンドだったよ
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長いお別れ(2019年製作の映画)

3.7

この家族はみんな優しい。でも、普通であるようでいて普通ではないと思った。

娘は二人とも、「お父さんが期待していたような人間になれなかった」という負い目をずっと感じていて、「両親に比べて自分が如何にダ
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さよならくちびる(2019年製作の映画)

3.6

小松菜奈、門脇麦、成田凌、というキャスティングはこの規模の映画では(まったく悪意無く)最高の贅沢。特に門脇麦さんはこの界隈のスターですね。いつも安定して素晴らしいパフォーマンス。

この三人が絡むバン
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ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019年製作の映画)

3.8

ゴジラもキングギドラもモスラもラドンも映像的にはやっぱり凄かった。神々しいとも言える造形美には圧倒された。ため息が出た。

個人的には昔からモスラが好きなので、ラドン(奴も中々いい味を出していたけど)
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アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

あまりにずさんな計画で、その実行に至るまでの過程も、犯行現場、その後のあたふたも目も当てられない。彼らが参考にしている「オーシャンズ」のような鮮やかな完全犯罪など現実には存在せず、リアルではこんなもの>>続きを読む

パリ、嘘つきな恋(2018年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

お金持ちの健常者が障碍者に恋をしてしまい、成り行き上、自分も障碍者のフリをし続ける。真実を告白すべきかどうか、その方法やタイミングに苦悩する物語。

こう文字で書くとひどい話にも見えるけど、実際は、軽
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僕たちは希望という名の列車に乗った(2018年製作の映画)

4.0

誤解を恐れず正直に言えば、思ってたより東ドイツが「自由」に見えた。これまでのイメージは「ブリッジ・オブ・スパイ」で描かれたような、昼でも暗く、人々は無表情、いつも緊張感に満ちて静まり返った街並み。でも>>続きを読む