アベラヒデノブ0阿部羅秀伸さんの映画レビュー・感想・評価

アベラヒデノブ0阿部羅秀伸

アベラヒデノブ0阿部羅秀伸

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レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)

4.4

『友よ、よく覚えておけ。
悪い草も悪い人間もない。
育てる者が悪いだけだ。』

苦しい。性善説。

大人と子供。
人種と宗教。
育った環境によって芯まで刻み込まれたバイアスは、永久に修繕不可なのか。
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.6

号泣した。
なのに笑った。
なんやこの傑作。
関西出身であることがちょっと嬉しくなるくなるくらいイイ映画やった。
山下監督、大阪芸大の大先輩。
ヤクザ。
ずっと静かな狂気がチラチラ揺れててめっちゃ怖い
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トランスフォーマー/ビースト覚醒(2023年製作の映画)

4.8

「ビーストウォーズ」を小学校時代に堪能した世代として、個人的に、ぶっ刺さってしまった。
物語として堂々と王道を突き進む。
世界の救済と復讐心と知的好奇心で突き進んでいく怒涛のエネルギー。
家族愛や友情
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バービー(2023年製作の映画)

4.0

最高に狂ってる。
男社会と女社会。
混乱極める現実の世界。
想像力がフル活用されてて笑った、唸った。
オモチャのパーツだけで繰り広げられるビーチの合戦は、何故か迫力があって笑ってしまった。
バービー版
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ハンナ・アーレント(2012年製作の映画)

4.0

ハンナさんタバコ吸いすぎで、力強い不屈の時代を感じた。
ラストシーンの講演に胸を打たれた。
思考を放棄してはならない。
善悪、美醜を、見分けるために。
会話シーンなどでヨリカットが足りない印象だったが
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ドクター・スリープ(2019年製作の映画)

3.7

途中ワクワクしたりしたが最後あっさり味。
撮影方法などももっとアート寄りでオマージュ的だったら良かったなと。
映像がキレイすぎるのか。
ユアンマクレガーが狂い切らないのが個人的には煮え切らない印象。
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ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)

4.3

結末を知らずに観た。あまりにも辛い。彼のユーモアと優しさ、コントロールできない怒りの発作や衝動。それらが混然一体と煙を上げ続ける日々。やわらかい光に導かれそうな時も確かにあったのに…彼を止めることがで>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.8

大好きだった時代の、幼少の、青春の、憧れの日本映画を思い出した。
僕はなんという尊い体験をしたのか。
上映中のスクリーンと、出口と、階段と、ビル街に照りつける陽光が途切れることなく、地続きで、雑踏も何
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サマー・オブ・84(2017年製作の映画)

3.7

前半もっとコメディーかと思ったら違った。
切実。
後半、事が動き出すまで、少し単調に感じた。
4人の性的ワード中心な15才会話が繰り返し多すぎて、個人的には愛しきれなかった。
でも後半、事件が急転して
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ゴーストランドの惨劇(2018年製作の映画)

4.0

傑作。胸糞になるギリギリで。妄想と現実のコラボレーション。「奇妙なサーカス」を彷彿とさせる。主人公が最後ちゃんと主人公してる。負けるな。ぶち破れ。背中を蹴られるような痛みと狂気によってストーリーテラー>>続きを読む

ドニー・ダーコ(2001年製作の映画)

3.9

胸糞だけど好き。
悪夢って最悪だけど目が覚めるまでをセットと考えれば、実は最高に甘美な時間。
ドニーダーコ。

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.9

面白かった。でも主人公が可哀想で被害者として存在し続ける自己憐憫がつらい。主人公としての魅力には欠ける。負けるべくして負けすぎてる。救いがない。
永遠の苦しみよりも死によって救いを与えべきか否か。
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正欲(2023年製作の映画)

3.7

ラストシーンに集約されてる。
世の常識を前提に、全てを知っているつもりで生きてしまっている。
アリストテレス「不知の自覚」を心に。

大学の講義室の議論もよかった。
なんで最初から共感する側だと思って
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ミザリー(1990年製作の映画)

4.1

癇癪持ち。でも愛は本物。
「人間の正義を超えた正義。それに私は従います」
実在した人間は死後、誰かの記憶の中で生き残り続ける。
フィクションの登場人物は死ぬこともなく、永遠に輝き続ける。
ひょっとする
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.3

夫婦喧嘩、法廷での妻の想い、息子の証言
忘れられないシーンがいくつもあった。
傑作と呼ばれる作品には必ず、今作のようなそういったシーンが、少なくとも3つは存在している。
ような気がする。
どんでん返し
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MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

4.6

美しい。
ラスト圧巻だったな、正直理解できていない部分は多そうだけど。
死と記憶のアンテナと大解放と宇宙。
「罪」なんて出てこない、誰のことも傷つけない、癒しのカンヌ作品。
日本の商業では作らせてもら
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別れる決心(2022年製作の映画)

4.0

ラスト辛い。
1970年代の骨太ラブサスペンス劇映画を、スマホ時代と真っ直ぐ向き合い見事に復活させてくれた。そんな感動を覚えた。
スマホを出しすぎると古き良き映画としての魅力が半減する、でもスマホを出
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.6

尊い。全てが。
日常生活において、
誰にも共感してもらえないし、
わざわざ口に出すことでもない、
明日には忘れてしまいそうな些細な瞬間、
木漏れ日の美しさや道端の雑草など諸行無常の喜びが、ぎゅうぎゅう
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.3

最高のロードムービー。
不器用さを誤魔化せない時代の切り取り。
紙とペンが、ここ最近よりもよっぽど価値があった時代(或いはここ最近の方が尊い存在に昇華したのか)。
容赦のない国境を越えた捻くれ「ビフォ
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ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)

4.2

日本評価低いのは納得するけど、僕は好きだった。
説明がない。最後までされない。インサートから推測するしかない。
でもそれが心地よかった。
現実と過去と妄想が行き来して、
これは主人公の感覚を体験するた
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バートン・フィンク(1991年製作の映画)

3.9

隣人こそ最も遠い存在。
愛するあの人の隠された真実とは…?
みたいな日本映画多いけど、最近の日本映画はとにかく暗い。
勘弁してほしい。
病んでる場合じゃない。
世界はこれからどんどん生きづらい時代に突
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.7

アルフィーがかわいかった。
最後の再会は泣きそうだった。
なんだろう。
主人公がAIに対して冷めた感情を持っている導入部にあまり感情移入できなかった。
あとアルフィの変化についても、怪物の瑛太さんくら
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ブルー・バイユー(2021年製作の映画)

4.8

ラストシーンで1点ぶち上がったくらい良かった。
あのやり取りは僕の幼い記憶にも刻み込まれている。
人生の報われる瞬間は、なんと儚く花火なんだろう。
燻って燻ってやっと打ち上がったというのに、消えゆくこ
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マンハッタン(1979年製作の映画)

4.5

何回観ても名作。
いくらドキュメンタリーで心乱されても、この作品と出会った時の衝撃は計り知れない。
価値観が常に揺れ動く、警戒し皮肉たっぷりに嫌味を言うが、周りに流され、愛とユーモアを振り撒くアレン。
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ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.8

とんでもない作品。
日本だったら映画化できないんじゃないか。
ヴィーガンを狩るために、ヴィーガンの振りをする作戦は面白かった。
2人が参考にしてた犯罪分析番組がラスト最高に皮肉が効いてて良かった。
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哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)

3.7

設定は面白かったけど、哲学と彼への想いが、満ち足りてはいなかった。
冒頭の2人の暮らしにもう一層、未来に繋がる絆のきらめきがあれば、違ったように思う。
意識が残ってる上でゾンビ的凶暴性に感染する。辛い
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.4

全ての議論が胸に刺さる。
忘れられない瞬間を生み出してくる。
決して暗くない。明るくて最低で、愛しい。

パリ、テキサス(1984年製作の映画)

4.5

静謐なる怒声と熱狂
叫べば伝わるってもんじゃない
叫ぶのは弱いってこと
もっと叫ぶことに違和感と羞恥心を持ちながら作品と向き合いたい
日本のテレビドラマ・映画、叫べばOKな瞬間がチラホラ。
アニメじゃ
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ピノキオ(2022年製作の映画)

5.0

心が洗われた。
改めて凄い物語。理屈じゃない。
「フォレストガンプ」「バックトゥザフューチャー」のロバートゼメキス監督。
いつまでもステキ。
子供の頃から聴き馴染み「空気」の一部のようになっていたディ
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