EugeneHashimotoさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

第七の封印(1956年製作の映画)

5.0

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芸人讃歌

ベルイマン暗くて小難しいイメージあったけど道化の立場を高く買っていて好感が持てた

ラ・ヨローナ ~彷徨う女~(2018年製作の映画)

4.0

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冒頭の大人数での儀式をみるに多分他の家庭でもどんどん怪現象が起きたんだろうな。将軍の家も収拾がついたわけではないのかも。

SPの人あのあとどうなっちゃったんだろう。

妻が首絞めてるのをあとの3人が
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冬の光(1962年製作の映画)

4.5

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「神に見捨てられた」というのと「神はいなかった」と言うのとでは全然違うよなと思った

雪の風景のこともあり黒色が美しい映画だった

日本人としては、夏の光としての原爆を思い起こさずにはおれず、じゃあこ
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ニーナ・シモン 魂の歌(2015年製作の映画)

5.0

偉大

後半生にあれほど悲惨な時期があったと知らなかったので衝撃的だった。

ロレーン・ハンズベリーの佇まい、話し方が優雅で逞しくて憧れる。ああなりたいものだと常々思う。日本語でまとまった作品集とか評
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無防備都市(1945年製作の映画)

4.5

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司祭と少年のコンビが本当にいい。戦争になったとき成人男性の見た目を持ってる人間はどうやってサバイバルすればいいんだろうということをよく考えるけれども、この二人は子どもの見た目と司祭の見た目をフル活用し>>続きを読む

模倣の人生(1934年製作の映画)

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デライラが通りを間違えたことからシングルマザー同士の共働が始まる。デライラが教室を間違えなかったことでペオラの自己嫌悪が極まる(《私はあなたのニグロではない》で引用されていた印象的な箇所。このくだりに>>続きを読む

ライトハウス(2019年製作の映画)

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灯台守バチバチ日記

終盤の、初めて灯を見るロバート・パティンソンの血塗れの真っ黒な顔がネガポジ反転したみたいに白く見えたりもして不思議だった。

ロバート・パティンソンがウィレム・デフォーに首縄つけ
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マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

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malignantって何でっかと思って調べてみたら形容詞で「悪性の」とか「悪意、敵意のある」とかいう意味だそうで、名詞malignancyで「悪性腫瘍」という意味らしい。

序盤DV夫がソファーで寝て
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仁義なき戦い(1973年製作の映画)

4.0

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広島弁いいなぁ。「人間一匹ぶ↑ち↓殺すとこみせちゃるけんの」。

昭和24年の警察が提灯使ってて衝撃だった。

「あんた初めっからわしらの担いどる御輿じゃないの」「御輿が勝手に歩けるいうんなら歩いてみ
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揺れる大地(1948年製作の映画)

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なぜ万国の労働者が団結せねばならぬのかがわかる。

スカーフを被って海を眺める女性たちのシルエットと海の小さくて盛り上がった島のシルエットが呼応する画。

みんな裸足で岩場とか走ったりするので観ていて
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アテナ(2022年製作の映画)

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四方取り囲まれた警察隊が密集して盾で外殻を作る姿が古代ギリシアの軍隊みたいで可笑しかった。アテナの重装歩兵。

「暴動」を主導することになる弟は焼死、兄は爆死する。ムスリムだったことを考えるとかなりキ
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ペパーミント・キャンディー 4Kレストア(1999年製作の映画)

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尹東柱の「死ぬ日まで天を仰ぎ一点の恥じ入ることもないことを……」という詩の対極のような人生だと思った。でも1979年のヨンホにはまだその雰囲気があった。

人間の裸体がみっともない(《バーニング》もこ
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キューポラのある街(1962年製作の映画)

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肝っ玉姉ちゃん吉永小百合
背筋を伸ばして走る姿がたくましくてよかった

姉弟のシーンどれもいい

金田一シリーズに出てくる鬱陶しい警察の人というイメージだった加藤武がめちゃくちゃいい先生役で出てきた。
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ブルックリン横丁(1945年製作の映画)

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ジェーン・エアの子ども時代を演ってた子がほぼそのまんまの佇まいで出てきた。学ぶことが好きで、本来は陽気なところもあるのだけど鬱憤を溜め込みがちで神経が立ってるかんじ。ハリポタのハーマイオニーってこうい>>続きを読む

スパイの妻(2020年製作の映画)

5.0

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蒼井優が昭和の女性の喋り方だった。第一声からしてもう「昭和の女性や!」と思った。すごい。少し早口で、鼻にかかった細いかんじの、やや作ってるっぽい声。装いがモダンで浮世離れしているぶん、この話し方が時代>>続きを読む

ミラノの奇蹟(1951年製作の映画)

4.0

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イタリア映画っていいなぁとしみじみ思った。歌、人情、パルチザン。

メイドを助けるためについた嘘をメイドが文字通りに信じちゃって困ったことになるくだりとか、天界からの追っ手がちゃんと信号待ちする描写と
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レベッカ(1940年製作の映画)

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家を燃やすほどの熱い愛

結婚相手の姉夫婦が来るんしんどすぎる……と思ったら気っ風のいい人でよかった。

レベッカがロンドンの医者にダンヴァースと名乗っていたの知ったらもうダンヴァース泣いちゃうんじゃ
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ミニヴァー夫人(1942年製作の映画)

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最初なんや金持ちのいけ好かん家族やなと思ってたけど30分くらい観てたらそうでもなくなってきた。

防空壕のシーンよかった。初めて読んだ本が同じだったことを、夫妻が初めて知るところ。

品評会で、お婆さ
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ツイスター(1996年製作の映画)

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カウンターで元妻と今カノがなんかややこしい話しようとしてると勘付いた瞬間のダイナーの店員の参った表情のカットが一瞬入るのよかった。

それぞれの車で流している音楽とか口ずさんでる歌がどんどん重なってい
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蜘蛛巣城(1957年製作の映画)

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浪花千栄子怖い(最初わからんかった。細くすぼめた目がギョッと開く)

山田五十鈴怖い(はじめ能面みたいだった顔からだんだんドロついた人間の顔になっていく)。マクベス夫人は激しくて恐ろしい人だったけど鷲
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サスペリア(1977年製作の映画)

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序盤、映像はわりとゆったり尺とってる気がするけど裏で音楽がドンドコドンドコやってるので妙に推進力がある。

ガラスに押し付けられた顔がもがく映像すごかった。

全編にわたりガラスがよく割れる。大きいガ
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ロブスター(2015年製作の映画)

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レア・セドゥ怖い。字幕の口調も怖い感じになってる。

この世界、友情を育むのかなり難しそう。

眼球がどうにかなる描写がどうにも鬼門で直視できない。近視かどうか問い詰めて確認するくだりでもう辛かった。
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忠臣蔵外伝 四谷怪談(1994年製作の映画)

4.5

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江戸怪談に世紀末ウィーンの不健康な音楽がよく似合うという大発見

そんなわけないけど少年時代の伊右衛門役の人ほんとに少年時代の佐藤浩市なんじゃないかと思うくらい佐藤浩市だった。

佐藤浩市の抑揚のない
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北陸代理戦争(1977年製作の映画)

4.5

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「俗に北陸三県の気質を称して越中強盗加賀乞食越前詐欺師と言うがこの三者に共通しているのは生きるためにはなりふり構わず手段を選ばぬ北陸人特有のしぶとさである」。そこまで言うか、俗。

信子(高橋洋子)す
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蒲田行進曲(1982年製作の映画)

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ヤケクソと無気力がせめぎあっている蟹江敬三がいい。階段落ちをやると決めたときの生気みなぎる蟹江敬三もいい。

鬱陶しい風間杜夫がおもしろかった。自分が小夏だったら刺してると思う。

平田満はマンガから
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逆光(2021年製作の映画)

4.0

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三島由紀夫について語るとなぜか自分自身の本性が漏れちゃうみたいなところあるの不思議だな。好きな作品挙げるだけで墓穴掘ってたりする。作中で三島に言及する晃、裏祭の男、文江のうちだと文江がいちばん誠実に読>>続きを読む

どですかでん(1970年製作の映画)

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ある共同体の全体に概ね均等な視線を注ぐつくりで、物語よかその態度を汲むべき作品になっていると思う。だいぶ毛色が違うけど《キャッツ》とかもそういう作品な気がする。

気が滅入るような出来事がどんどん起こ
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