eulogist2001さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

eulogist2001

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ロレーナ: サンダル履きのランナー(2019年製作の映画)

3.0

サンダル履きで100キロマラソン優勝って。しかもメキシコ人の若い女性。

生まれ故郷の風景がほんとうに美しい。

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.8

ルーチンワークのような同じような日々の繰り返し。仕事は公衆トイレを巡って掃除すること。そんな晩秋を迎えている一人暮らしの初老の男。

そんな暮らしをじっくりと眺めていると、その基調にあるのはほんとうに
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PATHAAN/パターン(2023年製作の映画)

3.2

シャールクカーンだいすきなのだが、本作はハマらなかったかも。アクションもすばらしい。それぞれの演技も力強い。ただどこかで観たような・・・。既視感が強め。

せかいのおきく(2023年製作の映画)

3.0

題材というか素材が、たしかにおもしろい。けど、それを選択した必然性はあまりよく理解出来なかったかも。

寛一郎のセルフ回しや表情が、父親の佐藤浩一にあまりにも似ていて驚いた。うりふたつとはこのことだろ
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EO イーオー(2022年製作の映画)

3.0

ロバのロードムービー?ロバの叙事詩。なんとも不思議な作品。しかし人と同様に感情移入もして、緊張感もあった。

わたしは金正男を殺してない(2020年製作の映画)

3.6

金正男のクアラルンプール国際空港での暗殺については、国際政治の闇があからさまに見えてしまった。結局は国益優先で政治どころか司法までも動く。その狭間で犠牲になるのはいつも弱者だということも。

今回のケ
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異人たちとの夏(1988年製作の映画)

3.0

大林宣彦らしい。お伽話と純粋さが溢れる。山田太一の原作とも妙な釣り合いだ。

ともあれこの歳になってみるには、いささかB級さ加減がなんとも応えたかも。

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

3.8

女性蔑視、黒人差別、老い。年齢や人種を超えた恋。他者と繋がる悦びと恐怖。時にイギリスの映画は余白こそ楽しむべきものが多い。刹那的な感情や激情よりは、より深くより遠くを見つめる。
力強くどっしりと覆い被
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THE WITCH/魔女 —増殖—(2022年製作の映画)

3.4

今回も続く、なのかぁ。
アクションがより激しく強くなってきた。どこに落とすのかわからないが、着地点を見届けたい。

君が世界のはじまり(2020年製作の映画)

3.2

思春期の過剰さ、センシティブさがよく描かれてる。そしてそのことに自らも自覚的ではない点も。

役者の振り切り方に微妙な温度差があるのと、群像劇としての輪郭がボヤけている気もした。つまりキャスティングと
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共謀家族(2019年製作の映画)

3.8

シナリオがすばらしい。先が読めるようで読めない。関係性が近い遠い含めて、拡がりがあって深い。妻や子どもも含めて演技が秀逸。

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

3.6

旧友同士、ひさしぶりに山奥の温泉にキャンプに向かう。一方は出産間近の妻がいて、一方は相変わらずのヒッピーのようなその日暮らし。

古いVolvoのワゴンでのなんでもないような会話。カーラジオから流れて
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トカレフ(1994年製作の映画)

3.2

30年前。懐かしさが湧き起こる。千葉市で撮影されたようだ。
佐藤浩一と大和武士。佐藤浩一はさらに渋い俳優となった。

育ちざかり(1967年製作の映画)

3.6

想像していたよりおもしろい。55年前の作品だが、ファッションや風俗や男女のモノの考え方は今とほとんど変わらない。もちろん細部には時代を感じるけれど、懐かしいというより、変わらないなぁと。

ただ昭和の
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わさび(2016年製作の映画)

3.0

短編。短い時間でどこまで作品世界に引き込むか。起承転結が作れないだけに厳しかった気がする。

芳根京子がじっくりと性根の据わった演技をしていたが、それでもねー。

なぜ君は絶望と闘えたのか(2010年製作の映画)

3.8

ドラマとしてなかなか泣かせる。しかしこれが実話に基づく作品であると思うと複雑な気持ちにもなるし深く胸が痛む。

・死刑制度も一般論として考えてみたら、廃止したほうが良いように思う。ただこうした個別の事
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対峙(2021年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

こころの交わりこそ、いとも尊きもの
父の前にひざまずき思いを込めて祈らん
我らの望みも恐れもともにひとつ
やがては去りなん
別れゆくときは哀しみに心沈めど
再び相見るときの喜びやいかに

まさにラスト
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彼女はひとり(2018年製作の映画)

3.2

学生監督の作品。演者がみな真剣に演じてるのが伝わる。内容としてはわたしには響くものはなかったけれど、こうかんは持った。

次回作はもう少し肩の力が抜けたものが観たい。

シェアの法則(2022年製作の映画)

4.1

シナリオが秀逸。群像劇タッチながら、中心は明確にされているので、作品を観始めてから焦点をどこに定めるか徒に迷うことがない。

またストーリーを進め、後半にかけて回収するための伏線がけっこうばら撒かれて
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銀平町シネマブルース(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ラスト30分までは、どうなるものかと思った。脇役たちのしょうもなさ、楽屋落ち、劇中劇の素人臭、名優たちを含めて全体としてのクサい演技。

ところが最後にそれらのどうしようもなさが、非常に重要な伏線であ
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セールス・ガールの考現学/セールス・ガール(2021年製作の映画)

3.6

大草原で馬を走らせて遊牧民として生きるモンゴルのイメージがガラリと変わった。
それはともあれ少女のビルドゥングスロマンとしてなんともさわやかな印象を残した。

主役の女の子がロリータっぽいところが、キ
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月は上りぬ(1955年製作の映画)

3.8

お転婆だったり奥ゆかしかったり、控えめであったり。
1950年代の恋愛の一端が偲ばれる。今となっては明らかに性差別となるような表現や行動様式にも見えるが、その実、相手への深い配慮がほの見える。表面的な
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死体の人(2022年製作の映画)

3.6

じんわりとホッとする作品。母は強しか。
リラックスしながら安心して眺められるヒューマンストーリーだ。
欲を言えば人物の造形がややステロタイプなのが気になった。分かりやすい点では好ましいけれど、既視感は
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ガザ 素顔の日常(2019年製作の映画)

3.6

元々は第二次世界大戦のユダヤ人対策のための国家建設の約束から始まった。
ユダヤ人にとっては約束の地が、一方のパレスチナ人には侵略や略奪や追放の地となり、大国は責任ある対応を取らずに彼の地の当事者に半ば
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Winny(2023年製作の映画)

3.8

警察の不正や不当な裁判のドキュメンタリー作品を見る度に権力を持つ側の保身や隠蔽体質のおぞましさには怒りを感じてしまう。構造的には自己保存本能や組織の同調圧力に無条件に従うなど、実は誰しもこうしたマイン>>続きを読む

(2023年製作の映画)

3.5

「津久井やまゆり園 「優生テロ」事件、その深層とその後」という著作を読んでいたので、事件そのものや背景、分析等については知識としてはあった。

本作はその事件に障害を持った児と死別した夫婦などを加えた
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キリエのうた(2023年製作の映画)

3.0

な、長い。これほどの時間が必要だったのか。震災を絡めることが必須だったのか。しかも過去と現在を行き来する時制がかなり煩わしい。

・主役のアイナに惚れ込んでの作品なのだろう。それがむしろ逆効果だった気
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にっぽん昆虫記(1963年製作の映画)

3.4

錚々たる役者たち。いまから振り返るとそんな役者たちが逞しい田舎者の女が三代にわたって生き抜くさまを演じる。

性がカジュアルであったのは実質、昭和半ばではないかと思えてしまう。そしてカラダで世渡りする
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ふたりの人魚(2000年製作の映画)

3.4

なかなか面白かった。展開も凝っていて想像を超えていた。ラストもストーリーの流れからいえば、かなりクールな終わり方に見えた。

愛にイナズマ(2023年製作の映画)

4.2

ことしいちばんの素晴らしい作品。本作のテーマに相応しい一癖二癖あるキャスティング。このメンバーが集っただけで、半分以上は成功していたようなものだ。ひとりひとりの演技とその掛け合いにわくわくしながら観て>>続きを読む

「金日成の子どもたち」日本語(2020年製作の映画)

3.4

作品の構成は少し難を感じた。説明が過剰に感じたし、演出も一面的。

とは言え歴史的事実としては初めて知ったことで驚きだった。
・朝鮮戦争の戦災孤児を社会主義国が全力を挙げて育て上げようとしていたこと。
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水俣曼荼羅(2020年製作の映画)

4.2

3部構成、6時間に及ぶ大作。しかしまったくその時間の長さを感じなかった。それは監督の演出や構成の巧みさはもちろんだが、水俣患者や支援者を含めた出演者の魅力に尽きる。ドキュメンタリー作品はテーマ以上に、>>続きを読む

ある精肉店のはなし(2013年製作の映画)

3.9

命との向き合い方が、しっかりと地に足がついている。死と日々向き合ってるからこそだろうか。

部落差別についても、江戸時代の士農工商の身分制度は、結局、生産の主たる担い手である農民がいちばん厳しい生活を
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町田くんの世界(2019年製作の映画)

4.0

やあ、ツボったっ。健気系に弱いのだ。とんでもな設定やおおいにご都合的なところなど関係なーいw。

原作は読んでないけれど、こんなシンプルな世界いーよね。どこかおかしな変態だろうとこんなんは現実的には有
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関の彌太ッぺ(1963年製作の映画)

4.0

中村錦之助。文句なしにカッコいい。粋で武骨でやさしさが滲みでている男。

現代から見れば、ご都合的な繋ぎの場面が多いけれど、全体の流れとしては申し分ない。ラストシーンもカット割やショットが手前と奥で絶
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