ダイヤモンドさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ダイヤモンド

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ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)

2.5

幼い頃からショウビジネスの世界で生きることを余儀なくされたジュディ・ガーランド。
後世に残る大スターになれたのも天賦の才ゆえであり、逆に私生活での不幸せもその才ゆえ。特に感じられるのは孤独。脚光から逃
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こどもしょくどう(2017年製作の映画)

2.5

いじめられっ子タカシを見放さないユウト。実家の食堂での夕食に誘う彼はある日、橋の下の軽トラで寝起きする姉妹を見つけた。最初こそ父親がいたが、程なくして捨てられた姉妹。ユウトとタカシは彼女たちのことが気>>続きを読む

愛を綴る女(2016年製作の映画)

3.0

サナトリムで出会った病身のアンドレに運命的なものを感じるガブリエル。病院を移った彼に宛てて、愛の言葉を綴る彼女の手紙。

“荷を解かずに あなたを待っています
あなたの体が私を支配してる
私には あな
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鉄道員(ぽっぽや)(1999年製作の映画)

3.5

舞台は、時代の流れに取り残される運命にある北海道のローカル線。その駅長として生きる、愚直で融通のきかない性分のせいで私生活を犠牲にしてきた“鉄道員(ぽっぽや)”の物語。

“あれが鉄道員(ぽっぽや)だ
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モンスター(2003年製作の映画)

3.0

情状酌量の余地があるとはいえ、アイリーンが犯した殺害はやはり自らの死をもって贖うしかないでしょう。
でも、彼女の歩んできた人生には同情を禁じ得ない。父の自殺、レイプ、少女のころから自らのカラダを売って
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春との旅(2009年製作の映画)

3.0

肉親といっても、とどのつまりは一個人と一個人の繋がり。情は存在するものの、やはりそれで全てが許されるものではなく、特に離れて暮らしていれば、それぞれの事情から薄くなったり、変わったするもの。

世の中
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妹の体温(2015年製作の映画)

2.0

あなたはいつだって 人に自分を押しつけてくる_。

家族愛に薄い家庭に育ったシャルロッテ。
そのため彼女は大人になってもしばしば、自分の身の処し方に迷い、人に委ねてきた。そのせいで、孤立しがち。
その
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雨月物語(1953年製作の映画)

3.5

時は戦国。それも本能寺の変直後、羽柴秀吉と柴田勝家による「次の天下人」が決まる天正十一年頃のこと。
でもそこには戦国武将の合戦ロマンも、忠義に代表される武士道もまったくと言ってよいほど描かれていない。
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スタンリーのお弁当箱(2011年製作の映画)

3.0

空腹も喉の渇きも忘れて 他人との格差に負けず 太陽の光を浴びて 
ほんの少しの幸せを 全てを信じる純粋な心 君は輪の中で我を忘れる_♪

活発で、感受性も豊かな少年スタンリー。彼は訳あって、お弁当を持
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荒野にて(2017年製作の映画)

2.5

母は家を出ていった。父は死んだ。競走馬の調教師デルの元で下働きをする少年チャーリーにとって、唯一語り合える友が、馬のリーン・オン・ピート。

「競走馬はペットじゃないわ。勝てなきゃクビ。それが現実よ」
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エース・ベンチュラ(1994年製作の映画)

4.0

もうただ好き!な映画。

B級っぽいし、ツッコミどころ満載。でもジム・キャリーのキャラですべてマイナスを相殺しちゃってる。スローモーションからの逆再生とか、いちいちなにかやらなきゃいけないところとか、
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世界は今日から君のもの(2017年製作の映画)

2.5

夢見がちなマミは幼い頃から孤立しがち。特に母は愛娘を守るために、色々なものを奪ってきた。成長する過程で必要とされる願望までも。自立心が育たず、ひきこもり。そしてフリーター(母ではなく、父と一緒に暮らす>>続きを読む

シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

2.5

“瓢箪から駒!?”

ほんの軽い気持ちで口にした言葉が、子供っぽさが抜けない高校生コナーを成長させる。そしてその原動力になったものは、恋とロック!モデルを目指す年上のラフィーナを喜ばすために曲を作る。
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しゃぼん玉(2016年製作の映画)

3.0

恵まれない家庭環境で育った末に窃盗傷害を重ねるイズミ。逃亡の果てに宮崎県の山奥を彷徨っていた彼は、ひょんなことから寒村で独り暮らす婆さん(市原悦子)の家に居候するようになった。婆さんとの何もない暮らし>>続きを読む

サンセット大通り(1950年製作の映画)

3.0

映画こそ私の人生 それ以外ないんですもの。私たちとカメラと 暗闇で画面を見つめる素晴らしい人々以外は…_。

眩いばかりの栄光に包まれていた往年の大スター、ノーマ・デズモンド。彼女の映画人生はトーキー
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はなれ瞽女おりん(1977年製作の映画)

4.5

「瞽女が忘れてはならんことは 瞽女の礼儀作法じゃ。瞽女は耳も鼻も口も足元も みんな阿弥陀さまにおあずけしておるんじゃけん。そうじゃきに 毎朝毎日お経をあげて その大事な作法の道を踏み外さないようにお願>>続きを読む

シャンボンの背中(2009年製作の映画)

3.0

平凡な大工がテレビで聴いて気に入った楽曲を、密かに想いを寄せる女性教師にヴァイオリンで演奏してもらう。その音色が二人の心に共鳴して、仲が急速に縮まる_。
もうその設定がフランス映画っぽいです。

大工
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新聞記者(2019年製作の映画)

3.0

とても重い映画。それも私たちが今生きている日本の社会を覆う、不穏で巨大な雲を見せられたような。

新設される大学の裡に潜む疑惑に切り込もうとする新聞記者、外務省の先輩が突然自殺したことに疑問を抱く内閣
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

3.5

「警備員を1人採用するのに 大卒が500人も殺到するこの時代。うちの家族は全員就職できた」

”超格差社会”韓国を風刺した社会派映画。でもコメディあり、サスペンスありで、エンタメ性が高い。なので観賞後
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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

2.5

僕と、静雄と佐知子。函館。
都会でもなく、田舎っぽさもないその港町で、時の流れに抗わず、浮き草のように生きている三人。

若さって、なくなっちゃうもんなのかな_。

ぼんやりとした、漠たる愁い。
でも
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落下の王国(2006年製作の映画)

3.5

魔術的映像美_。
その映像世界に、まず圧倒されました。

大怪我と失恋のダブルパンチを負ったスタントマンが、その果てに抱く自殺願望。たまたま同じ病院に入院していた幼な子に語り聞かせた物語は、異国の冒険
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アスファルト(2015年製作の映画)

3.0

 不思議な感覚だ 君には別の人生があるみたいだった_。
 
 いまは落ちぶれて、郊外の団地で燻るベテラン女優ジャンヌ。輝いていた昔の自分を思い、結ばれなかった恋人を未だに想う彼女は、本当なら生きていた
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名前(2018年製作の映画)

2.5

 不運続きの中村はふと自らの名前を偽り、別の男を装って生きることに密やかな楽しみを見い出す。
 その中村の前に突然、謎の女子高生笑子が訪ねてくる。正体を明かさない彼女を不審に思いながらも、次第に彼女の
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ブルージャスミン(2013年製作の映画)

2.5

 自業自得といってしまえばそれまでだけど、我ら普通の人でも一度上がった生活水準を下げるのはなかなかに難しい。ましてジャスミンは、幼少期に健やかに育つ環境になかったと想像できる。幼い頃に育まれるべき、人>>続きを読む

舟を編む(2013年製作の映画)

3.0

「言葉は生まれ、中には死んでいくものもあります。そして生きていく間に変わっていくものもあるんです。言葉の意味を知りたいとは、誰かの考えや気持ちを正確に知りたいということです。それは、人とつながりたいと>>続きを読む

(1954年製作の映画)

4.0

『日日是好日』の流れで鑑賞。

ストーリーは至ってシンプル。
旅芸人の男と、その連れの女の話_。

月並みだけど、主旨はこれ。
失って初めて、存在の大切さを知る_。

でも、叙情性あふれる名作。
ジェ
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日日是好日(2018年製作の映画)

3.0

まず、四季折々の茶室の風景がとても美しい。落ち着きがあって、とても日本的。
さらに音。水の音。柄杓から滴る音、茶筅で立てる茶の音、雨の音。風の音、葉擦れの音。
そして、その世界で点前する師の所作の美し
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グリーンブック(2018年製作の映画)

4.0

”GREEN - BOOK : For Vacation Without Aggravation"
(『グリーンブック:不愉快と縁のないバカンス』)

天才ピアニストドクター・シャーリーがあえてアメリ
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クローズド・ノート(2007年製作の映画)

3.0

わたしはふと、心の力という言葉を思いついた。
一人一人が持っている心の力はとても強く、いろいろなことを可能にするんだということを、これからみんなに話してゆきたい_。

前の住人が残していったノートを読
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レディ・バード(2017年製作の映画)

3.0

この年頃の女の子たちの、訳もなく込み上げる涙って。
親や友だち、学校のこと、などなど。いろんな不満や不安はあるけれど、結局はその涙の行き着く先はこの言葉。

理由はないわ。幸福になれないだけ_。

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万引き家族(2018年製作の映画)

3.5

「自分で選んだ方が強いんじゃない...絆」
 
ちょっと照れくさそうに言う信代。それに笑顔で答える初枝。二人の優しい眼差しの先には小学生(くらい)の祥太と幼な児、りん。実はみな血縁にない。
更に信代の
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ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅(2013年製作の映画)

4.0

痴呆の入った父ウディが100万ドル当選しましたっていう、明らかに偽のクジを引き換えに、州をまたいで行こうとする。家族はみんな説得するけど、父はまったく耳を貸さない。そこで次男デイヴィッドは父を連れて、>>続きを読む

ゆずりは(2017年製作の映画)

3.0

「葬儀屋は葬儀中に涙は禁物」

葬儀会社の松波社長の言葉を金科玉条とし、自らを戒めて、プロに徹する水島(コロッケ)。

しかし、社長はこうも言う。
「ただ人間であり続けるならば、涙はなくてはならないも
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情事(1960年製作の映画)

2.0

本当はあなたを失いたくない。でももうあなたを感じられないの_。

サンドロの恋人アンナの言葉(不感症という意味ではないと思います)。それは、のちに恋仲になるクラウディアもまた、同じような心持ちではなか
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スイミング・プール(2003年製作の映画)

3.0

どこまでが現実で、どこまでが創作かの境界線がわからない映画。
監督のフランソワ・オゾンも、観る人にその判断を委ねているという。

サスペンスに括られるのだろうけど、太陽が溢れる田舎町の家の元、ジュリー
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ロック 〜わんこの島〜(2011年製作の映画)

3.0

これは、ズルい映画_。

犬と子ども、号泣必至ですって。

2000年に起きた三宅島噴火、島外避難を命じられた家族(犬含む)の物語。
三宅島の島民は、度々起こる火山の噴火を乗り越えてきた。その健気な姿
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