確かRotten Tomatoesで異様に高得点出して、一部の間で話題になっていた作品。
尺も短いし、手持ち無沙汰だったのでなんとなしに観たんだけど、これがなかなか良かった。
物語はシンプルだし、キャ>>続きを読む
後期ハートリーの傑作だと思う。
『ヘンリー・フール』を通じて獲得し始めたナチュラルな表現と、初期の様式が上手く折衷されている。
父殺しの物語は『シンプルメン』に通ずるが、序盤の踏切のカットなどは正に『>>続きを読む
カタツムリ映画
対称と対照
『建築家の腹』同様に、これでもかと言わんばかりの対比構造の徹底で作られている
このレビューはネタバレを含みます
窓ガラス=透明性が、偽善的空間を覆っている皮肉。
後半で主人公が窓ガラスを殴りつけて割るのは、単なる感情表現以上の意味がある。
随所で使われるエクストリーム・クロースアップも利いている。
ただ、風景の>>続きを読む
現代映画の夜景が観たくてなんとなく選んだんだけど、脚本の映画だった。
夜間を車で移動する場面が多いにも関わらず、それが魅力に乏しいのが残念。
監督が脚本の出身だから仕方ないとは言え、もう少しショットに>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
走り書きです
現代映画(特にこうした類の作品)ではなかなか見ないレベルの引き画の多用。まずこの点で好感が持てる。寄りの多用と表情だけの演技、説明的なカットに走らないところがいい。ホラー映画はショック>>続きを読む
ロードショーでやってるのを偶々観た。
グローバル企業が水資源を奪ったことに対して、一部の住民が武装蜂起する。武装蜂起とは言わずとも、昨今の世界情勢を考えると笑って済まされないところがある。
ご都合主義>>続きを読む
グリーナウェイが屋外を撮っているのを初めて観ることになった映画。
シンメトリーを基軸とした映像、主人公の襲われる謎の腹痛と、妻の妊娠した腹、過去と現在の建築の対比などなど、ロジックで固めた作品構成はグ>>続きを読む
ダニエル・シュミット初鑑賞。
緩やかに融けていく現実と幻想の境界。
ふと気付いた時には、辺りに馬車が走っているような、そんな演出が作品の幻想性を高めている。
鏡や視線を巧みに使った演出も良かった。>>続きを読む
ハートリーが短編で培った実験精神の結実。
しかし、そのとっつきづらさが前面に出ている。全編ダッチアングルなどの特異な手法の狙いは分からないでもないのだが、果たして面白いかと聞かれると今一つ。
動線や人>>続きを読む
光と自然が素晴らしい。
これといった事件もなく、ただ仏の田舎の休日を淡々と描いていく。
アルジェントにしては総じて今ひとつ。
作劇的には複数の人物を上手く処理できていない印象を受けるし、演出も『歓びの毒牙』ほど洗練されていなければ『サスペリア』のような外連味もない。
どうでもいいけど、>>続きを読む
窓と間取りの使い方がやっぱり上手い。
主人公らが囲う食卓の上階にフォスカが住んでいるところだったり、窓の開け閉めでさっと空間が変わったり。
初めてフォスカと会う場面で、二人で窓の外を見遣るところも美し>>続きを読む
やっぱりアルジェントは楽しい。
過剰演出のオペラを舞台に、過剰演出で綴られる惨劇とあれば、もう好き者には十分な作品だろう。
必要性が疑わしいショットなどは数あれ、それもらしさというか外連味と愛嬌に回収>>続きを読む
『ブロンド少女は過激に美しく』
『アンジェリカの微笑み』
の2作が面白かったので、過去作にも手を伸ばしてみようと鑑賞。
しかし、今回は全く合わなかった。
フィックス中心のショットで組み立てていくのは、>>続きを読む
個人で映画制作するにあたって参考になるかと思い鑑賞。
やっぱり夜の車は良い。窓や車体に反射した街灯、往来するヘッドライト、延々と高速道路を行くシチュエーションも嫌いじゃない。
時折、オレンジの街灯に照>>続きを読む
鏡に包囲された密室空間と、無機的な庭園。
記憶を辿る差異と反復、錯綜していく虚と実。
撮影も美術も音楽も圧巻。
しかし私のリテラシーでは輪郭すら掴めませんでした...
追記
石像の撮り方が良かった。
グリーナウェイの空間設計の真骨頂を観た。
絢爛豪華なセットを縦横に捉えるキャメラや、大量のエキストラそれぞれに振り付けを施した演出は相変わらず。
ただ、今作ではセットが様々な顔を見せるため、演劇的なる>>続きを読む