Tatsuさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

私がやりました(2023年製作の映画)

3.9

久々にオゾンを新作として見たが、今年これ含めて3本もやってるのか。流石に面白かった。軽妙で痛快なコメディで気分が良い。後半から場面をかっさらうユペールが絶妙。脚本が巧みで、終盤はコンゲーム的な面白さす>>続きを読む

こいびとのみつけかた(2023年製作の映画)

3.6

全編スタンダードサイズで、抑圧や規範に馴染めない者同士の心のつながりを描いていて、見終わった後だとタイトルが別の意味を持って響く。印象的なショットは前作よりも少なくて、ストーリーを展開させるのに気を取>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

1.5

アルキメデスのなんちゃらとかは見てないけど、長いセリフは箇条書き見たいな説明台詞で、短いセリフは「こんなのアリかよ」みたいな酷いやつだし、最初の島のシークエンス以降、そんなシーンじゃないはずなのに画面>>続きを読む

リービング・ラスベガス(1995年製作の映画)

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再見して素晴らしいと改めて。本当に悲しい映画で大好き。スーパーで上機嫌に酒を買うケイジは『ロンググッドバイ』の引用ぽく撮られてて、ハードボイルドのなり損ない的な悲哀がある。石井隆の村木名美ノワールも連>>続きを読む

春画先生(2023年製作の映画)

3.8

塩田明彦新作。とても面白い和製のセックスコメディになりそうなところを上滑りしていた印象。室内の撮影はとても良い。特にタクシー車内の色気は別格。北香那の身体性や安達祐実の魅惑など、女優陣が映える。バイセ>>続きを読む

パニック・ルーム(2002年製作の映画)

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『セブン』や『ゲーム』の上におきたい、何度見ても恐るべき完璧な光の映画。室内照明の達成の一つで、これ以降似たようなことをやろうとした映画(ジョー・ライトのヒッチコックかぶれ映画とか)は多々あれ、ここま>>続きを読む

白い肌に狂う鞭(1963年製作の映画)

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フレームインしてくる手足のモチーフ。撮影の色気がすごい。

ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.5

凄い。殺し屋っていうよりもシリアルキラーものの『ゾディアック』『ドラゴンタトゥーの女』『ゴーンガール』以降の再解釈。
彼が語る世界と死の関係性の話、『マインドハンター』シーズン2のチャールズ・マンソン
>>続きを読む

女性上位時代(1968年製作の映画)

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会話シーンで急にカメラが180度まわるところとか、即物的な行動をとる主人公たちと重なるような突発性があった。

野獣死すべし(1980年製作の映画)

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フルチの『野獣死すべし』も中々いいね。ナポリを舞台にしたギャング抗争と復讐劇だけど、浮かんでいる替え玉の人形に銃弾を浴びせるオープニングが示す通り、全編倒れて無力化している人間に対して銃弾を浴びせる映>>続きを読む

打鐘(ジャン)~男たちの激情~(1994年製作の映画)

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最高すぎる。競輪場や競輪学校の閉じた感じとか、ここでしか生きられない人々の物語として完成されてる。弁当食ってる上司殴って走っていくのとかクソ爆笑なんだけど、奥の方に走っていくっていうカメラとの位置関係>>続きを読む

遊撃 映画監督 中島貞夫/遊撃〜「多十郎殉愛記」外伝〜(2021年製作の映画)

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セットの柵越しに現場見学をする向井康介と山下敦弘。中島貞夫が最高すぎてそれだけ。ニヤニヤしながら「ダメ」とか。緊張してるのか硬い多部未華子に演出をつけるシーンの監督としての親密さにグッとくる。

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.9

テレンス・マリック病な編集や相変わらずクレイグ・フレイザーの撮影には乗りづらいけど、久々の秀逸なオリジナルSF大作を堪能。彼女を見つけた時のジョン・デイヴィッド・ワシントンのつぶらな瞳が毎回泣かせる。>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.2

ネイティブアメリカンの連続殺人事件を完全なるギャング映画の文法で映していて面白い。『グッドフェローズ』以来、再び同じシチュエーションで証人から指を差されるデ・ニーロ。尺は長いがむしろ展開は速くて、非効>>続きを読む

オペレーション・フォーチュン(2023年製作の映画)

3.5

すごく凡庸な映画に見えたけどヒュー・グラントとジョシュ・ハートネットの関係性の変化は興味深かった。編集が錯乱気味。

ダーク・ハーヴェスト(2023年製作の映画)

3.8

バトロワと理由なき反抗とプレデターを足したようなハロウィンムービーで『30デイズナイト』のデヴィッド・スレイトがこれを撮りたかった理由はわかる。マジックアワーの場面など、撮影が驚くほど良い瞬間が多々あ>>続きを読む

マクベス(1971年製作の映画)

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最近なんだかポランスキーの映画を一通り見てるのは鬱っぽいからか。で、これはオールタイムベスト。グロテスクで陰惨な暴力描写と心理描写、ロングショットの美しさが同居していて、わかりやすく傑作度が高い。リッ>>続きを読む

テオレマ 4Kスキャン版(1968年製作の映画)

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横移動のカメラ。ロングショットの美しさ。ほぼ『家族ゲーム』なんだけど、テレンス・スタンプの中心にいすぎない感じが気になる。

マディのおしごと 恋の手ほどき始めます(2023年製作の映画)

4.2

『ヤング・アダルト』×『メリーポピンズ』かなと思ったら、近年のジェニファー・ローレンスのインディー映画帰りの線上にある作品だった。『その道の向こうに』とかなり共通する部分がある。ともかく一昔前のアメリ>>続きを読む

ミッドナイトクロス(1981年製作の映画)

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久々に見てた。ナンシー・アレンがメイクの話をするところ、クライマックスで馬が倒れてスリップするところ。

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.1

全編陰惨でフークアのやりたい放題。悪党のボスが寝てるところを、手下が1人ずつ殺されて行って、ボスの顔に血が一滴ずつ滴り落ちてくるとか、スラッシャー映画度が高い。デンゼル・ワシントンを誰でもない男として>>続きを読む

白鍵と黒鍵の間に(2023年製作の映画)

4.3

撮影のリッチさ、この題材をしっかり作り込み、クラブの中だけではなく、ストリートの場面もチープに見せない、そんな当たり前のことが高く達成されているだけで安心してしまうが、内容も冨永作品を見続けていて良か>>続きを読む

みんな〜やってるか!(1994年製作の映画)

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極めて日本コント的であると同時に、極めてアメリカ映画っぽくあると思う。いくら失敗しても挑戦できるゲームみたいな銀行強盗素晴らしい。

スターダスト・メモリー(1980年製作の映画)

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これは超良いウディ・アレン。映画が終わる時が人生が終わる時。ラストのショットが人生最後に見る光景であることを願って止まない。

Fair Play/フェアプレー(2023年製作の映画)

3.4

ストレスフルな描写が際立つ。フェアプレー、というよりはフィービー・デネヴァーが出世したことによって周りのミソジニーが露見していく話。際どいニュアンスを持った描写が多いが、映画としては予想の範疇を出ず、>>続きを読む

BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

3.6

原田眞人の映画って最初面白いんだけど、長すぎて次第に飽きてくる感じあるよね。ロケーションと撮影のリッチさは他の日本映画にないものなので、このまま普通に若手のまともな人にその部分だけ受け継いでほしい。狂>>続きを読む

北野武 神出鬼没(1999年製作の映画)

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久々に見たけどやっぱり良い映画。一瞬恋バナになるところと自殺の話になるところ。威厳を持っている両者が私たちの共感し得る場所に降りてくる瞬間な気がする。たけしと弟子からカメラが引いていくラストショットが>>続きを読む

熊は、いない/ノー・ベアーズ(2022年製作の映画)

4.5

センセーショナルな部分が話題だけれどもエンターテイメントとしてとても面白く出来ていて満足感が高い。冒頭の長回しから惑わされるし、終盤の悲劇のたたみ掛けの編集の優れ方は中々得難いスリルがある。政治と土着>>続きを読む

コカイン・ベア(2023年製作の映画)

4.0

アニマルパニック映画というよりはコメディ映画として優れた出来。オールスター群像劇映画としては『スモーキンエース』、緩い出オチ設定パニック映画としては『スネークフライト』を連想し、いずれも80年代や90>>続きを読む

プロフェシー/恐怖の予言(1979年製作の映画)

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人間の吹っ飛び方がやばい。噂の寝袋爆発とか、ワンカットでぶち上げるフランケンハイマー節。

フローラとマックス(2023年製作の映画)

3.9

ちょっと薄いところはある気がするけど、ダブリンのストリートを描くのはジョン・カーニーらしく、良い映画だと思う。オンライン画面の切り返しなど興味を引くところはあったが、演出としての飛躍のさせ方は、いつも>>続きを読む

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

3.8

流石に食傷気味だけど、終盤の階段落下と車道での格闘、ドニー・イェンが最高すぎるので概ね満足。これをするためにこれをしなければならない、でミッションを遂行していくのがいかにもゲームっぽいがラストは西部劇>>続きを読む

ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

3.7

徹底された語りの作品で、セリフだけ聞いてても理解できる内容。凝った装飾や舞台的なセット移動など目は楽しいが、アンダーソンの活劇性は無に等しい。

モンスターズ/地球外生命体(2010年製作の映画)

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『クローバーフィールド』×『或る夜の出来事』。大好きな映画。エドワース新作楽しみ。

ヘル・ディセント(2022年製作の映画)

3.5

ニール・マーシャル新作。絵のチープさは目に余るところがあるし少しコミカルすぎる感じもするが見せるところもちゃんとある。真っ当なモンスターパニック映画。

スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい(2007年製作の映画)

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久々再見したらこれこそゼロ年代のベストなアメリカ映画なのではって気分に。全編最高にクールでドライで陰惨で、このバランスの映画はもう作られないでしょう。ペントハウスのセキュリティのおっさん達とか、名前の>>続きを読む