セッセエリボーさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

セッセエリボー

セッセエリボー

映画(1128)
ドラマ(2)
アニメ(0)

大地(1930年製作の映画)

-

最悪だ、ほぼ全寝してしまった。絶対寝るコンディションで臨んだ自分が悪いけど予想に反して顔面クローズアップが連続する格調高い感じだったのでそりゃあ寝てしまうよ、と少し言い訳したい。エイゼンシュテインのつ>>続きを読む

女狙撃兵マリュートカ(1956年製作の映画)

3.6

これくだらなくて最高だった。全然狙撃しないし「だよね〜!」という展開しか起こらない。
これがアグファカラーというやつなのか、テレビゲームみたいな独特ワールドの砂漠行をラクダの顔面のドアップやワンパター
>>続きを読む

死者からの手紙(1986年製作の映画)

3.9

美術すごい。水没した図書館がタルコフスキーっぽい。
明らかにヨーロッパ文明特有の終末への惑溺にあまり共感できなかった。一回ゼロリセットしたいみたいなこと言ってたけど、辛うじて地下世界に逃げ延びたなけな
>>続きを読む

処刑の丘(1976年製作の映画)

4.5

こわすぎ
シカハンターのいちばんきつい時間が永久に続いてる感じ

長い見送り(1971年製作の映画)

4.2

思った以上に実験的な作りで終始びっくりしながら見た。始まり方からしてすごい、あんなどうでもよさそうな瞬間から作品をスタートさせるってなかなかハイレベルな語り口じゃないか。大勢がいっぺんに好き勝手しゃべ>>続きを読む

誓いの休暇(1959年製作の映画)

4.3

「マーーーーーーーーー!」

感情揺さぶられすぎて気持ちの整理ができない。ペドロコスタも言ってたけどこの時代の監督って90分なら90分に詰め込める情報量が今と比べものにならんよな。迸るエモーションに撮
>>続きを読む

ゲット・アウト(2017年製作の映画)

4.2

いわゆるホラー的な怖さもネタバレを厳禁するほどのプロットのひねりもないけど独特の快感がある。ジョーダンピールってアリアスターやロバートエガースより遥かに面白いし独創的なホラー作家じゃないか。傑作『アス>>続きを読む

シェイン 世界が愛する厄介者のうた(2020年製作の映画)

4.5

「ポーグスはアイルランド本国からは生まれ得なかった」

20世紀後半の全世界音楽への影響力としても個人的な思い入れとしてもポーグスほど自分にとって巨大なバンドはいないわけで学生時代に一晩で9000字の
>>続きを読む

がんばれかめさん(1970年製作の映画)

4.0

謎プロパガンダ。とりあえず亀の負担がしんどそうでがんばれと思う。自分の心が汚れてるだけだと思って努めて見なかったことにしていたが性的な暗示をハッキリ指摘してる方がいてなんか安心した、しかしだとしたらキ>>続きを読む

イヴ・モンタン~ある長距離歌手の孤独(1974年製作の映画)

4.3

イヴ・モンタンがすごすぎる!!ただのシャンソンおじさんと思ってた今までを大反省。民衆のエネルギーに身を任せることのできる圧倒的な才能の歌い手の身体を、優れた手法を備えた映画作家が周到に解体してひとつの>>続きを読む

北京の日曜日(1956年製作の映画)

3.9

シネエッセイの最初の作品とのことだがこの時点で既にクリスマルケルが完成していて驚く。異国趣味には違いないが、そう思って見ているとこちらが予想しているよりも遠くまで気づいたら踏み込んでいる。その文化を外>>続きを読む

トラス・オス・モンテス(1976年製作の映画)

4.7

ただ眺めてるだけでめちゃくちゃ幸せなやつですごくよかった。話は全く追えなかったし追わなかった(諦めた)。ただただ美、、、と思いながら見た。何でもないことのように淡々とこういうイメージをフィルムに刻み込>>続きを読む

ドウロ河(1931年製作の映画)

4.1

人々の営み映画。思ったよりソ連。後半にちょっと展開っぽいものがあったが理解できなかった。馬車に轢かれた人のあとに叫び声を上げる女性の顔を挟むところまでは見覚えがあるが、彼女の開かれた口に向かってカメラ>>続きを読む

サン・ソレイユ(1982年製作の映画)

4.4

もうちょい難しいことを考えながら見るべきだったのかもしれないが、映ってるものがふつうに面白くて結構エンジョイしてしまった。こういうの見ると本当に日本に生まれてラッキーと思う。秘宝館も天皇主義者の街宣も>>続きを読む

エコー・イン・ザ・キャニオン(2018年製作の映画)

3.8

この尺でやるならどっちかにしたほうがよかったんじゃないか?とは思う。自分の浮気の曲を若い世代がカバーしてるのを聴いてめちゃくちゃ嬉しそうなミシェルフィリップスがかわいい。
外から見ているとウェストコー
>>続きを読む

ローレル・キャニオン 夢のウェストコースト・ロック(2020年製作の映画)

4.4

そんな面白い映画じゃないんだろうが個人的にありがたすぎてあらゆる瞬間にウルウルしながら見た、自分が何でこの頃の西海岸のロックが好きか(と同時に何で彼らがルーリードにバカにされるか)何となくわかった気が>>続きを読む

けんか空手 極真拳(1975年製作の映画)

3.1

「おじちゃーん」

このジャンルの教養がないもんでちょっと難しかった。熊は最初脱力したけど本気出したら結構怖い。マイケルベイばりにカメラ振りまくるのでアクションはほとんど何が起きてるのかわからないが、
>>続きを読む

メイド・イン・バングラデシュ(2019年製作の映画)

3.9

観る前から3.9くらいかな〜と思ってて実際そのくらいだった。撮影サビーヌ・ランスラン、アケルマンの『囚われの女』を最近見ていたので冒頭の火事での扇風機へのゆっくりズームや臆さず画面を闇に溶かす瞬間など>>続きを読む

乾いた人生(1963年製作の映画)

4.4

イ!!ヌ!!!イヌが!!人外の演者がこんなに完璧に役をこなしてるのはなかなか見かけない。冒頭からずっと的確な動きしかしてないが、最期のそれはあまりに凄絶で息を呑んだ。本当に殺されちゃってるのが色々思う>>続きを読む

燃え上がる生物(1963年製作の映画)

3.3

夕飯食べながら見てたらちょっと気持ち悪くなってしまった。こんなのに感想なんてないのよ。開始15分ぐらいで始まる阿鼻叫喚は異様な勢いでびっくりしたがそれ以外は思ったよりみんな服着てるし踊ったり横になって>>続きを読む

勝手にしやがれ 4Kレストア版(1960年製作の映画)

3.5

予告の出来が良すぎてちょっと面白そうに見えてしまったが別にそんなことはなかった。嫌なマチズモ…。冒頭は悪くないんだけどそのあと急激に失速する。映画にジャンプカットの使い道なんてないだろと思ってたらゴダ>>続きを読む

気狂いピエロ 2Kレストア版(1965年製作の映画)

4.1

確かに悪くない…。この開放的なロケーションと大胆でパワフルなカメラワーク、小気味よくも安定した編集をなぜ他の作品では自ら殺すようなことをするのかよくわからん。例によって御宅は五月蝿ぇが珍しく個々のショ>>続きを読む

ベルファスト(2021年製作の映画)

3.6

あまりこういう個人史的というか、私的なセラピー(And the healing has begun…)の意味合いがそのままある集団の歴史に重なってるような作品を悪く言う気になれないのだけど、「それを言>>続きを読む

インタビュアー(1978年製作の映画)

4.2

グルジアのキムジヨン。シンプルに質が良くてあまり書くことがない。大胆な時間処理には目をみはるものがある。昇進を告げられる時に窓外の遥か遠方でふとん干してる人がいて演出なのかたまたまなのか気になった、ど>>続きを読む

ウジュムリ(1934年製作の映画)

4.1

すげえもん見たと思う。グルジア南部の土着呪術映画。舞台ルイジアナとかでリメイクしてほしい。

幸福(2009年製作の映画)

3.8

これがグルジアンユーモアなんでしょうか。面白うてやがて悲しい、ちょっと眠い。葬列がどんどん画面に現れてきて過ぎた後に赤い花が散在してるのとか、冒頭で娘役の女の子がめちゃくちゃしっかり正面からカメラを見>>続きを読む

ブバ(1930年製作の映画)

4.4

これめっちゃよかった。画がすべてキマりすぎていて民族誌としても純粋に美的な映画としても申し分ない。モノや動物と人間が画面の中で等価なものとして有機的に作用しあって物語を組み上げていく、映画の映画たる喜>>続きを読む

祇園の姉妹(1936年製作の映画)

4.3

おもちゃはんの男はんへの批判がえろうきつうて男はんとしては肩身の狭い思いして見なあきまへんどした。それはそれとしてかなり好きなタイプの溝口でよかった。人物が位置を変え、カメラがそれに応えてわずかに動く>>続きを読む

浪華悲歌(1936年製作の映画)

4.4

「扉は見る者に対して閉じられている。つまり、あなた方はこの映画のなかに入れないのです。その時から、入り口の扉を開けることができない。別の言い方をすれば、この映画、この世界に入らない方がよいのかもしれな>>続きを読む

私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)

3.5

全裸監督。仕上がりが面白いかどうかは別として、何か創作を始めようというときにまず自分の触知できる領域、自分を取り巻く四囲の環境から始める人は信頼できると思う。長回しのフィックス撮影、アカペラの歌、異性>>続きを読む

囚われの女(2000年製作の映画)

3.4

びっくりするぐらい話がどうでもよかった。ふつうにキモチワルイ。表彰式行かないっつってんのに何で話通じないんだよ。最後の4カットくらいは異様なクオリティで鳥肌立ったけどほんとにそこだけだった。

アンナの出会い(1978年製作の映画)

4.2

「世界の車窓から」2時間スペシャル。特に照明の使い方で空間の人工的な感じを際立たせるのが見事で、画面フィックスの長回しがほとんどなのに芸術映画っぽく見えないのはそのせいじゃないかと思う。思ったより社会>>続きを読む

湖のランスロ(1974年製作の映画)

4.2

これ何かめっちゃ面白かった。どうしちゃったの!?ってぐらいブレッソンぽくない瞬間が多発する。どの程度忠実なのかよくわからない美術もとても良い。ブレッソンの映画で人が笑ってるの初めて見たかもしれないがこ>>続きを読む

たぶん悪魔が(1977年製作の映画)

4.3

あざらし😢
ブレッソンもこんなの撮るんだなあという印象。画面を行き交う無数の下半身、塀に寄り掛かり後ろ姿の半分しか見えない人物、断片が作用しあって自律したリズムを刻むバスのシーンの編集など、洗練に加え
>>続きを読む

リンダ・ロンシュタット サウンド・オブ・マイ・ヴォイス(2019年製作の映画)

4.7

この時代の西海岸ロックを振り返るとどうしても個人的な感傷に近くなるのは豊饒さの裏返しなので仕方ないと思ったら途中からコミックオペラ、ジャズ、メキシカンルーツにまで飛躍してその都度見事な歌唱を聴かせるの>>続きを読む

珈琲時光(2003年製作の映画)

3.8

台湾で撮ってる時からそうなんだけど物語のレベルで起きてることとは別のドラマがたぶんもっと微細なレベルで起こってるだろうなと思うし、そうじゃなきゃこんなところで終わらないだろうとも思うんだけど、それが全>>続きを読む