谷口さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

谷口

谷口

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終着駅(1953年製作の映画)

4.0

駅構内の豊かさだけでご飯3杯はいける。聾学校の生徒やチョコレートを齧る子どもたちが可愛い。汽車に轢かれかけるモンゴメリークリフトが完全に武田鉄矢。僕は死にましぇん

奈落のマイホーム(2020年製作の映画)

3.5

THELASTMASSAGE海猿、ダークナイトライジングといった上下移動の映画の系譜。キム・ソンギュンが息子を助けに行く後半からが秀逸。物理的にも、精神的にもドン底から這い上がっていく(あるいは浮上し>>続きを読む

トゥルー・クライム(1999年製作の映画)

3.5

父と娘の映画。イーストウッドとフランチェスカ、ビーチャムとその娘、遺族の父と死んだエイミー。冒頭、死のカーブでのサスペンスが天才。さらに同じことを、わざわざ実の娘を巻き込んで再現するというギャグセンス>>続きを読む

ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)

5.0

トムハンクスとローラリニーが冒頭で電話するところの視線、フラッシュの光、シャッターの音からして尋常ではない。反復することの歓びはトップガンマーヴェリックに通ず。とりわけアーロンエッカートの副機長ぶりが>>続きを読む

グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

4.0

純然たるフェミニズム映画。もし女性映画なるものがあるとするならば、これは紛うことなき男性映画。騎士たりえなかったデヴ・パテルは騎士たれという母の呪いに屈して緑の騎士の首を刎ね、重たい「斧」を抱えたまま>>続きを読む

さかなのこ(2022年製作の映画)

3.5

意外性のあるショットが次々と放り込まれていく幼年期、底抜けに愉快で鳥獣戯画を見ているような高校時代が良かった。東京に出てきてからは、横道世之介を思い出しながら見た。終わってからウィキペディアを確認する>>続きを読む

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)

4.0

沢田研二を追いかける池上貴美子辺りから神がかってる。映画に満ち満ちた140分なので、これだけ撮って死んでも本望だろうと思う

沈黙のパレード(2022年製作の映画)

3.0

風船、シャボン玉、提灯、ヘリウムガス、風鈴、檀れいの黒く丸い瞳。あからさまな球の反復。分かってないとは言わせない。しかしだからどうしたといったところ。動いて音が出る映画でいかに「沈黙」を描くかという本>>続きを読む

橋蔵のやくざ判官(1962年製作の映画)

3.5

とても面白い。ムーディな霧の立ち込める長屋という間の抜けた舞台装置が効いている。人が死んでいるにも関わらず終始お気楽な取り調べで飛び交う合いの手のタイミングが絶妙。何より毎度のことながら丘さとみの指先>>続きを読む

レネットとミラベル/四つの冒険(1986年製作の映画)

3.0

ロメールの映画はテラスハウスを考える上で極めて重要な示唆を与えてくれると確信している。当時のテクノ丸出しなテーマ曲が良い

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

2.0

病院へお見舞いに行くところのような基本に忠実な画面をもっと見たかった。周りの時間が止まり走り出すところで割ってはいけないと思う。北欧の光に救われているような印象。セックスやドラッグをそれらしく赤裸々に>>続きを読む

インディ・ジョーンズ/最後の聖戦(1989年製作の映画)

3.0

シュナイダー博士もといアリソン・デューディの美貌に尽きる。love venice

インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説(1984年製作の映画)

5.0

駅馬車に次ぐ奇跡。ラストの鞭、女、男、象からの駆け寄る子供たち。これですよ。レイダースの方はここまでの出来では無かったはず。冒頭の上海から天才が爆発している。フォードとショーティの動きがシンクロする様>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/フォールアウト(2018年製作の映画)

3.0

あんまり面白くない。トム・クルーズがどれだけ骨を折ろうが折るまいが、(あくまで)イーサン・ハントが人間である必要など何処にもない。その点ではヘリコプターをめぐるシーケンスが唯一良かった。ローグネイショ>>続きを読む

藤十郎の恋(1938年製作の映画)

-

春が来るところの細かい割り方が異様。牛の目が度々挿入されていてアンダルシアの犬を思い出した。ことごとく下手というか不器用というか、全然のれなかった。終盤寝て起きた頃にはエンドマークで周囲は拍手喝采。と>>続きを読む

ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション(2015年製作の映画)

4.0

モロッコでの三つ巴から四つ巴、再び三つ巴の追いかけっこに至るまでが見事過ぎて、正直そこからは物語を消化するためのこじつけのアクションしかなかったことが残念。トム・クルーズとレベッカ・ファーガソンが空港>>続きを読む

エノケンの孫悟空 後編(1940年製作の映画)

1.0

クライマックスの舞台になっている炭坑?のような摩訶不思議地下空間は記憶に留めておこうかなと思った

エノケンの孫悟空 前編(1940年製作の映画)

1.0

後編と併せて。ところどころに欠損はあるものの特に問題なし。エノケンが猿山に帰るシーンでは画と音が分離し、それはそれでアヴァンギャルドであった。作品としては、トリック撮影にしか価値を見出すことのできない>>続きを読む

華麗なる女銀行家(1980年製作の映画)

3.0

序盤のオマージュから楽しい。登場人物多過ぎ&話込み入り過ぎは実録のご愛嬌。容赦のない省略が生み出すリズムの失禁状態。ますます話に置いていかれてしまう。結局我われが関知できるのは目の前にいるロミシュナイ>>続きを読む

太陽が知っている(1968年製作の映画)

3.0

最近テラスハウスを鬼再見しているからかテラスハウスのことが過ぎって仕方がなかった。特に箸を使う食卓シーン。映画がテラスハウスなのか、あるいはテラスハウスが映画なのか。堂々巡りの思考回路はアランドロンの>>続きを読む

タイラー・レイク -命の奪還-(2020年製作の映画)

3.5

ちゃんと良い映画。いつ割られてしまうのかという緊張を生み出す擬似長回しに拘る執念に脱帽だし、橋のシーケンスも水平垂直のアクションに徹していて好感が持てる。なぜ彼らは水に落ちるのかという点には疑問符。ヘ>>続きを読む

南極料理人(2009年製作の映画)

3.5

これ以降「食卓」を撮ろうとする者はすべからくこの映画を参照しなければならないのだと思う。肉の松明を掲げて駆け回るところなど、何気なく放り込まれる強めショットに驚く。しかもそこから次第に不穏になっていく>>続きを読む

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

3.0

そこまで惹かれず。スタンダードサイズでボニーアンドクライドに興じる女の映画であれば、純粋にライカートのリバーオブグラスの方が面白かった気がする。あまり詳しく記憶していないので断言はできないけれど。フラ>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.0

アメリカは走って事足りる国だったのかという驚き。音楽をかければ、身体が動き出す、ズルズルグルグル動き回るカメラが捉える、それだけ。ブラッドリークーパーのくだりでしばし意識が飛んだことが悔やまれるも、や>>続きを読む

ホーリー・モーターズ(2012年製作の映画)

4.0

モーションキャプチャの走るところは汚れた血、サマリテーヌから望むポンヌフはまさにそのものといった具合にセルフオマージュですか?というくらいしか言語化できない。でも面白い。運動をデジタル的な小間切れにし>>続きを読む

忠臣蔵 花の巻 雪の巻(1962年製作の映画)

3.0

加山雄三の切腹を前に風に舞う桜吹雪からの幔幕が風に靡いたと思えば、そこに待ち構えている家来との切な過ぎるやりとり。加山切腹を伝えるべく直走る駕籠のまくしたてるような繋がり(駆ける足下とそこから伸びる影>>続きを読む

汚れた血(1986年製作の映画)

4.0

ドニ・ラヴァンのしなやかな身体と、ジュリエット・ビノシュの特権的プリティーがはじめて静止して同じ方向を向くとき、特別な関係が現れる。あらゆるジャンル的区別を曖昧にして拒否するキメラのような映画。そして>>続きを読む

ポンヌフの恋人(1991年製作の映画)

4.0

第二外国語の君に似ている占部房子とかジュリエット・ビノシュのようなタイプの顔がとても好きです。クラクションといい、スクリューの音といい、最後まで死の予感がちらつく。哀しみの街かどを見直さなければなるま>>続きを読む

クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

3.0

根から悪いやつなんてこの世にはいないんだという性善説。男に生まれたからには、こういう風に枯れてゆきたいものです。イーストウッドか細野晴臣、あるいはタモリのように

夜の鳩(1937年製作の映画)

2.0

キマるべきところはキマっているものの、竹久千恵子の美貌以外に特筆すべき点は無いと思う

花ちりぬ(1938年製作の映画)

-

火照る身体と繋がらないスマホ、その他もろもろのストレスに晒された我が身に蚊の鳴くような音声を聞き取る気力はなく意識喪失。たまたま目が覚めている時に見た階段を昇る上下移動だけ良かった。徹底した室内劇のな>>続きを読む

女ばかりの夜(1961年製作の映画)

3.5

東京地裁が「合理的な区別」と言い退けた今日にあってなお、あまりにも眩しい。男と女が結ばれることを良しとせず、一人立つ原知佐子、そこに詩が生まれる。アンチ・メロドラマの傑作。浪花千栄子の半狂乱に脱帽。急>>続きを読む

ひばり チエミ いづみの ジャンケン娘(1955年製作の映画)

2.0

浪花千栄子と江利チエミに限る。特に浪花千栄子の大立ち回りでのズームにハッとさせられるもの有り。白目までをもギラつかせる江利チエミにも一見の価値あり。友禅流しのシーケンスなど目を見張るところはあるものの>>続きを読む

野性の少年(1969年製作の映画)

3.0

トリュフォー自ら啓蒙を体現。序盤寝てしまったが、教育が始まってからのリズムの良さに見入ってしまった。窓辺で水を飲んで自然と一体となるくだりで思わず微笑む