踊る猫さんの映画レビュー・感想・評価

踊る猫

踊る猫

基準点は 3.8 点

LION ライオン 25年目のただいま(2015年製作の映画)

3.5

非常に悩ましい映画だ。確かに俳優陣の頑張りがあって感動の涙は誘われた。しかし、何処かこの映画は薄っぺらいというか、今ひとつ前のめりになって観られなかったことも確かだ。こちらの「俗情との結託」が露わにな>>続きを読む

T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)

4.4

もう「ボーン・スリッピー」が流れることはない。あの時代のアンセムであり、若者たちの明るい未来を(無理矢理にでも)楽天的に歌い上げていたあの空気はここにはない。二十年という月日が彼らに与えた負荷は大きい>>続きを読む

PORNOSTAR ポルノスター(1998年製作の映画)

3.3

レオス・カラックスのアレックス三部作にも似た、若さ故のぎこちなさや乱暴さを感じた(特にスケートボードの場面)。あとは言うまでもなく北野武映画をも想起させられたのだけれど、北野映画がヤクザを描いていて生>>続きを読む

グッバイ、レーニン!(2003年製作の映画)

3.7

ドイツ映画にはさほど詳しくないのだけれど、例えばエミール・クストリッツァがこの素材を撮ったらもっと面白くなるのではないか……と思いながら観てしまった。具材は良いのだ。ベルリンの壁崩壊と東西ドイツ統一を>>続きを読む

トレインスポッティング(1996年製作の映画)

3.4

スジ自体はあってないようなもの。ひたすらドラッグに明け暮れる若者たちの無為な青春を描いており、主人公のレントンは一旦そんな暮らしから脱出を試みるものの彼について回る「ダチ」とのしがらみに束縛されて逃げ>>続きを読む

アンダー・ザ・スキン 種の捕食(2013年製作の映画)

3.4

スカーレット・ヨハンソンの美貌を堪能する「だけの」映画。わざとエンターテイメント性を無視して、余分な情報を削ぎ落としてしまって謎めいた雰囲気を作り上げているのだろうけれど、その不条理さに惹かれたかとい>>続きを読む

君の名は。(2016年製作の映画)

4.1

新海誠作品に対してはあまり良い印象を抱いていなかったのだけれど、この作品は流石に大ヒットを飛ばしただけあってエンターテイメント性を孕んだ作品として成立しているように思った。小説版を先に読んでいたので展>>続きを読む

ロスト・ボディ(2012年製作の映画)

4.5

しょーもないB級ホラーなんだろうなと思ってヒマ潰しに観始めたら(失礼!)、これがまさかの『ゴーン・ガール』級のイヤミスだった! 死体が蘇るという不可解な事件から始まって、まさかそう来るかというようなミ>>続きを読む

ギヴァー 記憶を注ぐ者(2014年製作の映画)

3.9

ちゃちな映画だなあ……いやロケーションに相当にお金を使ったのは分かるのだけれど、その分を脚本に回せよという感じ。大自然の描写やワールドワイドな多様性の広がりには感動させられるものがあったし、映像もまあ>>続きを読む

SING/シング(2016年製作の映画)

2.8

音楽を売りにした映画の悪いところがロコツに出ている。つまり、ストーリー性の膨らみがなく音楽に寄り掛かり過ぎているので、主人公の苦悩も奮闘も努力もサクセスのカタルシスも、なにもかもが薄っぺらく感じられる>>続きを読む

ズートピア(2016年製作の映画)

4.5

吹替版で鑑賞。観終えたあと唸らされてしまった。ご都合主義的だとか話がサクサク進み過ぎだとか色々文句のつけようもあると思うのだけれど(良質なゲームを解いているような気分になった)、兎も角も「今の」アメリ>>続きを読む

スティーブ・ジョブズ(2013年製作の映画)

3.5

キャッチコピー通り、スティーブ・ジョブズの「最低」さが強調された作りになっている。これでもまだ足りないのか……というくらいに。裸足で学生時代キャンパスを歩いていたところから始まり、学費を納めずデザイン>>続きを読む

世界から猫が消えたなら(2015年製作の映画)

3.4

『世にも奇妙な物語』で綴られる感動エピソードを拡大しました……という感じ。つまり、映画でしか出来ないことをやっていない(割りには映画について鬱陶しいほどの言及が為されていて、製作者側の計算高さが逆に鼻>>続きを読む

WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT(2015年製作の映画)

3.6

Perfume はそんなに好きでも嫌いでもないのだけれど、このドキュメンタリーを観て彼女たちに好感を抱いた。いつだって頑張って一歩先の夢を追い掛ける姿勢に「自分も……」と励まされたような気がしたのだ。>>続きを読む

EDEN/エデン(2014年製作の映画)

3.4

なるほど DJ として生きるのも大変なんだな……という以上の感想が湧いて来ない。それはこの映画が結局音楽に依存し過ぎて、肝腎のドラマ性を犠牲にしているところから来るのだろう。音楽は流石に良いのだが(ダ>>続きを読む

SCOOP!(2016年製作の映画)

4.1

テンポの良い会話でこちらを惹きつけていくその手腕は実に見事。俳優陣の演技も良い。ただ、展開の唐突さが目立つ。もっとこのあたりを深く描き込んでいれば……と惜しく思わなくもない。例えば後半の悲劇的展開に至>>続きを読む

何者(2016年製作の映画)

3.9

就活に挑む六人の男女を描いたストーリー。ネット社会の闇の深さを強調した売られ方がされているようだけれど、その側面から観ても結局あるのは陳腐な(メイン垢とサブ垢の使い分け程度の)「闇」でしかないから期待>>続きを読む

ラースと、その彼女(2007年製作の映画)

4.0

「イタい人を見世物にしている映画じゃないかなあ……」というような序盤の印象が、少しずつこちらの心を動かすものとなって来たのは言うまでもなくライアン・ゴズリングを始めとする俳優陣の演技の賜物だろう(眉ひ>>続きを読む

エクス・マキナ(2015年製作の映画)

4.2

序盤の展開と雰囲気作り、映像の美しさ、そしてオチのつけ方の見事さに「やられた!」と思ってこの点数にした。悪く言えば中盤の展開が(というより全体的に?)まったりしている感じがあるので、サスペンスの要素は>>続きを読む

スラムドッグ$ミリオネア(2008年製作の映画)

4.4

点は高くなってしまったがなかなか難しい映画だ。観終えたあとも私の中には「このエンディングは果たして……」と言いようのない違和感が残ってしまっている。ネタを割らないのがこの「レビュー」の方針なので書かな>>続きを読む

ステイ(2005年製作の映画)

4.1

これはなかなか素晴らしい。後半になるにつれて尻上がりに面白く感じられた。とある精神科医と自殺志願者の青年が迷い込む悪夢のような世界を描いているのだけれど、映像面も綺麗で見応えがある。デジャ・ヴのような>>続きを読む

淵に立つ(2016年製作の映画)

4.4

重厚な映画だ。二時間という時間が三時間に感じられた。良く言えばそれだけ丁寧に、細かい部分に至るまで演出を施された映画ということになる。悪く言えばサスペンスとしてはテンポが些か悪い印象を受ける。町工場の>>続きを読む

怒り(2016年製作の映画)

4.8

相手を信じるか信じないか。問いは極めてシンプルだ。私にしては珍しく原作を読んでおり、傑作だと思ったのでそれをどう料理しているか楽しみにしていたのだけれど、もう少し尺を長くして各登場人物の苦悩や葛藤を描>>続きを読む

DENKI GROOVE THE MOVIE? 石野卓球とピエール瀧(2015年製作の映画)

3.8

どんなものが出来上がったのだろうかと構えて観てしまったのだけれど、結構フツーのドキュメンタリー映画になっているのでそのあたり安心したと言えば言えるし、物足りないと言えば物足りない。石野卓球氏とピエール>>続きを読む

別離(2011年製作の映画)

4.6

この監督特有の前半のネタの仕込み段階での長ったらしさをさほど感じさせず、後半から怒涛の訴訟沙汰やミステリ的な展開に持って行くあたりはなかなか他の映画にはないな……と思ってこの点数にした。社会問題を告発>>続きを読む

葛城事件(2016年製作の映画)

4.3

肝腎の構成面において意外性/サプライズに乏しいせいか、何処か予定調和的な話を観させられたという感がある。その点で同じ社会派的なアプローチを採っている是枝裕和監督や橋口亮輔監督と比べると(もっとも、この>>続きを読む

FAKE(2016年製作の映画)

4.1

なかなか難しい映画だ。思いつくところから書いて行くと、私は佐村河内守氏の騒動にはさほど興味がなかったので「全聾」を偽っている人とばかり思っていた。氏は聴覚には実際に障害があるらしく、その観点から引いて>>続きを読む

彼女が消えた浜辺(2009年製作の映画)

4.0

実に手堅く作られた作品だ。細かなところまできっちり計算してある。逆に言えばくどい。もう少しスタイリッシュにもっと削れるところを削ることも出来ただろう……と惜しまれる。ひとりの少年が溺れ、ひとりの女性が>>続きを読む

父の秘密(2012年製作の映画)

3.7

さほど期待をしないで観たのだけれど(失礼!)、全体的に漂うミヒャエル・ハネケ臭がなかなかクセになる。娘が虐められて父親が復讐するという、それだけと言えばそれだけの話で陰惨ないじめが生々しく描かれるあた>>続きを読む

未来世紀ブラジル(1985年製作の映画)

3.9

実にスットコドッコイな映画だ(褒め言葉です)。文字通りバグが原因で誤認逮捕された場面から始まって、しがない一官吏が一目惚れで恋に落ちてヒロインを救うべく奮闘するというストーリー。そんなにマジに構えなく>>続きを読む

或る終焉(2015年製作の映画)

3.4

ミヒャエル・ハネケを彷彿とさせる長回しやロングショット、そして静謐さは買いたい。それは認めるのだが、脚本があまりにも平板過ぎる。良く言えばあざとくなく病人や老人の介護についてリアルに描いていると言える>>続きを読む

讐 〜ADA〜 第二部 絶望篇(2013年製作の映画)

3.9

どうしたんだ白石晃士監督……と思わせられざるを得ない残念な出来。いや、第一部で語られなかったことを巧みに掬い上げて「なるほど、そんな伏線が張られていたのか」と思わせるトリックは流石なのだけれど、個人的>>続きを読む

讐 〜ADA〜 第一部 戦慄篇(2013年製作の映画)

3.5

第一部では謎をばら撒いてみたという感じなので、これは是非第二部を観ないとと思わせられてしまった。白石晃士氏の得意な POV 視点での復讐劇。なかなか本物らしく作られていて、スキャンダラスな秘密にある程>>続きを読む

お父さんと伊藤さん(2015年製作の映画)

4.1

タナダユキ監督の作品は不勉強にして『百万円と苦虫女』しか観ていないのだが、監督の「厳しい現実から逃げずに立ち向かうんだ」という姿勢は(あまりと言えばあまりにも、愚直に感じられるくらい真っ直ぐ)伝わって>>続きを読む

ペパーミント・キャンディー(1999年製作の映画)

4.1

冒頭のピクニックの場面で提示される不穏な空気が堪らない。その他にもロングショットや長回しを駆使した映像が、トリッキーな脚本と絡み合ってなかなかの力作を作り出していると思う。個人的には北野武『その男、凶>>続きを読む

ブルー・イン・ザ・フェイス(1995年製作の映画)

3.4

傑作にして力作である『スモーク』を撮ったその勢いでもう一本作っちゃいましょう、というノリの映画。もちろん基本的には『スモーク』を観てから観た方が良い。その軽いノリをどう評価するかが分かれ目となる。好意>>続きを読む

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