踊る猫さんの映画レビュー・感想・評価

踊る猫

踊る猫

基準点は 3.8 点

人生タクシー(2015年製作の映画)

3.0

映画製作を禁じられている条件下で、それでも体制に反抗してなおかつこのような人情味溢れた映画を作ったその心意気は大いに買いたい。しかし、どうしてもオーソドックスな映画と比べると観ていてキツかったので点が>>続きを読む

ヴァーサス/ケン・ローチ映画と人生(2016年製作の映画)

3.9

ドキュメンタリーとしては可もなく不可もなし。名匠ケン・ローチが、時に食い繋ぐためにしぶとく商業主義に屈してでも、役者となっても諦めずに映画を撮り続けて来たその道筋が関係者と本人に依って語られる。ここで>>続きを読む

わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.7

今回のケン・ローチは淡々としている。背後で流す音楽はほぼ皆無。ダニエル・ブレイクという人物についても、彼に救われるケイティについても語らない。ただひょこひょこ歩く姿を見せ、そしてお役所仕事の不条理を見>>続きを読む

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)

4.3

序盤は個人的にはかなり退屈だったのだが、レオナルド・ディカプリオが奇蹟的に生き延びるあたりから面白くなって来た。個人的にはその映像美に例えばタルコフスキーやテレンス・マリックの映画などを想起させられた>>続きを読む

少年と自転車(2011年製作の映画)

4.3

緊迫感を漂わせる冒頭のツカミから始まり、少年が走ったり自転車を漕いだりする横への運動がこの映画を疾走感溢れるものに仕上げているように思う。だから観ていて単純に面白かった。ストーリー自体はダルデンヌ兄弟>>続きを読む

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.4

点数的には高くなってしまったが、諸手を挙げて絶賛すべき映画だとは思わない。良く言えばこの映画は良質なフランス文学のように、繊細な心理描写や細部のタッチの輝きの筆致に依ってこちらを魅惑する。それはノスタ>>続きを読む

マイ・バック・ページ(2011年製作の映画)

3.2

山下敦弘という監督と相性が合わないせいか、脚本家のせいなのかそれとも私がスジからしか映画を観られないという体質だからなのか、いずれかは分からないのだがともあれこの映画を前のめりになって観ることは出来な>>続きを読む

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997年製作の映画)

3.6

突っ込みどころ満載のスジだが、ところどころ細かなギャグが散りばめられているので退屈はしなかった。要は昔あった『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』的な、大人のファンタジー映画として観れば良いのだろう(>>続きを読む

午後8時の訪問者(2016年製作の映画)

4.0

結果的に点は高くなってしまったが、なかなか評価に苦しむ映画だ。何故主人公が娼婦の正体を探るのか動機が描かれていないので感情移入し辛い反面、それを描かないことこそがダルデンヌ兄弟の狙いではないかとも思わ>>続きを読む

インビジブル・ゲスト 悪魔の証明(2016年製作の映画)

4.5

これは凄い! 『ロスト・ボディ』のようなキャッチーな謎が冒頭で提示されていなかったので序盤は結構退屈だったのだけれど、後半から尻上がりに面白くなって来たのでこの点数になった。どんでん返しの見事さと来た>>続きを読む

永い言い訳(2016年製作の映画)

4.1

気まずさがこの映画のキモなのではないかと思ってしまった。冒頭の主人公とその妻のやり取り、子どもたちが主人公を警戒するところ、そして主人公と同じく妻を亡くしたトラック運転手との無言の見つめ合い……そのあ>>続きを読む

トランボ ハリウッドに最も嫌われた男(2015年製作の映画)

3.8

非常に悩ましい映画だ。私はハリウッドの赤狩りの歴史を知らなかったので勉強させられるところは多々あったし、またダルトン・トランボという人物についてもなにも知らなかったので彼の反骨精神から学ばなければなら>>続きを読む

ダゲレオタイプの女(2016年製作の映画)

3.9

アンドレイ・タルコフスキーにも似た境地を感じさせる。悪く言えば退屈なスローテンポの映画なのだけれど、そこは黒沢清氏だけあって幽霊の女性たちの美しさ、迫り来る彼女たちのじわじわと来る存在感の凄味に依って>>続きを読む

LION ライオン 25年目のただいま(2015年製作の映画)

3.5

非常に悩ましい映画だ。確かに俳優陣の頑張りがあって感動の涙は誘われた。しかし、何処かこの映画は薄っぺらいというか、今ひとつ前のめりになって観られなかったことも確かだ。こちらの「俗情との結託」が露わにな>>続きを読む

T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)

4.4

もう「ボーン・スリッピー」が流れることはない。あの時代のアンセムであり、若者たちの明るい未来を(無理矢理にでも)楽天的に歌い上げていたあの空気はここにはない。二十年という月日が彼らに与えた負荷は大きい>>続きを読む

PORNOSTAR ポルノスター(1998年製作の映画)

3.3

レオス・カラックスのアレックス三部作にも似た、若さ故のぎこちなさや乱暴さを感じた(特にスケートボードの場面)。あとは言うまでもなく北野武映画をも想起させられたのだけれど、北野映画がヤクザを描いていて生>>続きを読む

グッバイ、レーニン!(2003年製作の映画)

3.7

ドイツ映画にはさほど詳しくないのだけれど、例えばエミール・クストリッツァがこの素材を撮ったらもっと面白くなるのではないか……と思いながら観てしまった。具材は良いのだ。ベルリンの壁崩壊と東西ドイツ統一を>>続きを読む

トレインスポッティング(1996年製作の映画)

3.4

スジ自体はあってないようなもの。ひたすらドラッグに明け暮れる若者たちの無為な青春を描いており、主人公のレントンは一旦そんな暮らしから脱出を試みるものの彼について回る「ダチ」とのしがらみに束縛されて逃げ>>続きを読む

アンダー・ザ・スキン 種の捕食(2013年製作の映画)

3.4

スカーレット・ヨハンソンの美貌を堪能する「だけの」映画。わざとエンターテイメント性を無視して、余分な情報を削ぎ落としてしまって謎めいた雰囲気を作り上げているのだろうけれど、その不条理さに惹かれたかとい>>続きを読む

君の名は。(2016年製作の映画)

4.1

新海誠作品に対してはあまり良い印象を抱いていなかったのだけれど、この作品は流石に大ヒットを飛ばしただけあってエンターテイメント性を孕んだ作品として成立しているように思った。小説版を先に読んでいたので展>>続きを読む

ロスト・ボディ(2012年製作の映画)

4.5

しょーもないB級ホラーなんだろうなと思ってヒマ潰しに観始めたら(失礼!)、これがまさかの『ゴーン・ガール』級のイヤミスだった! 死体が蘇るという不可解な事件から始まって、まさかそう来るかというようなミ>>続きを読む

ギヴァー 記憶を注ぐ者(2014年製作の映画)

3.9

ちゃちな映画だなあ……いやロケーションに相当にお金を使ったのは分かるのだけれど、その分を脚本に回せよという感じ。大自然の描写やワールドワイドな多様性の広がりには感動させられるものがあったし、映像もまあ>>続きを読む

SING/シング(2016年製作の映画)

2.8

音楽を売りにした映画の悪いところがロコツに出ている。つまり、ストーリー性の膨らみがなく音楽に寄り掛かり過ぎているので、主人公の苦悩も奮闘も努力もサクセスのカタルシスも、なにもかもが薄っぺらく感じられる>>続きを読む

ズートピア(2016年製作の映画)

4.5

吹替版で鑑賞。観終えたあと唸らされてしまった。ご都合主義的だとか話がサクサク進み過ぎだとか色々文句のつけようもあると思うのだけれど(良質なゲームを解いているような気分になった)、兎も角も「今の」アメリ>>続きを読む

スティーブ・ジョブズ(2013年製作の映画)

3.5

キャッチコピー通り、スティーブ・ジョブズの「最低」さが強調された作りになっている。これでもまだ足りないのか……というくらいに。裸足で学生時代キャンパスを歩いていたところから始まり、学費を納めずデザイン>>続きを読む

世界から猫が消えたなら(2015年製作の映画)

3.4

『世にも奇妙な物語』で綴られる感動エピソードを拡大しました……という感じ。つまり、映画でしか出来ないことをやっていない(割りには映画について鬱陶しいほどの言及が為されていて、製作者側の計算高さが逆に鼻>>続きを読む

WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT(2015年製作の映画)

3.6

Perfume はそんなに好きでも嫌いでもないのだけれど、このドキュメンタリーを観て彼女たちに好感を抱いた。いつだって頑張って一歩先の夢を追い掛ける姿勢に「自分も……」と励まされたような気がしたのだ。>>続きを読む

EDEN/エデン(2014年製作の映画)

3.4

なるほど DJ として生きるのも大変なんだな……という以上の感想が湧いて来ない。それはこの映画が結局音楽に依存し過ぎて、肝腎のドラマ性を犠牲にしているところから来るのだろう。音楽は流石に良いのだが(ダ>>続きを読む

SCOOP!(2016年製作の映画)

4.1

テンポの良い会話でこちらを惹きつけていくその手腕は実に見事。俳優陣の演技も良い。ただ、展開の唐突さが目立つ。もっとこのあたりを深く描き込んでいれば……と惜しく思わなくもない。例えば後半の悲劇的展開に至>>続きを読む

何者(2016年製作の映画)

3.9

就活に挑む六人の男女を描いたストーリー。ネット社会の闇の深さを強調した売られ方がされているようだけれど、その側面から観ても結局あるのは陳腐な(メイン垢とサブ垢の使い分け程度の)「闇」でしかないから期待>>続きを読む

ラースと、その彼女(2007年製作の映画)

4.0

「イタい人を見世物にしている映画じゃないかなあ……」というような序盤の印象が、少しずつこちらの心を動かすものとなって来たのは言うまでもなくライアン・ゴズリングを始めとする俳優陣の演技の賜物だろう(眉ひ>>続きを読む

エクス・マキナ(2015年製作の映画)

4.2

序盤の展開と雰囲気作り、映像の美しさ、そしてオチのつけ方の見事さに「やられた!」と思ってこの点数にした。悪く言えば中盤の展開が(というより全体的に?)まったりしている感じがあるので、サスペンスの要素は>>続きを読む

スラムドッグ$ミリオネア(2008年製作の映画)

4.4

点は高くなってしまったがなかなか難しい映画だ。観終えたあとも私の中には「このエンディングは果たして……」と言いようのない違和感が残ってしまっている。ネタを割らないのがこの「レビュー」の方針なので書かな>>続きを読む

ステイ(2005年製作の映画)

4.1

これはなかなか素晴らしい。後半になるにつれて尻上がりに面白く感じられた。とある精神科医と自殺志願者の青年が迷い込む悪夢のような世界を描いているのだけれど、映像面も綺麗で見応えがある。デジャ・ヴのような>>続きを読む

淵に立つ(2016年製作の映画)

4.4

重厚な映画だ。二時間という時間が三時間に感じられた。良く言えばそれだけ丁寧に、細かい部分に至るまで演出を施された映画ということになる。悪く言えばサスペンスとしてはテンポが些か悪い印象を受ける。町工場の>>続きを読む

怒り(2016年製作の映画)

4.8

相手を信じるか信じないか。問いは極めてシンプルだ。私にしては珍しく原作を読んでおり、傑作だと思ったのでそれをどう料理しているか楽しみにしていたのだけれど、もう少し尺を長くして各登場人物の苦悩や葛藤を描>>続きを読む

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