踊る猫

踊る猫

基準点は 3.8 点

山の音(1954年製作の映画)

3.9

初成瀬巳喜男作品。期待し過ぎたのか、やや肩透かしを食らった感あり(ちなみに原作は遠い昔に一度読んだきり)。それでもこの点数に落ち着いてしまうのは、女性を魅力的に撮っているからなのだろう。原節子の美しさ>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-04 真相!トイレの花子さん(2012年製作の映画)

4.8

これは凄まじい! タイムスリップものとして巧みに書かれた脚本が活きており、なおかつ(チープではあるかもしれないけれど)異形の者を巧く撮っていると思う。観終えた後溜め息をついてしまった。後半からノーカッ>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-03 人喰い河童伝説(2013年製作の映画)

3.9

点が相対的に低くなってしまったのはどうも尻すぼみの感が否めないからなのと(あれは生け捕りに出来たんじゃないか?)、あとは工藤ディレクターの出番が少ないから。もっと大暴れして欲しかったなあ……というとこ>>続きを読む

雨月物語(1953年製作の映画)

4.3

序盤は観ててかったるいなあ……と思ったのだけれど、無駄のないストーリー展開とおぞましいものを時代を超えて魅せるその手腕に引き込まれてしまった。『雨月物語』はスジは一応知っているので(知らなくてもまあ、>>続きを読む

そこのみにて光輝く(2013年製作の映画)

3.7

地味だなあ……何処から「光輝く」のかな? と思ってしまったらもう終わってしまったという、拍子抜けするようなそんな感じだった。中上健次を縮小させたような世界というか……こちらの期待を見事に裏切らない、か>>続きを読む

ユメノ銀河(1997年製作の映画)

3.7

九十分ある映画なので長編に該当すると思うのだけれど、長めの短篇を観せられたような……良く言えば卒なく纏まっており、悪く言えばこの尺の長さに盛り込まれた「ラヴ・ストーリー」としてのエッセンスが足りない。>>続きを読む

イニシエーション・ラブ(2015年製作の映画)

3.9

前田敦子氏はここに来て遂に一皮剥けたかな、という印象を感じさせる。これまで演技を観ていて「無理/努力してるんだろうな……」と感じさせたような痛々しさが見られなかったのだ。はまり役、とでも言うべきか。一>>続きを読む

ある優しき殺人者の記録(2014年製作の映画)

4.0

あまり評価が高くならなかったのは「白石晃士作品を既に何本も観ているから」という要因が大きいので、知らない方は観てみることを薦めたい。白石氏お得意の POV という形式で綴られた、サイコ・ホラーでもある>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-02 震える幽霊(2012年製作の映画)

4.2

工藤ディレクターの鬼っぷりが凄まじく、肝腎の「震える幽霊」がちゃちに見えてしまうほどだった(いや、幽霊も十分怖いのだけれど)。アシスタントの市川(女性)を足蹴にしてるし、あんな道具をあんなところで使う>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-01 口裂け女捕獲作戦(2012年製作の映画)

4.0

白石晃士監督自身が脚本を書いていると知って、ここまで細かく作れるのは(失礼ながら、予算の問題もあるだろうに)凄いと改めて唸らされてしまう。いわゆる POV 形式のホラーなのだけれど、口裂け女を捕獲する>>続きを読む

ジョゼと虎と魚たち(2003年製作の映画)

4.1

地味だなあ……と始まりの部分では思ってしまったのだが、そこは流石に妻夫木聡氏と池脇千鶴氏の演技がチャーミングなだけあって、中盤からグイグイ引き込まれてしまった。お婆ちゃんに「壊れ物」扱いされて自分でも>>続きを読む

好きだ、(2005年製作の映画)

3.4

石川寛監督の映画は『ペダル ダンス』を前に観ていたのである程度退屈であることは覚悟の上で観たのだけれど……やはり鈍い退屈を感じながら観たというのが正直なところだった。薄暗い画面が印象的で、男女ふたりの>>続きを読む

海街diary(2015年製作の映画)

4.8

これはほぼ完璧と言っていい出来なのではないか? イヤミな言い方をするが、是枝裕和監督の映画に個人的にはずっと鈍い退屈を感じながら接して来たので(もちろん、面白さの方がそれを上回るのだが)、今回の鑑賞体>>続きを読む

岸辺の旅(2015年製作の映画)

4.0

これは評価が難しい……この映画が高く海外で評価されたのは日本的な死生観がウケたということではないだろうか。イヤミな言い方は嫌いなのでハッキリ言うと、私はイマイチこの映画にのめり込めなかった。流石は黒沢>>続きを読む

ヴィンセントが教えてくれたこと(2014年製作の映画)

4.2

泣ける……いや、惜しい作品ではある。後半の無理矢理の感動話への持って行き方が強引で、前半にもっと伏線を張っておけば傑作になったのではないかと思わされるのだが、台詞回しがいちいち気が利いていてそのあたり>>続きを読む

ソ満国境 15歳の夏(2015年製作の映画)

3.8

観ている途中は失礼ながら眠くてしょうがなかったのだが、後半の展開が尻上がりに面白くなったので基準点に繋がった。東日本大震災直後の窮乏した生活とか、映画作りに関する映画(自己言及的/メタ映画的)であるこ>>続きを読む

百円の恋(2014年製作の映画)

3.9

これもまた評価に苦しむ……取り敢えず書けることといえば安藤サクラ氏の熱演が凄いこと、程度しかないのだった。徹底的にダメな人間(「百円」の女)が、ボクシングという手段を得てなんとか這い上がろうとする……>>続きを読む

ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)

3.5

実に掴みどころのない映画だ。取り敢えず言えるのはソフィア・コッポラらしく「女性」と「色男」が魅力的に描かれているな……程度のことだったりする。後の作品を観て行くとこの監督が一作ごとに確実に手法を変えて>>続きを読む

パレードへようこそ(2014年製作の映画)

3.7

評価に苦しむ……つまらないと言うわけではないではないのだが、「これぞ!」とこちらを唸らせてしまうようなところにも欠けるというのも正直なところで、手応えがないと言うか……社会派の映画としてはなかなか頑張>>続きを読む

ニンゲン合格(1999年製作の映画)

4.5

始終「これは絶対に嫌なことが起きる予感がするな……」という感覚、敢えて幼稚な言葉を使えば「おぞましさ」がゾクゾクと感じられた(実際に「嫌なこと」はしばしば起こるのだが)。ホラーというわけではない。ホー>>続きを読む

ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

3.7

二度目の鑑賞になる。一度目に観た時はそんなに退屈したわけではないので、点数が低くなるのはこちらがソフィア・コッポラの撮り方に慣れてしまったせいだと思って気にしないでいただきたい。はっぴいえんどやジーザ>>続きを読む

夢売るふたり(2012年製作の映画)

3.9

甘ったるく味つけしたケン・ローチ的……と言えば怒られるのかもしれないが、甘美な「夢」のために詐欺を働き、そして計画性もなにもないまま蟻地獄に落ちて行くふたりの姿がここではなかなかの演技によって描かれて>>続きを読む

人のセックスを笑うな(2007年製作の映画)

3.6

世評が高い作品だが……純粋に面白かったかどうかと言われればただただ苦痛を感じながら観てしまった、というのが正直なところ。『犬猫』でも健在だった、カメラを全くと言っていいほど定位置に据え続けて撮る姿勢を>>続きを読む

犬猫(2004年製作の映画)

3.6

二度目の鑑賞になる。最初に観た時はとにかく退屈で眠くてしょうがなかった。それ以外の記憶が殆ど残っていないくらいである。だから今回の鑑賞は『人のセックスを笑うな』以後の井口作品を観直すついでであり、従っ>>続きを読む

TIME/タイム(2011年製作の映画)

4.1

いや、アンドリュー・ニコル監督に求めているものをきちんとクリアしつつ更に先鋭化して行くその姿勢には脱帽せざるを得ない! 現代高度資本主義社会の「カネ」を「時間」に置き換えただけの風刺映画……として単純>>続きを読む

シモーヌ(2002年製作の映画)

4.3

『ガタカ』を観て以来アンドリュー・ニコル監督には注目していたが、いや、これもまた傑作だ! 発想としてはごくありきたりなのは『ガタカ』や脚本のみを手掛けた『トゥルーマン・ショー』から変わっていないが、ひ>>続きを読む

ガタカ(1997年製作の映画)

4.2

いや、凄い作品を観てしまったものだ! 私の苦手な SF 映画とあって敬遠していたのだけれど、いざ観てみると『トゥルーマン・ショー』の脚本家らしい(不勉強にしてアンドリュー・ニコルが関わった映画はこの一>>続きを読む

エル・スール(1982年製作の映画)

4.0

『ミツバチのささやき』を観た時にも思ったのだけれど、ビクトル・エリセは「光」を使うのが巧い監督だなと思った。それは逆に言えば「闇」を使うことが巧いということでもある。この映画では「闇」が重要な意味合い>>続きを読む

リンダ リンダ リンダ(2005年製作の映画)

3.5

前評判が高かったのでかなり期待して観たのだが、アテが外れたというか肩透かしを食らったかのような気分になったというのが正直な感想だったりする。意地でも回想シーンを使わず長回しを多用して、扇情的なタッチに>>続きを読む

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.2

さて困った。この映画は(検閲を逃れるために装いとしてはファンタジーという意匠を借りて撮影されたのだけれど)説明によって映画を進行させるものではない。むしろ各登場人物の無言の演技によって、寡黙になにも語>>続きを読む

新婚道中記(1936年製作の映画)

3.6

言わずと知れたスクリューボール・コメディの代表作。傑作との前評判を聞いて臨んでみたものの、事前にエルンスト・ルビッチの作品を観てしまったせいか観比べる形になってしまい、ルビッチの洗練されたギャグと比べ>>続きを読む

リスボンに誘われて(2012年製作の映画)

4.0

原作は未読。姫路シネマクラブの例会で観たのだけれど、ジェレミー・アイアンズの演技がなかなか生々しい存在感を放っていると思う。この物語を推進させる探偵役めいた堅物の男の役を、そしてリスボンという異国の街>>続きを読む

Strange Circus 奇妙なサーカス(2005年製作の映画)

3.5

園子温監督は好きだしこの映画も支持したい……のだけれど、そのあまりのエログロぶりに流石にこの映画には匙を投げるしかない、というのが正直なところ。例によって女優たちの熱演が光る一作で、「入魂」という言葉>>続きを読む

近松物語(1954年製作の映画)

4.0

生まれて初めての溝口健二作品。あまり古い映画を観ないことやそもそも「スジ」にしか注目出来ないこちら側の欠点が災いして何処までこの映画を楽しめたかと言われれば返答に困ってしまうところ。とは言え、最初のう>>続きを読む

ストロベリーショートケイクス(2006年製作の映画)

3.6

評価するのが難しい。魚喃キリコ氏の原作は例によって未読なのでなんとも言いかねるが、女性の「素」の姿ってこんなものなのかな……と、そこでもう判断が止まってしまうのだった。全体としては特にドラマティックな>>続きを読む

記憶の棘(2004年製作の映画)

3.6

これもまた評価に難しい。スタンリー・キューブリックの生まれ変わり……にはならなかったという印象を受けるが、かと言って貶すほどのアラも見つからないので困りものだ。冷ややかな質感を伴った映像と、ニコール・>>続きを読む