踊る猫さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

踊る猫

踊る猫

基準点は 3.8 点

セッション(2014年製作の映画)

3.5

悩んだが、どうしても点数が低くなってしまうのは個人的にこうした「スポ根」ものに対する抵抗感故のなのだろう。あとは劇場で観ていれば最後のドラム・ソロが素晴らしく感じられたのかもしれない。低くなった原因は>>続きを読む

殺人ワークショップ(2012年製作の映画)

4.2

冒頭の長回しの暴力沙汰の演技といい、俗に言う「DQN」の暴力といい、もちろん宇野祥平氏のサディスティックな講師役の演技といい、つくづく白石晃士監督の暴力に関する独特の感受性には唸らされる。人間の持つ動>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-02 暗黒奇譚!蛇女の怪(2015年製作の映画)

4.4

監督の意図的なものらしく今回は投稿映像が長めであり、三十八歳無職童貞のおじさんと謎めいた少女の叶わない悲恋にスポットライトが当てられている。『オカルト』といい、白石晃士監督は「底辺」の人間を描かせたら>>続きを読む

スカイ・クロラ The Sky Crawlers(2008年製作の映画)

3.6

終始夢を見ているような不思議な感覚を覚えた。戦闘がそのまま「日常」となってしまった世界は異様ではあるが、それは私たちが生きるのっぺりとした「日常」の写し絵でもあるように感じられたのだ。J・G・バラード>>続きを読む

ミネハハ 秘密の森の少女たち(2005年製作の映画)

2.8

『エコール』と『ピクニック at ハンギング・ロック』と『ブラック・スワン』を足して三で割ったような作品。少女たちというより発育を遂げた女の子たちの閉ざされた楽園が描かれており、同性愛的な関係を盛り込>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-01 恐怖降臨!コックリさん(2015年製作の映画)

4.8

そうなんだよこれなんだよ!! 工藤はこうでなくちゃ!! 最終章であんな展開になったから序盤はどうしても比較対照してしまい、やっぱりパワーダウンしたかな……と思いきや逃げる時はさっさと逃げて、それでいて>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル コワすぎ!最終章(2015年製作の映画)

4.5

ド迫力だなあ……それ以上なにを言えと言うのだろう。笑いあり涙あり、ツッコミどころもないわけではないけれど低予算を逆手に取って、俳優の熱演(特に市川を演じた久保山智夏氏!)と想像力の産物だけでここまで持>>続きを読む

ザ・プレイヤー(1992年製作の映画)

3.9

冒頭の八分に及ぶ長回しが見事で、これは俳優陣の演技を巧く引き出しているな、と思わされる。そこから三十分は面白かったのだけれど、どうにもティム・ロビンスが追い詰められて行くところが中途半端というか……ロ>>続きを読む

惑星ソラリス(1972年製作の映画)

4.2

ハリーを演じるナタリア・ボンダルチュクの佇まいが美しい。原作は遠い昔に一度読んだことがあるのだけれど、作品を構成する重要な要素である「ロマンス」を、つまり悲恋を表現することに成功していると思う。そして>>続きを読む

エコール(2004年製作の映画)

3.4

閉鎖的な学校の正体をめぐる謎解きを期待して途中まで観たのだが……この映画はむしろそんな「謎解き」ではなく、少女たちの美しさを何処まで真に迫って描写するかに焦点が絞られているように思う。第二次性徴が始ま>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 史上最恐の劇場版(2014年製作の映画)

4.5

いやあ、見事に設定上の謎というか伏線を回収しているなあ……と溜め息が漏れてしまった。でもこれはもうシリーズのファン向けの作品なので、「劇場版」と銘打たれているからと言ってこの作品を最初に観るのは「絶対>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 劇場版・序章 新説・四谷怪談 お岩の呪い(2013年製作の映画)

4.2

ここまで来ると、今までの『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』を観ていない人間にはついて行けないかな。今回はアシスタントの市川が健闘している。ファンなら堪らないだろう。前作で発揮された長時間をワンカットに見>>続きを読む

凶悪(2013年製作の映画)

4.3

二度目の鑑賞。最初に観た時はピエール瀧氏とリリー・フランキー氏の凶悪犯ぶりに呑み込まれてしまい、主人公の母親が要介護状態であることなどは切り捨てるべき枝葉ではないかと思って観たのだけれど、保険金殺人で>>続きを読む

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

4.2

十数年ぶりに観たのだけれど、思い出補正が掛かっていたらしくもっと傑作かと思っていたらそうでもなかった。もちろん駄作や愚作の類ではないのだが……天使と人間の恋物語として語るなら、削ろうと思えば削ってスッ>>続きを読む

ピクニックatハンギング・ロック(1975年製作の映画)

3.7

ソフィア・コッポラ『ヴァージン・スーサイズ』に雰囲気が似ていると聞いて興味を持って観た。なるほど最初の三十分は女の子たちだけの園が持ち得る甘美な雰囲気、幻想的な空気に満ちていて観ていて楽しい。だけれど>>続きを読む

教授と美女(1941年製作の映画)

3.9

ハワード・ホークスの映画は不勉強にしてこれが初めて。スクリューボール・コメディ、と言うのだろうか。脚本にエルンスト・ルビッチから影響を受けたビリー・ワイルダーが参加していることもあって、ルビッチ風の細>>続きを読む

ノスタルジア(1983年製作の映画)

4.1

実に手強い映画だった。スジは Wikipedia を読んでようやく把握したという情けなさを露呈してしまうのだけれど、この映画のキモはそんな「スジ」の面白さではなく、例えばクラシカル・ミュージックが流れ>>続きを読む

お早よう(1959年製作の映画)

2.9

『東京物語』に続いて二作目の小津安二郎映画。小津と私は相性が悪いのか、イマイチのめり込めなかった……子どもたちの愛くるしさは伝わって来るのだけれど、下ネタが入っていることもあるのか、それともストーリー>>続きを読む

山の音(1954年製作の映画)

3.9

初成瀬巳喜男作品。期待し過ぎたのか、やや肩透かしを食らった感あり(ちなみに原作は遠い昔に一度読んだきり)。それでもこの点数に落ち着いてしまうのは、女性を魅力的に撮っているからなのだろう。原節子の美しさ>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-04 真相!トイレの花子さん(2012年製作の映画)

4.8

これは凄まじい! タイムスリップものとして巧みに書かれた脚本が活きており、なおかつ(チープではあるかもしれないけれど)異形の者を巧く撮っていると思う。観終えた後溜め息をついてしまった。後半からノーカッ>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-03 人喰い河童伝説(2013年製作の映画)

3.9

点が相対的に低くなってしまったのはどうも尻すぼみの感が否めないからなのと(あれは生け捕りに出来たんじゃないか?)、あとは工藤ディレクターの出番が少ないから。もっと大暴れして欲しかったなあ……というとこ>>続きを読む

雨月物語(1953年製作の映画)

4.3

序盤は観ててかったるいなあ……と思ったのだけれど、無駄のないストーリー展開とおぞましいものを時代を超えて魅せるその手腕に引き込まれてしまった。『雨月物語』はスジは一応知っているので(知らなくてもまあ、>>続きを読む

そこのみにて光輝く(2013年製作の映画)

3.7

地味だなあ……何処から「光輝く」のかな? と思ってしまったらもう終わってしまったという、拍子抜けするようなそんな感じだった。中上健次を縮小させたような世界というか……こちらの期待を見事に裏切らない、か>>続きを読む

ユメノ銀河(1997年製作の映画)

3.7

九十分ある映画なので長編に該当すると思うのだけれど、長めの短篇を観せられたような……良く言えば卒なく纏まっており、悪く言えばこの尺の長さに盛り込まれた「ラヴ・ストーリー」としてのエッセンスが足りない。>>続きを読む

イニシエーション・ラブ(2015年製作の映画)

3.9

前田敦子氏はここに来て遂に一皮剥けたかな、という印象を感じさせる。これまで演技を観ていて「無理/努力してるんだろうな……」と感じさせたような痛々しさが見られなかったのだ。はまり役、とでも言うべきか。一>>続きを読む

ある優しき殺人者の記録(2014年製作の映画)

4.0

あまり評価が高くならなかったのは「白石晃士作品を既に何本も観ているから」という要因が大きいので、知らない方は観てみることを薦めたい。白石氏お得意の POV という形式で綴られた、サイコ・ホラーでもある>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-02 震える幽霊(2012年製作の映画)

4.2

工藤ディレクターの鬼っぷりが凄まじく、肝腎の「震える幽霊」がちゃちに見えてしまうほどだった(いや、幽霊も十分怖いのだけれど)。アシスタントの市川(女性)を足蹴にしてるし、あんな道具をあんなところで使う>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-01 口裂け女捕獲作戦(2012年製作の映画)

4.0

白石晃士監督自身が脚本を書いていると知って、ここまで細かく作れるのは(失礼ながら、予算の問題もあるだろうに)凄いと改めて唸らされてしまう。いわゆる POV 形式のホラーなのだけれど、口裂け女を捕獲する>>続きを読む

ジョゼと虎と魚たち(2003年製作の映画)

4.1

地味だなあ……と始まりの部分では思ってしまったのだが、そこは流石に妻夫木聡氏と池脇千鶴氏の演技がチャーミングなだけあって、中盤からグイグイ引き込まれてしまった。お婆ちゃんに「壊れ物」扱いされて自分でも>>続きを読む

好きだ、(2005年製作の映画)

3.4

石川寛監督の映画は『ペダル ダンス』を前に観ていたのである程度退屈であることは覚悟の上で観たのだけれど……やはり鈍い退屈を感じながら観たというのが正直なところだった。薄暗い画面が印象的で、男女ふたりの>>続きを読む

海街diary(2015年製作の映画)

4.8

これはほぼ完璧と言っていい出来なのではないか? イヤミな言い方をするが、是枝裕和監督の映画に個人的にはずっと鈍い退屈を感じながら接して来たので(もちろん、面白さの方がそれを上回るのだが)、今回の鑑賞体>>続きを読む

岸辺の旅(2015年製作の映画)

4.0

これは評価が難しい……この映画が高く海外で評価されたのは日本的な死生観がウケたということではないだろうか。イヤミな言い方は嫌いなのでハッキリ言うと、私はイマイチこの映画にのめり込めなかった。流石は黒沢>>続きを読む

ヴィンセントが教えてくれたこと(2014年製作の映画)

4.2

泣ける……いや、惜しい作品ではある。後半の無理矢理の感動話への持って行き方が強引で、前半にもっと伏線を張っておけば傑作になったのではないかと思わされるのだが、台詞回しがいちいち気が利いていてそのあたり>>続きを読む

ソ満国境 15歳の夏(2015年製作の映画)

3.8

観ている途中は失礼ながら眠くてしょうがなかったのだが、後半の展開が尻上がりに面白くなったので基準点に繋がった。東日本大震災直後の窮乏した生活とか、映画作りに関する映画(自己言及的/メタ映画的)であるこ>>続きを読む

百円の恋(2014年製作の映画)

3.9

これもまた評価に苦しむ……取り敢えず書けることといえば安藤サクラ氏の熱演が凄いこと、程度しかないのだった。徹底的にダメな人間(「百円」の女)が、ボクシングという手段を得てなんとか這い上がろうとする……>>続きを読む

ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)

3.5

実に掴みどころのない映画だ。取り敢えず言えるのはソフィア・コッポラらしく「女性」と「色男」が魅力的に描かれているな……程度のことだったりする。後の作品を観て行くとこの監督が一作ごとに確実に手法を変えて>>続きを読む