踊る猫さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

踊る猫

踊る猫

基準点は 3.8 点

水の中の八月(1995年製作の映画)

3.9

リアルタイムで観たのは確か世紀末、つまりノストラダムスの大予言が流行っていた頃のことで「世界の終り」という概念が瀰漫していた時期になる。そういう空気を知っていないとこの映画はなかなか楽しめないかもしれ>>続きを読む

マン・オン・ザ・ムーン(1999年製作の映画)

3.8

これは評価に苦しむ。つまらないわけではない。アンディ・カウフマンというコメディアンは不勉強にして知らないのだけれど、何処までも「お笑い」を目指すこと、というより視聴者の度肝を抜くことを目指して直進し続>>続きを読む

ラン・ローラ・ラン(1998年製作の映画)

3.3

ただただ走るローラの姿が魅力的。スジ自体に特に面白味はない。強いて言えばバッド・エンドから二度反復されてハッピー・エンドになるあたりとか、アニメが挿入されているところとかにポップなゲーム感覚を感じさせ>>続きを読む

崖の上のポニョ(2008年製作の映画)

4.1

非常に評価に苦しむのだが、観ていてスッキリした印象をもたらされたのでこの点数にした。いやまあご都合主義的な展開とか、そういうのが目立たないわけでもないのだけれどボーイ・ミーツ・ガールものとして巧く出来>>続きを読む

桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

3.6

これはまさに問題作。原作はどうなっているのか知らないのだけれどこの映画では「桐島」が現れないことによって(ベケット的に?)重要ななにかの不在について語っているように思われる。話題作を敢えてこのように映>>続きを読む

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ(2007年製作の映画)

3.9

これはなかなか面白い。佐藤江梨子氏の演技がキマっていて、『ヘルタースケルター』の沢尻エリカ氏を彷彿とさせた。懸命にやっているんだな、という感じで。登場する人物の誰にも共感出来ないところが素晴らしい。自>>続きを読む

オンリー・ゴッド(2013年製作の映画)

3.9

終始不穏な空気が漂いっ放しで、ひと時もこちらの気を緩めさせない。ストーリー的に一体なにが起こっているのかはやや理解し難い部分もないではなかったのだけれど、『ドライヴ』に続きニコラス・ウィンディング・レ>>続きを読む

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)

3.7

誰もが思いつきそうなネタを、ここまで捻りの効いた作品に仕立てあげた監督と脚本家の手腕は見事と言う他ない。例えばトゥルーマンにとっての一日の始まりに備えてスタンバイして不動のまま立ち続けるエキストラの姿>>続きを読む

紙の月(2014年製作の映画)

3.6

これは評価に困る……肝腎の主人公と浮気相手が惹かれあう展開がかなり端折られているので、その後の彼女の横領という行為に至る説得力が弱いのがいただけないかな、と言うところ。とは言え地味でありながら、手堅く>>続きを読む

ヴィレッジ(2004年製作の映画)

3.9

『シックス・センス』でも特徴的だった「赤」の使い方が実に巧い。これと言ってどぎつい加工をしているわけではないと思うのだが(映像面のことに関しては本当に素人なので、トリックが施されているのだとしたらすみ>>続きを読む

気球クラブ、その後(2006年製作の映画)

3.8

観終えた直後は大したことのない映画だなと思ったのだけれど(失礼!)、後からじわじわと来るものがあったので結果的にこの高評価になった。単純と言えば単純な話だ。気球で空を飛び続けたいと夢を見る男、そんなこ>>続きを読む

ナゴシノハラエ(2015年製作の映画)

3.7

Filmarks での基準点は 3.8 点と決めているので若干点は低くなるが、監督が愛好しているというジャック・リヴェットや溝口健二を一本も観たことがない人間なのでそのあたりは気にしないで欲しい。非常>>続きを読む

ちゃんと伝える(2009年製作の映画)

3.7

EXILE の AKIRA 氏が主演とのことでそんなに期待はしていなかったのだけれど(失礼!)、なかなか演技が巧いと思ったのは私だけだろうか。演技指導に厳しいことで定評のある園子温監督ならではの映画で>>続きを読む

滝を見にいく(2014年製作の映画)

3.7

姫路シネマクラブ例会にて鑑賞。イヤミのないコメディとして楽しむべき佳作だと思うのだけれど、作中で奥村チヨの「恋の奴隷」が歌われるあたりが、男尊女卑のつもりはないのだろうけれど興が醒めてしまったのだった>>続きを読む

有りがたうさん(1936年製作の映画)

3.9

観ている間は特にどうと言うこともないんだけれど、観終えた後じわじわと面白さというか、本当にハートウォーミングな映画なんだなという「温もり」が伝わって来る。一体何処からなのか、それを言葉に出来かねるとい>>続きを読む

インターステラー(2014年製作の映画)

4.3

これはまた厄介な映画を観たものだ……語れるところから語っていこうか。『インセプション』でも印象的だった雪原のシーンが美しい。ああいう現実なのに幻想的な場面を撮らせたらクリストファー・ノーランの手腕は冴>>続きを読む

アバウト・タイム 愛おしい時間について(2013年製作の映画)

4.0

点が高くなってしまったが、こういう映画に高評価を下してしまうあたりが私の「弱点」なんだろうと思う。設定はツメが甘過ぎるし、厳格な SF ファンからすれば(というより普通に論理的に考えることの出来る人間>>続きを読む

風立ちぬ(2013年製作の映画)

3.1

なにを伝えたい映画だったのかさっぱり分からない。堀越二郎の半生を綴った映画だったのか。それとも堀辰雄の甘いと言えばあまりにも甘過ぎるロマンスを描きたい映画だったのか。その土台の部分がしっかりしていない>>続きを読む

Seventh Code(2013年製作の映画)

3.5

うーん……『贖罪』の頃からの黒沢清氏作品には違和感を覚えるのだけれど、この作品も例外ではなかった。大胆なロングショット(特にオチのあのシーン!)など大技を使い、遊べるだけ遊んでいる黒沢氏のノリノリの感>>続きを読む

思い出のマーニー(2014年製作の映画)

4.2

大感動だったのだけれど、観る人を選ぶ類の映画だと思う。細部で整合性が取れていないとか「結局アレはなんだったの?」とか細かく考え込んでしまう人、つまり合理的な人にとってはやはり「ワケが分からない」のでは>>続きを読む

キサラギ(2007年製作の映画)

4.0

『レザボア・ドッグス』のギャングがアイドル・ファンになったらこうなる……という感じなのか。もちろん殺し合いはしないのだけれど、素性不明の五人の男たちが集まって如月ミキというマイナーなアイドルの追悼会を>>続きを読む

おやすみなさいを言いたくて(2013年製作の映画)

3.7

姫路シネマクラブの例会にて鑑賞。うーん……なんとも悩ましい映画だ。意地でも回想シーンを挿れさせまいとする監督の美学に拠るものなのか、極限まで絞った台詞回しには好感が持てど、前半はやや退屈で「ジュリエッ>>続きを読む

POV(ピーオーヴィ) 〜呪われたフィルム〜(2012年製作の映画)

2.5

ダメな映画だと思った。鶴田法男氏が関わっているということで期待し過ぎたのかもしれないが、もう少し志田氏や川口氏の日常パートをふんだんに盛り込んでおいてそこから恐怖をじわじわと引き込んでいくという「焦ら>>続きを読む

マイケル・ジャクソン THIS IS IT(2009年製作の映画)

3.5

申し訳ない。個人的には退屈なシロモノのように思われてならなかった。これは多分に私がマイケル・ジャクソンのファンではないからというのも大きいのだろうけれど、ドキュメンタリーとしてマイケルの実像や実際のコ>>続きを読む

かぐや姫の物語(2013年製作の映画)

4.3

『竹取物語』自体はもちろんスジは知っていた。だがその内容を知っては居たものの、肝腎の「かぐや姫」がどのように思惑を働かせて行動したのかという「自我」という側面にはちょっと感心が向いていなかったので、こ>>続きを読む

ショコラ(2000年製作の映画)

3.4

申し訳ないのだけれど、ラッセ・ハルストレム監督の映画は初めてなのだけれどこの作品に素直に入り込むことが出来なかった。精神がささくれ立った時に観てしまったことも左右されているのだろうけれど、特にこれと言>>続きを読む

幻の光(1995年製作の映画)

3.6

是枝裕和監督の記念すべきデビュー作。散々迷ったのだけれど、やはり後の『ワンダフルライフ』などと比べるとエンターテイメント性に欠けるという点でこの点数に落ち着いた。クローズアップを敢えて禁欲し、ロングシ>>続きを読む

ドライヴ(2011年製作の映画)

3.8

ここまで評価に悩む映画もなかなかない。カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したそうだけれど、そこまで褒められるほどのものかなあ……とぼんやりと思いつつも、駄作でもないような……これ以上のことはニコラス・ウィ>>続きを読む

ファニーゲーム(1997年製作の映画)

4.0

なんとも厄介なシロモノを観てしまったものだ……ネタを割ることは慎むが、世間で言われている「胸糞悪い」という言葉は確かにこの映画に当てはまる。だが、微妙な表現になるがこの映画を観終えて聞こえて来たのはミ>>続きを読む

イエスマン “YES”は人生のパスワード(2008年製作の映画)

4.2

ジム・キャリーという俳優には興味はなかった。せいぜい『トゥルーマン・ショー』と『マン・オン・ザ・ムーン』を観た程度で、男前のコメディアンだな……というくらいに考えていたのだった。イールズが音楽を担当す>>続きを読む

ディア・ドクター(2009年製作の映画)

4.0

西川美和監督作品はこれで三本目(西川監督にとってもこれが三本目)。『蛇イチゴ』『ゆれる』を観ていても感心したのだけれど、俗に言う(多分に職業差別を含んだ物言いになるけれど)「お笑い芸人」に芝居をさせる>>続きを読む

闇のあとの光(2012年製作の映画)

3.8

なんと言うべきか……後々から振り返ってみると結構異常なことが起こったりしてるんだけれど(赤く光る牛男が登場したり、自分の首を自分で引っこ抜いてしまう男が登場したり)、観ている間は「こういうのもこういう>>続きを読む

美しい絵の崩壊(2013年製作の映画)

4.0

なんとも言い難い。こんなに「退屈ではないけれど、でもなにも感じられなかった」という気分になってしまう映画というのもそうそうないな……というのが正直なところだったりする。スジは基本的に単純に出来ていて、>>続きを読む

ある過去の行方(2013年製作の映画)

4.1

なんというか……私は北野武氏や黒沢清氏のような「省略」を巧みに使う監督の映画と相性が合うようなので、この映画に関しては前半の一時間で「これは丁寧に全てを描き過ぎているんじゃないだろうか」と思ったのだっ>>続きを読む

ゆれる(2006年製作の映画)

3.9

西川美和作品の二本目。相変わらずどう評価したらいいものか悩む。グイグイ引き込んでいく力には欠けていると思うけれど、あくまでこれは私と西川監督の問題であって他の観客がどうなのかは分からない。『蛇イチゴ』>>続きを読む

蛇イチゴ(2003年製作の映画)

3.9

西川美和監督作品はこれが初めて。どうにも語りづらいのだけれど、ぼんやりと思ったのは『男はつらいよ』を現代版にアレンジしたらこんな風になるのかな、と……いや、『男はつらいよ』シリーズは断片的にしか観たこ>>続きを読む