踊る猫

踊る猫

基準点は 3.8 点

BROTHER(2000年製作の映画)

4.3

余計な台詞で説明して全てを台無しにしてしまうのではなく、あくまでも寡黙に(つまり言葉に頼らずに)ストーリーは展開していく。この映画を観れば、北野武氏が如何に世界に通じる監督として遇されているのか分かる>>続きを読む

映画に愛をこめて アメリカの夜(1973年製作の映画)

3.5

映画制作の舞台裏を描いたような作品。映画を作るにあたっては巨額のカネが動き、セットや小道具が作り込まれ、それだけではなく人物のメンタル面でのケアも必要になるのだな、という……トリュフォー作品は実はこれ>>続きを読む

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)

3.9

アメリカン・ニューシネマの代表作……そんなことは全然知らずに、友人に薦められるがままに観てしまったのだけれど、なかなかの秀作だった。精神病院を舞台に、秩序で患者を縛りつけようとする看護士とそんな秩序か>>続きを読む

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

3.8

五つの街を舞台にしたオムニバス形式の短篇集。基本的にタクシーの車内という閉じられた空間で物語が成り立つので密室劇というか、一歩間違えれば息苦しくて仕方がなくなるところをジム・ジャームッシュの書いた脚本>>続きを読む

バリー・リンドン(1975年製作の映画)

3.8

スタンリー・キューブリック作品の中ではさほど有名ではないこの映画だが、私は面白く観た。ある意味もっともキューブリックらしい作品ではないだろうか。お城の映像や衣服の再現の徹底ぶり、そして自然光で撮られる>>続きを読む

ビッグ・フィッシュ(2003年製作の映画)

3.8

二度目の鑑賞になる。初見の段階では 4.2 点をつけていただろう。つまり、再鑑賞したところ思っていたより面白くなかった、ということになる。これは私のコンディションの問題だと思うので気にせず、出来ればこ>>続きを読む

ポンヌフの恋人(1991年製作の映画)

4.2

必要最小限にまで削りに削られた台詞。泥酔してポンヌフの上で笑い転げるジュリエット・ビノシュとドニ・ラヴァン。水上スキー、火吹き、疾走シーン……前作を彩っていた鮮やかな色彩はここにはもうない。あるのは仲>>続きを読む

スモーク(1995年製作の映画)

4.5

クリスマスになると観てみたくなる作品。今年もクリスマスはこの映画を観ることで祝った。数度目の鑑賞になるのだけれど、進行に驚くほど無駄がないことに気づかされる。これはポール・オースターの脚本の巧さによる>>続きを読む

汚れた血(1986年製作の映画)

3.6

「アレックス三部作」の二作目。ゴダールの再来……とまで評されたと聞いたのだけれど、ゴダールに関しては苦手意識があるものでそれもあってか他の方のようには素直に入り込めなかった。楽しみ方が分からなければ楽>>続きを読む

ベンジャミン・バトン 数奇な人生(2008年製作の映画)

4.2

『パニック・ルーム』あたりからデヴィッド・フィンチャーがどんどん遠のいて行くような気がしていたので、あまり期待をせずに(失礼!)観たのだけれどなかなか面白かった。原因のひとつとしては、この映画はかなり>>続きを読む

ベティ・ブルー/インテグラル 完全版(1992年製作の映画)

4.5

まず三時間という長さを(それほど)感じさせない展開に舌を巻く。映画は暗黙の了解として二時間程度で終わるものなのだけれど、この映画は三時間掛けて本当に濃厚にベティとゾルグとの恋愛を描き切っているので、終>>続きを読む

コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

3.8

特に取り立ててどうってこともないような、それでいて人生の苦い教訓が込められているかのような 11 の短編を寄せ集めた一作。必ず出て来るのは「コーヒー」と「煙草」で、どの登場人物もチェックの柄が入ったテ>>続きを読む

ブラック・スワン(2010年製作の映画)

4.0

ダーレン・アロノフスキーはやはりというか人が堕ちて行くところを描くのが巧い。『レクイエム・フォー・ドリーム』でも『π』でも、登場人物は最後の最後に堕ちるところまで堕ちてしまう。この映画でもヒロインのニ>>続きを読む

パニック・ルーム(2002年製作の映画)

3.6

物語的な面白さという点ではどうかと思う。これは単純に私が「密室劇」といったものを楽しめないせいなので、そこは配慮して読んで欲しいのだけれど、とにかくデヴィッド・フィンチャーどうしちゃったの、と思うほど>>続きを読む

ニシノユキヒコの恋と冒険(2014年製作の映画)

3.7

井口奈己監督作品の三作目。『犬猫』も『人のセックスを笑うな』も観ていたからある程度までは楽しみ方を分かっているつもりではいた。ストーリーの起伏ではなく、演出を楽しむこと。登場人物たちの目配せや思わず吹>>続きを読む

かもめ食堂(2005年製作の映画)

3.5

これぞ、と思わせるような美しいショットに出くわさなかったのは幸か不幸か。逆に言えばそれだけ「芸術」から離れた映画であるが故に比較的入り込みやすい映画なのではないのかな、と思う。これは皮肉ではない。流石>>続きを読む

69 sixty nine(2004年製作の映画)

3.5

点数が比較的辛くなってしまったが、駄作だとは思わないのであくまで好みの問題として考えて欲しい。こちらが村上龍氏の原作に宮藤官九郎氏の躍動感を足したらもっと凄いものが出来たのではないか、と考えただけなの>>続きを読む

ボーイ・ミーツ・ガール(1983年製作の映画)

4.1

調べたところによるとこの映画はかなり引用の羅列によって成り立っているらしい。ジャン=リュック・ゴダールを筆頭にキートンやコクトーといった作家の産物が引かれているというのだけれど、例によってそんなことは>>続きを読む

シャイニング(1980年製作の映画)

4.5

これは面白い! 大量の血液(という意味なのだと思う)が流れ出て来るエレヴェーターのシーンといい、双子の女の子が登場するシーンといい、完全にスティーヴン・キングの原作の持つダイナミックな「動」の部分を切>>続きを読む

フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

4.3

流石は不朽の名作、と言うより他にない。ただ、今この時代にあってこの映画を観てしまうということは、ハートマン軍曹のキャラがある程度「ギャグ」と化してしまった状況下において観るということであって、その意味>>続きを読む

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

4.2

言わずと知れた不朽の名作。実は恥ずかしながら初めて見ることになったのだけれど、特に後半部分からのアレックスが洗脳されるシーンから転がり落ちるようにして不幸へと雪崩れ込んでいくところが圧巻としか言いよう>>続きを読む

フィルス(2013年製作の映画)

3.6

筒井康隆氏や戸梶圭太氏の小説のようなノリ……というと変だろうか。とにかく登場人物たちの持つある種の「安さ」というか、色々な意味でバカっぽいというのか、そういうブラック・ジョークを交えた人物描写が際立っ>>続きを読む

ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

3.3

点数が低くなってしまったが、駄作だとは思わない。ただ単純に私がこの映画に求めるものがこの映画にはなかったというだけのことなので、気楽に観て欲しい。それにしても、この映画は描こうと思えば『ウルフ・オブ・>>続きを読む

SOMEWHERE(2010年製作の映画)

3.8

これはソフィア・コッポラ版『都会のアリス』なのではないか、と考えながら私はこの映画を観た。もちろん、この映画はロード・ムーヴィ―ではない。そこからして勘違いだと言われればそれまでである。ただ、主人公の>>続きを読む

マリー・アントワネット(2006年製作の映画)

3.5

点数が比較的低くなってしまったがこれはソフィア・コッポラ監督の責任(?)ではない。映画が駄作だとも言うつもりもない。あくまで私がこのテの歴史物に関して素直に入り込める人間ではないということなので、その>>続きを読む

メメント(2000年製作の映画)

4.1

物語をエンディングから初めてスタートで終わらせるという斬新な時間軸の上で成り立つ物語。表現したいことは分かるし野心も買いたいところなのだけれど、やはり一度オチを知っている人間からすればそのオチに至るま>>続きを読む

ダークナイト(2008年製作の映画)

4.2

『バットマン』は漫画すら読んだことがないのでどうなることかと思って観てみたのだけれど、そんな人間でも面白く観られることが出来た。テーマは「ヒーロー」だろう。ゴッサム・シティから悪を一掃せんとする熱血地>>続きを読む

ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)

3.8

上演時間が二時間以内に収まっていたら 4.0 点をつけただろう。とにかく長ったるい。そして、デヴィッド・フィンチャー監督作品にしては「地味」に過ぎる。期待していたトレント・レズナーの音楽も、もちろんデ>>続きを読む

アワーミュージック(2004年製作の映画)

4.2

誠に難しいと称されるジャン=リュック・ゴダールの映画。実はゴダール作品を本格的に観るのはこれが初めてなのであらかじめ苦行に挑むような気持ちで観たのだけれど、相変わらず「物語」を生み出そうという姿勢が欠>>続きを読む

インセプション(2010年製作の映画)

4.3

相手の夢の中に入れる産業スパイが同じ能力を持つ仲間とチームを組んでアクションを起こすという話。ありがちな夢と現実との垣根が悪夢的に(?)崩れて行く……というようなパターンの話なのではないかと思ったこと>>続きを読む

イノセント・ガーデン(2013年製作の映画)

3.4

思春期真っ盛りの女の子と母親のもとにそれまで行方不明だった叔父がやって来て波紋を呼ぶという話。人物の蒸発などミステリアスな出来事が起こるのは確かなのだけれど、それがこの叔父のせいであることなど観ていた>>続きを読む

バベル(2006年製作の映画)

3.5

モロッコ、メキシコ、日本の三つの国で起こる出来事が『21グラム』のように一見すると離れ離れなように見えて次第に絡み合っていくという話。正直なところ、どうも退屈な印象を感じてしまい仕方がなかった。『21>>続きを読む

21グラム(2003年製作の映画)

3.7

それまで出会うことのなかった三人の男女が交通事故に纏わるトラブルで出会い、恋や諍いを繰り返す物語。いや、とにかくひと言で言えば「地味だなあ」という言葉しか出て来ない。この映画が恐らくは低予算で作られて>>続きを読む

アメリカン・ヒストリーX(1998年製作の映画)

4.0

3.9 点にしようかとも思ったのだけれど、エドワード・ノートンとエドワード・ファーロングの演技を買ってもうひとつだけ評価を上乗せした。アメリカ社会における白人優位主義を描いた作品で、白人というマジョリ>>続きを読む

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(2011年製作の映画)

4.1

9.11 で亡くなった父親が持っていた鍵とそれが入っていた封筒に書かれていた「ブラック」という言葉を手掛かりに、ニューヨークの「ブラック」さんを虱潰しに探していく物語。原作は未読なのだけれど、この映画>>続きを読む

LIFE!(2013年製作の映画)

4.2

これはかなりの怪作と言えるだろう。冒頭 30 分ほどの特殊効果を多用した主人公の妄想シーンだけでもうお腹いっぱいになるほど楽しまさせられたのだけれど、その後がロング・ショットを多用した「リアル」な世界>>続きを読む