踊る猫さんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

踊る猫

踊る猫

基準点は 3.8 点

トニー滝谷(2004年製作の映画)

4.2

二度目の鑑賞。顔と名前を覚えるのが苦手なので、初見では宮沢りえ氏のひとり二役に全然気づかないというミスを犯してしまった。それでそのあたりを踏まえて観たのだけれど、奔放な女性と腰の低い女性という結構演じ>>続きを読む

エンジェリック・カンヴァセーション(1985年製作の映画)

3.0

二度挑戦して、二度爆睡した。三度目の鑑賞でようやく最後までついて行くことが出来たのだけれど、正直私にはお手上げの代物である。デレク・ジャーマンを舐めていたわけではない。ザ・スミスのヴィデオクリップ程度>>続きを読む

ユメ十夜(2007年製作の映画)

3.9

夏目漱石の名作『夢十夜』を様々な監督が料理したアンソロジー。実相寺昭雄氏、及び市川崑氏の作品は流石に巨匠だけあって凄味を感じた。だが、私の好みの問題もあるのだけれど集中で一番興味深いなと思ったのは清水>>続きを読む

愛しのタチアナ(1994年製作の映画)

3.8

コーヒーを美味しそうに飲んでいるシーンから、私はジム・ジャームッシュ『コーヒー&シガレッツ』を連想してしまった。実際にこのふたりの監督は個人的につき合いもあるそうで、そう考えてみれば『愛しのタチアナ』>>続きを読む

浮き雲(1996年製作の映画)

4.0

アキ・カウリスマキは分かりやすいスーパーヒーローやカリスマを描かない。描かれているのはむしろ冴えない男女ばかりで、その庶民的な佇まいがこちらを惹きつけるのだろうと思う。作風としてはケン・ローチから政治>>続きを読む

博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

3.9

スタンリー・キューブリックの作品は全て観たわけではないが、割りと分かりやすい部類に入るであろう一作。冷戦構造の時代の最中にあってこんな作品を作ってしまうということは、キューブリックの皮肉もしくは悪意以>>続きを読む

レスラー(2008年製作の映画)

3.8

老いさらばえたレスラーが再起を掛けて奮闘する……例えばこういった要約だけで『ロッキー』のようなサクセス・ストーリーを連想するとすれば、それはお門違いだとしか言えない。ここにあるのは、ただただ落ちぶれた>>続きを読む

CURE キュア(1997年製作の映画)

4.7

hulu にて。何度目の鑑賞になるのか分からないのだけれど、やはりこの映画は傑作なのではないかと考えた。『リング』などの和製ホラーに通じる伝播して行く恐怖。それを分かりやすいおどろおどろしさで描くので>>続きを読む

それぞれのシネマ 〜カンヌ国際映画祭60回記念製作映画〜(2007年製作の映画)

4.2

ひと口に映画館をテーマにするといっても、色々な切り口があるのだなということを再確認させられる。原始的な、村の壁にスクリーンを張って上映するといったものから洗練された映画館に至るまで。私は例によってスク>>続きを読む

アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)

4.3

ニコール・キッドマンの裸身から始まり、観る者をエロティックな異世界へと連れて行く冥界めぐりのような作品。冷え切った映像の美しさは流石はキューブリックといったところで、私は十二分に楽しむことが出来た。キ>>続きを読む

イングリッシュ・ペイシェント(1996年製作の映画)

3.4

ジュリエット・ビノシュを観たかったのでそれに関しては満足出来た。あとはクリスティン・スコット・トーマスの演技に惹かれたというところで、つまり私はこの映画を「女性たちの映画」だと思って観ていたことになる>>続きを読む

アウトレイジ(2010年製作の映画)

4.0

映画を撮るのが巧くなって行ったり、あるいは耳目を集められるようになればなれるほどその人物が自分から遠のいて行くように思う……そういう人物がこの Filmarks に集う方の中にはひとりかふたり居るので>>続きを読む

ミステリー・トレイン(1989年製作の映画)

4.2

有名だからというので『ストレンジャー・ザン・パラダイス』あたりからジム・ジャームッシュを観てみて挫折した方はこの映画から入り直すのがいいのではないか、と思う。ジム・ジャームッシュにしては、という但し書>>続きを読む

BROTHER(2000年製作の映画)

4.3

余計な台詞で説明して全てを台無しにしてしまうのではなく、あくまでも寡黙に(つまり言葉に頼らずに)ストーリーは展開していく。この映画を観れば、北野武氏が如何に世界に通じる監督として遇されているのか分かる>>続きを読む

映画に愛をこめて アメリカの夜(1973年製作の映画)

3.5

映画制作の舞台裏を描いたような作品。映画を作るにあたっては巨額のカネが動き、セットや小道具が作り込まれ、それだけではなく人物のメンタル面でのケアも必要になるのだな、という……トリュフォー作品は実はこれ>>続きを読む

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)

3.9

アメリカン・ニューシネマの代表作……そんなことは全然知らずに、友人に薦められるがままに観てしまったのだけれど、なかなかの秀作だった。精神病院を舞台に、秩序で患者を縛りつけようとする看護士とそんな秩序か>>続きを読む

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

3.8

五つの街を舞台にしたオムニバス形式の短篇集。基本的にタクシーの車内という閉じられた空間で物語が成り立つので密室劇というか、一歩間違えれば息苦しくて仕方がなくなるところをジム・ジャームッシュの書いた脚本>>続きを読む

バリー・リンドン(1975年製作の映画)

3.8

スタンリー・キューブリック作品の中ではさほど有名ではないこの映画だが、私は面白く観た。ある意味もっともキューブリックらしい作品ではないだろうか。お城の映像や衣服の再現の徹底ぶり、そして自然光で撮られる>>続きを読む

ビッグ・フィッシュ(2003年製作の映画)

3.8

二度目の鑑賞になる。初見の段階では 4.2 点をつけていただろう。つまり、再鑑賞したところ思っていたより面白くなかった、ということになる。これは私のコンディションの問題だと思うので気にせず、出来ればこ>>続きを読む

ポンヌフの恋人(1991年製作の映画)

4.2

必要最小限にまで削りに削られた台詞。泥酔してポンヌフの上で笑い転げるジュリエット・ビノシュとドニ・ラヴァン。水上スキー、火吹き、疾走シーン……前作を彩っていた鮮やかな色彩はここにはもうない。あるのは仲>>続きを読む

スモーク(1995年製作の映画)

4.5

クリスマスになると観てみたくなる作品。今年もクリスマスはこの映画を観ることで祝った。数度目の鑑賞になるのだけれど、進行に驚くほど無駄がないことに気づかされる。これはポール・オースターの脚本の巧さによる>>続きを読む

汚れた血(1986年製作の映画)

3.6

「アレックス三部作」の二作目。ゴダールの再来……とまで評されたと聞いたのだけれど、ゴダールに関しては苦手意識があるものでそれもあってか他の方のようには素直に入り込めなかった。楽しみ方が分からなければ楽>>続きを読む

ベンジャミン・バトン 数奇な人生(2008年製作の映画)

4.2

『パニック・ルーム』あたりからデヴィッド・フィンチャーがどんどん遠のいて行くような気がしていたので、あまり期待をせずに(失礼!)観たのだけれどなかなか面白かった。原因のひとつとしては、この映画はかなり>>続きを読む

ベティ・ブルー/インテグラル 完全版(1992年製作の映画)

4.5

まず三時間という長さを(それほど)感じさせない展開に舌を巻く。映画は暗黙の了解として二時間程度で終わるものなのだけれど、この映画は三時間掛けて本当に濃厚にベティとゾルグとの恋愛を描き切っているので、終>>続きを読む

コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

3.8

特に取り立ててどうってこともないような、それでいて人生の苦い教訓が込められているかのような 11 の短編を寄せ集めた一作。必ず出て来るのは「コーヒー」と「煙草」で、どの登場人物もチェックの柄が入ったテ>>続きを読む

ブラック・スワン(2010年製作の映画)

4.0

ダーレン・アロノフスキーはやはりというか人が堕ちて行くところを描くのが巧い。『レクイエム・フォー・ドリーム』でも『π』でも、登場人物は最後の最後に堕ちるところまで堕ちてしまう。この映画でもヒロインのニ>>続きを読む

パニック・ルーム(2002年製作の映画)

3.6

物語的な面白さという点ではどうかと思う。これは単純に私が「密室劇」といったものを楽しめないせいなので、そこは配慮して読んで欲しいのだけれど、とにかくデヴィッド・フィンチャーどうしちゃったの、と思うほど>>続きを読む

ニシノユキヒコの恋と冒険(2014年製作の映画)

3.7

井口奈己監督作品の三作目。『犬猫』も『人のセックスを笑うな』も観ていたからある程度までは楽しみ方を分かっているつもりではいた。ストーリーの起伏ではなく、演出を楽しむこと。登場人物たちの目配せや思わず吹>>続きを読む

かもめ食堂(2005年製作の映画)

3.5

これぞ、と思わせるような美しいショットに出くわさなかったのは幸か不幸か。逆に言えばそれだけ「芸術」から離れた映画であるが故に比較的入り込みやすい映画なのではないのかな、と思う。これは皮肉ではない。流石>>続きを読む

69 sixty nine(2004年製作の映画)

3.5

点数が比較的辛くなってしまったが、駄作だとは思わないのであくまで好みの問題として考えて欲しい。こちらが村上龍氏の原作に宮藤官九郎氏の躍動感を足したらもっと凄いものが出来たのではないか、と考えただけなの>>続きを読む

ボーイ・ミーツ・ガール(1983年製作の映画)

4.1

調べたところによるとこの映画はかなり引用の羅列によって成り立っているらしい。ジャン=リュック・ゴダールを筆頭にキートンやコクトーといった作家の産物が引かれているというのだけれど、例によってそんなことは>>続きを読む

シャイニング(1980年製作の映画)

4.5

これは面白い! 大量の血液(という意味なのだと思う)が流れ出て来るエレヴェーターのシーンといい、双子の女の子が登場するシーンといい、完全にスティーヴン・キングの原作の持つダイナミックな「動」の部分を切>>続きを読む

フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

4.3

流石は不朽の名作、と言うより他にない。ただ、今この時代にあってこの映画を観てしまうということは、ハートマン軍曹のキャラがある程度「ギャグ」と化してしまった状況下において観るということであって、その意味>>続きを読む

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

4.2

言わずと知れた不朽の名作。実は恥ずかしながら初めて見ることになったのだけれど、特に後半部分からのアレックスが洗脳されるシーンから転がり落ちるようにして不幸へと雪崩れ込んでいくところが圧巻としか言いよう>>続きを読む

フィルス(2013年製作の映画)

3.6

筒井康隆氏や戸梶圭太氏の小説のようなノリ……というと変だろうか。とにかく登場人物たちの持つある種の「安さ」というか、色々な意味でバカっぽいというのか、そういうブラック・ジョークを交えた人物描写が際立っ>>続きを読む

ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

3.3

点数が低くなってしまったが、駄作だとは思わない。ただ単純に私がこの映画に求めるものがこの映画にはなかったというだけのことなので、気楽に観て欲しい。それにしても、この映画は描こうと思えば『ウルフ・オブ・>>続きを読む