えくそしす島さんの映画レビュー・感想・評価

えくそしす島

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KAPPEI カッペイ(2022年製作の映画)

3.0

【戦士たちのバラッド】

“1999年7月に人類が滅亡する“

その昔、ノストラダムスの大予言を筆頭に「終末期」ブームが到来した。当時を知っている方達には「本気で信じていた人」の1人や2人は思い当たる
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オオカミの家(2018年製作の映画)

3.8

【教化】

独創性あふれる異質で特異なホラー風アニメーション(ストップモーション)作品。その世界観は観るものを困惑させる。そうです。私も迷子です。

<異様で異質>
  <特異で奇異>
    <異相
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回転(1961年製作の映画)

3.8

【源流】

海外にまで旋風を巻き起こし、一大ジャンルを築いた日本のホラー映画群。

通称
「Jホラー」

日本のおどろおどろしい怪談的な恐怖映画はいつから今のJホラーへと変換していったのか。その起点と
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怪物(2023年製作の映画)

4.0

【心の視差】

物事、というのは
“その人“その立場“その角度“で見え方や見えるモノが違うもの。自分が思う現状や現況は他人が見ても同じとは限らない。

そんな「複数の視点」を通して、密接に、そして物事
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エクソシスト 信じる者(2023年製作の映画)

3.1

【信じられぬ者】

来ちゃった…。

オリジナルの正統な続編と銘打った新たな「エクソシスト」が来ちゃったの。でも心配なの。評判があまり良くないの。怖いの。観るのが怖いの。

監督:デヴィッド・ゴードン
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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.0

【地球上の夜で】

描かれるのは
夜の街と。タクシー運転手と。その乗客。

一夜限りの
出会いと会話

なーんて事はない会話が今もずっと心に残っている、なんてこと記憶にありませんか。
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ザ・ミソジニー(2022年製作の映画)

3.0

【虚実の境目】

評判は聞いていました。
難解、と言うよりも訳がわからない映画だと。ですが、そう聞いただけではホラー好きとして引き下がれません。元よりこの覚悟で御座います。

「現地現物(実際に見て確
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キリング・オブ・ケネス・チェンバレン(2020年製作の映画)

3.8

【市民と警官】

ある黒人男性が殺害された

ええ、タイトル通りに。その事件は、2011年11月19日 ニューヨーク州ホワイトプレーンズで起きた約90分間の出来事。その通報から殺害されるまでを“リアル
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風が吹くとき(1986年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

【壊れた日常】

第三次世界戦争勃発。
核爆弾の投下とその後を、初老の夫婦が住む"一軒家"だけで描いた1986年のイギリスのアニメ(実写挿入アリ)映画。

監督:ジミー・テルアキ・ムラカミ
原作・脚本
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イノセンツ(2021年製作の映画)

3.9

【予兆】

子供は真っ白いキャンバス

そこに描かれるものは育った環境や境遇によって色とりどりに変わっていく。だからこそ、育まれるはずの理性や感情というストッパーを“内的経験"により子どもたちは見失っ
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ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)

3.6

【理想の家族】

突然ですが、完璧な家族って嘘くさくないですか?

もし私が完璧な人間を演じ始めたとしたら、家族に取り押さえられてすぐさま病院に押し込まれます。そして、感情の起伏がなくなる薬「ベゲタミ
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マンディンゴ(1975年製作の映画)

4.3

【奴隷牧場】

黒人血統種
「マンディンゴ」

その内容の過激さや悍ましさから長年に渡り米映画界から敬遠され続けてきた奴隷制度を扱った作品。インパクトのあるキャッチコピーを銘打ったのでも有名。それが
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雄獅少年/ライオン少年(2021年製作の映画)

4.0

【迎春】

皆様、明けましておめでとうございます。

年を越して10分ぐらいでしょうか。
近くに居た方々から「Happy New Year!」と声を掛けられたのですが、反射的に「良いお年をお迎えくださ
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ミンナのウタ(2023年製作の映画)

3.5

【カセットテープ】

“清水 崇"

Jホラーというと必ず名前が上がる監督。好きな人には申し訳ないが、怖さとシュールさを併せ持った「ビデオ版の呪怨」以外では、毎回わたしを裏切り続けてきた監督でもある。
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マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

3.7

【家族と友だち】

私は可愛いものが大好き!

ハイそこ、気持ち悪いとか言わない。泣くぞ。因みに、個人的「可愛さ⭐︎ランキング」で長年に渡り1位に君臨し続けているのは、ドラクエXの種族「プクリポ」だ。
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アレックス STRAIGHT CUT(2020年製作の映画)

3.9

【被害者と加害者】

2002年のカンヌ国際映画祭で賛否両論を巻き起こした超問題作を、再構築•再編集した逆転完全版。

眼前に広がるのは
「不条理の極致」

監督:ギャスパー・ノエ
脚本:ギャスパー・
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汚れなき祈り(2012年製作の映画)

4.2

【盲信の対価】

2005年にルーマニアで実際に起きた「タナク村(ヴァスルイ県) 修道院の悪魔憑き事件」を描いた作品。

“悪魔祓い"

と、聞いて万人が思い描くであろう内容とは大きく乖離しているので
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バービー(2023年製作の映画)

3.8

【お人形さん】

私に最も遠い存在の一つ
「バービー人形」

だが今は多様性の時代。私が真顔でお着替えをさせていたとしても、エヘエヘしながら話しかけていたとしても何ら問題ない。誰か問題はないと言ってく
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ザ・クロッシング(2021年製作の映画)

3.7

【自由を求めて】

幼年期から青年期への移行と亡命。自分達の居場所を求めて彷徨う“姉弟"の運命の物語。

ガラスに描かれた“油絵"を少ーしずつ直して動きを持たせ、10年以上の制作期間を費やした長編アニ
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ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

3.7

【輪郭】

「28分間」に、詰め込まれた短編SF作品。過去と未来。時間と記憶。そして、男と女。

監督・脚本:クリス・マルケル
製作:アナトール・ドーマン「パリ、テキサス 」「ベルリン・天使の詩」など
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パリタクシー(2022年製作の映画)

3.6

【模様】

たまにご高齢の方々から聞かされる言葉がある。さらっと。

「昔はね、大変だったんだよ」

“不遇な時代"だったと一口に言うのはとても簡単。でも、そのたった一言の中には、時代に翻弄され、時代
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.3

【圧巻】

「原作漫画や小説」
そのアニメ化や実写化に於いて個人的に最も難しいと思っているジャンル。それは

「音楽」

監督:立川譲 
脚本:NUMBER 8
音楽:上原ひろみ
原作:石塚真一「BL
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チェンジリング(1979年製作の映画)

3.6

【幽霊屋敷】

映画「チェンジリング」と聞くとクリント・イーストウッド監督作を思い浮かべる人が多いかも知れないが、私的には1979年のこちらの作品が先に浮かぶ。タイトルの意味はどちらも同じ。

欧州の
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Pearl パール(2022年製作の映画)

3.8

【解放】

老婆のシリアルキラーで話題になった「Xエックス」の前日譚。一体、60年前に何が起こり、あの惨劇へと繋がっていくのか。

“エピソード0"

前作が1980年代の古き良きスラッシャーやスプラ
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イビルアイ(2022年製作の映画)

3.1

【魔女伝説】

キャッチコピー
“セレモニースリラー"

あ、ああっ、あ、あのセレモニースリラーが遂に来たぞーッ!

初耳です

そう言えば、映画「ミッドサマー」は「フェスティバルスリラー」だった気が
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ハウス・バウンド(2014年製作の映画)

3.9

【家族の在り方】

原題もそのまま
「HOUSEBOUND(家に閉じこもる)」

ジェラルド・ジョンストン(M3GAN/ミーガン)による長編初監督・脚本作品。

レビュー数少なっ!個人的には「M3GA
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The Son/息子(2022年製作の映画)

3.9

【心の隔たり】

恐らく、内容を知らずにタイトルやジャケットを見ると多くの人はこうイメージする。暖かいヒューマンドラマ、感動の家族愛、涙を誘う物語。

そのイメージ通りの「綺麗な物語」を期待しているな
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ムクウェゲ「女性にとって世界最悪の場所」で闘う医師(2021年製作の映画)

-

【最悪の地】

コンゴ民主共和国の東部には女性にとって地獄に等しい場所がある。女性に対する暴力が「武器(戦時性暴力)」として常用される地。

「ブカブ」

40万人以上の女性がレイプされ、今も尚され続
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.8

【継がれるもの】

世界的知名度を誇る
「マリオシリーズ」

本作は「任天堂とイルミネーション」が共同で制作した3DCGアニメ映画。

しかし、ゲーム作品の映画化は失敗の歴史でもある。デニス・ホッパー
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M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

3.2

【肉弾戦】

第3型 生体アンドロイド「Model 3 Generative Android」。ハーイ、略してー

「ミーガン(M-3-G-A-N)」

AI人形が暴走する“ライト層向け"のホラー作品
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ペルシャン・レッスン 戦場の教室(2020年製作の映画)

3.7

【記憶法】

ヴォルフガング・コールハーゼの短編小説「Erfindung einer Sprache」を基に、ナチスの収容所から生き延びようとするユダヤ人の姿を追った作品。そこに描かれるのは

「映画
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エルミタージュ幻想(2002年製作の映画)

3.9

【圧巻】

原題は
「RUSSIAN ARK(ロシアの方舟)」

監督:アレクサンドル・ソクーロフ
脚本:アレクサンドル・ソクーロフ 

ロシア(サンクトペテルブルク)にあるエルミタージュ美術館(5つ
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対峙(2021年製作の映画)

3.8

【事件と、その後】

原題は「Mass」。意味は、多数、集い、沢山など。“mass murder"なら大量殺人。"mass shooting“なら

「大量無差別銃乱射」

監督:フラン・クランツ
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死霊のはらわた ライジング(2023年製作の映画)

4.0

【死者の書、再び】

若かりしサム・ライミの初監督作品でもあり、世界中に多くのコアなファンを生み出してきた低予算インディーズB級ホラー。それが

“The Evil Dead (死霊のはらわた)“
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ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)

3.7

【サイコパス(精神病質者)】

常軌を逸したサイコの“森田くん“を描いたR15指定作品。類似作が多い題材の中にあって、今作で描かれているのは

“笑い(日常)と狂気(非日常)"

一見すると相反する要
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オオカミ狩り(2022年製作の映画)

3.4

【狩られる者は誰だ】

「極悪犯罪者VS警察VS怪人」

なんだ、良くあるキャッチコピーかと流そうとしたら、違和感に気づく。

“怪人“

何食わぬ顔で鎮座している超弩級のパワーワード。これには、長年
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