まぬままおまさんの映画レビュー・感想・評価

まぬままおま

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さらば、わが愛/覇王別姫 4K(1993年製作の映画)

4.2

1920年代から1970年代の中国を舞台に、京劇の古典「覇王別姫」を演じる程蝶衣(チョン・ティエイー)と段小樓(トァン・シャオロウ)の愛憎を描いた作品。

彼らの愛憎は、必然的に当時の政治状況とも
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完璧な惑星(2019年製作の映画)

2.5

ブリリア短編。

「第1条 ロボットは人間に危害を及ぼしてはならない
第2条 前条に反しない限り人間に服従しなければならない
第3条 前条に反しない限り自己を守らなければならない」
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3-4x10月(1990年製作の映画)

-

草野球でバットを振れない男・雅樹がヤクザに暴力を振るまでの物語。

ガソリンスタンドで適当に働き、バイクに女を乗せて、多摩川沿いで草野球をする平凡な人生。恋人のサヤカが石田ゆり子で可愛すぎるので、
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エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

5.0

いや~~~寝てしまいましたね。
エドワード・ヤンの映画がスクリーンでみれる!!!と思って、公開初日に行ったんですよ。しかも新宿武蔵野館の初回を。多分、わくわくし過ぎて遠足前夜の小学生みたいだったんだ
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クマ・エロヒーム(2018年製作の映画)

2.5

坂田貴大監督作品。

日本大学芸術学部映画学科の卒業制作にしてい劇場映画デビューとなる作品。
100年後の別の惑星を舞台背景とした美術や多数のキャストが出演するなど予算がかかっているなという印象
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宇宙飛行士の心(2023年製作の映画)

2.5

ブリリア短編。

宇宙飛行士の主治医である航空医官ブリジット・ゴダールに関するドキュメンタリー。
当たり前にISSに滞在する宇宙飛行士の体調管理をする人はいると思われるが、全然実態を知らなかった
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あなたみたいに、なりたくない。(2020年製作の映画)

4.0

川崎僚監督作品。

めちゃくちゃいい。なんで日の目をみてないのか謎だ。

地味なOLの28歳・鈴木恵。彼氏はいないし、周囲も婚活をしておりプレッシャーを感じ、結婚相談所への入会を決意する。同じ
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Le Cerveau - セルヴォ -(2020年製作の映画)

2.5

SFをやろうとするのは凄い。
ただ30分でやるのはなかなか難しい。

はじめはネオン症という難病を患った早弥の息子・蒼太の行く末が気になるのだが、ネオン症がどんな病気であるのかの説明は省かる。そ
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ドント・クライ プリティ・ガールズ!(1970年製作の映画)

5.0

主人公ユリ演じるヤロスラヴァ・シャレロヴァーの魅力よ。本作で登場する若者たちはみんな魅力的に映っているのだが、特に彼女の魅力は凄まじく、俳優の「顔」のよさが映画のよい時間を持続させる力をもっていること>>続きを読む

ふたりの女、ひとつの宿命(1980年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

メーサーロシュ・マールタ監督作品。

裕福な暮らしをするスィルヴィアと洋服屋で働くイレーン。スィルヴィアは不妊に悩まされており、さらに彼女の父が莫大な遺産をこれから生まれる孫に相続させることを決め
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マリとユリ(1977年製作の映画)

5.0

メーサーロシュ・マールタ監督作品。
これはオールタイムベスト作品のひとつにしたいと思います。

工員寮の責任者を務めるマリと工員として働くユリ。ユリはアル中の夫・ヤーノシュと関係が良好ではなく、
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ナイン・マンス(1976年製作の映画)

5.0

メーサーロシュ・マールタ監督作品。

あえて言わせていただきます。ユリは「クソ女」です。
今彼と元彼を会わせようなんてろくでもない。待ち受けるのは破滅なのだ。

それでもユリのことを嫌いにな
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アダプション/ある母と娘の記録(1975年製作の映画)

5.0

メーサーロシュ・マールタ監督作品。

この夏、メーサーロシュ監督作品に出会えてよかった。
早稲田松竹でみたのだが、本作はずっと気になってた作品であったこともあり、もちろん大傑作だった。もう満足だ
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福田村事件(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

時の政権・官房長官が、関東大震災時の朝鮮人虐殺は「記録なし」と答弁した2023年。なかったことにしているのに、皮肉にも関連する福田村(・田中村)事件は劇として記録され、大勢の人がみにいくことになってし>>続きを読む

#ミトヤマネ(2023年製作の映画)

4.0

宮崎大祐監督作品。

TOHOシネマズ系列館などで全国公開された本作。シネコンしか行かない人が、ネズミの国やハリウッド映画と同じように本作をみたら「意味が分からない」と思う。私もそう思う。正直、見
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ブルーポルノ(2023年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

真面目に何かを言おうと思う。本作がファンムービーであり、その領分を超えていないとしてもこのような映画があったことを記録するために。

Ep.1「カリフォルニア・ドリーミング」主演 楪カレン
警官
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兎たちの暴走(2020年製作の映画)

2.0

物語が暴走している。

地方、貧困、犯罪、ジェンダーといったトピックを絡ませればよいとしか考えてない作品。配給会社で察するべきだった。おしゃれな雰囲気と現代の批評性ーけれどそんな批評性はペラペラす
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クルーソー(2021年製作の映画)

2.0

ブリリア短編。

アニメーションとCGの技術がすごい。
キャラクターがリアルであればあるほどなんか不気味なんですよね…

街をぶっ飛ばせ(1968年製作の映画)

4.0

シャンタル・アケルマンがブリュッセル映画学校の卒業制作作品として初監督・主演を務めた短編。

「女性が小説を書こうと思うなら、お金と自分ひとりの部屋を持たねばならない」(p.10)
ヴァージニア
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(2021年製作の映画)

4.0

レオン&コシーニャが監督を、アリ・アスターが製作総指揮を務めた作品。

ピノチェト独裁政権の大臣ハイメ・グスマンと1833年のチリ憲法の制定に携わったディエゴ・プルタレス。そんなチリ政治の骨格を形
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オオカミの家(2018年製作の映画)

5.0

レオン&コシーニャ監督作品。

凄まじいものをみてしまった!!!

アニメーション技術がやばいし、物語もやばい。

主人公のマリアは、慈愛に溢れた生活共同体という皮を被ったカルト宗教共同体
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フィア・オブ・ミッシング・アウト(2020年製作の映画)

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「色々な人の、誰かといた時間」
「誰も知らない、今日を過ごす人たち」
「思い出にもならない、今日の出来事 そんなどこかの思い出に、夫はなって そして、私もなるわ」

そんな「声」のテープを残し
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IMAGINATION DRAGON(2020年製作の映画)

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幼い頃に校舎の誰も使わない部屋は何なのか、ぽっかり空いてる空間の異様さ、暗闇の先を想像して、自分だけの物語を空想していたのを思い出す。そんな体験は誰しもあるだろうし、本作の小学生たちも行っている(よう>>続きを読む

光関係(2017年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

彼らのつかえ、口ごもる会話も、盗聴して聞こえる電話での会話も、それが映画として創作され、演出し、編集されて現前する以上、嘘でしかない。そこには生活や真実も、その「気配」さえも感じられない。あるのはたゆ>>続きを読む

タブロイド紙が映したドリアン・グレイ(1984年製作の映画)

4.0

ウルリケ・オッティンガー監督の「ベルリン三部作」第三作。

国際的な巨大メディア企業のボスであるマブセ博士は、さらなる利益のために若くて裕福な青年「ドリアン・グレイ」をでっちあげ、スキャンダルを誘発し
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フリーク・オルランド(1981年製作の映画)

4.3

ウルリケ・オッティンガー監督の「ベルリン三部作」第二作。

資本教あるいはデパートの神話。

オルランドが巡る5つの「小さな世界劇場」。その劇場は歴史を縦横無尽に駆け回るファンタジーなのだが、彼ら
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アル中女の肖像(1979年製作の映画)

4.5

ウルリケ・オッティンガー監督の「ベルリン三部作」第一作。

「飲むために生き、飲みながら生きる、酒飲みの人生」(パンフレットp.11スクリプトより抜粋)

彼女がどこからやってきて、西ベルリン
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シールド(2021年製作の映画)

2.0

ブリリア短編。

他者を信用するのは難しいし、信用に足る言葉を発するのも難しい。

滲み(2023年製作の映画)

1.0

シネスコより横長なアスペクト比は物語に意味を与えるわけでもなく、顔を綺麗に収めていないから意味が分からないし、情感だけのイメージに辟易する。
しかしそれすらもつくれない私。評価されない同期。summe
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ブラジャーねこ(2020年製作の映画)

2.0

「ブラジャーねことは、ブラジャーをしているねこである」という全く無意味なナレーションに笑ってしまった。絵が可愛いからおっけい!

ザ・フライ(1986年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

うだつのあがらない天才科学者・セスが純粋な科学的探求で試みている「転送」のテクノロジー。この転送が実現すればノーベル賞の獲得は夢物語ではなく、ジャーナリストのヴェロニカも有力なネタと思い接近していく。>>続きを読む

クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

クローネンバーグは老人になっても変態で安心した。

加速進化症候群で身体に異変が生じている主人公・ソールはクローネンバーグの化身だろう。人間は環境に“適応”したため痛みを感じていないはずなのに、ソ
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さよならくちびる(2019年製作の映画)

4.3

約束破りの幸せ。

全国ツアーを終えたら解散することにした女性ギター「ハルレオ」のロードムービー。
ハル演じる門脇麦とレオ演じる小松菜奈は可愛いし、付き人のシマ演じる成田凌もかっこいい。この3人
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スキン・アンド・ボーン(2022年製作の映画)

2.0

ブリリア短編。

男は悪夢にうなされ、女は呪い殺す。

納屋にベッドがあることを不可解だと言えば結末に合点がいくが、果たして真相は。

右目を白濁させたクリスチャンは何が見えなくなったのか。セリーナの
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