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キアロスタミ「今はどんな役を演じたいですか」
サブジアン 「自分自身を」
キアロスタミ「やっとたどり着きましたか」
中年男性のサブジアンが映画監督のマフマルバフだと偽り、アハンカ家の人びとか>>続きを読む
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ブリリア短編。
成人女性であってもトップレスでカメラの前に現れるのは慎重な判断が求められるはずなのに、リリーを演じた彼女には適切な演出がされているのだろうか。
監督や物語が子どものトップレ>>続きを読む
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カナの頭の中は分かった気がする。
頭の中ではランニングマシーンが稼働して、常に世界で動くことが求められる。部屋の中でも、横になっても休めない。精神の疲労を身体の疲労に同期することが求められる。ゆ>>続きを読む
虚飾の光。
第二次世界大戦中に『リリー・マルレーン』を歌い、時の人になったララ・アンデルセン。しかし彼女はユダヤ人のロルフ・リーバーマンと親しい関係であったことが発覚してしまい、歌手活動は禁止、>>続きを読む
8月に金曜ロードショーでトトロとラピュタをみて、『千と千尋の神隠し』を観た/観直したそこのあなた!!!次観るのは、本作である!!!
千尋は油屋で働くために、本当の名前を奪われて千として働く。そのよう>>続きを読む
ファスビンダー作品をみることは人生において実害でしかない。
物語が難解で極私的なものであるなら、コアなファンがみていれば十分だ。しかしファスビンダーはハリウッドのメロドラマの手法を駆使しながら、>>続きを読む
ずっとみたいと思っていた作品がみれてよかった…!
しかも『KAZUO OHNO』の一編もみれるなんて思わなかったから尚更嬉しい。ただ、濱口監督が『他なる映画たち1』と言及した様な大野一雄と鳥の「呼応>>続きを読む
ダニエル・シュミット監督作品。
こちらも過去と現在の干渉。シュミットが面白いのは、現在が過去に一方的に干渉するのではなく、過去もまた現在に干渉することですよね。『季節のはざまで』では幼少期のヴァ>>続きを読む
ダニエル・シュミット監督作品。
「本作は、シュミット自身の少年時代の記憶を基に、祖父母が経営していたホテルを基に脚本を執筆」(https://schmidfilms.jp/ )とのこと。>>続きを読む
ミハイル・カラトーゾフ監督作品。
「ソ連の詩人エフゲニー・エフトゥシェンコの小説『私はキューバ』を原作に、1959年のキューバ革命後の民衆の苦悩を全4話のオムニバス形式で綴」(https://i>>続きを読む
ブリリア短編。
男が筋トレしたがる理由がよく分かる~
本作はインドネシアのサッカー好きのばかばかしい青年たちの物語である。ただ彼らがばかばかしいのは、彼らが「インドネシア」に生きるからでも>>続きを読む
理屈を超えて大好き。こういう物語が好きなんですよね。
主人公は大衆演劇の一座の花形女優・カミーラであり、彼女を奪い合う男たちの物語である。劇中でも演劇が行われ、そういった物語のために、本作自体が>>続きを読む
本当に素晴らしいのか??とは思うが面白い。普遍的で最悪な人間模様が十全に描かれている。
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古書店の店主・レスタンゴワが溺れていた浮浪者のブーデュを助けることか>>続きを読む
ファーストシーンは、ルノワールがテレビ番組に出演して本作の放送をアナウンスするものである。なぜ物語の本筋に関わらないこのシーンがあるのかと不思議に思ったが、「当時、新しいメディアとして登場したテレビ向>>続きを読む
敗者の習慣は脱走のみ。
ジャン・ルノワールは今年で生誕130年。来月は東京日仏学院で記念特集上映がされますね。濱口監督と三宅監督の対談回は満席のようですが、できるだけ通いたいと思います。>>続きを読む
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覗いたね?
《17歳のわたし》
安部公房の『砂の女』を読んでから、世界の何もかもが変わってしまった。
というのは大げさではあるが、少なくとも人間はふっと行方不明になれることを知った。社会>>続きを読む
破壊と再生、或いはとても幸せそうにみえる不幸。
出所した泥棒が再び犯罪に手を染めるも、ヒロインが非難することで改心し、真っ当に生き始めることで結ばれる物語なんてよくあることだ。
本作もその>>続きを読む
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ブリリア短編。
父が一番じゃなくなる時。
思春期のジェニーと父は、彼女のバスケの試合のためにホテルに前泊する。父にとってみれば、ちょっとした小旅行みたいなものだろう。しかし彼女は父に連れ出>>続きを読む
違法侵入する人、許すカメラ。
理屈を超えて大好き。高校生ぐらいまで泳いでばかりだったから、プール映画はとてもテンションがあがる。
しかしどうやって撮っているのか全く分からない。記録映画と劇>>続きを読む
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ブリリア短編。
テーマ性に優れているのは言うまでもない。サユはキューバと日本のどちらの国民にもなれない。それは見た目ー彼女の美醜の観点ではないーや言語の違いであるのだが、国民性は霧散してどこにも>>続きを読む
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ブリリア短編。
どうやって平等になるか。
ジェンダー二元論で語る危うさはあるが、そう語るしかできない。
セレーナは自身が男性と同等にサッカーがプレーできることを示して、男性と対等になろう>>続きを読む
シャンタル・アケルマン、サミ・ズリンガーバウム監督作品。
本作はクリス・マイライコスキーが部屋にいる日常風景を映しており、彼女自身の心境がモノローグで語られる。
日常風景と言っても決してド>>続きを読む
濱口竜介監督の新著『他なる映画と 1』に収録されている2つの文章「他なる映画と 第一回 映画の、ショットについて」(p.13-72)、「偶然と想像」(p.225-245)で言及されている本作。この2つ>>続きを読む
声は神の啓示。
本作をリテラルにみるだけでも十分凄いのだが、やはり『スリ』と同様、作家性の過渡期に当たる作品のように思えてしまう。本作ではナレーションはないし、ディゾルブも多用されていない。ジャ>>続きを読む
時系列でブレッソン作品をみているわけではないから、本作はブレッソンの作家性を確立するまでの過渡期のような気がする。思ったのは、音声イメージではナレーションを、編集ではディゾルブを多用している点だ。ミシ>>続きを読む
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さっそく壁にぶち当たりました。この映画が何なのかよく分からない。捉えどころがないというか、掴み所がないというか、けれど現前するイメージは自然で凄いとは思う。
主人公がバルタザールであることから混>>続きを読む
「その目は何だ」
『田舎司祭の日記』をみるため2時間電車に揺られて劇場に行ったのに、何も分からず瞳をとじた3年前。それからロベール・ブレッソンは苦手意識というか、私はまだブレッソン作品を享受でき>>続きを読む
メーサーローシュ・マールタ監督日記三部作第一作。
上映が決まってから楽しみにしていました。満席だったしすぐに予約してよかった。
さて、本作はメーサーロシュ監督の自伝的要素を戦後のハンガリー>>続きを読む
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母をみた。
私がなぜ本作のような主人公像を見放したくないのかようやく分かった気がする。
フランが生きるオレゴン州アストリアのいつまでも曇天な港町は、私の故郷である荒涼とした内陸の街に似通っ>>続きを読む
ブリリア短編。
イギリス社会で暮らすムスリムの一家。娘は新体操の才能に恵まれて競技を続けていきたいのだが、母は衣装の「露出」のために辞めさせようとする。ある日、娘は母に合宿への参加許可をお願いす>>続きを読む
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ブリリア短編。
ダミアンは水泳の練習をしている。揺れる水面。水中の静けさ。彼は水という掴み所の無いものを、それでも掴んで前に進んでいる。そして水の中にいることが彼に「何か」を想起させる。>>続きを読む
ブリリア短編。
脚本が秀逸!展開は何となく予想できるのだが、主人公・マルコムを演じた少年の演技があまりにも自然なので、展開を気にせず魅入ってしまう。
以下、ネタバレを含みます。
路上>>続きを読む
ずっと気になっていた作品をようやく拝見。DVDを渡してくれる人がいるって素晴らしいですね。
さて、本作はビクトル・エリセの監督デビュー作が所収されており、「『米国流の生活』と『暴力』という主題の>>続きを読む
1 .寝る前に2話みることを決める
2 .だいたい1話の途中で寝る
3 .朝起きて続きをみる
4 .心が沈んだまま一日を過ごす
5 .初期作品をみる
6 .もう一度見>>続きを読む
クシシュトフ・キェシロフスキ監督作品。
全10話からなるテレビドラマシリーズ。
テレビドラマといっても物語は重厚的である。物語の温度感・色味は全編に渡って舞台になる集合住宅のようにコンクリート>>続きを読む