まぬままおまさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

おじいさんのボート(2020年製作の映画)

3.0

ブリリア短編。劇場でみれないのが残念だ。

家族に迷惑はかけたくないが、孤独死を恐れるおじいさん。

ボートをつくっていたら、一階は水浸しになるし、壁の穴はトンネルにつながっているし…
日常
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在りのままで進め(2023年製作の映画)

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こちらもキャストがとてもいい。それも群像劇としてひとりひとりの問題や葛藤が丁寧に描かれているから、心情を理解できる。

それは反面、それぞれの劇が当たり障りがないということでもある。子育てと俳優業
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在りのままで咲け(2023年製作の映画)

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水村さんさすがだな…
自分の作品になっている。あれだけ感情を表出させて、カメラと人物の心理的な距離を近づけるのはなかなかできない。「映画」になっている。

特に物語として新奇性はないのだが、スト
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ほかげ(2023年製作の映画)

3.5

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趣里の演技で+1.5。戦争を止める気がありますか?

ファーストシーンがもう違和感しかない。これは『斬、』からの連続ですが、女性を乱暴に扱うことを物語のフックなどに使うなよ。第一、女が逃げられない
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斬、(2018年製作の映画)

1.0

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塚本晋也がちゃんばらごっこを楽しんでいるだけの作品。それ以上でもそれ以下でもない。

もう女性が強姦されることを主人公が心情変化する要素と化すのをやめませんか。人間の愚かさや惨さを表現するために、
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野火(2014年製作の映画)

1.0

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「男の子の映画」だな。死者への冒涜だ。殺害の描写だったり、美術や特殊造形で惨い画をつくり観客にショックを与えたいだけの作品で戦争を題材にするなよ。

品徳をもって描いてほしいんです。

映画は
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鉄男 TETSUO(1989年製作の映画)

4.0

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塚本晋也監督の脳みそには鉄がぶっ刺さっていると思う。凄すぎる。

鉄男たちの造形は言わずもがな、美術も凄いし、コマ撮りも面白すぎる。
自主映画はこういう風につくらないといけないんだよな…「パッシ
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励ましの言葉(2004年製作の映画)

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ブリリア短編。

男に浮気されたらしい友達に励ましの留守電をかける女性。

2004年に制作した作品をなぜいま取り上げるのか。
ジャンルがシスターフッドだから?ホームビデオの質感の再評価?
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よき仕事(2020年製作の映画)

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ブリリア短編。

スタンダードで構図はシンメトリーだから重厚さが漂っていますが、コメディーなんですか…コメディーといっても、内容はナチと迫害されたユダヤ人の役を登場させるもので、だったらブラックコ
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甘露(2023年製作の映画)

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1シーン1カットで亡き父の思い出を兄弟で語る物語。

リアリズムの語りの中で突飛なフィクションを織り交ぜるのが田中監督の特徴だと思うし、なるほどな~と感じつつ、なんだかな…。発話がフィクションを作
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Shall We Love You?(2022年製作の映画)

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1シーン1カットの会話劇。

演劇部に所属している女子高生たちが、体育館の片隅で何気ない会話している。
中央に座っている彼女が、演劇のセリフを発するとき、何か真正さが現れている気がした。
「ボ
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ぬけがら(2020年製作の映画)

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おそらく息子を交通事故で亡くし「ぬけがら」と化した母を主人公にした物語。
喪の経験を埋める日常はそうそうになく、彼女はいつものように息子のもとへ傘を渡しに行く。息子は亡くなっているのに。
突飛なフ
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淵に立つ(2016年製作の映画)

5.0

深田晃司監督作品。何たる傑作。なぜ今までみてなかったのか。

夫と妻と娘のどこにでもいるような家族。夫と妻の仲が冷え切っているのもよくあることだが、それなりにうまくはやっている。ピアノの旋律のよう
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

5.0

ケリー・ライカート監督作品。
2021年に特集が組まれて4作品とも凄い作品だったから、本作もみれてよかった。風景とロードは『ウェンディ&ルーシー』『リバー・オブ・グラス』だし、西部劇の捉え直しは『ミ
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サタンタンゴ(1994年製作の映画)

5.0

驚愕の438分。あまりにも強烈でインターミッションで日をまたいだ。それでもカット1の衝撃とまさかの3時間30分後に劇的な展開が待っているなんて、そんな映画体験は他の作品ではできない。

カット1は
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10ミニッツ・オールダー イデアの森(2002年製作の映画)

5.0

こちらは『イデアの森』または『CELLO』と呼ばれる方。『TRUMPET』よりアート性や実験精神が高い印象。それもゴダールの作品が全く意味が分からなくて最高だからなのも大きいと思う。

以下、各作
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10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス(2002年製作の映画)

5.0

2002年に製作されたオムニバス映画。2巻から成り、15人の監督たちは「時」に関連した10分間の短編作品をつくっている。15人の監督は巨匠ばかりだ。アキ・カウリスマキ、ビクトル・エリセ、ジム・ジャーム>>続きを読む

いますぐ抱きしめたい 4Kレストア版(1988年製作の映画)

4.5

ウォン・カーウァイ監督デビュー作品。

デビュー作からおしゃれでかっこいいとかもう最高です。
マフィアの抗争での男の友情パートと恋愛パートのアンバランスさも全く問題なし!!!若者の刹那的な生が十
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彼方のうた(2023年製作の映画)

4.9

2024年の邦画ベスト10に必ず入ります。映画館でみることを強く薦めます。

本作は、主人公・春の心情変化を追う物語ではない。そうではなく、映画をつくりみる営為とは何かを辿る物語である。そしてそれ
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

1.1

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久しぶりにろくでもないアメリカ映画をみた。

主人公をアフリカ系の男、妻をアジア系にしてさしあたりのポリコレを担保しつつ、やっているのは軍事大国アメリカのお遊び殲滅。お前らはぶっ壊すことしかできな
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イノセンツ(2021年製作の映画)

4.0

イノセンツな力。

日常の風景として、子どもがちょっとおかしな行動をしたり、意味もなくはしゃいでいる様子をみて、着想を得たと思われるそんな作品です。

以下、ネタバレ含みます。

イノセン
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汚れた血(1986年製作の映画)

5.0

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レオス・カラックス監督の「アレックス三部作」第二作。

アンナ(ジュリエット・ビノシュ)とリーズ(ジェリー・デルピー)が綺麗すぎて鼻血出そうになった。そしてレオス・カラックスはジュリエット・ビノシ
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ドラゴン騎士団(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ブリリア短編。

なぜシネスコなんだ…
室内が多いと意味が逃げてしまうんだよな。しかも人物を寄りにすると背景がスカスカになってしまうし。

ドラゴンが恐い存在なのかどうかもよく分からないし、親のドラゴ
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燃えよ!プチドラゴン(2009年製作の映画)

3.0

ブリリア短編。辰年だからドラゴン特集?

新年からこれは良作です。
ブルース・リーに愛を捧げている素晴らしい作品で、内容はいい意味でくだらないのですが、映像表現はとても優れている。彼が最初に入っ
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笑いのカイブツ(2023年製作の映画)

4.3

全くノーマークでふらっと観にいったのですが、凄い…
岡山天音が凄すぎた。もはや人間ではない。笑いに取り憑かれた異常で奇怪なカイブツを見事に怪演している。そして岡山さんの脇を固める仲野太賀も菅田将暉も
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トータル・バラライカ・ショー(1994年製作の映画)

4.0

アキ・カウリスマキ監督作品。これで特集作品をすべて観賞することができました。嬉しい!コメントでランキング載せたいと思います。

本作は「冷戦直後の1993年6月、レニングラード・カウボーイズと旧ソ
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ル・アーヴルの靴みがき(2011年製作の映画)

5.0

アキ・カウリスマキ作品。

『ラヴィ・ド・ボエーム』の後日譚ではあるが、みていなくても全く問題なし!!!
市井の人が助け合い希望の光に溢れた傑作です。

本作はフランスの港町であるル・アーブ
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ポルトガル、ここに誕生す ギマランイス歴史地区(2012年製作の映画)

4.5

ポルトガルの古都ギマランイスを舞台に、4人の名匠(アキ・カウリスマキ、ペドロ・コスタ、ビクトル・エリセ、マノエル・ド・オリヴェイラ)が短編を撮ったオムニバス作品。

4つの作品にそれぞれよさがある
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白い花びら(1998年製作の映画)

4.5

今年、はじめて劇場でみた作品になりました。いい新年を迎えることができました~

そんな本作はアキ・カウリスマキ監督の20世紀最後の音楽付きサイレント映画。

田舎でキャベツ農家をして仲睦まじく
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

2.8

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ヴィム・ヴェンダース監督作品。

30年後の自分をみているような感じだったな…全然ありえる。
ただ「こんなふうに生きていけたなら」と思うぐらいがちょうどよくて、実際にそう生きたら「完璧」なんて思
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Bico(2004年製作の映画)

4.0

アキ・カウリスマキ監督短編作品。

スペインとの国境地にまたがる山岳地帯にあり、ポルトガル唯一の国立公園に指定されているジェレス国立公園。その公園内にあるビコ村の暮らしをドキュメントした作品。
カウ
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Valimo(2007年製作の映画)

4.0

アキ・カウリスマキ監督短編作品。

鋳物工場労働者が昼休みに映画を見る5分間の短編。
工場と労働者が登場することは、カウリスマキ作品の特徴であり、リアリズムに徹した描写はさすがである。しかしリュミエ
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愛しのタチアナ(1994年製作の映画)

5.0

アキ・カウリスマキ監督作品。
女慣れしていない仕立屋のヴァルトと修理工のレイノ。彼らのふとした旅に、バスがエンストして車の足を頼む二人の女がやってくる。この乗り合わせでしかない彼らがゆるゆると旅をす
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ラヴィ・ド・ボエーム(1992年製作の映画)

4.5

アキ・カウリスマキ監督作品。

愛しているけど、貧乏だと生きられない、か…泣きますね。

貧乏な作家と画家と音楽家がひょんなことをきっかけに仲良くなってビジネスをする青春劇。青春といえるほど彼
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Good Luck My Road(2023年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

井筒しまさんのアイドル映画にできなかった時点で本作は敗北である。

脚本は文字でみれば完璧だったんだと思う。けれどどのようにキャスティングして、映画にするかで印象が変わってしまう、この難しさがよく
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あと さん ねん(2018年製作の映画)

3.5

ブリリア短編。
これは良作。今年のブリリア短編のベストは『男と女と魚料理』なんですが、次点にしたいぐらいいい作品だった。それもコメディにあるべき笑いと悲しみの塩梅が絶妙だからなんです。

以下、
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