正しさの価値観が劇中に起こる事件によって揺さぶられる。派手さはないが、じわじわと引き込む演出力はさすが。
親と子という自明かつ良心的な関係性が、異形のものへと変わっていく様が、湖畔の別荘という限定され>>続きを読む
水木洋子氏の描く脚本が素晴らしいと思った。戦後間も無くを舞台に劇的になりそうな出来事があっさりと描かれている。その中での諦念や絶望、先がないのかあるのかわからないような状況の中での母の人生について、決>>続きを読む
眼前に起こっていることは、激しいボクシングのアクションも含め、静かな営みの連続として映される。しかし、ケイコ自身とその周りとの関係は確実にかつ劇的に変化していることを知覚する。自分がそれと同化していく>>続きを読む
素晴らしい映画には物語を超えてくる瞬間がなければと思っているが、ここまで物語の密度が高くて面白いと、必ずしもそうではないのではという気持ちになった。あと、登場人物の心情を劇伴で表現していないところがと>>続きを読む
家父長制を代表する既存の価値観への反抗を描いていると思う。さらに、pcと神の関係から、テクノロジーが神を超えていると訴えているようである。しかし最終的には使用者により世界は良くも悪くもなるという結びの>>続きを読む
やはり登場する度に「はんにゃ!」となる。
優れているとは思わなかったけど好きな作品でした。
ハッピーバースデーのシーンがやはり見事、と思い脚本を読んでみたらハッピーバースデーの歌の下りは脚本にはなかった。どのタイミングで考えついたのだろう。
ハラハラドキドキしたしゾッとしたし爆笑したし泣いた。確かに、人生において最も感動することは、言葉にできない偶然を誰かと過不足なく共有した瞬間かもしれない。でもそれは口で説明できることではなく映像でない>>続きを読む
試合は臨場感たっぷりで、傑作である漫画をベースにその良さをブーストさせたように感じて、とても良かった。一方でドラマ部分は内容の重さに対して、カメラの置き場所や演出の陳腐さが気になり刺さらなかった。
今でいう、発達障害のようなことだと思うのだけど、見ていて辛いし、すごくシンパシーを感じる。みたあとに引きずる
固定の低めのカメラで事細かく、主婦の日々のルーティンを描く。それが少しづつ崩れていく様の表現は凄まじい演出力だと思った。
単調にみえて、実は、導入・葛藤・解決と、脚本のシンプルな形が組まれており、な>>続きを読む
死そのものに関してはあまり触れないところがよかった。
ポール・トーマス・アンダーソンの映画は、テロップやタイトル、ナレーションがないところが好きだ。
話題のカルト宗教に関する映画だが、描いていることの本質は孤独や疎外に関してと思う。
ホアキン・フェニッ>>続きを読む
まだときめく。デートが決まったあと、いつもの仕事をるんるんするフェイウォンの姿が可愛いし、あるあるとなる。
こわれしまった女、こわしてしまった何かを考える。劇中にでてくる「こわれもの」のモチーフ。。
子供たちの存在が心を抉ってくる。観てて辛かった
父親になってみると、親になる前にあった攻撃性がどこかにいくものだと思ったりしたが、そんなことはなく、理性においては「親」への変化を徹底する一方「親」とは相入れぬものが自分の中に蠢いている。その実感はあ>>続きを読む
長回しにいい意味で癖がなくて、作品に没入できる。音楽で作品の緊張感を左右させる感じはあまり好きではなかったけど、それを差し引いても、常に説得力のある画作りがとてもよかった。
姉が7人いたら、物心つい>>続きを読む
個性的なスター、魅力的な映像、独特の物語、語り口。自由で洒落た世界が魅力的なザ・ウェス・アンダーソンな映画で人気なのもうなづける。個人的にはグッとくる要素があまりなくて好きではないけど、好きな人はもの>>続きを読む
アフリカに帰りたい(?)アメリカ生まれアメリカ育ちの黒人がいるわけねえだろと思い、まずそこが気になった。日本人的な嫌〜な発想な感じがして、ダメだった。
ただ、殿の、仕事に嫌気がさして、というか元々興>>続きを読む
物語としては、やはり、災害に対し、ビルや電車や重機など、生活の中の物体で勝つ、という点にカタルシスを感じる。
一方、画音的な点では、独特の表現(岡本喜八流)で、好き嫌いあると思うが、少なくとも陳腐で>>続きを読む
男!が特にいい意味ではなく、かつ意識的に悪くもなく、表れていて、ああこういう世界はかつてあったと思う。実は、「有害な男らしさ」に自覚的だと思う、マイケル・マンは。ラスト、車に取り残された女性のショット>>続きを読む