slowさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

slow

slow

映画(2675)
ドラマ(7)
アニメ(0)

ジャスト 6.5 闘いの証(2019年製作の映画)

3.6

『ウォーデン〜』と本作と、急にイラン映画推ししてくると思ったら勝手に信頼しているオンリー・ハーツの仕業だった。出演している役者も両作でけっこう重複していて、主演はファルハディ映画の常連だったペイマン・>>続きを読む

ウォーデン 消えた死刑囚(2019年製作の映画)

-

刑務所の引越し中に消えたひとりの死刑囚。昇進を目前に控え上機嫌だった刑務所長は、一転して窮地に追いやられる。果たして、その行方を突き止めることができるのか。

静かで地味な作品でありながら、とにかく画
>>続きを読む

羊飼いと風船(2019年製作の映画)

4.2

太陽に透かしてごらんなさい。大切なものが見えるまで。雨に濡れてごらんなさい。傘と知らずにさすのなら。風に吹かれてごらんなさい。間に合わなくなるその前に。知ることのできるものは、知らなくてもいいことばか>>続きを読む

水を抱く女(2020年製作の映画)

4.5

キム・ギドクぽい邦題。雰囲気も少し似ているかもしれない(音楽の使い方など)。しかし、もっと感じたのは手塚治虫的な神話の描き方というか、今までもペッツォルト監督の作品からは怪談話のようなおどろおどろしさ>>続きを読む

クイーン&スリム(2019年製作の映画)

4.5

間違いは誰にでもある。あってはならない間違いや、考えられない間違いが起こることもある。問題は、その間違いが間違いではないことにされること、間違いではないとまかり通ること、それにまつわる全てを思い込むこ>>続きを読む

ホモ・サピエンスの涙(2019年製作の映画)

3.7

これはもう映画とはまた違う代物で、もちろん絵画でもなく、では漫画でもないだろうと言われればそれは遠からず、4コマ…6コマ漫画程度のコンパクトな、しかし、エピソードに関しては乏しいある日常の断片、その羅>>続きを読む

チャンシルさんには福が多いね(2019年製作の映画)

3.9

今日迄の日々はしっかりとわたしの受け皿となり、できるだけ調子に左右されない生き方ができるよう、わたしがわたしでいられるよう、静かに黙って、器としての役割を担っていてくれたのだな。今、割れてしまったそれ>>続きを読む

マローナの素晴らしき旅/マロナの幻想的な物語り(2019年製作の映画)

4.3

犬にとって、少なくともマローナにとって、世界はとてもアナーキーなものなのだと思う。でも、もし人が犬とかかわる時の、家族となる時の、かける愛情を奇跡のように感じ、幸せだと感じてくれる、そんな瞬間がほんの>>続きを読む

天国にちがいない(2019年製作の映画)

4.1

これは大笑いできるコメディともまた少し違う、でもジャック・タチの系譜と言っていいのかもしれない。絵的にはロイ・アンダーソンのようなところもあり、風刺とも取れるシーンの数々はオストルンドを想起させる(オ>>続きを読む

シャークネード ラスト・チェーンソー 4DX(2018年製作の映画)

3.8

他人のふんどしでどこまでも突き進んで来た文字通りでしかない飛ぶ鳥も落とすシャークネードシリーズも遂にラスト!このシリーズのピークはやっぱり二作目だったと思うし、それ以降は失速していってしまったけれど、>>続きを読む

シャークネード5 ワールド・タイフーン(2017年製作の映画)

-

もうこの世界を当たり前に受け入れているコアなファンたちにピンポイントで捧げたとしか思えないシリーズの五作目。前作に引き続き、犬ぞり乗りたかっただけかとか、まるでマッドマックスなギタリストだとか、目に飛>>続きを読む

シャークネード エクストリーム・ミッション(2015年製作の映画)

-

大統領!おおールーカス!不時着からのセクシーコマンドー!あのレース場の映像にサメを合成させちゃう感じとか、フィンのコスプレ映画になってるとか、やりたいことやったもん勝ち青春なら。大集合したシャークネー>>続きを読む

シャークネード カテゴリー2(2014年製作の映画)

-

あれ、これ数あるサメ映画の中でもクオリティ高くない?(麻痺)。CGとか微妙にチープ…程度で済んでいるし、割とまともに観ていられる。どうやらこれはシリーズ物で、本当は一作目から観た方が良かったやつ。様々>>続きを読む

イコライザー2(2018年製作の映画)

-

太めのパンツにハンチング。日本人男性のサンデースタイルとしては少々敷居が高いけれど、デンゼル・ワシントンはそれが生まれたままの姿であるかのように似合ってしまうんだな。もう内容は正直何だってよくて、彼の>>続きを読む

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

これ妻(妊婦)がストレスから異食症となる物語として観てしまうと、ラストの展開が唐突に感じられると思う。ここに書くのは自分なりの解釈であり、少し他の方とは違う見方をしてしまっている可能性も。それはいつも>>続きを読む

フロッグ(2019年製作の映画)

-

低予算ながら下味、隠し味の効いた作品を作る。売れっ子監督になるための条件はシンプルだけど言う程簡単ではないのだろう。そういう意味では合格ラインに到達している作品だと思うけれど、目の肥えた映画ファンには>>続きを読む

バトル・オールナイト 武装集団の襲来(2020年製作の映画)

-

戦闘服とか見た目はかなり俊敏そうなのに、いざ戦闘となると昔のテレビゲームみたいな動きになるのツボ(伝わらない)。状況設定、サウンド演出など『要塞警察』を意識しているのかな。けっこう展開雑なんです。上手>>続きを読む

ファイナル・アワーズ(2013年製作の映画)

-

こういうの愛おしくなる。でも惜しい。でも好き。ただ普通に観てもまあ合格点(謎の)はあげられる出来ではあるし、主人公は照英だったけれど、女優陣が演技上手くて見入ってしまった。ゾーイ素敵!ヴィッキーが怒っ>>続きを読む

君の誕生日(2018年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

これは核となる出来事を伏せておいた方が、家族に突然訪れた悲しみの深さや、埋められなくなった穴の大きさを、ある意味追体験に近い形で観ることができただろうし、その心情に寄り添えたのではと思う。そういう映画>>続きを読む

ヒトラーに盗られたうさぎ(2019年製作の映画)

-

繰り返されるのは、大切なものを守りながら、それと同時に、その中から大切でないものを選び続けなければならない、そんな日々だ。

ナチス関連の映画(日本の戦時中映画も)は大体悲しくなり落ち込むのであまり観
>>続きを読む

マーティン・エデン(2019年製作の映画)

-

眠らず働き続けたてのひらが記憶を辿っている。不思議な手触りだ。しかし、これは辿っているだけで、遠去かっているのだろう。残らないのは、何も最初と最後の二つではない。きっとこの感触さえも消えて、わたしはま>>続きを読む

恋する遊園地(2020年製作の映画)

-

『恋する遊園地』。このタイトルから閉園が決まった遊園地とそれを愛してやまない女性が残された時間を思い出に浸りながら過ごす姿を淡々と丁寧に描いたザ・ミニシアター系映画と予想していたら全く違うベクトルのザ>>続きを読む

バックマン家の人々(1989年製作の映画)

-

これ国も時代も違うけれど、『ひかりのまち』のようなお話だったな。鑑賞中は全然そんなこと思わなかったけれど、終わってみればそんな気がした。若かりし頃のキアヌとホアキンが戯れあっている姿を見られる貴重な作>>続きを読む

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

今のように誰もが自分の意見を世界に発信できる時代ではなかった頃に、あらゆる向かい風に耐えながら社会を生き抜いた人が本作を観れば、中にはこれくらい普通だよと思う人もいるだろうし、自分もこうやって吐き出せ>>続きを読む

The Recorder Exam(英題)(2011年製作の映画)

-

これはギュッとした『はちどり』。小学生のウニがそこには居た。この短編、そして長編。伝えたいことはそれぞれにあったように思え、骨組みは同じだけれど、余韻は少し違うものだった。この短編から紆余曲折を経て『>>続きを読む

はちどり(2018年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

ある人がこの手指は宝だと言った。せっかく与えられたものだから、動かせる間、使わせてもらっている。そんな風にその人は言った。手を引いて欲しいわけでも、目を覆って欲しいわけでもない。贅沢は言わない。わたし>>続きを読む

疑惑とダンス(2018年製作の映画)

-

ファルハディが下品に全振りしたら、みたいな映画だった。こんな面倒くさい人間ばかりが集まったパーティーは嫌だ。腹の底から笑いたいのに徐々にキリキリしてきて観てるこっちまで居心地悪くなってくる。なんだ、な>>続きを読む

萌の朱雀(1997年製作の映画)

4.8

父と母が好んでよく聴いていたレコードの、ピアノの音色がわたしは好きで、何よりそれを家族で聴いている時の、あの優しい時間が大好きだった。村を離れて暫く、母との何気ない会話の中で、当時の思い出が風鈴のよう>>続きを読む

THE CROSSING ~香港と大陸をまたぐ少女~(2018年製作の映画)

-

わたしたちはまだ魚影の群れのように不確かで、与えられるものと果たすべきことの交わりに戸惑い、水面に萌える夢や罪も、反射する街のネオンと同じ、一つ一つ思い出したりはしない。これは夢だろう。キラキラとした>>続きを読む

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)

-

低予算(実質シャマランの自主制作だそうな凄過ぎ)という理由はあるにせよ、敢えて役者に頼り切っているところに逆に迫力を感じるし、アメコミ映画では見られないテンポの悪さが妙に人間くさくてツボだよタマラン。>>続きを読む

ザ・ハント(2020年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

B級スリラー映画でありがちな美女の登場にさては彼女が不死身(絶対死なない)のヒロインだなと勘繰っているとその人がエマ・ロバーツであると気が付き個人的に『パロアルト・ストーリー』以来の再会だと喜んでいた>>続きを読む

行き止まりの世界に生まれて(2018年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

ザックがエドワード・ノートンの若い頃のようだなとか、『雨の日は会えない〜』でファックを連発していたあの子を思い出すなとか。色々と余計なことを考えながら鑑賞。『mid90s』より先にこちらを観たのだけれ>>続きを読む

mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

-

捲し立てるようにやりたい放題やって観客に有無を言わさず走り抜けて行く感じからは、古き良きインディペンデント映画のDNAのようなものが伝わってくる。近年あまり観ていなかったな、こういう映画。これがセック>>続きを読む

マティアス&マキシム(2019年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

本作は原点回帰のようでもあるけれど、もっと遡った、まだただの映画好きだったドランが衝動を抑えられず撮ったような、そんな瑞々しさを端々に感じる作品となっていた。これドランがいくつかの映画に感化されて撮っ>>続きを読む

モンスターハンティング 復讐の狩人(2018年製作の映画)

-

神々のたそがれそうな森の中で娘の命をモンスターに奪われた男がレヴェナントのオスカー俳優ばりに復讐に燃えるお話。モンスターは狩ります。でも戦闘シーンはほぼなしなので、そこを期待してはいけない。正直何を期>>続きを読む

朝が来る(2020年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

待ち合わせに来たのは、約束の人ではなくて、思い描いた誰でもなくて、それでもわたしが抱きしめていたい宝物を差し出すのは、思い描けるものではどうせ約束には足らず、約束の人が来ないことも、本当はわかっていた>>続きを読む