2013年にこんなに「西部劇」している現代アメリカン・シネマがあったとは知らなかった(蓮見先生教えてくれてありがとう)。
アメリカ南部田舎で若いカップルが起こした強盗事件その後、というノアール映画のあ>>続きを読む
59年の120分リメイク版を先に観てしまっていたら、オリジナル90分版は無声映画故に物語のディテールが圧縮されているため、物足りなさを感じてしまう。こちらを先に観てから59年版「浮草」を観ていたら印象>>続きを読む
ファズビンダーについてのドキュメンタリーとしてはもう少し彼の人間性に踏み込んで欲しかった。。16年の短いキャリアで薬に溺れながら33本もの映画を撮ってバイセクシャルで公私混同の末に役者を2人も自殺に追>>続きを読む
下層階級の娘が目先のカネとブルジョワおっさん達に惑わされ堕ちていく救われない話。
警察沙汰起こしてスレた女になったあや子が実家に戻るシーンが切ない。腫れ物扱いされつつ家族の食卓で「すっき焼きやないか!>>続きを読む
田中絹代が溝口との関係を問われるシーンは一見の価値あり。
「あんなにユーモアが無くてつまらない男はいないですよ」と切り捨てつつ監督としての敬意を熱く語っており、真相は溝口さんの片想いだったのが間違いな>>続きを読む
溝口の長回しスタイルが1939年当時、既に完成してることに感嘆した。私的日本映画の傑作ベスト5にはランクインするかも
長回しの時間軸で役者の動きを緻密に考慮して設計されたであろうセット美術と撮影が尋常>>続きを読む
大人になって色んな音楽を聴くようになってからはビートルズの神格化に嫌気がして聴く頻度も減っていたけど、このドキュメンタリーを観てビートルズの偉大さに改めて敬意を抱いた。
ツアー巡業を辞めてスタジオでア>>続きを読む
1967年に敢えて三船を据えてモノクロ撮影というのはジャンル映画「時代劇」をアップデートする試みと捉えて鑑賞した。シンメトリーで幾何学的な構図や、個人主義が封建主義の理不尽に反撥する物語からは60年代>>続きを読む
一作目にしてクロネンバーグ要素はしっかり在るけど、かなり商業性を意識したのでは無いだろうか。後半のゾンビ展開とかエロが満遍なく差し込まれていて正統派な低予算70年代ホラー映画だった。森ビルのレジデンス>>続きを読む
パナヒさんは二代目キアロスタミ襲名で良いんじゃないだろうか。
長回しカットでの構図とカメラの動き、対象が常に極ミニマルなので、時間が経過すればするほど対象へ視点が集中してシーンに惹き込まれる。
「ドキ>>続きを読む
飯田蝶子さんを堪能出来る映画。こういう普通の庶民のオバちゃんをメインに据えた映画を普通に製作していた当時の松竹は本当に良心的だな。
編集のテンポが後の小津作品よりもゆっくりめで、シーン転換時の静物カッ>>続きを読む
1954年にここまで生々しく泥沼不倫を描く映画がある事に戸惑った。嫁入りした原節子と義父との関係性が東京物語の紀子役と被る部分があるので比較してしまい、今作の原節子が嫁入りした家庭が牢獄そのもので不憫>>続きを読む
リリース時に劇場で見て以来、久しぶりに観たら記憶の100倍も素晴らしい傑作だった。
表層的には黒人の殺し屋の「武士道」と白人マフィアの「仁義」が対立するジャンル映画のクロスオーバーだけど、ゴーストドッ>>続きを読む
脚本の一部が戦時中の検閲で削除されたとwikiにあるけど、加筆された部分もあるのかとても気になる。息子が徴兵検査に合格して「おめでとう」と父親が言うはシーンは「言わせられた」感じ。。息子が従順すぎて葛>>続きを読む
80年代シアトルで10代前半の子どもたちが路上生活する日常を捉えたドキュメンタリー映画。昔に授業で観たが、当時14歳の娼婦タイニーの30年後を描く続編TINY: The Life of Erin Bl>>続きを読む
共同脚本監督が後のデビッド・リンチのプロデューサーになるモンティモンゴメリー。そのせいなのかリンチ(かジョン・ウォーターズ)が描きそうな50年代アメリカーナ世界観で革ジャン不良バイカー達が田舎のガソリ>>続きを読む
低予算かつ地味な演出の暗いドラマという印象で名作とは言い難いけど、シャブロルの50年に渡るキャリアの一作目という点では観るに値する映画と思う。後半の雪景色の村を背景にしたシーンがとても綺麗。主人公の顔>>続きを読む
ほぼキアロスタミ作品だったけど、師匠亡きあとのパナヒの他の作品も観てみたい。ほぼ脇役の風船売り少年の最後の寂しそうな佇まいがこの作品の主題なんだろうな、題名にも納得。
田舎に住んだ事ある人なら分かる、あのなんとも言えない孤独感。ライヒャルトは静かに落ち着き払った叙情性が好きだ。チルなフェミニストシネマ
この酷い邦題のセンスは冒涜的。彼女たちは選択を迫られていないし、>>続きを読む
屈強なボディガードが階段で転けて運良く暴発とか、そんなわけあるか!と突っ込みたくなるが、ロマンスや脱線する与太話の面白みが本筋の映画だと思って笑って許せる。今観るとタランティーノ以降にこういう強盗ノア>>続きを読む
サイレント時代のほぼ最後なので、構図とカット割りは小津らしさが随所に見られて割と楽しめた。
弟「犬はめしだよ」
父「犬はめしぢゃねぇか!」
キャプションでこんなセリフ出たら笑ってしまう
タヴェルニエ鑑賞2本目、やはりこの人の作風は好きじゃないな。SFプロットも役者も撮影も最高なのに何故こんなに退屈に出来るのか。
ハーヴェイ・カイテルはかなりの熱演。ハリーディーンスタントンとの共演が観>>続きを読む
植民地支配の社会では、個人が土地を愛してもその土地からは愛されないのが哀しい。
白人女性の主人公にとってアフリカ植民地は故郷では無いが農園運営こそ彼女のアイデンティティで土地への愛着もあるので彼女が離>>続きを読む
現代ハリウッドにも良作「シネマ」があるのを改めて痛感。脚本もゼメキスの演出もトム・ハンクスも、作品そのもののメッセージも素晴らしかった。歯医者は行ける時にちゃんと行っておこう。
原題: Mr Klein
アランドロン演じる主人公が同姓同名のユダヤ人と人違いされたので「もう1人のMr. Kleinを探す」それだけの話ではあるけどナチス占領下、かつ自分はユダヤ人から搾取している側>>続きを読む
若さ故の感情を拗らせてた学生時代をアラサー独身女性2人が振り返る、でも社会人として独立して少しは大人になった彼女たちの現在も特に幸福なものでは無いのが物哀しい。哀感とシニカルさで満ちているけど、辛い記>>続きを読む
英題: Abuse of weakness
ユペール演じる裕福な女性映画監督が脳出血にかかり半身不随になる。それでも次作への意欲を持つ彼女はTVで観た元詐欺師の男に興味を持ち次作の主演にしたい、とコン>>続きを読む
マーチャント=アイヴォリー映画の原点みたいな作品だった。時代的にもかなり影響されているのでは?英国貴族たちの田園風景に囲まれた優雅な暮らしを観てるだけで満足。ジョセフロージーもっと観たい
蓮見先生と黒沢清が絶賛してたので観てみたら最高だった。スピルバーグもちゃんと観ないといけない。
不気味でエロ怖い
仲代達矢3回目の「からすみを持って参ります」は笑ってしまう
宮川一夫の撮影がめちゃスタイリッシュ
数ある黒澤の傑作映画の中でも格上の傑作。恐怖心は希望や喜びと一組セットで切り離せないという仏教の考えを繰り返し思い返させる映画だった。
「あなたは何がそんなに不安なのですか?」と聞く家裁の調停員に「不>>続きを読む
ミステリーのプロットがそこまで興味を引かなかった。別荘内の密室劇なのであまり動きが無く、風変わりな屋敷住人達もそこまでおもしろキャラなわけでもなく。シャブロルの品のある画面とフィリップノアレを観る分は>>続きを読む
シンレッドライン以降のテレンスマリック、頑張って見続けてるが忍耐力が試される。。Tree of Lifeや Voyage of Timeよりは見やすいけど物語要素が薄いのでほぼ自然崇拝の映像美だけで3>>続きを読む
商業ジャーナリズムや堕落した弁護士=悪、理想主義の芸術家と病気持ちの娘=善という善悪二元論が現代視点で観ると青臭く感じて物語を受け入れられなかった。お忍びで1人旅行を楽しんでる女性の部屋に堂々と上がり>>続きを読む
ジェームズ・コバーン演じる精神分析医がアメリカ大統領の心理セラピストに抜擢される。国家機密を知る立場となったコバーンは常にFBIとCIAの監視下に置かれる事になりノイローゼに陥る。。かなり軽いノリのコ>>続きを読む
90年代後半のソダバーグはインディでパルムドール取った後にハリウッドで自分の立ち位置を模索している感じ。良心的で心温まるドラマだけど商業的にはパッとしなかったらしい。この映画のすぐ後にジョージ・クルー>>続きを読む