フリーアズアバードさんの映画レビュー・感想・評価

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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.8

前作と比してエンタメに寄せてきましたね。劇場で映像と音のド迫力を体感しないと、良さが半減してしまいますコレ。IMAX大正解でした。個人的には前作の方が、派手さ控えめに、時間をかけて丁寧に伝える感で"ジ>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.2

前作で"まるくなった"印象を受けたランティモス度が戻ってきた感があって、嬉しい限り。大好物な監督作であるものの、141分の中で、ひと時も退屈を感じる瞬間がなかった。鑑賞前は「どうなの?」って思っていた>>続きを読む

Saltburn(2023年製作の映画)

3.7

エメラルドフェネルの新作は、不快さや不気味さを見せ付けながらも、そこかしこに彼女らしい感度の高さが滲み出ていて、「単にキモい」といったソレとは一線を画していて心地よい。脚本も面白いですが、題材が苦手な>>続きを読む

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

3.4

中学時代にレイダースを観た時に感じた"楽しさ"は正に、遊園地にいる時のソレでした。もう新作には逢えないと思っていたので嬉しい限りの本作。過去作品の踏襲すべきところを押さえながら、変わらずワクワク、ドキ>>続きを読む

非常宣言(2020年製作の映画)

3.5

韓国のエンタメ作品ってホント凄い。ソンガンホ&イビョンホンのベテラン勢の名演と映像や描写もですが、シナリオもシラけさせる事ないギリギリの線でリアリティを持たせて、ハラハラドキドキさせてくれました。シン>>続きを読む

ゴーストワールド(2001年製作の映画)

3.7

"低体温系青春映画"を再上映で鑑賞。映像、音、ファッション…全て自分のソレとは違う引き出しで描かれてるから魅了される。誰もが自分はフツーじゃなくて特別だって思ってる。だけど、いつかは世間と折り合いを付>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.8

ウェス作品中、最も難しかった。50年代アメリカのテレビ劇や、軍国主義に対する批判。更にはクィアな視点まで盛り込まれちゃったら、消化できずに不完全燃焼感のまま劇場を後にするしか無かったです。一方でクリエ>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.9

大好きな俳優ソンガンホが出演する是枝作品なんて、ダメ映画な訳がないという前提で鑑賞。結果期待値は下回ったものの、想像していたより"心地よい"作品でした。登場人物それぞれの立場、視点で考えさせられ、そこ>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

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宮崎駿自ら監督したジブリ作品で、初めて「何を伝えたいのか」が理解できなかった。
世相を反映した上での「幸福感や価値観の選択」を訴えかけているのではあろうけれど、その"軸"が汲み取れなかった。82歳にな
>>続きを読む

エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

3.5

前作が秀逸過ぎて、まさに"背筋が凍る"怖さに対して、エスターに対する免疫ができてしまった事もあるでしょうけど、本作は想定内の怖さに留まった感。とはいえ、十分恐怖を楽しめますけどね。

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.9

まずタイトルがイイ。原題のSingを"鳴く"という字に置き換えたセンスが好きです。さて中身。軸は法廷サスペンスですが、主人公の数奇な人生を描きながら、色んな事を考えさせられます。ラストは、ん〜そうだよ>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

3.8

是枝裕和×坂元裕二× 坂本龍一という何とも"ズルい"布陣です。トレーラー映像を見て正直「事の顛末が大体想像できるかな…」なんて気持ちで鑑賞。それでもやはり是枝&坂元マジック、グイグイと引き込まれ没入。>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.8

またまたマクドナー監督が、どちらの心情も否定できない、けどそこまでやるか?イヤやっちまうのか人間は…と考えさせる難作をブチ込んでキタ。前作「スリービルボード」より更にエンタメ性を削いだシンプルな作り。>>続きを読む

AIR/エア(2023年製作の映画)

3.5

100%健全な映画です。加えて世代もあって、描かれている時代背景や、全編に流れる音楽が高揚感を与えてくれる。中身としては"超感動的"なお話ではないですが、マイケルの母、デロリスジョーダンとマッドデイモ>>続きを読む

ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

3.8

30年以上経って再鑑賞。初めて観た20代と今では受け止め方が少し違って、ホリーハンター演じる主人公に対する気持ちが、否定的から肯定的に変化していました。彼女にとって言葉の代わりであるピアノの音に耳を傾>>続きを読む

太陽の塔(2018年製作の映画)

3.6

2度目の太陽の塔内部見学をしたタイミングで鑑賞。芸術的視点からの考察かと思いきや、社会学でした。特に5章「SYSTEM 支配」で語られる"自発的隷従"の解釈は興味深かった。そして終盤に語られる「もしこ>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

3.4

デミアンチャゼル監督作品は、セッション以外はどうもハマらない。映像、衣裳、音楽…素晴らしいんです。キャストも豪華。テンポも良く、飽きさせない展開が仕込まれているんですが…3時間が長く感じてしまった。映>>続きを読む

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.8

大好物でした。
派手な演出は無く、静かに進んでいく構成にも関わらず退屈することなく観れたのは脚本の力かと。フィクションで、ある意味ナンセンスでありながら、シラけさせない絶妙な塩梅。ギリシャ神話に登場す
>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.3

DUNE…原作は私が生まれる前、デヴィッド・リンチ版が高校生の時、ホドロフスキー…はまだ記憶に新しいですが、本作は「遂にキタ!本当にキタ!」の切望した1本です。監督がドゥニ・ヴィルヌーヴと聞いて期待値>>続きを読む

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

3.8

実話といえども14世紀の話、どこまで真実を観せられているかは判りませんが、中心人物3人の視点で繰返し描かれる構成はシンプルな物語を飽きる事なく観れる。この辺りはさすが巨匠リドリースコット…なのですが、>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

3.7

身近な存在の人との関係で、辛い経験や思いをした人にとって、自分の迷いや、後悔や、不安に対する答えを与えてくれる、そんな作品(原作とは細部の設定やラストも別物)。そして徹底した"棒読み演技"から、終盤に>>続きを読む

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

4.3

ますはじめに、デヴィッド・バーンがもう70歳という衝撃(自分の年齢を考えれば当然なのですが)、そしてイケてるんです、こんな風に歳をとりたいと思わせるんです、エンドクレジット前のラストシーンが。で、本編>>続きを読む

THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

3.6

バットマン作品は、大好きなダークナイトトリロジーと比べてしまい、辛口評価になりがちです。但し本作は、よりサスペンスやエンターテイメントに寄せて"楽しめる"映画としては満点です。映像のクリエイティブも良>>続きを読む

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.3

ウェス作品は作中の情報量が増える一方で、字幕を読んでると見逃し要素増えて、結果見終わった瞬間 もう一度観たい…となってしまう。今回も違わずですが、古いフェルト工場を借り上げ撮影したというリアル風景とセ>>続きを読む

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.6

リドリースコットが、よくよく知られたお家騒動を、こんな豪華すぎるキャストで描くなんて、観ずにはいられません。結果、リドリースコットもイイ意味で"普通に面白い"映画撮るんだな、と思いました。全体の仕立て>>続きを読む

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

3.5

答えを示さない作品は好物ですが、答えが無さすぎです…。村上春樹の原作とは別モノとしてキチンと完成されているのと、何の特徴もない家や風景なのに美しい画、派手な演出はナシで148分の長尺を退屈させない運び>>続きを読む

ソラニン(2010年製作の映画)

3.2

大好きなアジカンの曲→バンドでコピー→コミック読まずに映画 の順で鑑賞。どんな風に生きるのが幸せなのかって、時代を越えて繰り返し問われるテーマをユルい空気感で描きつつ、時々胸に刺さる言葉が交わされる。>>続きを読む

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

3.8

細田作品MyBest3を塗り替える快作。サマーウォーズの上書きか?とあまり期待していなかったのですが、過去作から続く細田節の良さはそのままに、予想外の重いテーマも盛り込みつつ、エンタメ作として楽しめる>>続きを読む

私をくいとめて(2020年製作の映画)

3.5

「勝手にふるえてろ」で にわかに好きになった大九監督作。カメラワークの楽しさやテンポの良さで終始ニヤニヤしながら観ました。大瀧詠一使われ方も良かった…が、綿矢りさ原作との再びのタッグという事で期待し過>>続きを読む

アバウト・タイム 愛おしい時間について(2013年製作の映画)

3.5

リチャードカーチスの脚本の良さって、重々しくメッセージを伝えるのではなく、さぁここで泣いてください!って大袈裟な盛り上げ方をしないところでしょうか。この作品も基本"軽い"んですよね、笑いながら観ている>>続きを読む

スーサイド・スクワッド(2016年製作の映画)

3.3

マーゴットロビー演じるハーレイの魅力と、テンポの良さは好き。ストーリーはちょっとお伽話になり過ぎかな…。

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.0

長い長い旅が終わりましたね。冒頭、のっけからの突撃感から序盤、人々の生活を描く描写の深さ。伏線回収しながら中盤の纏め方もムリが無くて納得の作品。終盤はきっと半分も正しく理解できてない気がしますが、ここ>>続きを読む

ドッグマン(2018年製作の映画)

3.6

善悪、主従、憎許…信念や感情の対比で最後まで心揺さぶられる。最後には自身の良心を問われている自分に気付く。

9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

3.6

事が起こる環境の設定、最後まで謎が解けなかったし、伏線と回収などなどミステリーとしての仕立ては優。なんですが、"面白い"と感じる事なく終わってしまったのは何故だろう。

コロンバス(2017年製作の映画)

3.6

奥行きを使った構図、会話の間…小津リスペクトが全編に溢れてます。加えてミラー邸をはじめ、モダニズム建築を背景に語られる其々の人生。劇的な盛り上がりには欠けますが、じんわりと良さが伝わってくる感じも小津>>続きを読む

象は静かに座っている(2018年製作の映画)

3.7

灰色の空、どこまでも続く無機質な街並み、誰ひとり見せない笑顔。何ひとつ心を高揚させる要素のない世界。交錯するそれぞれの物語の主役達が、自身に訪れる不運や不幸を皆 他人のせいにして嘆く…普通なら観るに耐>>続きを読む

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