反乱軍とされた親友たちを討てという命令を受けた青年将校が、友情と使命の板挟みから自死を選び、妻がその後を追う話。
モノクロの画面、劇場の舞台のようなセット、出演は将校とその妻を演じる2人だけ、セリフも>>続きを読む
実験的なドキュメンタリー映画。
カメラによって写される人間の眼の能力を超えた世界。モンタージュによって捉えられる新しい真実。
タバコの箱詰め作業と電話局の電話交換手のそれぞれの手の動きの映像が交互にリ>>続きを読む
毎回「こんな夢を見た」という語り出しから始まる全8話のオムニバス。
自然と人間の関係がテーマ。
たとえば第2話は桃の木々が伐採されてしまったことでそこにいた桃の精霊たちが消え去ろうとする話。
第6、>>続きを読む
モスクワに上京した男と、彼を居候として受け入れた夫婦の三角関係の話。
女を奪い合うはずの男2人は喧嘩をするわけでもなく和やかに同居を続けて、眠る場所(女のいるベッド、1人用のソファ)が入れ替わること>>続きを読む
片岡千恵蔵が2役を演じたコメディ。
容姿端麗だが謀反を企む仙台藩重臣の原田甲斐と、
不器量だが主君を守るためにスパイとして甲斐たちの屋敷に潜入した赤西蠣太。
謀反の証拠をつかんだ蠣太は主君への報告の>>続きを読む
農業、エネルギー、経済、民主主義、教育の各テーマについての注目すべき試みを取材した作品。『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』に似ている。
「気候学者によれば、地球の生態系を維持したければ年間8〜1>>続きを読む
1953年のスターリン死去直前に起きたいわゆる医師団陰謀事件と呼ばれる、複数のユダヤ人医師に対する冤罪事件に巻き込まれた男の話。
「昔も今も変わりは無い。子らに寒さは甘くない」
人や物もそれを写す>>続きを読む
戦後の混乱から安定に向かう時代に抵抗するように破滅的に生きた一人のヤクザの短い半生の話。
ヤクザ・アウトローの組織に加わるがその組織内の掟さえ完全に無視するはみ出し者、
純粋なアウトロー、
組織への忠>>続きを読む
江戸末期が舞台だから昭和10年の制作当時としても100年近く前の古い時代を再現した作品だけど、田中絹代も高田浩吉も自然で素晴らしくて本物の春琴と佐助を見ているように錯覚する。
田中絹代「佐助、もうな>>続きを読む
字幕の併用が無い日本初の本格的トーキー。幸せなコメディ。
隣家から聴こえるジャズのせいで仕事の進まない劇作家(渡辺篤)は演奏を止めさせようと抗議に行くが、隣家のマダム達と一緒に演奏を聴くうちに自分も>>続きを読む
クリスマスイブの日に路上で出会った2組の話。
分かれ道で右に進んだ1組と左に進んだもう1組。
右に進んだのは、刑期を終えたばかりの男2人。空腹のあまり他人の家からパンを盗もうとしたが、幸運にも罪をゆ>>続きを読む
1940年の日米開戦前から1945 年の終戦までの神戸を舞台に、偶然知った国家機密の公表を画策する高橋一生と、彼に翻弄される妻蒼井優の話。
衣装、舞台、小道具、俳優達が素晴らしかった。
自分の計画を>>続きを読む
ももいろクローバーが出演しているしアイドル映画的な可愛らしい響きを狙ったタイトルなのかと思ったが、由来は仏教用語の而二不二(ににふに)。
たとえば紙に表と裏の両面がありながら同時にそれはやはり一枚の紙>>続きを読む
アラン・チューリングの寄宿学校時代のいじめと友情、戦争中の暗号解読、戦後の迫害と孤独の話。
寄宿学校時代、暗号というものを初めて教えてくれた初恋相手との会話。
「暗号と秘密は違う。暗号は誰にでも読め>>続きを読む
マイケル・ムーアが出演者として参加していた『ザ・コーポレーション』の続編、姉妹編的な内容。
『ザ・コーポレーション』では企業それ自体を問題にしたが、こちらの作品では、企業の力の増大に並行して市民の権利>>続きを読む
営利企業というものの誕生から現在までを追った映画。
一般的な企業の行動に精神医学の診断基準を当てはめて検証した結果、「他者の感情に無関心」「他者の安全を軽視」などの項目に該当するため、企業はサイコパ>>続きを読む
消化不良。もう一度観たい。
「脳の組織に暗黒の夜をもたらすウィルス」の深刻な感染症に冒された男は、音の似た単語を繋げたダジャレを連発するような話し方でしか会話ができない。
他人の過去と未来を一目で見>>続きを読む
毎週これはと思うバカ・奇人を晩餐会のゲストに招き仲間内で笑い者にして楽しんでいた男が、自分が選んだゲストの優しさ、バカな行為(マッチ棒を使った模型作り)の本当の理由を知り、自分自身の愚かさに気付く話。
「私」や母の過去から現在までの記憶が、自然の情景や幻想の力強い映像、詩の引用を交えて語られる。
「私」と妻と息子の3人の関係は、父と母と幼少期の「私」の3人の関係に重なる。息子と幼少期の「私」、妻と>>続きを読む
冬のカッパドキア。
裕福な家族と貧しい家族。
対話する人物を入れ替えながら、互いをなじりあう会話が延々と続く。
善意で話しても相手には傲慢さとして受け取られ、応酬はさらに酷くなる。
そういう設定の作>>続きを読む
各国の様々な試みを取材したドキュメンタリー。
驚くのは、それぞれの試みを成功させた手段が常識と正反対であること。
たとえばフィンランドでは宿題をたくさん出すのではなく、宿題を出さないことによって学>>続きを読む
神への信仰を見失い、信徒達との関係も破綻しつつある牧師の話。
「イエスの悲痛な声を弟子は聞かなかった。孤独だったんです。誰にも理解されず、いざと言う時に見捨てられた。死を前にして神に疑いを抱いた。何>>続きを読む
貧しい両親のもとに生まれ新聞王として成功したケーンの生涯をあるジャーナリストが明らかにしていくストーリー
子供時代の幸福
メディア、事実よりセンセーショナルな刺激を優先する報道、政治への野心、金、社>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ある女囚を取材する社会学者の話。
女囚はこれまで何人もの男を利用して破滅させ、今は刑務所に入っている。
社会学者は女囚の手口を全て聞いたが、最終的にはその魅力に抵抗できず過去の男達と同様に破滅してし>>続きを読む
用心棒からギャングのボスに成り上がったトニー(ポール・ムニ)が、裏切りや暴力を重ねるうちに破滅に向かう話。
トニーはモラルを欠いたキャラクターで、裏切りにも暴力にも躊躇がなく、妹に対する近親相姦願>>続きを読む
鶴田浩二演じるヤクザが、実弟と組織の間で板挟みになる話。
実弟はある犯罪に関わった末端組員だが、人目につくなという組織の指示を無視してナイトクラブの歌手としても活動していて、早く組織から抜けたいと考え>>続きを読む
ギャングと弁護士と女の三角関係の話。
酒で身を持ち崩していた弁護士はギャングの援助を受けて更生する。
ギャングの情婦である女と弁護士は惹かれ合うが恩人のギャングを裏切ることはできない。
2人の関係を>>続きを読む
満州から引き揚げた男が生きた終戦からの25年間を、その間に行われた一族の冠婚葬祭の儀式を舞台にして描く作品。
「引き揚げということが大日本帝国の後悔だとすれば僕たちは皆大日本帝国の後悔から生まれた子>>続きを読む
部隊で唯一生き残った西山(渥美清)が、終戦後に8年掛けて戦友12人の遺書をそれぞれの遺族に届ける話。
渥美清主演、戦争と手紙の話である点で『拝啓天皇陛下様』に似ているけど、『あゝ声なき友』はコミカル>>続きを読む
ヤマショウこと山田正助(渥美清)とその戦友の棟本(長門裕之)の、戦中と戦後の話。
子犬のような目で直情的なヤマショウとインテリタイプの棟本は、『兵隊やくざ』の勝新と田村高廣の関係に似ている。
ヤマ>>続きを読む
大阪・泉南アスベスト国家賠償請求訴訟の過程を描いたドキュメンタリー。
石綿(アスベスト)は「奇跡の鉱物」と呼ばれ多くの用途に使われたが、曝露から15~40年後に肺がん等を発症させることが分かり今では>>続きを読む
2016年大統領選挙のトランプ当選の背景を探るドキュメンタリー。
「1920年代のドイツは自由で民主主義的。文化、科学も世界最高で、最高の映画も作っていたが、その直後に専制主義になった」
中国河北省の寂れた炭鉱都市。
遠くの動物園に一日中静かに座っている象がいるという話が冒頭で語られる。
ストーリーは、老人を含む4人の男女がそれぞれ別々に不運な事件によって行き場を失い、その象を見るた>>続きを読む
春の山間の温泉地で宿泊客達が交差する話。
『簪』と似た舞台設定。
按摩の2人組、男子学生、女子学生、子連れの男、事情を抱えた単身の女。
按摩「海の温泉場に行ったり山の温泉場に行ったりしているうちに、>>続きを読む
1950年公開。インパール作戦に参加した学徒兵達を描いた作品。
インパール作戦は従軍した日本兵のほとんどが亡くなったことから史上最悪の作戦と呼ばれる。
補給線が絶たれ武器も食糧も不足、疫病も流行して>>続きを読む