カツマさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ウィリーズ・ワンダーランド(2021年製作の映画)

3.9

そのワンダーランドは黄泉への入り口。放り込まれたが最後、アリ地獄のようにただ貪り食われる運命が待つばかり、、のはずだった。だが、現れたのは予定外の不協和音。狩る側はいつしか狩られる側となり、なすがまま>>続きを読む

すべてが変わった日(2020年製作の映画)

3.9

予感だけが漂っている。何か悪いことが起きている、または、何か未来がどす黒く変色している、そんな漠然とした予感が。それは真っ当に生きているように見える人間たちから発する闇。浮遊する胸糞悪さは染み渡り、暴>>続きを読む

ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)

4.0

雷神と仲間たちの大冒険!我らがソーの新たなる戦いは、恐るべき神殺しとのバトル、未だに想い続ける元カノとの再会、頼りにならないモブ神たちとの決裂などなど盛り沢山!かつてのアスガルドは崩壊し、弟は死んだこ>>続きを読む

コリーニ事件(2019年製作の映画)

4.4

真実の底に眠る暗黒。それは眩しかったはずの過去へと飛び散った一点の染み。シンプルなはずの事件は霧中を漂い、やがて恐るべき真相へと手を伸ばす。沈黙のページは捲られ、そして、黙秘はいつしか確固とした言葉へ>>続きを読む

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.8

いつも何かを探していた。誰かを愛し、愛されながら、まるで激情のように生きる日々。それでもいつも何かが足りない、満ち足りない。収まったと思っても、その鬱屈はウズウズと這い出して、また彼女の首を絞めていく>>続きを読む

女子高生に殺されたい(2022年製作の映画)

3.7

爽やかな笑顔の裏に潜む闇。それはドロリとした滑りのように巣食う底、抗うことのできない欲望。ただ、女子高生に殺されたい。そのためだけに男は人生の全てを投げ打ち、思春期の若者たちを掌の上で踊らせる。彼の真>>続きを読む

整形水(2020年製作の映画)

3.9

崩れていく。ただ憧れ続けて、ようやく届いたはずだったのに。彼女の願望は狂気のように渦を巻き、不穏な影に付き纏われる。それは呪い?醜さが呼んだ縛りのような運命なのか?彼女はただ求め続ける、自身の肉片を掻>>続きを読む

友情にSOS(2022年製作の映画)

4.0

染み付いて取れない濃淡。それは潜在的な差別となって表面化し、永遠に分かり合えない溝のように立ち塞がる。時代は流れ続け、差別は語り尽くされた、はずなのに。それは和気あいあいと生きる学生たちの前にだって横>>続きを読む

グリーンランドー地球最後の2日間ー(2020年製作の映画)

3.9

ありふれた明日が終わる。人類は滅亡の危機に立たされ、地球上のほとんどの生命が死滅する。もし、そんな絶体絶命の事態になったとしたら、人類はどう守り、どう闘い、どんな未来を想うのか。それは恐ろしさも醜さも>>続きを読む

レミニセンス(2021年製作の映画)

3.6

過去に残った足跡を辿る。それは最も幸せだった頃、戻れないからこその儚い瞬き。未練に縛られて生きるのか、または未来への糸を手繰るのか。二つに一つ、十字路に立ち、男は一人、愛という名の迷路に惑う。愛する人>>続きを読む

オールド(2021年製作の映画)

4.2

人生が過ぎ去っていく。時流は歪み、時という名の砂は満ちる。そこはまるで蟻地獄、岸壁と荒波に阻まれる未曾有のビーチ。砂つぶは掴み取ろうとすればするほど滑り落ち、絶対的な死という約束を交わそうとする。果た>>続きを読む

佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

4.4

いつもどこかで憧れていた。無軌道で無鉄砲、破天荒で繊細な、ある青春時代を駆け抜けた一つの爆弾。それは大人になった今だからこそバカバカしいほどに恋しくて、いつまでも色褪せることないモンタージュとして心の>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.6

伝説は蘇り、そして新しい扉を開ける。解き放たれた二枚の翼、それは過ぎ去った年月を無にするほどの疾走感と躍動感。どんな重力も身体で受け止め、一寸の先にある死をも置いてきぼりにしてしまう。その男の名はマー>>続きを読む

トップガン(1986年製作の映画)

3.8

轟音が鳴り響く。空母の背は激しく振動し、精鋭たちの到着を待つ。その翼は空を真っ二つに割り、炸裂は音速の世界に突入、生死の境目はその腕一つに託された。今飛び立つのはそのトップを狙うものたちの群れ、トップ>>続きを読む

ガンズ・アキンボ(2019年製作の映画)

3.9

いきなりの絶体絶命、死の間際。まさかまさかの生きるか死ぬかのデスゲームへの強制参戦、修羅の穴。両手には埋め込まれた2丁拳銃、諸刃の剣。インターネットの波に溺れるオタクにはあまりにも無謀なミッション、残>>続きを読む

犬王(2021年製作の映画)

4.2

歴史の狭間に消えた舞い。例え、どんなにその者が稀有な音を立てたとしても、後世に残らなければ知る由はない。だとしたら、今生に蘇らせてしまえばいいではないか。その者の名は犬王。まさに王のように舞い、獣のよ>>続きを読む

さがす(2022年製作の映画)

4.2

目覚めると父はいなかった。残された父の面影、アパートの片隅でそれは孤独の足音へと姿を変える。そこに覆い被さる殺人犯の陰影が、徐々に父という存在を遠く彼方へ連れ去っていった。娘は探し続ける、父の行方を。>>続きを読む

モンタナの目撃者(2021年製作の映画)

3.9

暴炎が殺意のように追ってくる。忍び寄る足音と絶望的な獄炎。絶体絶命な状況に追い込まれた目撃者たちに待ち受けていたのは、モンタナの雄大な自然のような猛威だった。それでも彼女たちは煙の中を突き進む。そう、>>続きを読む

ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

4.0

血飛沫が花火のように咲き誇る。その作戦は玉砕必至、命を弾丸にした明日なきバトル。終身刑の囚人たちに課されたのは、砲撃、銃撃の雨あられの中を突き進んでいくかのような、あまりにも無茶すぎミッション。死なば>>続きを読む

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

3.9

運命は悪夢のような顔をした。それは面妖、それは魔性、まるで真人間のフリをした俗物の顔。狡猾な笑みを貼り付け、唇の端に堕落のような匂いを垂らす。そこにはいつも死が横たわり、紅蓮の炎が修羅の道への扉を開け>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

4.7

あの日見たウルトラマンがそこにいる。突如として降り立った光の球体、その余波に巻き込まれる主人公。そんな悲劇から始まる奇跡、人類を守るヒーロー、ウルトラマンがまたもや我々の前にその巨大な姿を現した。それ>>続きを読む

17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

4.3

悲痛なほどにくぐもる叫び。声に出したくても出せない痛み。ベタベタと男たちの視線は貼り付き、押しつけられる世界の全てが張り詰めている。世の中がこんなにも薄汚れてみえてしまうほど、彼女たちはいつも緊張や恐>>続きを読む

地下に潜む怪人(2014年製作の映画)

3.6

蠢きながら眠る迷宮。そこに入ったが最後、どんな野心も欲望も、捨て去ることを余儀なくされる。何しろ掛かっているのは自身の命。永遠にカタコンベの底に取り残されるのか、それとも太古の謎を解き明かし、ヒョロリ>>続きを読む

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

4.5

あまりにもリアルな夢を見た。それは予知夢?それとも不可思議な現実なのか?そう、ついにマルチバースは全貌を現し、世界に混沌が訪れ、時間軸は崩壊の崖下に沈む。そんな嵐のような狂乱の奥で、一人の魔法使いが見>>続きを読む

鳩の撃退法(2021年製作の映画)

4.0

悲劇にも似た真実。それはフィクションを模したノンフィクション?それとも、もっと別の魔物のような何かなのか。煙は焚かれ、その結末すらも計れない。だからこそ、物語を読み進める手は止まらないし、手玉に取られ>>続きを読む

ミッドウェイ(2019年製作の映画)

4.2

傷痕は消えない。海に刻まれた記憶、それは戦士たちが激突した戦争の爪痕であり、二度と繰り返してはならない戦火の悲劇そのものであった。それを歴史的に紐解きながら、兵士たち一人一人に鎮魂歌は鳴り響いていく。>>続きを読む

ドント・ブリーズ2(2021年製作の映画)

3.8

静寂は破られた。沈み込んでいた闇、視野のない世界。そこからまたストーリーは始まり、そして、悲劇的な循環がもう息もできないほどに溢れ出す。まさかの続編、それは必然となるべく運命なのか。相対する襲撃者と復>>続きを読む

目指せメタルロード(2022年製作の映画)

4.3

湿った青春時代に稲妻を落とせ、メタルロードは雨雲を切り裂くように薄闇を照らす。鬱屈とした心と心、衝突しては繋がり合い、バンドとなってたった一つの音を鳴らす。それは重低音で激しくて、駆け巡るほどのBPM>>続きを読む

グッバイ、リチャード!(2018年製作の映画)

3.9

サヨナラはもっと先だと思ってた。旅立つ準備なんて出来てはいない。だってまだその荷物すらも手元に揃っていないのに。彼は強引に旅立つための物語に放り込まれる。それはそう、人生という名の一度しかない物語のク>>続きを読む

アイデンティティー(2003年製作の映画)

4.0

必然のクローズドサークル。それは絶望的な監獄地帯、殺人鬼と同居するしかない夜。一人また一人と死体は転がり、生き残った者たちの背後には常に死神の鎌が舞う。この中に確実に犯人はいる。だが、分からない、その>>続きを読む

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密(2022年製作の映画)

3.8

パンドラの匣は開かれた。これまで明かされなかった謎、それはハリー・ポッターワールドの中でも触れられない過去だった。だが、ついに物語はその哀しみの跡に手を触れ、いよいよ闘いの火蓋は切って落とされる。悪の>>続きを読む

ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

4.0

蘇る時が来た。名作の威光はそのままに、今の時代にこそ必要なメッセージがこのミュージカルには込められている。分断の歴史は半世紀を経ても終わらず、差別のもとは根絶されることなく現代まで漂着してしまった。永>>続きを読む

アダム&アダム(2022年製作の映画)

3.8

時空の旅は諸刃の剣、人智を超えた発明が未来の歯車を狂わせる。それでも宇宙を越え、時間を越え、そして、運命をも越えて、その果てなき旅は愛する人への想いを届けた。相方は幼い頃の自分自身?二人の力を合わせれ>>続きを読む

ベルファスト(2021年製作の映画)

5.0

モノクロの時代に想いを馳せる。大好きな街、大好きな家族、離れられない場所。駆け回るその時にたくさんの愛があって、学びがあって、悲劇もあった。思い出すのはそんな懐かしい風景の数々で、少年は無邪気なままベ>>続きを読む

Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

4.0

キレたオヤジはもう止まらない。降りかかる火の粉を振り払い、叩き潰し、そして、完膚なきまでにすり潰す。目覚めさせてはいけなかった。彼は平凡なオヤジのまま眠っているべきだった。しかし、残念ながら平穏という>>続きを読む

THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

4.2

浮かび上がる月光。コウモリたちが闊歩する夜に、暗闇と同化した男が現れる。彼の名はバットマン。悪をくじき、街を守る孤高の男。だが、悪は彼が翼をいくら広げようとも拡散し、街の治安を狂わせる。平和など遠く彼>>続きを読む