FujiNoriさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

オットーという男(2022年製作の映画)

3.4

映画としての完成度は高い。
ただなんか洗練されすぎた感は若干あるかな。

幸せなひとりぼっちと比べると、主役はトム・ハンクスだし、内容もSNSなど今の時代を反映し、さらには若い頃の妻とのサイドストーリ
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アナログ(2023年製作の映画)

4.2

いやっ、これほどまで泣けるとは、、最近見た中では一番に泣ける作品でした。

ストーリー的には、ある喫茶店で出逢った女性とのラブストーリー。

ただ今回は波瑠さん演じるみゆきが凄くミステリアスなんですよ
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白鍵と黒鍵の間に(2023年製作の映画)

3.4

色々惜しい作品。

世界観も良い。ジャズの世界をきれいに描き音楽は最高。

役者さんも良い。池松壮亮さん中心に実力派ばかり。三木役の高橋和也さんが、中間管理職的なヤクザでヤサグレ感含め良かった。

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アンダーカレント(2023年製作の映画)

3.8

アンダーカレント
「発言の根底にある抑えられた感情」「液体の表面下の流れ」

この2つを余すことなく描いた印象。

主人公のかなえは、夫に失踪された過去に加え、さらに辛い過去を持つ女性。

真木ようさ
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ヒッチコックの映画術(2022年製作の映画)

3.9

ヒッチコックの世界を隅々まで解明できる作品。

ストーリーは、ヒッチコックが自身の作品の撮影方法をチャプター(テーマ)に分けて語りかけます。

もちろん本人ではなく別人のナレーションですが、本人視点で
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愛がなんだ(2018年製作の映画)

3.6

今泉力哉監督作品リバイバル上映としてトークショーの回を鑑賞。

この映画、最初は岸井ゆきのさん演じるテルコが可愛そうで、成田凌さんが演じるまもちゃんが許せない!

そんな、感情が芽生えるのですが、実は
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ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

3.9

原作未読でしたが楽しめました。
 
主人公の久能整(菅田将暉)の見た目はモジャモジャ頭、喋り方もボソボソと、金田一耕助の現代版って感じ。

物語の舞台は広島。
相続のたびに争いが起きる一族の謎を解くス
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名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊(2023年製作の映画)

3.7

非科学的な迷信を全く信じないポワロが巻き込まれる、ホラー、サイコが満載な話で、シリーズでは異色な作品。

ポワロシリーズはほぼ見ているが、この原作が何か分からなかったかけど、ハロウィンパーティーなんで
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.6

これは難解。とても1度では理解できない作品だと思いだした。

舞台はアスティロイドシティ。 

ネタバレになるので詳しくは言えませんが、このアステロイドシティ自体に大きな秘密があります。

モノクロの
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春に散る(2023年製作の映画)

4.0

この作品本気です。

物語は王道。
かつての自分のボクシングに夢破れた元ボクサー広岡(佐藤浩市)が、ボクシングに夢をかける青年黒木(横浜流星)に出会い、世界への夢を託す、、

ただこの映画は試合のシー
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ほつれる(2023年製作の映画)

3.6

言ってしまえば不倫の話なんですが、この作品はじっくり考えて整理が必要かなと感じるくらい奥が深いと感じました。

とにかく登場人物が何を考えてるのかがつかめない。
 
まず主演の門脇麦さん演じる綿子。
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エゴイスト(2023年製作の映画)

3.7

俳優さんって凄い。一番の感想です。

内容的には同性愛を取り扱っていますが、後半になるにつれ、それは親子愛、はたまた人間愛に広がっていきます。

鈴木亮平さん、宮沢氷魚さんが物語の中心ですが、演技とは
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658km、陽子の旅(2023年製作の映画)

3.6

コミュ障で内気な陽子に父の訃報が届き、急遽実家に帰ることに。

ここから不思議なロードムービーが、始まります。
本来は従兄と一緒に帰る予定が、サービスエリアに取り残され、ここからヒッチハイクの旅が始ま
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

4.0

「いつか必ず誰かが君を守ってくれる。」
そんなメッセージを感じた映画でした。 

ベイビーブローカーの裏稼業に手を染めた男達、そして子供を捨てた母親が里親を探す物語。

なぜかこの旅に見知らぬ少年時代
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.3

良かったです。(直球の感想)

鑑賞前は、やや堅いタイトルから、説教っぽい内容かと心配してましたが、これぞジブリ作品。ジブリファンにはたまはない内容でした。

冒頭からサイレンが鳴り、火事が起き、ああ
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.8

解釈が難しい作品。
「ちょ!?どういうこと?」か率直な印象です。

娘のソフィと父親カラムのバケーションの話が平和に始まりますが、何だか様子がおかしい。

一つのシーンは普通に描写されるのですが、もう
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告白、あるいは完璧な弁護(2020年製作の映画)

3.9

二転、三転、四転とサスペンス・ミステリー好きにはたまらない展開。

ある事件の容疑者にされた、IT企業の社長が自らの潔白を証明するには、もう一つの事件の告白が必要だった、、

序盤は、かけられた容疑の
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.0

よい映画とは何か?を考えさせられました。

このマリオ映画は、まさに捻りも何もないど真ん中のストレート。

作品を作る側には、観客をいい意味で裏切りたくて、ちょっと変化球を投げたくなったり、原作を改変
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憧れを超えた侍たち 世界一への記録(2023年製作の映画)

4.8

あれだけ感動したWBC。

正直もう新鮮さもないのではと思ってましたが、いやいや映画上映中興奮・感動しまくりました。

というのも、我々が見た表側の話ではなく、そのまさに裏で起きていたことが忠実に描か
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The Son/息子(2022年製作の映画)

4.1

父子の絆を描く物語かと思いきや最後はそうなってしまうのか、、と、見終わった時の脱力感が半端ない作品。

前妻の息子ニコラスが、不登校気味になり、相談を受けたきっかけに、再び向き合うことになった父と息子
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岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

3.8

あの岸辺露伴がルーブルへ。映画としては「黒」がテーマになります。
最も黒い色とは?
すべてを吸収する黒を見てしまった人の末路は?

割とサスペンス的な展開と不協和音で流れるピアノの音が作品全体を暗く演
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TAR/ター(2022年製作の映画)

3.9

音楽映画かと思って油断していたら、人間関係ドロドロで、女性指揮者の自己中で独善的な姿が不協和音と共にホラー的に展開する、かなり深い作品でした。

物語的には、上げるだけ上げておいて落とす、よくある話を
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銀河鉄道の父(2023年製作の映画)

3.8

宮沢賢治とその家族を描いた物語。

タイトルがいいですよね。「銀河鉄道の父」
なんかロマンチックに溢れたタイトルですが、内容も愛情の溢れた素敵な物語でした。

この映画では役所広司演じる父親中心に宮沢
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水は海に向かって流れる(2023年製作の映画)

3.7

試写会にて鑑賞。
会場がきれいな青色に統一されていましたが、映像もそれに負けず綺麗でした。

「私、一生、恋愛なんてしない」 
この言葉が口癖の榊さん(広瀬すず)。
母親と別れ一人で生きていくと決めて
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銀平町シネマブルース(2022年製作の映画)

3.8

古き良き映画館を惜しみなく体感できる映画。

「この場所からもう一度」

人生絶望した元映画監督の近藤(小出恵介)が、銀平スカラ座の梶原(吹越満)と会い再度映画を作る人間ドラマ。

この映画は俳優さん
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バビロン(2021年製作の映画)

3.9

ふとしたきっかけ(チャンス)を掴み、ハリウッドの長い階段をのぼることになる、マニーとネリー。

この二人の成功からの奈落に落ちる人生が語られます。

とにかく、酒、ドラッグからの乱痴気さわぎで踊りまく
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少女は卒業しない(2023年製作の映画)

3.8

期待通りの作品でした。

話はとある廃校を目の前にした高校。
卒業式を二日後に控えた高校生の物語。

この映画の特徴としては、それぞれ事情が異なる4組の少年少女のストーリーが交互に展開されます。

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ヴィレッジ(2023年製作の映画)

3.6

舞台挨拶を鑑賞。
監督藤井道人さんの世界が広がる不思議な世界が舞台です。
全体として流れる能の音楽がその不思議さを更に演出します。

少し話逸れますが中村獅童さんがおっしゃっていましたが、能と歌舞伎は
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幻滅(2021年製作の映画)

3.7

「幻滅」
幻想からさめること。美しく心に描いていた事が、現実には幻に過ぎないと悟らされること。

最初は「破滅」の物語かと思いましたが、最後のシーンを見て改めてこの作品は「幻滅」出会ったことを実感しま
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パリタクシー(2022年製作の映画)

3.9

パリの美しい風景を背に、タクシー運転手シャルルとお客であるマダム・マドレーヌとの間で繰り広げられる素敵な物語。

終始この二人の会話が中心で、徐々に信頼関係が作られていく二人の姿を見届けられるのがこの
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FALL/フォール(2022年製作の映画)

3.7

あらゆる怖さが凝縮された作品。

タイトルから、高所の怖さを強調した作品かと思いきや、思った以上にホラー要素も満載でした。

この映画が凄いのが、物語の大半が地上600メートルのタワーの上であること。
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ミセス・ハリス、パリへ行く(2022年製作の映画)

3.9

いや素敵、素敵、素敵。
3回繰り返すくらい、ハリスに魅了されました。

家政婦のハリスが、クリスチャン ディオールのドレスに憧れ、お金を貯めパリへと旅立つ物語。

とにかくハリスが、なかなか行動的で可
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零落(2023年製作の映画)

3.8

零落という言葉に惹かれて鑑賞。
見終わった感想としては、自分の中にある複雑な感情が芽生えさせられた気がしました。

主人公はかつては売れっ子の漫画家である一方で今は落ちぶれており、そのはけ口を風俗嬢に
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Winny(2023年製作の映画)

4.0

舞台挨拶で、東出昌大さんが「この物事は片方から見た話で、両面から見る必要がある。」的な発言をされていましたが、この物語はその言葉通り一人の開発者、金子勇さんからの視点から見た物語となっています。

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対峙(2021年製作の映画)

4.0

凄い映画を見てしまいました。

音楽や派手な演出は一切なく、テーブルを挟み加害者と被害者の親が、自分と自分の息子の生きた意味や価値を問う。

物語のほとんどが、部屋の中のシーンのため、単調になりそうで
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ちひろさん(2023年製作の映画)

4.0

人には言えない過去がある。
その過去は今の自分には直接は関係がなくても、いつしかそのフィルターを通して自分を見られることにもなります。

この物語は、風俗嬢という女性としては、隠したい過去ではあるが、
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