shoooooさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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お茶漬の味(1952年製作の映画)

4.1

ブルジョワ出身の妻と庶民派の夫のすれ違いと和解。

どこかの誰かの生活を切り取ったような何気ない人間関係や会話の羅列でありながら、ちゃんとグッとくる場面を持ってくる。小津安二郎の味わい深さと偉大さがよ
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孤狼の血(2018年製作の映画)

3.9

すごくエキサイティングでおもしろかった。
やっぱりヤクザは広島弁に限る。
だけどバイオレンスが過激すぎてしんどい場面もあった…

役所広司の荒くれぶりは見ていて刺激的だった。
松坂桃李が覚醒してからの
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ジョゼと虎と魚たち(2003年製作の映画)

4.6

美しさも切なさも一杯詰まっていて、とても良い映画だった。

あるエッセイストが本作にふれて、大事なのは結果よりも過程だと書いていた。
結果だけ見ると、どこか呆気なさすらある物語かもしれない。
だけど、
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みかんの丘(2013年製作の映画)

4.2

のどかな内容だと勝手に想像して観たら、なかなか凄絶な物語でした。
全体的に静かな雰囲気ではありますが、戦争の悲惨さと無益さを、力強くしっかりと訴えかける映画です。

戦闘で生き残った敵国同士の2人の兵
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別離(2011年製作の映画)

4.0

悪意なき人々の不運な悲劇を描いた良質なイラン映画。

別居、認知症の介護、失業など、誰にでも起こりうる問題が重なって悲劇的な事件が起こってしまう。
根っからの悪人は一人もいないのに、自分のギリギリの生
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ディパーテッド(2006年製作の映画)

3.9

警察に潜入したマフィア×マフィアに潜入した警官

どちらが最後に勝つか読めない、ハラハラさせられる展開でとても面白かった。
デイモン、ディカプリオ、ニコルソン、ウォールバーグという個性的なワルたちのエ
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母なる証明(2009年製作の映画)

3.9

いい意味でおぞましい映画でした。
この映画で描かれる、人間の執念深さや凶暴性、陰鬱な生活感、後味の悪さなどは、韓国映画にしか出せない味わいだと思う。

二転三転する展開、細かい伏線、驚愕かつ秀逸な結末
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ライク・サムワン・イン・ラブ(2012年製作の映画)

3.9

キアロスタミが日本で撮った最後の長編。
大したストーリーじゃないけど引き込まれるのは巨匠の技量ゆえか。

デートクラブで働く明子、明子を呼んだ元大学教授、明子の彼氏の3人の不安定で危うい関係。

多く
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スーパーサイズ・ミー(2004年製作の映画)

3.6

マクドナルドを1ヵ月食べ続けるだけの、体当たりドキュメンタリー。
発想がぶっ飛んでいて、おもしろい。

体重が10キロほど増えたり、肝臓に異変が見られたり、気分にも悪影響が出たり、たった1ヵ月でいろい
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コードネーム U.N.C.L.E.(2014年製作の映画)

3.7

ガイ・リッチー監督のスパイ映画。
面白いは面白いけど、普通のスパイ映画という感じ。

気になるセリフのような小さい伏線をその都度短いプレイバックで回収する軽妙さはよかった。
ヒュー・グラントはおじさん
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ゴースト・ドッグ(1999年製作の映画)

3.9

ジャームッシュが描くストレンジな殺し屋物語。

「葉隠」などの日本文化に傾倒した黒人大男の殺し屋というキャラクターがいい。フォレスト・ウィテカーのなんともいえない表情が好き。

敵のマフィアがヒットマ
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トラベラー(1974年製作の映画)

3.8

キアロスタミの長編デビュー作だけど、彼は子供の世界を描くのがとても上手い。
「友だちのうちはどこ?」が子供の純粋さを描いた傑作なら、こちらは悪ガキのたくましさを映した良作です。

サッカーを観に行くた
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ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

3.8

アクションと音楽がリンクする感じがスタイリッシュでいいね。
もっと洋楽に通じていたらより楽しめたかも。

ただベイビーが、もともと自発的に車を盗んでた姿は想像出来ない笑

受動的に巻き込まれていくタイ
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アルゴ(2012年製作の映画)

3.8

まさに「事実は小説より奇なり」ですね。
イランからアメリカ人を救助するため偽の映画をでっち上げるという実在の事件そのものは凄く面白いし、映画化したくなるのも分かる。
また、言語も宗教も違う土地で、半ば
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リベンジ・マッチ(2013年製作の映画)

3.7

スタローンvsデニーロが見れただけで満足。

「ロッキー」のオマージュがツボだった。
めちゃくちゃ嫌そうに生卵を飲んだり、吊るされた生肉を殴らせてもらえなかったり笑

ストーリーは王道というかベタでし
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女神の見えざる手(2016年製作の映画)

4.1

かなり展開が面白い映画でした。
権謀術数を尽くし敵の裏の裏までかくロビイスト同士の戦いは、先が読めずハラハラさせられる。

ジェシカ・チャステインが演じるスーロンの、勝利のために味方すらも利用し欺く孤
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バジュランギおじさんと、小さな迷子(2015年製作の映画)

4.2

文句なしに心温まるロードムービー。

底抜けにいい人で真っ直ぐなバジュランギも、愛らし過ぎるシャヒーダーも、とてもいいキャラクター。喋れないシャヒーダーの身振り手振りの動作はどれもすごく可愛らしい。
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ブロークン・フラワーズ(2005年製作の映画)

3.6

元プレイボーイがかつての恋人たちを訪ねる旅をする映画だが、これほど実りのないロードムービーも珍しい。
老いたビル・マーレイの気まずく情けない姿は、愛らしくもある。

なぜそこを切り取った?というシーン
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トスカーナの贋作(2010年製作の映画)

3.9

本物よりも美しい贋作。
現実より真実味のある演技。

そんな矛盾を主題に、キアロスタミがイタリアで撮影したなかなか惹きつけられる一作。ほとんど初対面の中年男女が、成り行きで長年の夫婦を演じるという変わ
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フォロウィング(1998年製作の映画)

4.1

ノーランのデビュー作ですが、制約ゆえに極限まで削ぎ落とされたスタイルが彼の天才を引き立てています。

尾行が習慣になってしまった無職の男がトラブルに巻き込まれていくという物語。
筋書き自体よくできてい
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うなぎ(1997年製作の映画)

3.7

妻を殺めて服役していた男と自殺を図った女の、業にまみれた再生の物語。

キアロスタミの「桜桃の味」とパルムドールを同時受賞した作品。
というだけあって期待を高め過ぎたところはありますが、まあ悪くない作
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スリーパー(1973年製作の映画)

4.0

ウディアレンのドタバタコメディ。
なんのメッセージ性も含蓄もない、徹頭徹尾バカバカしい初期のウディアレン作品、とても好き。

家事ロボットに変装したり、デカいプリンと格闘したり、巨大なバナナの皮で滑っ
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ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

3.9

どこまでもシュールな世界観が魅力のアニメ映画。70年代とは驚き。

ドラーグ族という巨人が支配し、人間が害虫やペットのように扱われる惑星。
一度見たら忘れ難いドラーグ族のキモカワなビジュアルがいい。
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アンダーグラウンド(1995年製作の映画)

4.3

圧倒的な映画でした。
狂乱的な映像、ジプシー的音楽、個性的なキャラクターなど、あらゆる要素がパワフルで熱量に満ちていました。

筋書きがとても面白いし、テンポ良く軽快に進むので3時間弱があっという間だ
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ミニミニ大作戦(2003年製作の映画)

3.6

ストーリーは良質なクライム・アクションで普通に面白かった。
キャストもマーク・ウォールバーグはじめ、ジェイソン・ステイサム、エドワード・ノートンなど、かなり豪華。
ノートンは小悪党キャラも様になってた
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戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

4.0

戦争の狂気の中で育まれる特異な友情。
分かりやすいストーリーではないが、心を動かされる映画でした。

兵士と俘虜の間に築かれる「友情」の一言では到底表しきれない関係。友誼と嫌悪、恋慕と反発が入り混じっ
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第七天国(1927年製作の映画)

4.1

まさに古き良き名作!

第1回アカデミー賞の時代のサイレント映画。
王道ロマンスなんだけど、このくらい古い映画になると、映像作品が当たり前ではなかった時代の人々の映画への憧憬がオーバーラップし、ザラつ
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

4.2

不器用な男が抱えた心の傷を描いた名作。静かだけどずっしり来る、そして愛おしい。

主人公リーを演じたケイシー・アフレックの飾らない演技がとても良かった。
元妻のミシェル・ウィリアムズとのやりとりは、ほ
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

3.8

支援が必要な人に手を差し伸べないどころか、助けを求める手をはねのけるような福祉のあり方への強烈な怒りには、共感しかない。

ダニエル・ブレイクが当局の壁に抗議を殴り書くシーンは痛快だったが、
実際のと
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スウィート・シング(2020年製作の映画)

4.4

生きづらい世界の中の愛の温かさが描かれた映画でした。
インディーズ映画らしい味わいが詰まっていて、とてもよかったです。

前半の閉塞感漂う日常の描写はとても息苦しいものだった。そしてモノクロの映像はそ
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聖者たちの食卓(2011年製作の映画)

3.6

毎日10万食を無償提供するシク教の黄金寺院。そんな黄金寺院の調理と食事の場面をノーナレーションでひたすら映すだけのドキュメンタリー映画です。

料理の量にしても人の数にしても、インドだけあって圧倒的。
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希望のかなた(2017年製作の映画)

3.9

希望と失望のバランスが絶妙。

社会と移民という主題について、課題と可能性の双方を描いています。
だけどテーマの重さに反して、どこかオフビートな緩さがあって、それほどつらい気持ちにならずに観ることがで
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デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

3.6

ジャームッシュが悪ふざけで作ったような作品。
ストーリーもテキトーでゾンビ映画の緊張感はまるでなし。ジャームッシュ組の豪華俳優陣の無駄遣いがシュール。

面白いというより、ニヤニヤ笑える箇所がいくつか
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ダンケルク(2017年製作の映画)

4.0

陸の1週間
海の1日間
空の1時間

3つの異なる時間の流れがクライマックスで一点に収束するという描きかたは画期的!

ダンケルクの撤退作戦。劇的な局面だけど撤退がメインなので、ある意味では映画向きで
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バートン・フィンク(1991年製作の映画)

3.8

よく分からない映画だけど、結構惹きつけられる要素が多かったです。
カンヌ映画祭を席巻したのは謎ですが笑

この映画の面白みは、ある種の不透明さにあると思う。
しばらく見ていてもどういうジャンルの映画で
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マンハッタン(1979年製作の映画)

3.7

ウディ・アレンの描くダメダメな大人の恋愛劇。
役者ウディ・アレンの神経質でシニカルでおしゃべりな唯一無二のキャラクターが好きなので、それだけでやや満足。

おじさんウディ・アレンはなぜか17才の女子と
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