satoshiさんの映画レビュー・感想・評価 - 15ページ目

KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)

4.6

期待以上の素晴らしさ。冒頭から『仁義なき戦い』っぽいなぁと思っていたら、パク大統領はほぼ金子信雄だし、ラストの暗殺の下りはまさにそう。スマートさなんて一切なく、笑っちゃうくらい無様。そこの長回しは外連>>続きを読む

ハハハ(2010年製作の映画)

3.6

【監督強化月間⑯ ホン・サンス】

 『チャンシルさんには福が多いね』に触発され、ホン・サンスに手を出しました。なるほど、これがホン・サンスか。ズームなどのカメラワークにより、一瞬ドキュメンタリーか?
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チャンシルさんには福が多いね(2019年製作の映画)

4.2

いちばん爆笑したのはチャンシルさんとチャンシルさんが気になっている男性との会話。
「私、小津安二郎が好きなんです」
「『東京物語』?あれはつまらなかったな。何も起こらないんだもの」
「え?お母さん死ぬ
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聖なる犯罪者(2019年製作の映画)

4.2

「神は全てを許したもう」とは言うけれど、それで「罪」が消えるわけじゃない。作中でも言及されるけど、祈りの場は自分が「神からどれだけ離れたか」を思い知る場である。神父は元犯罪者であるが、彼によって村の人>>続きを読む

ザ・ハント(2020年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

 ブラムハウス製作作品。「ブラムハウス」というだけでも期待値は上がるのですけど、本作の場合、何といっても脚本がHBOのリミデッド・シリーズ版「ウォッチメン」の脚本家であるデイモン・リンデロフであること>>続きを読む

銀魂 THE FINAL(2021年製作の映画)

4.7

 2003年から連載が始まり、2回の最終回延期の果てにようやく完結した「銀魂」。TVアニメも度重なる終わる終わる詐欺を繰り返し、終いには『完結篇』(大傑作!)が公開されても誰1人完結などとは思っていな>>続きを読む

ザ・ファイブ・ブラッズ(2020年製作の映画)

4.4

 スパイク・リーの最新作。今回はNETFLIXと組んでの作品。私は彼については『ブラック・クランズマン』がとても面白かったのでファンになりました。そんな中制作・公開された本作を見逃す手はないということ>>続きを読む

新感染半島 ファイナル・ステージ(2020年製作の映画)

4.0

前半30分は最高だった。半島から外国へ行った人間が差別されてる描写が生々しく、コロナ禍の今だと身近に感じてしまう。半島に戻ってきて、631部隊の急襲、そして大迫力のカーチェイスまではスピーディーで最高>>続きを読む

AWAKE(2019年製作の映画)

4.2

完全ノーマークだったけど、これは面白かった。人間VSAIではなくて、芯にあるのは「ヒカルの碁」みたいな、才能を持つ2人のぶつかり合い。将棋の描写も、解説や役者のリアクション、演出でしっかりと分かるよう>>続きを読む

ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

4.7

【監督強化月間⑮ デヴィッド・フィンチャー】

 『マンク』が凄かったのでフィンチャー映画を観返そう企画。

 なるほど、これは確かに『市民ケーン』。マークがずっと欲しかったのは別にあって、どれだけ成
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ゾディアック(2006年製作の映画)

4.4

【監督強化月間⑮ デヴィッド・フィンチャー】

 『マンク』が凄かったのでフィンチャー作品を観返そう企画。

 こちらは実は初見。今観ると、完全に「マインドハンター」だね(順番的には「マインドハンター
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はちどり(2018年製作の映画)

4.8

 緊急事態宣言が明けた後の映画界において、映画ファンの中で大きな話題となった本作。監督は何とこれが長篇初となるキム・ボラさん。私も本作については話題を聞いていましたので、7月にできたばかりのTOHOシ>>続きを読む

獣の棲む家(2020年製作の映画)

3.5

ホラー×移民問題。中盤で明らかになる事実には、「マジか…」ってなるし、そこから諸々分かってくる。そこまでは疑心暗鬼な感じとか、恐怖演出は良かったんだけど、イマイチ呑み込みづらかった。分かってからは彼ら>>続きを読む

市民ケーン(1941年製作の映画)

4.7

富 名声 力

この世の全てを手に入れた男、新聞王ケーン。

彼が死に際に放った一言は、アメリカ中の記者を彼の調査に駆り立てた。

「薔薇のつぼみ」

唐突に「ONE PIECE」パロをやりましたが
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愛してるって言っておくね(2020年製作の映画)

4.6

必要最小限度の情報で娘を失った両親の苦悩と再生を描く。モノクロの映像はこの両親にとって人生がもうどうしようもなく色褪せてるってことなんだと思う。そこに「色」の演出をつける。日本のアニメーションだととに>>続きを読む

ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)

3.3

ワンダーウーマン、黄金聖闘士になる。
「ありのままの現実」から目を背け、「見たいもの」しか見ても、現実は変わらないという、現代のフェイク・ニュースへの警鐘を含んだ内容。展開が忙しなかったり、話のスケー
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ジョゼと虎と魚たち(2020年製作の映画)

4.1

ジョゼのキャラデザが発表されたときから「とらドラ!」の大河かよって思ってたけど、観てみたら思ってた以上に大河だった(関係ないけど、本作にも虎は重要な要素として出てくる)。作品そのものは原作の中にあった>>続きを読む

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

4.2

序盤は自分勝手な主人公にイライラしてたし、あの世界を知ったときは、「こんなんで生きる意味が決まるとかスゲー嫌なんだが」と思ってたけど、さすがはピクサー。織り込み済だったのね。ピクサーはジョー・ラセター>>続きを読む

ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒(2019年製作の映画)

3.5

 『クボ 二本の弦の秘密』、『コララインとボタンの魔女』などの傑作で知られるスタジオライカの最新作。ライカが作り出す作品はもはや芸術なので、映像面だけでも元がとれることは明白であり、であるならば鑑賞し>>続きを読む

ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!(2020年製作の映画)

4.3

 Be excellent to each other(お互いにエクセレントであれ).

 お互いにエクセレントであることを目指し、皆が団結すれば、絶対に世界は救えるし、より良い未来にできる。ビルとテ
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私をくいとめて(2020年製作の映画)

4.4

 「お一人様」は気楽。他人に遠慮しなくていいので、傷つく心配がないし、ストレスが溜まらない。本作のみつ子はその「お一人様」ライフを謳歌している。しかし、彼女にとって「お一人様」は別の意味がある。それは>>続きを読む

佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

3.5

ラストで萩原みのりではなく佐々木をとる圧倒的ホモソ映画。これは刺さる人には刺さる。しかして俺は佐々木みたいな奴が普通に苦手なもんで一歩引いて、かなり冷めた目で観てしまった。もちろんラストの圧倒的熱量や>>続きを読む

駅馬車(1939年製作の映画)

4.5

初めて見た。全てのショットの意図が明確で、凄く観やすかった。これまで往年の映画を色々と観てきたけど、それらの映画と違うのが、画面全体に奥行きがあること。屋内のシーンもそうだし、最後の夜の決闘もそう。終>>続きを読む

ロイドの要心無用(1923年製作の映画)

4.2

「時計塔に登る」という一世一代のアクションに向かって進んでいくストーリー。アクション一点突破型のキートンとはまた違う。うだつの上がらない社員の悲喜劇をコミカルに描いていて、思った以上に笑えた。つーかこ>>続きを読む

ザ・プロム(2020年製作の映画)

3.8

校長が「なぜ演劇を見るのか」を歌うシーンが良くて、現実から逃避するためってのは俺と同じじゃん。

売名目的で慈善活動するハリウッドセレブをメリル・ストリープとニコール・キッドマンがやってて、しかもトニ
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ウルフウォーカー(2020年製作の映画)

4.5

 『ブレッドウィナー』、『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』などのアニメーション作品群で、世界トップレベルのアニメーションスタジオとなったカートゥーン・サルーン制作の作品。本作は『ブレンダンとケルズの>>続きを読む

キートンの探偵学入門/忍術キートン(1924年製作の映画)

3.8

「映画の中」がとても面白くて、映像トリックを用いた劇中劇と、終盤のキートンお得意のノースタント大アクションが最高。トム・クルーズはやはりこの系譜なんだな。現実世界でうだつの上がらない男が映画の中でしか>>続きを読む

無頼(2020年製作の映画)

4.0

井筒監督がヤクザから見た昭和史を語るということで期待していたわけだけど、確かに面白かったのは事実ながら、全体としては「ふ~ん」という感じ。世間から溢れ、アウトローとしてしか生きられなかった男の大河ドラ>>続きを読む

ヒズ・ガール・フライデー(1940年製作の映画)

4.4

 主演2人がとんでもない奴らで、ケイリー・グラントはモラハラでもうすぐ結婚する元カノに未だに執着してちょっかいかけまくるし、特ダネを手に入れるため&元カノの婚約者をはめるためにイリーガルな手を使いまく>>続きを読む

ブルータル・ジャスティス(2018年製作の映画)

4.6

普通の映画とは違う時間の使い方。ようやく強盗一味が動き出したときにはもう100分くらい経ってる。長っ。その理由は、本作では張り込みから銃のリロードまで、逐一丁寧に映すから。冒頭の踏み込み前にしたって踏>>続きを読む

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.5

全ショットが絵画のような美しさ。主演2人の背後に映る炎や波が、彼女らの心情をしっかりと表している。ラストシーンで活きてくる「癖」と、それを理解したときに生まれる圧倒的な感動は、数ある「表情エンド(命名>>続きを読む

戦艦ポチョムキン(1925年製作の映画)

4.4

 初見。オデッサの階段のシーンばかりが注目され、語られがちな本作で、もちろんそのシーンも物凄いのだけど、それ以外の何気ないシーンも素晴らしい。

 今から約100年前の映画なのだけれど、ショットごとの
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ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

4.8

【監督強化月間⑮ デヴィッド・フィンチャー】

『マンク』が凄かったのでフィンチャー映画を見返そう企画。

最初に観たときは消費社会で日々漠然と生きている私たちの心の内なる欲求と解放を謳った作品で、「
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ナポレオン(1927年製作の映画)

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観た。長いのでチャプター毎に日を分けて。ナポレオンの半生を描いた本作。ガンスのフラッシュ映像はやっぱり鮮烈だし、それ以上に凄いと思ったのは馬と並走してると思われるカメラ。あの時代にしては凄いのでは?た>>続きを読む

ランボー ラスト・ブラッド(2019年製作の映画)

3.7

 1982年に公開され、そこから約40年の間シリーズが制作され続けてきた、主演のスタローンにとって『ロッキー』と並ぶ代表作である『ランボー』シリーズ。本作は長きに渡った本シリーズの完結篇となります。正>>続きを読む

トータル・リコール 4Kデジタルリマスター(1990年製作の映画)

4.6

いやとても面白かった。夢か現実か曖昧なまま進み、二転三転する展開、そして最終的に個人のアイデンティティの話にまで持っていく結末も素晴らしく、ラストのメタ的な終わり方も含め完璧。ヴァーホーベンもやりたい>>続きを読む