ギャスさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

七人の秘書 THE MOVIE(2022年製作の映画)

2.8

シリアスと荒唐無稽の塩梅があまり好みのバランスでは無かった。

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.7

とても面白かった。
ラストの彼女の表情を見て、そしてオープニングロールの画面を思い出しつつエンドロールの画面を見比べると、心に豊かな感情が溢れて涙が滲んだ。
日頃ジェンダー的話題について触れていれば、
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劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

1.5

このレビューはネタバレを含みます


アニメ放送の時と同じ「余命」を使ったエピソードはもう要らないのでは?「余命」はそんなに何度も使ってよい話ではないような。

アニメの時からこの映画での愛について考えているが、ヴァイオレットは彼の何を
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Pearl パール(2022年製作の映画)

3.5

パールの感じる閉塞感とその中で育ってゆく彼女の狂気の混ざり具合がすごく面白かった。オーディションのシーンもその濃度にゾクゾク。

"彼女なりの論理"も意外と筋が通っていて(あくまでも彼女なりに)、何に
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Dr.コトー診療所(2022年製作の映画)

3.0

東京MERなみのこれでもかという次から次へのドラマティックなシーンを孤島で作ってはいたが、そこまで必要なのか?無理がありすぎでは?という気持ちが正直なところ。
孤島の医療を支えるシステムへの鋭く苦い指
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.5

開拓時代初期、名もなき2人の男たちの話。冒頭シーンから観客にはある問いが投げかけられる。
ライカート作品は「ミークスカットオフ」のみ観たことがあるだけだったが、あの感じを知っておいてよかった。静謐で芳
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エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

3.2

なるほどこう来たかと思わせるとても意外な展開に心の中で手を叩いてしまった。
ラストはもはやある種のすがすがしさを感じる。
ストーリーにもう少し捻りが欲しかったところもあるし、彼女が流石に10歳には見え
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劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室(2023年製作の映画)

3.1

先日あった飛行機事故を思い出す冒頭のシーンに、重傷の怪我人がいなかったとはいえ現実の乗客は映画と同じように冷静だったなと改めて感心したり。
どんなにハラハラする展開があってもきっと助かる結末しか見えず
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聖なる証(2022年製作の映画)

3.5

面白かった。"現代にも通じる"話であることを完全に言い切る演出も潔い。
誰が何を求めどう埋めようとするのか、誰が何を守ろうとし、何を犠牲にしようとするのか。それぞれがとても明らかに理解できるようになっ
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めまい(1958年製作の映画)

3.1

久々2度目。
ラストを知っているともう楽しめないタイプの映画だなと思った。昔初めて見た時は面白かったのだが。
どうにも展開がゆっくりで長く感じてしまう。そしてやはり価値観がもはや古い。
しかし、全体的
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.2


マーベルのように最後の最後におまけあり。

マリオをやり込んだこともなくマリオカートもお付き合い程度、ドンキーコングはやったことない、そんな感じの人間なのでふんわり見ていたが、ラストの盛り上がりは流
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劇場版 SPY×FAMILY CODE: White(2023年製作の映画)

3.1

やはり殺し屋とスパイと未来予知能力動物、このコンボの中心に読心能力者である子どもを設定したところにおもしろさのキモがある。
東西冷戦を背景にした情報戦のエピソード、壮大な空間での派手なアクションなど盛
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終わらない週末(2023年製作の映画)

3.3

後味は両極端が混じった感じで複雑だったが、なかなか面白かった。
そんな後味も含め、丸ごとシャマランの映画のよう。
超現実的な出来事やツッコミどころのあるオカルトぽさから始まるミステリアスな物語。
テス
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M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

3.1

最後までサクッと見られる映画。
いろいろなことが予想通りでかつ既視感があり、
見終わってからふと、何が新しかったのだろうと振り返ってみたが特に思いつかなかった。
トイソルジャーやTITANの曲が効果的
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見えざる手のある風景(2023年製作の映画)

3.3

シニカルな面白さ。
のんびりした音楽や宇宙人の造作とかゆるいし、淡々としていてハードルは低いけど、社会風刺の比喩的表現に満ちていて、ニヤッとしたりゾッとしたり。
宇宙人に対して「なーんかやだなぁこいつ
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

3.4

家族のようなAIの使用人がいる世界での人生や家族の在り方の思考実験に、東洋思想を加えた哲学的考察とも言える滋味深い映画だった。

平易な言葉と印象的な映像、少し謎解きのような要素もあり難しくはない。新
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Saltburn(2023年製作の映画)

3.3

振り返ってみるとかなり雑なところもあるシンプルなストーリーなのだが、ねっとりとした爽快感(かつ満腹感)があり面白かった。
なんといってもバリーコーガン(バリーキオガン)無双。無表情であっても、醜くも美
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ラブ・ハード(2021年製作の映画)

3.4

サクッと見られるクリスマス恋愛映画。最後まで面白かった。こういう湿っぽくない恋愛コメディ映画もたまに観たくなるジャンル。

冴えない風貌を絵に描いたような彼を応援したくなる。
脇の登場人物たちが魅力的
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獄門島(1977年製作の映画)

3.1

戦後の田舎の閉じた村の陰惨な事件シリーズの一つ。
数々の横溝正史原作を元にこの頃作られた映画は様式美のようなマンネリであり価値観も古すぎるのだが、たまに見たくなるのは何故だろう。

最近では鬼太郎の映
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ホーム・アローン(1990年製作の映画)

3.3

かなり久々の2度目?
曖昧な記憶を正すような鑑賞となったが、なかなか楽しかった。
意外と泥棒への仕掛けがエグかったり、
おうち(および近隣)は超金持ちなのだなとわかったり。
あと、あの有名な"両頬に手
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あつい胸さわぎ(2023年製作の映画)

3.3

胸という言葉、おっぱいという言葉、
そこに込められる意味や想いはなかなか複雑だ。。

難病ものとはひと味違う青春ものであり親子ものであり、恋や友情ものだった。湿っぽくなくバランスも取れていて、登場人物
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一度死んでみた(2020年製作の映画)

3.0

馬鹿馬鹿しさに振り切った映画を見ようと思って。
細かいところを拾うと楽しいかも。

いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

3.2

良質な余命もの。
余命宣告された父親が懸命に最愛の息子の里親探しをする。
あなたならどの人を選ぶのかと、こちらに問いかけるかのようにさまざまな人たちを訪問する父親。明らかに、ちょっと不適切だなと思える
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ひらいて(2021年製作の映画)

3.3

思春期の恋の衝動や焦燥、冷静なようで渦巻く奥底の何かわからないもの、
嘘をついているようでついていないようで、自分の欲しいものは何なのかも、よく見えていない。
愛を演じた山田杏奈の暗い目と仏頂面がそれ
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生きる LIVING(2022年製作の映画)

3.3

確かに地味だが、確実に自分たちの人生の意味を振り返ることになる映画。
ビルナイは長く老いた役をしてきているが、この真面目な老人の役は出色のハマり役だった。
クラシカルな音楽も美しく、風景も綺麗。

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search/#サーチ2(2023年製作の映画)

3.4

面白かった。
二転三転、いや四転五転、パソコンの前でサーチするだけで"事実"がひっくり返っていく面白さ。
「きっとこうに違いない」と思わせてくる細かいポイントや伏線も満載。

また、若者のアプリの使い
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ファミリー・スイッチ(2023年製作の映画)

3.2

気軽に観るクリスマスファミリー映画。
とにかく"流行りの"90年代を懐かしむテイスト満載で、親子それぞれの年代的にどちらも楽しめるようになっているのがポイント。
安易な入れ替わりなので、ツッコミどころ
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ビリーバーズ(2022年製作の映画)

3.1

カルト宗教ものだが少々無駄にエロに偏る描写に、そんな映画だったのか、と。
カルト宗教の実態を暴くという意気込みも特に感じられず、どういう目で見ようか迷いつつ鑑賞終了。

沈黙の艦隊(2023年製作の映画)

3.1

原作コミックを読んだことがあるが、あの長い物語をどう映画にするのか興味があった。実際には最初の数巻分であり、完全に続編ありきの突然すぎるエンディングには少し拍子抜けしたがそれはまぁ予想通り。まだまだあ>>続きを読む

オフィサー・アンド・スパイ(2019年製作の映画)

3.2

「ドレフュス事件」の史実に基づく顛末。
世界史で習った事件だが、知らないことばかりで興味深かった。
そして自分たちのメンツを守るために権力者のやることはどこも同じ。

あと、ユダヤ人差別というものが、
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ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

3.2

ちょっと疲れている時に見たせいか、全てのピリピリやイライラに強制的にどっぷりと浸らさせるワンカットが、かなりしんどくて全く面白いと思えなかった。
本当なら現実社会を煮詰めたようなこの臨場感と振り回され
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.3

大人向けだと期待し過ぎていたか、ストーリーの巧みさ壮大さなどは面白かったが、主人公のバディ2人以外のキャラがステレオタイプすぎる薄さだったことや少々安易な物語の流れなど気になる点も。
しかし水木しげる
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.3

面白かった。史実を元にしたある修道女の波乱の生涯の物語なのだが、思っていたより"活劇的"。ドラマティックかつ官能的でもあり起承転結はエンタメ感満載で、最後まで飽きさせない。
ベネデッタのバイタリティと
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グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

3.4

面白かった。しかしドラマティックな起承転結を望む人にはお勧めしない。
個人的にこのようなストイックでダークファンタジックな映画が好きなので、ただ、淡々と移り変わる美しく幻想的な絵と音楽だけでも興奮でき
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65/シックスティ・ファイブ(2023年製作の映画)

3.0

なぜアダムドライバーが出ているのか、異星人なのになぜ英語なのか、そもそもなぜこの映画を作ったのか、
そーゆーのはすっ飛ばして、何も考えずに、やたらアダムが痛がるハラハラのB級恐竜ムービーを脱出ゲームの
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ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

3.3

レイシズムのとことん胸糞な映画という評判に逆に好奇心をそそられて鑑賞。
ただ、相当覚悟したほうがいいとの言葉もあったせいか、観た後なるほどとは思ったものの、意外と普通の映画だった。
ムカムカさせるよう
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