ワンコさんの映画レビュー・感想・評価 - 16ページ目

エゴイスト(2023年製作の映画)

4.2

【曖昧な線引きと…】

僕のやっていることはエゴなのか。
僕はエゴイストなのか。

同性愛を背景にしているが、この問いかけを自分のやっていることに置き換えて考える人は多くいるのではないのだろうか。
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#マンホール(2023年製作の映画)

3.8

【一部の人は閲覧…鑑賞注意】

なりすましに、サブ垢、捨て垢、あらし、過剰な思い込み、異常な執着心、罵詈雑言、大げさ、うそ。
あと、アカウントの乗っ取りも。

ここに描かれているのはネット民の一部の連
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デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム(2022年製作の映画)

5.0

【やっぱりカッケー】

先行上映。
ブレット・モーゲンの舞台挨拶があった。

全編、デヴィッド・ボウイのナレーションで構成されていて、もともとこうしたドキュメンタリーを想定していたかのような感じさえす
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仕掛人・藤枝梅安(2023年製作の映画)

4.5

【ならでは】

良い。

僕は池波正太郎の「仕掛人・藤枝梅安」好きだ。

鬼平犯科帳は映画やドラマ、漫画にもなったし、剣客商売は、ゴルゴ13のさいとうたかおさんが漫画にしてるので、この藤枝梅安の映画化
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FALL/フォール(2022年製作の映画)

3.5

【必然性が微妙】

高いところから人が落下する映画作品で印象に残っているのはいつくかあるけれども、スタローン主演「クリフハンガー」は本当に手に汗握った覚えがある。

そして「クリフハンガー」は、俳優と
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Infiesto/インフィエスト(2023年製作の映画)

3.3

【コロナ禍で増えた終末思想や陰謀論】

大地震や津波、気象災害は終末思想や陰謀論の格好の的だと思うが、新型コロナウイルスほど世界が機能停止し、どうなってしまうのか世間を不安に陥れたことは長年なかったの
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茶飲友達(2022年製作の映画)

5.0

【交錯する波紋】

この作品の投じた石は一石ではなく複数だ。
そして、その波紋は当然のように交錯し、問題の複雑さとして表現されているように感じる。

佐藤二郎さんが自身が監督した「はるヲうるひと」につ
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「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ(2023年製作の映画)

5.0

【大スクリーンで無限城を目撃しよう】

舞台挨拶が始まった直後くらいに、幼い姉弟が、お母さんに連れられてトイレから(たぶん)帰って来た。
幼稚園児くらいのお姉ちゃんと、もう少し小さい弟だが、お母さんに
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すべてうまくいきますように(2021年製作の映画)

4.4

【もう一つの視座】

尊厳死や安楽死を扱う作品を観るとどうしても思い出すドキュメンタリーがある。

それは、NHKスペシャルが2019年に放送した、不治の病で募る苦痛と自身の身体が更に蝕まれ、動くこと
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バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)

3.7

【クリスマス・プレゼントの思い出/「ホーム・アローン」】

クリスマスと云えば、僕にも一番の思い出がある。

小学校2年生のクリスマス・イブの夜、雪が降り積もる中、サンタがうちにやって来たのだ。

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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

5.0

【暗示するもの】

「イニシェリン島の精霊」はゴールデングローブのミュージカル・コメディ部門で作品賞を獲得している。
確かに、前半は”なんだ、この人たちは!?”みたいな上から目線で笑える場面はあるが、
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西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

5.0

【「異状なし」で奪われた多くの命】

この「西部戦線異状なし」の「異状なし」とは、いつもと同じだということだが、変わらぬ悲惨な戦闘状況であるということの他に、戦線が少しも変化していない、前にも後ろにも
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ミスタームーンライト~1966 ザ・ビートルズ武道館公演 みんなで見た夢~(2023年製作の映画)

3.9

【みんなオシャレ/ヤァ、ヤァ、ヤァ】

インタビューに答える人たちはみな総じてオシャレだ。
こういう粋なところも、当時、ビートルズの音楽を広げたり、ビートルズを日本に呼んだりした人たちの、新しもの好き
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金の国 水の国(2023年製作の映画)

3.8

【安全保障】

アニメとは云え、二項対立がベースか〜!?と考えて、あまり期待せずに観たのは事実だ。

だが、対立のバカバカしさ、分かりあうためには、金の国のお城の秘密の通路みたいなものは必要ないのだと
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ルパン三世 VS キャッツ・アイ(2023年製作の映画)

3.7

【頑張ったで賞】

ジャパンプレミア

そもそも、どうなることかと思って興味津々だった。

物語としては、ルパンの国境や歴史を跨いで紡がれるストーリー、それと、そんなんだったら普通死んじゃうよねみたい
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シャドウプレイ 完全版(2018年製作の映画)

4.1

【同じだと思ったこと】

日本でも過激化する学生運動の中で恋愛感情が芽生え......という背景の小説や映画のストーリーはある。

「初恋」や「罪の声」はそうだ。

こうした運動に参加した高揚感と挫折
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エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

4.0

【ハッとさせられたこと】

日本でも過去に見られたであろうノスタルジックな田舎の風景や映画館と映画に、少し過度に期待していたかもなんて序盤は考えていたが、実はデジタルへの移行まであって、欧米や日本が長
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ブラック・クラブ(2022年製作の映画)

3.3

【閉塞感】

北欧の寒い冬に長く閉ざされる感じや、コロナ禍、ロシアが一方的に仕掛けたウクライナ戦争などが背景に感じられる作品だと思う。

映画の、どうしてこんな世界になったのかという理由が不明なのは、
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ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

4.5

【何が問題なのか/”それが問題だ”】

ニコール・キッドマン演じる王妃が、アムレートの名前を呼ぶ時に、”アムレット”と聞こえる場面があった気がしたのは、僕だけだろうか。

アムレート

アムレット
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パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女(2020年製作の映画)

4.3

【スマッシュヒットの予感】

パク・ソダムが大人になってて、まあ、当たり前なんだけど、なんか子供と大人の狭間にいるような可愛い演技もしてて良かった。

カーアクションはもちろん見どころです。

それに
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母の聖戦/市民(2021年製作の映画)

4.0

【自分たちの国のこととして置き換えて考えてみる】

Netflix配信の映画「ざわめき」でも語られているように、こうしたメキシコの誘拐ビジネスは、メキシコ政府が麻薬産業や組織を撲滅しようとして始めた取
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ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)

4.0

【もう一つの視点/論点のズレの行き着いた先】

よく構成された作品だとは思うが、実は好感度は低い。
当たり前だと思うが…。

アイヒマンの議事録をベースに、この会議を再現した作品ということだが、もし、
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ヨーヨー(1965年製作の映画)

5.0

【本当に大切なもの】

《※ 今回のピエール・エテックス・レトロスペクティブで公開されるのは、ほとんどが日本初上映とのこと。現代にも通じる…と云うより、半世紀以上も前から本質的に変わらない僕たちの社会
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大恋愛(1969年製作の映画)

4.2

【愛情とは紆余曲折を経て深めるものなのさ!】

《※ 今回のピエール・エテックス・レトロスペクティブで公開されるのは、ほとんどが日本初上映とのこと。現代にも通じる…と云うより、半世紀以上も前から本質的
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幸福な結婚記念日(1962年製作の映画)

3.8

【記念日に重要なこと】

《※ 今回のピエール・エテックス・レトロスペクティブで公開されるのは、ほとんどが日本初上映とのこと。現代にも通じる…と云うより、半世紀以上も前から本質的に変わらない僕たちの社
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女はコワイです/恋する男(1962年製作の映画)

4.2

【嗚呼、アイドル】

《※ 今回のピエール・エテックス・レトロスペクティブで公開されるのは、ほとんどが日本初上映とのこと。現代にも通じる…と云うより、半世紀以上も前から本質的に変わらない僕たちの社会を
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破局(1961年製作の映画)

3.8

【あの愛は何だったんだ…という心の叫び】

《※ 今回のピエール・エテックス・レトロスペクティブで公開されるのは、ほとんどが日本初上映とのこと。現代にも通じる…と云うより、半世紀以上も前から本質的に変
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健康でさえあれば(1966年製作の映画)

4.0

【ストレスを溜めないようにすることがストレスな生活】

《※ 今回のピエール・エテックス・レトロスペクティブで公開されるのは、ほとんどが日本初上映とのこと。現代にも通じる…と云うより、半世紀以上も前か
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絶好調(1965年製作の映画)

4.0

【ソロキャンプ】

《※ 今回のピエール・エテックス・レトロスペクティブで公開されるのは、ほとんどが日本初上映とのこと。現代にも通じる…と云うより、半世紀以上も前から本質的に変わらない僕たちの社会を、
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コペンハーゲンに山を(2020年製作の映画)

3.8

【コペンヒル】

このスキー場を備えたゴミ焼却発電施設は「コペンヒル」と呼ばれている。この接地面が人工的な素材のスキー場は季節を問わず利用可能だ。

この作品は2つのことをメッセージとして伝えようとし
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

5.0

【MIRAMAX】

MIRAMAXがというより、ワインスタインが携わってヒットした映画作品は沢山ある。

映画の途中で、スコセッシがワインスタインを嫌っているようだと話題になる場面があって、どこかほ
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モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

5.0

【自分の好きな映画を振り返る】

こうして振り返ると、モリコーネが如何に映画の内容を理解して作曲していたのか、彼の理解力や感受性の凄さを感じぜずにはいられない。

そして、映画好きな人にあっては、どん
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イチケイのカラス(2023年製作の映画)

3.9

【判決!】

この映画の公開に合わせるかのようなタイミングで、自衛隊の護衛艦が瀬戸内海で座礁した🫢

僕は、ドラマ「イチケイのカラス」が好きだ。
お気に入りの法廷・裁判官ものということに加えて、黒木華
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そして僕は途方に暮れる(2022年製作の映画)

3.8

【見慣れない服】

学生時代に付き合っていた彼女から別れを切り出されたことがある。

同棲していたわけではないが、お互いに近所に住んで、そこをしょっちゅう行き来して、一緒に住んでいるような感覚だった。
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RRR(2022年製作の映画)

5.0

【インドはこれからも頑張ります】

植民地支配や圧政への抵抗、独立は人々を鼓舞するのだと思う。

インドが、自由民主主義選挙を軸にしながらも、安易に西側の同盟や経済協定に加わらないのは、こうした過去の
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ざわめき(2022年製作の映画)

4.2

【ざわめく】

1月20日から公開になる「母の聖戦」を前に予習というわけではないが、Netflixの最新配給作品としてラインナップされていたので…。

メキシコの現状を描いた重い作品だが、多くの人に観
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