ももさんの映画レビュー・感想・評価

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蜘蛛巣城(1957年製作の映画)

3.9

「マクベス」の冗長な部分を全てそぎ落とし、主人公の葛藤に絞ってストーリーを作っているのは良い
三木の暗殺に「奥方の妊娠」という合理的な理由を与えたのもクレバー
とはいえあらゆる枝葉(特にマクダフのエピ
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

3.4

いい加減、実録映画を模倣するのはやめたらどうかね?
タランティーノみたいに独自のスタイルを確立してる監督がオールドスタイルを真似るのなら様になるけど、白石監督の模倣は凡庸さや地力の足りなさを隠すための
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FRANK ーフランクー(2014年製作の映画)

3.9

イギリス映画にもアイルランド映画にもありがちなことだが、登場人物の心情の変化をきちんと描写しないので観客が置いてけぼりにされることが多い
具体的に言うとフランクがジョンの提唱するポップ路線を受け入れる
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イルマ・ヴェップ(1996年製作の映画)

3.6

やりたいことは分かるが、演出や撮影が追いついてない
画に力がなさ過ぎる
マギー・チャンが雨に打たれるシーンを褒めてる人が多いのだが、逆に言うと「主人公をびしょ濡れにしないと観客に感銘を与えられないのか
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若おかみは小学生!(2018年製作の映画)

3.8

主人公が真摯に仕事に取り組み、両親の死を克服する過程が丁寧に描かれるのだが、じゃあ感動するかといえばそういうわけにはいかないのだ
そもそも論として、小学生が労働したり親の死を乗り越えたりする必要がある
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ピースメーカー(1997年製作の映画)

4.8

★3.2のわけなくない?
この二人の名前に惹かれて観るような昭和生まれの「映画好き」には難しすぎたということなのだろうか
阿呆は背伸びせずに「Shall we ダンス?」でも観てればいいのに……
今と
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アテナ(2022年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

暴動をモチーフとした映画は色々あるが、その中でも最高峰の作品ではないだろうか
OPも凄いが、カリムが死んだあとの一連のシークエンスが恐ろしい
カリムが憑依したが如き主人公があっという間にその場の主導権
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レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)

3.3

フィクションの未成年に腹を立てても仕方がないと思ってはいるのだが、本作のイッサだけは殴りたくてしょうがない
欲望にまかせて動物を盗み、あわや抗争を引き起こすところだったのに、警察に拘束されると当然の権
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ドンバス(2018年製作の映画)

4.5

同じく混沌とした状況を群像劇の形で描いた「ゴモラ」がふ菓子だとすると、本作は黒棒くらい中身の詰まったリッチな作品であり、映画として極めてよく出来ている
現実の異常な状況を映画的なシークエンスとして巧み
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バンデラス ウクライナの英雄(2018年製作の映画)

4.0

安っぽいプロパガンダ映画……と言ってしまえばそれまでだが、同国人が反目し合い、生活圏がすぐに戦場になってしまうという異常な状況をうまくアクション映画の枠組みに落とし込んでいて見応えがある
展開も二転三
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ジャッリカットゥ 牛の怒り(2019年製作の映画)

3.5

牛がおとなしすぎる
ゆっくり歩く牛に男たちがしがみついて懸命に「振り落とされそうになる演技」をしているのを見て、「まあ実際の牛に危険なことをさせるわけにもいかないし仕方ないか……」と思っていたのだが、
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トランスジェンダーとハリウッド: 過去、現在、そして(2020年製作の映画)

4.6

単なる「概説」ではなく、非常に濃密で、学びに富んだドキュメンタリーである
たとえばトランスの役をシスが演じることの問題点について、単に仕事を奪っているというだけではなく、より深刻な社会的影響があること
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沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

4.5

スコセッシのギャング映画は緊張感がない
「弱い奴がいきがって絞められる」「油断してる無能を不意打ちする」というような展開が多く、ワンサイドゲームが続くだけ
勝者は本気を出さないし、敗者は本気を出す間も
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エターナルズ(2021年製作の映画)

3.9

セルシの「察してちゃん」ぶりが目に余る
エターナルズであることを隠している時期に人間の恋人に同棲を持ち掛けられ、おそらく寿命のある人間と深く付き合うとあとが辛いという理由で断りたいのだが、はっきり拒絶
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グリーンバレット(2022年製作の映画)

4.7

「トップガン マーヴェリック」の三か月後に公開されたことになにか運命的なものを感じる
ベンチャー企業の社長が成功の象徴として掲げるのがU-NEXT、というようなディテールの一つ一つが極めて的確かつ批評
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「目を合わせると襲われる」とか「旗が苦手」とか、アーティスティックなメタファーとしてはうまくはまっているのだろうが、パニックホラーの宇宙人の特性として提示されると「何それ?」と思ってしまう
吸い込む・
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スリー☆ポイント(2011年製作の映画)

1.3

監督がヘラヘラ笑いながら沖縄の若者に向かって「若いうちは不良やんなきゃ駄目だぞ」と説くシーン
数年前に見たときは「中年がいきがるなよ……」としか思わなかったのだが、沖縄の不良に関するルポルタージュを読
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灼熱の魂 デジタル・リマスター版(2010年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

「ミスト」のような「負のご都合主義」の話
「オイディプス王」を下敷きにしているらしいが、古代ギリシャの神話世界ならともかく、現代のレバノンとカナダをまたいでこんな偶然が何度も起こるのは無理がある
あと
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名もなき野良犬の輪舞(2016年製作の映画)

4.5

変則的なカメラワークとか、音楽とのシンクロとか、スタイリッシュなスローモーションとか、シンボリックな構図とか、脱力系のギャグとか、ガイ・リッチーがエッジィな作家としてのアリバイ作りのために惰性でやって>>続きを読む

トップガン(1986年製作の映画)

4.0

秘宝界隈が「MV風映画」の元祖と呼んでいる映画
団塊~バブル世代の映画人はこの映画に対して「白人のイケメン集めて大金かけてMV風に撮りさえすれば大ヒットするのかよ! ズルい!」みたいなことを思っていて
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.4

この映画において、最も重要なポイントはどこか、阪本順治や崔洋一に質問したら何と答えるだろうか
おそらく「主人公とルースターの絆……?」みたいなことをボソボソ答えたあと、「金があれば俺だって……」みたい
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第三の男(1949年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

グレアム・グリーンは「情事の終わり」と「ヒューマン・ファクター」だけ読んだのだが、ひたすら地味で辛気臭いだけで何の収穫もなかったので、自分の中ではクソ作家ということになっている
グリーン原作のこの映画
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ジェントルメン(2019年製作の映画)

2.8

中年の説教・ゼノフォビア・反知性主義という、この世で最も汚らわしいものを寄せ集めたグロ映画
こういう心根の人間をステイサムに近付けてはならない
接近禁止命令を出すべき

ウィズアウト・リモース(2021年製作の映画)

4.3

ソッリマの演出はメリハリがない
全ての打撃や銃撃に優先度の差が無く、重要かどうかわからないアクションがだらだら続いていつの間にか敵が死んでいる、そういう撮り方
シェリダンの頑張りのおかげで面白く仕上が
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グレイマン(2022年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

原作シリーズが好きなので、映画化してくれただけで高評価を付けたい
その上でやはり原作に忠実(敵はローラン・グループ、女性の相棒は無し)に映画化した方がよかったと思う 改変が有効に機能しているとは言い難
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マルケータ・ラザロヴァー(1967年製作の映画)

3.7

一言で言うと「レイプから始まる恋もある」みたいな話
ヒロインも監督もそういう愛があると信じているわけだが、現代の我々からすると「ストックホルム症候群ですよね……」と思ってしまう
映像や演出は頑張ってい
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