ごまだんごさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

4.1

観客へ生き方を問いかけてくる映画。無数の生き方がある現代では自分の現状に満足できている人って少ないんじゃないか。そんな人々にとって劇薬になりえると思う。
あるきっかけによって人生が大きく変わってしまう
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シェルブールの雨傘(1963年製作の映画)

3.6

前編、全セリフがミュージカル。唯一無二で不思議な世界観。映画というよりも演劇を見ている気分になった。
男子と女子の恋愛観の違い。女性は実を固めるため、男は寂しさを埋めるために相手を選ぶ。ささいなすれ違
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CURE キュア(1997年製作の映画)

4.7

へレディタリーや殺人の追憶。様々な名作に通ずるエッセンスを本作から感じた。海外でも人気な作品だから、きっと様々な監督へ影響を与えたのだろうな。
とにかく重くて暗い。死が伝染するというモチーフは貞子を思
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ひなぎく(1966年製作の映画)

4.5

人生って自由に生きるべきだけど、難しいよなと思わせてくれる作品。
とにかく身勝手で滅茶苦茶な二人のマリエが主人公。男を騙してタダ飯を食らい、家の中で火を放ち、牛乳風呂に入る。誰もが一度思い浮かべるよう
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ワンス・アポン・ア・スタジオ 100年の思い出(2023年製作の映画)

4.8

ずるい。こんなの最高に決まってるじゃないか。
子供のころから慣れ親しんだキャラクター達が登場するたびに涙腺が崩壊する。自分は本当にディズニーアニメーションが大好きで、今までの人生を形作ってくれた大切な
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チャーリーズ・エンジェル(2000年製作の映画)

3.0

女性らしさを存分に使って戦う女性探偵アクションもの。今の時代だと非難されそうな設定だが、個人的には好きである。第三者視点から見るハニトラに引っかかる男は滑稽で面白い。
最高に豪華なキャスティングで、好
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ヤンヤン 夏の想い出(2000年製作の映画)

4.7

本作を見てから結構時間が経つのだが、日々のふとした瞬間に映画の光景を思い出す。とにかく美しい作品だった。舞台が日本と同じアジアの台湾ということもあり(日本も出てくる)、どこかで見たことのあるような街並>>続きを読む

ミッキーマウス!クリスマス&ハロウィーンスペシャル(2018年製作の映画)

4.5

ディズニーの本気。小さな子供は鑑賞注意。
アニメシリーズ「ミッキーマウス!」は初期ディズニーらしい毒っ気のあるブラックコメディに溢れた大好きな作品。本作はこのシリーズの特別編的な立ち位置。ハロウィンと
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縞模様のパジャマの少年(2008年製作の映画)

3.7

見たことを後悔するレベルの胸糞悪さ。物語の早い段階で事の顛末が予測できてしまうのが本当に辛いし恐ろしい。戦争が如何に残酷で、無慈悲なものだったのかを犇々と感じる。
本作は胸糞映画として有名な作品だが、
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殺人の追憶(2003年製作の映画)

4.3

陰気臭さ、重苦しさがこれまでもかと溢れている作品。暗く冷たい空気が漂う警察署、殺風景で閉鎖的な田舎町、こちらまで匂いが漂ってきそうな生々しい死体。これぞ韓国映画の真骨頂。
警官のあまりにもずざんで乱暴
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静かなる叫び(2009年製作の映画)

4.0

ドゥニ・ヴィルヌーヴが描く実際に起こった衝撃の銃撃事件。白黒映像で淡々と恐怖映像を綴りながら、計算し尽くされた映像と惹き付けられる物語展開を入れ込んでいるのは見事。
加害者、被害者、傍観者の3視点から
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サクリファイス(1986年製作の映画)

4.6

タルコフスキーが世紀末を描くとこうなるのか。静かな場面が続く映画ではあるが、登場人物達の心理状態を丁寧に描いており、極限状態に陥った人間がどうなるかを見せてくれ、退屈しない。
現実に打ちのめされ狂う女
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ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

4.0

小説のように登場人物の言動全てを台詞で説明しながら物語が進行する。何故かと言うと、本作で描いているのは本の内容だから。この、印刷物を映像にするという試みは監督の過去作「フレンチ・ディスパッチ」でもみら>>続きを読む

ストーカー(1979年製作の映画)

5.0

序盤から最後まで圧倒されっぱなし。退廃的な世界観で、美しい自然と無機質な人工物が混ざり合った幻想的な映像が続く。工場地帯や汚水すらも美しく映してしまう監督の手腕にただただ驚かされる。
人の内面をえぐる
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ロッキー(1976年製作の映画)

4.5

想像していたよりも丁寧にキャラクターの関係性を描いており、ピュアなラブロマンス要素などとにかく良さに溢れた上質な人間ドラマだった。最後の試合は、戦うという事において本当に大切なことは何かを教えてくれる>>続きを読む

ホーンテッドマンション(2023年製作の映画)

3.5

「ホーンテッドマンション」というアトラクションを映画化した作品としては素晴らしい。ひとつの映画として面白いかと言われればそんな事は無い。ストーリーは大分置きに行ったなという印象で普通だった。
アトラク
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マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

4.0

ほかの映画には無い独特な空気とテンポがあった。内容はよく分からないのに、画面から目が離せない不思議。後半になるにつれて物語が複雑になり、どんどん訳が分からなくなる。最後に明かされる真実に感心しつつ、分>>続きを読む

黄色い老犬(1957年製作の映画)

3.6

隠れたディズニーの名作。今の時代では到底考えられない程多種多様な動物たちが登場し、様々な演技をする。クマと戦う犬なんてどうトレーニングしたのだろうか。ディズニーの古い実写映画には、妙に演技の上手い動物>>続きを読む

恐怖の報酬 オリジナル完全版(1977年製作の映画)

4.2

前半の退屈さとは裏腹に、後半の面白さが驚異的。手に汗握る展開に、心の奥底から恐怖を感じる吊り橋のシーン。これを“本物”で“本当”に撮影してるというのだから意味が分からない。過去に生きた映画人による作品>>続きを読む

(1974年製作の映画)

4.4

タルコフスキーは何気ない日常風景を美しく映し出す天才だと思う。登場するのは全く知らない場所なのに、何故か懐かしい。帰りたくなる。それは、光や暗闇、炎。誰もが見た事のある普遍的なものを実際に「肉眼」で見>>続きを読む

ノスタルジア(1983年製作の映画)

4.8

映像がドン引きレベルで美しい。トスカーナの澄み渡った空気がこちらまで伝わってきた。今まで見た映画の中で最もローテンポな映画だと思う。淡々と、ゆっくりと話が進んでいく。BGMは基本環境音のみ。水のせせら>>続きを読む

リアリティのダンス(2013年製作の映画)

4.2

アレハンドロ・ホドロフスキーの幼少期を描いた自伝的作品。ストーリーの作りは「君たちはどう生きるか」に近かったりする。年老いた自分と若い自分の対話。過去と向き合い未来へ進む。
アレハンドロ少年の暮らしが
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8 1/2(1963年製作の映画)

4.3

内容は殆ど理解できなかったが、不思議と最後まで飽きずに鑑賞できた。内容を追えなくても楽しめる映像美とセリフ回し、演技。映画とは色々な要素が混ざりあって作られた芸術作品なのだと改めて思った。
とはいえ、
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(2021年製作の映画)

3.6

とにかく不気味。本物の呪いのビデオに見える。こんな作品を狙って作っているという事実にまず感動する。
序盤。キャラクターのビジュアルは恐ろしいのだけれど、行動がどこかキュートでコミカルなので見ているうち
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オオカミの家(2018年製作の映画)

4.8

超超超絶映像技術。延々変化し続けるキャラクターと家のデザインは眺めているとめまいがしてくる。アイデアとインスピレーションの宝庫。目が離せない。最狂のストップモーションアニメだと思う。
ぐちゃぐちゃな世
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ロブスター(2015年製作の映画)

4.0

「45日間でパートナーを見つけなければ、事前に指定した動物にされてしまう」という意味不明な世界での話。
皆動物に変えられたくないからと、様々な方法で相手に好かれようと努力する。その姿が滑稽で面白い。生
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ミラキュラス レディバグ&シャノワール: ザ・ムービー(2023年製作の映画)

3.7

アニメ版は軽くしか知らないんだけど、映画は独立した作品とのことで鑑賞。
レディバグとシャノワールの、お互いを愛しているけれど、愛しているのがヒーローの姿か普段の姿なのかですれ違いが起こっているという、
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徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑(1976年製作の映画)

4.3

凄すぎる。多数存在する拷問方法の紹介動画のような映画。
一度の映画でこれまで様々な方法で人が死ぬ映画を見たことがない。正直、この前に見た「ファニーゲーム」が比較にならないくらい残酷で胸糞悪い。CGも何
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ファニーゲーム(1997年製作の映画)

4.6

参加型のいじめ傍観映画。
本作を見ると、残酷な映画を見て楽しんでいる自分って虐めに加担している人間と変わりないのではないだろうかと思う。視聴中に油断しているとキャラクターがこちらに話しかけてきて、本格
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スウィート17モンスター(2016年製作の映画)

4.3

主人公の捻くれ具合が痛すぎるんだけど、その痛さも理解ができてしまい、共感性羞恥が凄い。
主人公の話し方や周囲との関わり方、身振りや行動。全てが本物のティーンエイジャーにしか見えない。演じたヘイリー・ス
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南海漂流/スイスファミリーロビンソン(1960年製作の映画)

2.7

いろんな意味で時代を感じるすげえ作品。CGでどんな動物も表現する今のDisneyはこの頃を振り返り、どんなことを思うのだろうか。
「ROAR」程ではないが、見ているだけで冷や汗をかくほどにハラハラする
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カールじいさんのデート(2023年製作の映画)

3.2

正直いらない作品じゃないかとも思ったが、現代の価値観で考えると彼の新しい人生を見つける展開はまあアリだったのかなとは思う。
ラストがあのカットで終わってくれて良かった。あれ以上物語が進んでいたら、私は
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マイ・エレメント(2023年製作の映画)

4.4

とにかく映像の凄さ。これに圧倒されてしまう。常に変化し続けるウェイドの体やエンバーのうねる炎。今年鑑賞した映画の中でダントツで良い映像だった。
物語ってキャラクターが命だと思うんだけど、そういう意味で
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僕と頭の中の落書きたち(2020年製作の映画)

4.3

統合失調症と判断された主人公が、周囲の人間や自分自身の病気との関わり合いに悩む姿を描く。
どんな人間にも、誰にも話せない自分の嫌いな一面があるものだと思うし、これを伝える事、周りの人間に助けを求めるこ
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ハックフィンの大冒険(1993年製作の映画)

3.5

自由を追い求め、逃げ出した黒人奴隷男性とハックフィン少年が冒険に出る物語。
原作者が同じ「トムソーヤの大冒険」と比べても大人向けな雰囲気が漂う。めっちゃ人死ぬし、セリフの節々から黒人差別が当たり前だっ
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トム・ソーヤーの大冒険(1995年製作の映画)

3.5

原作が偉大な小説なので、普通に面白い。
「大冒険」と邦題に付いているせいでどこか旅に出るのかなと思うが、基本的には一つの村の中で話が完結する。でも物語は結構ハードで、怖い殺人鬼は登場するし、ちゃんと人
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